み「新撰組の旗って、赤なの?
浅葱色じゃなかった?」
ハ「今、調べたるわ」
み「“気が利いてよな”。
今の、わかる?」
ハ「何がや?」
み「ペヤングソース焼きそばの昔のCM」
ハ「知らんがな。
いらんこと言わいでええわ。
えーっとな。
赤で正解やな。
“赤心(せきしん)”ちゅう言葉があってな。
“まごころ”“まこと”の意味や。
“誠”の文字には、赤が相応しいっちゅうこっちゃ」
み「ふーん。
でも、この赤い旗に浅葱色の隊服。
格好良かったろうね。
特に、土方歳三」
ハ「かなりの洒落もんやったらしいで」
み「あの隊服の袖のギザギザ模様って……。
土方の考案らしいよ。
確か、歌舞伎の衣装のデザインから採ったんじゃなかったかな」
ハ「ほー、どれどれ。
なるほど。
『仮名手本忠臣蔵』の衣装やな。
歌舞伎は黒やったが……。
それを浅黄色にしたわけや」
み「爽やかな色だよね。
センスいいわ」
ハ「爽やかやから選んだわけやないみたいやで」
み「どういうこと?」
ハ「武士が切腹するときに……。
浅葱色の裃を着けたんや。
忠臣蔵の四十七士も……。
それを着けて切腹した。
つまり、常に死ぬ覚悟を持ってるちゅう意味の……。
浅葱色や」
み「あー、やだやだ。
幕末に生まれなくて、ほんとに良かったよ」
み「鉄砲伝来は、以後四散(いごしさ)するだから……。
1543年でしょ。
江戸時代前にあったわけだ。
でも、どうして江戸時代の武士は……。
鉄砲じゃなくて、剣術の稽古ばっかりしてたのかね?」
ハ「調べればわかるんやろうけどな。
いちいち、こないに時間食ってて大丈夫なんか?」
み「そうだった!
番組を進めねば」
み「弓か。
弓道部、格好よかったよね。
それに、相手のいない武術だから……。
怖い思いをしなくて済むし」
ハ「入れば良かったやないか?」
み「弓って、組み立て式じゃないんでしょ?
あの弓を持って、満員電車に乗れって言うわけ?」
ハ「弓は、部の備え付けやないんか?」
み「そうなの?
マイ弓じゃないんだ。
そんなら、運ばなくていいよね。
でも、弓道部は無理でした」
ハ「何でや?」
み「うちの高校に、弓道部がなかったから」
ハ「なんやそれ!」
み「これは、槍か?」
ハ「なかったんか、槍部?」
み「あるかい、そんな部!」
み「これは、一番いい役なんじゃない?
危険も少ないし。
当たれば面白いし。
ぜったい、この係に立候補したい」
ハ「立候補制のわけあるかい」
み「あの梁!
ははは。
階段の上のところが黒ずんでる!」
ハ「そうとうな人数、頭ぶつけとるな」
み「『頭上注意』の貼り紙見て……。
頭上げたときぶつけるんじゃない」
ハ「罠やがな」
み「やっぱ……。
人間、肉食べないとダメだよ。
しかし、千利休って、180㎝だったんでしょ。
今の時代だったら、194㎝くらいに相当するんじゃない?
侘び寂びとはほど遠い体型。
たぶん、自分の巨躯にコンプレックスがあったはず。
だから、茶室の躙り口なんて考案したんだよ。
しゃがんだまま入って、ずーっと座ってれば……。
立たなくていいから」
ハ「座っとっても……。
デカいんは隠せへんと思うがな」
み「ひょっとしたら、異常に脚が長かったのかも。
座高なら、ほかの人と変わらなかったんじゃない?」
ハ「そないな長い脚、畳んだら……。
キャタピラーやがな」
み「こうして見ると……。
会津が盆地だってのがよくわかるよね」
ハ「まさしくやな」
み「四方を山に囲まれてると……。
安心感がある気がする。
少なくとも、津波は来ない」
ハ「当たり前やがな」
み「これで雪が降らなきゃ……。
住んでみたいんだけど」
ん?
あれ、何だろ?
ピラミッドみたいなのが見えるけど」
ハ「どこや?」
み「ほら、あそこ」
ハ「ほー。
なるほど。
で、調べるんやな?」
み「森田検索、出動じゃ」
ハ「いらんこと言わいでええわ。
えーっとな。
あの方向やと……。
どうやら、鶴ヶ城体育館らしいな」
み「なんだ。
宗教施設かと思った」
み「お、飯盛山だ」
み「どれが飯盛山?」
ハ「真正面やな」
ハ「ほれ、ポールが建っとるやろ。
その向こうのこんもりした山が……。
飯盛山や」
み「あのポールって……。
そういう意味で建てられてるの?」
ハ「ちゃうんやないか。
えーっとな。
ふむふむ。
どうやら、NHK福島放送局の……。
会津若松ラジオ中継放送所らしいな」
み「じゃ、偶然……。
一直線上にあったってことか」
実は、飯盛山から鶴ヶ城を見たときも……。
確かにこのポールが、お城の真ん前に建ってたんです。
↓ま、気づかなくて当然ですが。
み「しかし、ほんとにいい季節だよね。
1年中、5月だといいのに」
ハ「5月バカになるで」
み「それは、4月バカでしょ!」
み「そこそこ都会だし……。
こんくらいの町が、一番暮らしやすいんじゃないの。
雪が降らなければだけど」
ハ「よっぽど、雪が憎いようやな」
み「昔の家はさ……。
先祖から子孫に、綿々とつながれて来たわけじゃない。
だから、家には必ず若手がいたんだよ。
なので、雪下ろしも出来た。
ところが、今はどうよ?
若手はみんな、家を離れて行って……。
残されたのは老人ばかり。
雪下ろしなんて、出来なくなって当然よ。
これからの雪国では……。
どんどん、廃村が増えるんじゃないかな。
でも、それでいいんだと思う。
どんどん人口が減ってるんだから……。
雪の降らないところに、みんな集まって暮らせばいいのよ」
ハ「ま、行政サービスの効率やら考えれば……。
その方がええんやろうけどな。
難しい思うで」
ここからまた城内の写真に変わります。
撮影が出来るところで撮ったはずですが……。
今となっては、記憶が皆無です。
自分を信じて、そのまま載せることにします。
み「これは、『八重の桜』の衣装だな。
この服装って、季節に関係なしなのかな?
あの八重の格好じゃ、冬は耐えられないと思うよ」
ハ「冬は、綿入れくらい羽織ったんちゃうか。
会津戦争は、夏やったからな」
み「この『飲食禁止』の貼り紙に……。
『注意』は必要かね?
むしろ、赤字で大きく『飲食禁止!』だけの方が良くない?」
ハ「そないなとこまで、世話焼かいでええがな」