侑人が身を起こし、絵里子の傍らに歩み寄った。
呆れたことに、もう陰茎を勃起させていた。
「おやおや。
もう勃っちゃったのかい。
あたしの使う?」
「美咲がいい」
「はっきり言うね。
腹立ってきた」
絵里子が身を起こした。
「ほら、香織、起きなって。
また窒息したいの?」
絵里子が片脚を上げ、踏み下ろした。
おそらく足裏を、香織の顔に載せたのだろう。
「うぐっ」
うめき声と共に、絵里子の脚が揺れた。
香織の顔が動いたようだ。
「今日は何回寝たんだい、香織。
まだ寝ぼけてるみたいだね。
はっきり目を覚まさせてやるよ。
美咲ちゃんがね、おしっこしたいんだって。
このまましてもらうから、頭からたっぷりと浴びな」
「え、絵里子さん……」
香織のしゃがれ声が聞こえた。
「なんだい」
「あたしも出そうです」
「そうかい。
そんなら、このまましちゃいな」
「そんな……。
美咲さんの家、汚したくないす」
「1人分も2人分も、たいして変わりないさ」
「絵里子さん」
美咲はたまらず声をあげた。
「どうか、ほんとにもう終わりにして下さい。
完全に、一線を越えてしまってます」
「別の地平が見えただろ。
いい体験だ。
だから、おしっこしたら終わりにしてやるよ。
旦那が帰るまでに、掃除の時間が必要だろうからね。
ほら、早くしないと、臭いうちに旦那が帰って来ちまうよ」
美咲は顔を歪めて泣いた。
赤ん坊のように号泣した。
「うるさい女だ」
絵里子は癇立った声を投げると、美咲の傍らに足音高く歩み寄った。
呆れたことに、もう陰茎を勃起させていた。
「おやおや。
もう勃っちゃったのかい。
あたしの使う?」
「美咲がいい」
「はっきり言うね。
腹立ってきた」
絵里子が身を起こした。
「ほら、香織、起きなって。
また窒息したいの?」
絵里子が片脚を上げ、踏み下ろした。
おそらく足裏を、香織の顔に載せたのだろう。
「うぐっ」
うめき声と共に、絵里子の脚が揺れた。
香織の顔が動いたようだ。
「今日は何回寝たんだい、香織。
まだ寝ぼけてるみたいだね。
はっきり目を覚まさせてやるよ。
美咲ちゃんがね、おしっこしたいんだって。
このまましてもらうから、頭からたっぷりと浴びな」
「え、絵里子さん……」
香織のしゃがれ声が聞こえた。
「なんだい」
「あたしも出そうです」
「そうかい。
そんなら、このまましちゃいな」
「そんな……。
美咲さんの家、汚したくないす」
「1人分も2人分も、たいして変わりないさ」
「絵里子さん」
美咲はたまらず声をあげた。
「どうか、ほんとにもう終わりにして下さい。
完全に、一線を越えてしまってます」
「別の地平が見えただろ。
いい体験だ。
だから、おしっこしたら終わりにしてやるよ。
旦那が帰るまでに、掃除の時間が必要だろうからね。
ほら、早くしないと、臭いうちに旦那が帰って来ちまうよ」
美咲は顔を歪めて泣いた。
赤ん坊のように号泣した。
「うるさい女だ」
絵里子は癇立った声を投げると、美咲の傍らに足音高く歩み寄った。
■
窓の向こうを鳥の翳が過ぎっていった。
2羽、3羽。
自由に飛び回る姿が、妬ましいほど羨ましかった。
美咲には、拘束から逃れたい切実な理由が生じていたのだ。
「もう、陽が傾いてきたよ。
楽しい時間って、あっという間に過ぎちゃうもんだね」
絵里子が、缶ビールを煽りながら戻ってきた。
「絵里子さん……。
お願い、ロープを解いて」
「まだ時間はあるだろ。
侑くんに聞いたよ。
旦那はコンペなんだって?
この時間、まだゴルフ場なんじゃないの?
それから表彰式の飲み会じゃ、とうぶん帰って来ないさ。
それとも……。
誰か来る予定でもあるの?」
美咲は、首を振ってしまってから後悔した。
来客があると言えば良かった。
「あの……」
「何だよ」
「お手洗いに行きたいの」
「行って来な」
「だから……。
このロープを解いて下さい」
絵里子の顔に、意地の悪い笑みが浮かんだ。
「それは、出来ない算段だ。
そこでしちゃいな」
「そんな!」
「大丈夫だよ。
このマンションのフローリングは、無垢材じゃないからね。
ここは、ワックスもかけてあるみたいだし。
水拭きすれば、簡単に綺麗になるさ。
台所に、水モップがあったじゃない」
「嫌です。
お願いだから、お手洗いに行かせて。
戻ったら、また縛られてもいいですから」
「そんな口車に乗るかい。
でも、だいぶ切羽詰まってるようだね。
面白いショーが見れそうだ。
わたしひとりで楽しんだんじゃ、申し訳ない。
観客を起こさなきゃ。
侑くん、朝だよ」
絵里子は、片足の裏を侑人の胸に載せ、左右に揺すった。
続いて、缶ビールを煽った頬を膨らませたまま、床にしゃがみこむ。
口からビールを噴き出した。
香織の顔にかけたのだろう。
「起きな。
ショーの開演時間だ」
窓の向こうを鳥の翳が過ぎっていった。
2羽、3羽。
自由に飛び回る姿が、妬ましいほど羨ましかった。
美咲には、拘束から逃れたい切実な理由が生じていたのだ。
「もう、陽が傾いてきたよ。
楽しい時間って、あっという間に過ぎちゃうもんだね」
絵里子が、缶ビールを煽りながら戻ってきた。
「絵里子さん……。
お願い、ロープを解いて」
「まだ時間はあるだろ。
侑くんに聞いたよ。
旦那はコンペなんだって?
この時間、まだゴルフ場なんじゃないの?
それから表彰式の飲み会じゃ、とうぶん帰って来ないさ。
それとも……。
誰か来る予定でもあるの?」
美咲は、首を振ってしまってから後悔した。
来客があると言えば良かった。
「あの……」
「何だよ」
「お手洗いに行きたいの」
「行って来な」
「だから……。
このロープを解いて下さい」
絵里子の顔に、意地の悪い笑みが浮かんだ。
「それは、出来ない算段だ。
そこでしちゃいな」
「そんな!」
「大丈夫だよ。
このマンションのフローリングは、無垢材じゃないからね。
ここは、ワックスもかけてあるみたいだし。
水拭きすれば、簡単に綺麗になるさ。
台所に、水モップがあったじゃない」
「嫌です。
お願いだから、お手洗いに行かせて。
戻ったら、また縛られてもいいですから」
「そんな口車に乗るかい。
でも、だいぶ切羽詰まってるようだね。
面白いショーが見れそうだ。
わたしひとりで楽しんだんじゃ、申し訳ない。
観客を起こさなきゃ。
侑くん、朝だよ」
絵里子は、片足の裏を侑人の胸に載せ、左右に揺すった。
続いて、缶ビールを煽った頬を膨らませたまま、床にしゃがみこむ。
口からビールを噴き出した。
香織の顔にかけたのだろう。
「起きな。
ショーの開演時間だ」