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身を隠す猶予はなかった。
入って来たのは、少年だった。
ゴミ袋も何も持っていない。
扉から一歩踏みこんだところで、立ちすくんでいた。
無理もない。
目の前で、裸の女が3人、前衛芸術のオブジェのように絡み合っているのだ。
少年は凝固していたが、次第にその顔が歪み……。
ムンクの「叫び」さながらの表情に変じた。
たたらを踏んで後ずさる。
まずい。
扉の外に出られたら、追いかけられない。
絵里子は全裸なのだ。
絵里子は、美咲の後ろから身を躍らせた。
少年に向かって突進する。
少年の顔は、驚愕から恐怖に変わった。
少年は身を翻し、ドアノブに手を掛けた。
絵里子は、大猿のごとくその背中に襲いかかる。
伸ばした手が、少年の後ろ襟に届いた。
思い切り引っ張り寄せる。
ボタンが弾け飛び、視界の端に消えた。
少年の手が、ドアノブから剥がれた。
後ろから抱きかかえる。
少年は、バッタのように暴れた。
しかし、絵里子の膂力から逃れることは出来ない。
そのまま引きずり、後ずさる。
元の場所まで戻ると、少年の身体ごと振り回し、絵里子も反転した。
美咲は、しゃがみこんでいた。
胸を腿に折りたたみ、その脚に腕を回している。
なるたけ裸を見せまいとするポーズなのだろう。
香織は立ちすくんでいた。
もちろん、全裸のままだ。
「こいつ、知ってる?」
「見たことはあります」
「小学生?」
「中坊っすよ。
スクールシャツ、着てますから」
締め抱えたまま少年を見下ろすと、確かに白いカッターシャツ姿だった。
そのポケットに、四角い箱とオレンジのスティック状のものが見えた。
タバコとライターだ。
どうやらここには、タバコを吸いに来たらしい。
子供みたいな体型だが、頭の中は不良気取りか。
「香織。
こいつのズボン、脱がせて」
「え?」
「え、じゃないよ。
こんなとこで素っ裸になってるのを見られたんだよ。
口止めしなきゃならないだろ」
「あ。
写真撮るんすね」
「早くしな」
身を隠す猶予はなかった。
入って来たのは、少年だった。
ゴミ袋も何も持っていない。
扉から一歩踏みこんだところで、立ちすくんでいた。
無理もない。
目の前で、裸の女が3人、前衛芸術のオブジェのように絡み合っているのだ。
少年は凝固していたが、次第にその顔が歪み……。
ムンクの「叫び」さながらの表情に変じた。
たたらを踏んで後ずさる。
まずい。
扉の外に出られたら、追いかけられない。
絵里子は全裸なのだ。
絵里子は、美咲の後ろから身を躍らせた。
少年に向かって突進する。
少年の顔は、驚愕から恐怖に変わった。
少年は身を翻し、ドアノブに手を掛けた。
絵里子は、大猿のごとくその背中に襲いかかる。
伸ばした手が、少年の後ろ襟に届いた。
思い切り引っ張り寄せる。
ボタンが弾け飛び、視界の端に消えた。
少年の手が、ドアノブから剥がれた。
後ろから抱きかかえる。
少年は、バッタのように暴れた。
しかし、絵里子の膂力から逃れることは出来ない。
そのまま引きずり、後ずさる。
元の場所まで戻ると、少年の身体ごと振り回し、絵里子も反転した。
美咲は、しゃがみこんでいた。
胸を腿に折りたたみ、その脚に腕を回している。
なるたけ裸を見せまいとするポーズなのだろう。
香織は立ちすくんでいた。
もちろん、全裸のままだ。
「こいつ、知ってる?」
「見たことはあります」
「小学生?」
「中坊っすよ。
スクールシャツ、着てますから」
締め抱えたまま少年を見下ろすと、確かに白いカッターシャツ姿だった。
そのポケットに、四角い箱とオレンジのスティック状のものが見えた。
タバコとライターだ。
どうやらここには、タバコを吸いに来たらしい。
子供みたいな体型だが、頭の中は不良気取りか。
「香織。
こいつのズボン、脱がせて」
「え?」
「え、じゃないよ。
こんなとこで素っ裸になってるのを見られたんだよ。
口止めしなきゃならないだろ」
「あ。
写真撮るんすね」
「早くしな」
「ひぃぃぃぃぃぃ」
「声がデカいだろ。
黙って」
「……。
あひぃぃ」
「美咲とキスして」
香織は頭を起こし、美咲の口を求めた。
美咲は仰け反りながらも、あからさまには拒まなかった。
ひょっとしたら、この女も気分を出しているのかも知れない。
絵里子は、片手を香織の尻たぶから外し、美咲のペニバンの基盤を探った。
縁の隙間から、手を潜りこませる。
陰毛の感触が指先に絡みつく。
それを突き抜けると……。
やっぱりだ。
絵里子の頬が緩んだ。
盛大に濡らしている。
そして……。
クリトリスも勃起させていた。
指先で潰す。
「ぃやぁ」
美咲だった。
今度は美咲の顔が仰け反っていた。
逃げ回るクリトリスを、執拗に追いかけて潰す。
「ほごぉ」
指先を3本揃え、クリトリスを覆う。
これでもう逃げられない。
圧力をかけながら、指の腹で擦る。
擦る。
擦る。
「ぉおぉぉぉぉ。
はぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
美咲が雄叫びをあげた。
ペニスを付けているのだから、まさに「雄叫び」でいいのだろう。
しかし、感じている箇所は、雌としての核芯だった。
「香織、口塞いで」
いくらなんでも、外に聞こえかねない。
見あげると、香織は頭を反らせたままだった。
口が大きく開いている。
顎の蝶番が外れ、頭蓋が後ろに倒れ落ちたようだった。
どうやら、絵里子の指示を遂行できる状態ではなさそうだ。
そろそろ、引け際か。
絵里子が、腰の前後動を止めようとした……。
まさにそのときだった。
エントランス側の扉が開いた。
「声がデカいだろ。
黙って」
「……。
あひぃぃ」
「美咲とキスして」
香織は頭を起こし、美咲の口を求めた。
美咲は仰け反りながらも、あからさまには拒まなかった。
ひょっとしたら、この女も気分を出しているのかも知れない。
絵里子は、片手を香織の尻たぶから外し、美咲のペニバンの基盤を探った。
縁の隙間から、手を潜りこませる。
陰毛の感触が指先に絡みつく。
それを突き抜けると……。
やっぱりだ。
絵里子の頬が緩んだ。
盛大に濡らしている。
そして……。
クリトリスも勃起させていた。
指先で潰す。
「ぃやぁ」
美咲だった。
今度は美咲の顔が仰け反っていた。
逃げ回るクリトリスを、執拗に追いかけて潰す。
「ほごぉ」
指先を3本揃え、クリトリスを覆う。
これでもう逃げられない。
圧力をかけながら、指の腹で擦る。
擦る。
擦る。
「ぉおぉぉぉぉ。
はぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
美咲が雄叫びをあげた。
ペニスを付けているのだから、まさに「雄叫び」でいいのだろう。
しかし、感じている箇所は、雌としての核芯だった。
「香織、口塞いで」
いくらなんでも、外に聞こえかねない。
見あげると、香織は頭を反らせたままだった。
口が大きく開いている。
顎の蝶番が外れ、頭蓋が後ろに倒れ落ちたようだった。
どうやら、絵里子の指示を遂行できる状態ではなさそうだ。
そろそろ、引け際か。
絵里子が、腰の前後動を止めようとした……。
まさにそのときだった。
エントランス側の扉が開いた。