「奈美さん!
待った、待った。
そんなにしたら、出てしまいますって」
ご主人の両手が、奈美の肩を押さえた。
奈美は挿出を止め、名残を惜しむように陰茎を扱きあげた。
陰茎は濡れ光り、茹で立てのソーセージのごとく湯気をあげていた。
「パンツ、下ろしてください」
奈美は、ご主人のトランクスに両手を掛けた。
前開きの穴から突き出た陰茎はそのままに、布地を引き下ろす。
前に倒れて布地を抜けた陰茎が跳ねあがり、ご主人の腹で小さな肉音を立てた。
太腿を過ぎたトランクスは、足元に自然落下した。
ご主人は、器用に足裏で踏みつけながらトランクスを足先から抜いた。
ひょっとしたら、毎日こうして脱いでいるのではないか。
「サンダル、取り替えてください。
靴下、脱ぎますから」
奈美は、ご主人のサンダルを履いていたのだ。
さっきまで手に履いていた婦人もののサンダルは、コンクリートに転がっていた。
奈美はその赤いサンダルを足元に揃え、足を移した。
それまで履いていたサンダルの向きを変え、ご主人の足元に送る。
「ありがとう。
ちょっと肩を借りていいですか」
ご主人は片手を奈美の肩に置くと、片脚をあげた。
靴下を裏返しながら抜き取り、足はサンダルに戻した。
ちらりと見えた靴下の足裏には、確かに穴が空いていた。
もう一方の足も、サンダルに移った。
「さて、それじゃ、あなたの最後の一枚だ。
立ってもらえます?」
奈美は、ガーデンチェアから起ちあがった。
上半身は素っ裸、腰にミニスカートが引っかかっているだけの姿だ。
それも、ただのミニではない。
マイクロミニだ。
少し屈めば、お尻が見えてしまうほどの。
待った、待った。
そんなにしたら、出てしまいますって」
ご主人の両手が、奈美の肩を押さえた。
奈美は挿出を止め、名残を惜しむように陰茎を扱きあげた。
陰茎は濡れ光り、茹で立てのソーセージのごとく湯気をあげていた。
「パンツ、下ろしてください」
奈美は、ご主人のトランクスに両手を掛けた。
前開きの穴から突き出た陰茎はそのままに、布地を引き下ろす。
前に倒れて布地を抜けた陰茎が跳ねあがり、ご主人の腹で小さな肉音を立てた。
太腿を過ぎたトランクスは、足元に自然落下した。
ご主人は、器用に足裏で踏みつけながらトランクスを足先から抜いた。
ひょっとしたら、毎日こうして脱いでいるのではないか。
「サンダル、取り替えてください。
靴下、脱ぎますから」
奈美は、ご主人のサンダルを履いていたのだ。
さっきまで手に履いていた婦人もののサンダルは、コンクリートに転がっていた。
奈美はその赤いサンダルを足元に揃え、足を移した。
それまで履いていたサンダルの向きを変え、ご主人の足元に送る。
「ありがとう。
ちょっと肩を借りていいですか」
ご主人は片手を奈美の肩に置くと、片脚をあげた。
靴下を裏返しながら抜き取り、足はサンダルに戻した。
ちらりと見えた靴下の足裏には、確かに穴が空いていた。
もう一方の足も、サンダルに移った。
「さて、それじゃ、あなたの最後の一枚だ。
立ってもらえます?」
奈美は、ガーデンチェアから起ちあがった。
上半身は素っ裸、腰にミニスカートが引っかかっているだけの姿だ。
それも、ただのミニではない。
マイクロミニだ。
少し屈めば、お尻が見えてしまうほどの。
「最後の一枚は……。
奈美さん、あなたが脱がしてくれますか?」
ご主人は、奈美の前に腰を突きつけた。
奈美の手は、トランクスではなく、そそり立つ陰茎に伸びた。
熱かった。
ほんとうに、人間とはままならないものだ。
奈美の夫の陰茎は、もう勃つことはない。
しかし、妻を亡くしたこの人の陰茎は、高々と天を突いている。
それなら……。
EDの夫を持つ女と、寡夫の男がこういう関係になるのは、自然なことだったのではないか。
ブロックの凹凸が引き合うように、おのずから収まったのだ。
奈美は、ご主人の顔を見上げた。
黒縁メガネのレンズが見下ろしていた。
夫と別れて、この対岸の家に住む日が、ひょっとしたら来るのではないか。
長く暮らしたマンションを、このベランダから眺める日々が。
一本の道に思われていた人生だったが……。
前方に、無数の別れ道が広がっているのが見えた。
「奈美さん?
どうしました?」
「奥さま、お気の毒です」
「どうしたんです、今ごろ?」
「申し訳なくて」
「だから……。
あなたは、陽子が遣わしてくれたんですって。
こうなったのは、妻の導きです。
どうです?
本気で考えませんか?
この家でわたしと、陽子の位牌を守りながら暮らす日々を」
考えていたことと同じことを言われ、少しうろたえた。
その申し出に、今応えることはできない。
奈美は咄嗟に、自らの口が応答できない状況を作った。
ご主人の陰茎を咥えたのだ。
フランクフルトソーセージを頬張ったようだった。
あれは、侑人がまだ小学生のころだった。
家族3人で、近隣のアウトレットモールに遊びに行った。
そこに出ていた屋台で、フランクフルトの串を買って食べたのだ。
そんな楽しい日々もあった家族だった。
奈美は、頭に浮かんだ夫と侑人の笑顔を振り切るために、眼下のフランクフルトを激しく挿出した。
ボブの髪が跳ね踊った。
奈美さん、あなたが脱がしてくれますか?」
ご主人は、奈美の前に腰を突きつけた。
奈美の手は、トランクスではなく、そそり立つ陰茎に伸びた。
熱かった。
ほんとうに、人間とはままならないものだ。
奈美の夫の陰茎は、もう勃つことはない。
しかし、妻を亡くしたこの人の陰茎は、高々と天を突いている。
それなら……。
EDの夫を持つ女と、寡夫の男がこういう関係になるのは、自然なことだったのではないか。
ブロックの凹凸が引き合うように、おのずから収まったのだ。
奈美は、ご主人の顔を見上げた。
黒縁メガネのレンズが見下ろしていた。
夫と別れて、この対岸の家に住む日が、ひょっとしたら来るのではないか。
長く暮らしたマンションを、このベランダから眺める日々が。
一本の道に思われていた人生だったが……。
前方に、無数の別れ道が広がっているのが見えた。
「奈美さん?
どうしました?」
「奥さま、お気の毒です」
「どうしたんです、今ごろ?」
「申し訳なくて」
「だから……。
あなたは、陽子が遣わしてくれたんですって。
こうなったのは、妻の導きです。
どうです?
本気で考えませんか?
この家でわたしと、陽子の位牌を守りながら暮らす日々を」
考えていたことと同じことを言われ、少しうろたえた。
その申し出に、今応えることはできない。
奈美は咄嗟に、自らの口が応答できない状況を作った。
ご主人の陰茎を咥えたのだ。
フランクフルトソーセージを頬張ったようだった。
あれは、侑人がまだ小学生のころだった。
家族3人で、近隣のアウトレットモールに遊びに行った。
そこに出ていた屋台で、フランクフルトの串を買って食べたのだ。
そんな楽しい日々もあった家族だった。
奈美は、頭に浮かんだ夫と侑人の笑顔を振り切るために、眼下のフランクフルトを激しく挿出した。
ボブの髪が跳ね踊った。