指による愛撫すらままにならない川島老人の様子を窺っていた山口が、親切にも川島老人の手をつかみ
震えながらではあったが指は何とか秘所に到達し、川島老人は久しぶりの感触に喜びを隠し切れない様子であった。
その動きは見違えるように早い。
やはり若くて美しい女性は回春の特効薬なのだろうか。
「ふんがふんが、気持ちいいのお……ふぉっふぉっふぉ…この柔らかい感触、久しぶりじゃあ……」
(うぐぐっ…)
衣葡は腰をよじって逃れようとするが、山口たちに押さえられていて思うように動けない。
川島老人の愛撫は若い男のそれとは違って、実に弱々しいものであった。
ただし弱々しくはあるが昔取った杵柄か、指使いは堂に入っており的確にツボを攻め立てた。
鳥の羽根でかすっただけでもすぐに反応してしまうのが女の身体。
処女ならともかく、人並みに性経験のある衣葡ならその効果は絶大といえる。
ましてや陰毛を全て剃り落とされ、敏感な個所が露出していればなおのこと。
川島老人は震える指をクリトリスに宛がい擦り始めた。
両脇を男たちに固められのけ反ることのできない衣葡は、まともに川島老人の愛撫攻撃を受けてしまった。
性に浅い男性は愛撫時つい指に力が入り過ぎてしまい女性を痛がらせる傾向があるが、老人の愛撫は力強さが皆無でありその弱さゆえに早々に衣葡を快楽道へと導く結果となってしまった。
(うぅぐっ……うぐぐぐ~~~っ……!)
「あれ? 衣葡さん感じてねぇ? 川島爺さんってエッチ上手いんだ~」
意外とも思える衣葡の反応に、山口は驚きの表情を隠し切れない。
「何年経っても指先はちゃんと憶えているのさ。おい、山口。それはそうとぼちぼち爺さんのおしゃぶりタイムだぜ。のんびりしてたらすぐに時間がなくなっちまうぜ」
衣葡は一旦川島老人の指から引き離されたが、息をつく暇もなく次の指示が下された。
「おい、看護師さんよ、爺さんの顔面に跨りな。そんでもってあんたのスペシャルジュースをたっぷりご馳走してやるんだ」
(うぐっうぐっ…!)
衣葡は顔を横に振って嫌がる素振りをみせると、
「俺たちの命令には逆らうなって言ったろう? 逆らうとマジで怪我するぜ。いいのか?」
と凄んで見せる内田。衣葡の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちても全く動じる気配がない。
山口に背中を突かれてさらに膝立ちで前に進む衣葡。
眼下には舌舐めずりをする川島老人の唇がある。
割れ目を食い入るように見つめている。
内田がクレーンの荷を操るように煽り立てる。
「もう少し前だ。もうちょっと右。そうそう、その位置でいい。そのまま腰を下ろしてオマ○コをしっかりと爺さんに吸ってもらいな。だがあんたが興奮して爺さんの首の上に乗らねえようにな。窒息して死んじまったらあんたの責任になるぞ。いいな」
理不尽な言葉を平然と浴びせ続ける内田だが、衣葡としては従うより他になかった。
川島老人は犬が匂いを嗅ぐ時のように鼻をクンクンさせている。
牝が発散させる艶めかしい香りを懐かしむかのように。
次の瞬間、衣葡が目を閉じて腰を沈めた。
ついに陰唇が川島老人の唇と密着した。
川島老人は無我夢中でしゃぶりつく。
衣葡は川島老人にまたがっているため、自然と秘所は拡がり、舌はその内部までも舐めあげた。
(ペチョペチョペチョ……ペチョペチョペチョ……)
「うぐぐっ! ううぐっ~~~!」
ピンク色の肉襞を舐められて、そのおぞましさに悲痛な叫び声をあげるのだが、口を封じられていて声にならない。
内田は陰核を包む皮を指で拡げ、川島老人がしゃぶりやすいようにしてやった。
剥き出しの陰核に舌が這いまわり唾液まみれになってしまう。
(ベチョベチョベチョ! ベチョベチョベチョ!)
「ぐぅ~~~~~!!」
腰をよじって懸命に逃げようとする衣葡の腰を左右から押さえつける。
「うぐうぐうぐぐぐ~~~っ!」
陵辱を拒みたいが、変に逆らうと内田が何をするか分かったものじゃない。
川島老人に舌でなぶられ、両横からは男たちの手が伸びてくる。
乳房を揉まれ、親指でコリコリと乳首をいじられ、逃れる術がない。
衣葡は頭の中が真っ白になってしまい、 陵辱されているのに奇妙な快感を感じている自分にまだ気づいていなかった。
川島老人の舌は器用に柔肉を拡げ、亀裂の中央に潜り込んだ。
舌をすぼめ秘孔に挿し込もうとしている。
十分に挿し込めないと分かると、亀裂全体を舐めまわし、溢れ出る愛液を上手そうに啜り始めた。
(チュ~チュ~、ジュルジュル~……)
「ふんぐっ! ふぐぐぐっ!」
川島老人に作為はないのだろうが、実に卑猥な音を立てている。
その時、突然山口が奇声を発した。
「すげ~~~! な、なんと! 爺さんの股間がすげえ盛り上がってるじゃん!」
「力を抜くと痛みが和らぐよ。さあ力を抜いて」
そんなことを言われても、力を抜くことなど簡単にはできない。
山口の怒張した肉棒が衣葡の可憐な菊門から出たり入ったりする光景は実に淫猥だ。
そして衣葡が苦悶に顔を歪める度にピンク色の淫裂がヒクヒクと口を開く。
「おお、いい締りだ。これは堪らない!」
「ううぐっ! ううう~~~っ!!」
腸内をかき回される異様な感覚、そして肛門を押し広げられる苦痛が衣葡に襲いかかる。
汗みどろになった白い下腹部が激しく前後する。
本来なら前方に逃れたいところだが、前方には内田のつっかえ棒が邪魔をしていて逃げられない。
前後から挟まれた形となった衣葡の額からは大粒の汗が噴き出している。
二人がかりによる地獄のような責苦も意外と早い終焉を迎えた。
入院で禁欲生活を余儀なくされ精液もストレスも溜め込み、久しぶりの性交に堪え切れなくて、あえなく撃沈してしまったのだった。
うなだれる衣葡の内股に白濁色の液体がツーッと伝い落ちる様は実に痛々しいものであった。
「ふう~、すごく良かったぜ、美人看護師さん。シマリ具合も抜群だし予想どおりの名器の持ち主だぜ。あとからまたゴチになるとして、実はあんたにもう一働きしてもらいたいんだよ」
「うぐぐ……」
「実は俺たち以外にあんたを欲しがっている人間がもう一人いてね。ふふふ……」
「……!?」
もう一人とは一体誰のことだろう。
衣葡は全く思い浮かばなかった。
この病室にいるのは内田と山口そして自分だけではないか。もしかして他の部屋から患者を連れてくると言うのだろうか。
いや、少し待てよ、この病室にはもう一人入院患者がいる。
85歳で長期入院中の老人が。
まさかそんな老人を狂気の性宴に駆り出すことはないだろう、と衣葡は自身の想像をすぐさま否定した。
しかし次に発した内田の言葉が衣葡を凍りつかせた。
「実は、あそこに寝ている川島爺さん、あんたもよく知っているだろうが余命いくばくも無くてさ。その川島爺さんが夜ごと俺に言うには、『いつもわしにやさしくしてくれてるあの衣葡さんの一番大事な場所を一度だけでいいからしゃぶり倒してみたいんだよ。もし願いが叶ったらわしはいつ成仏したって構わない』ってな。あんたもえらく惚れられたもんだな~。そこでだ。ぜひあんたに一肌脱いでもらってあの爺さんの願いを叶えてやって欲しいんだ」
衣葡の血相が変わった。
いくら余命いくばくもない老人の今生の願いだとしても、そんなことは絶対に嫌だ。
自分は男たちの玩具ではない。
確かに先程野卑な男たちに弄ばれたが、もう誰にも肌に触れられたくはない。
衣葡は首を横に振った。
「ふ~ん、そうかい、案外冷てぇんだな~。じゃあ仕方ねえな。頼みを断るんだったら、あんたのそのきれいな顔にこのカミソリでちょっぴり傷つけることになるけど、いいんだな?」
とカミソリを振りかざし凄んでみせる内田に、衣葡は恐怖のあまり全身から血の気が引くのを感じた。
内田の元暴力団員という素性からして、脅かしではなく本当にやりかねない。
女性として顔を傷つけられるのは最も怖いこと。
衣葡は首を縦に振らざるを得なかった。
「よしよし、それでいい。俺としても無理やりっていうのも寝覚めが悪いからな~。じゃあ早速爺さんのお相手をしてもらうとするか」
内田はそうつぶやくと衣葡の両腕のロープを解き天井から降ろすと、山口とともに左右から抱きかかえ川島老人が寝ている入口右側のベッドへと連れて行った。
衣葡の姿を目にした川島老人は嬉しそうに満面に笑みを浮かべている。
「爺さんよ、あんたの大好きな看護師さんを連れて来てやったぜ。ほら見てみな、下は素っ裸だぜ。いや、それだけじゃねえぜ。ここを見てみなよ、オケケをきれいに剃りあげてかわらけになってるだろう? 爺さんがしゃぶりやすくしてやったから、心行くまでしゃぶるんだぜ~」
櫓を担ぐように両横から男たちに抱えられ、仰向けの川島老人の上に膝立ちで跨ぐ姿勢にされてしまった衣葡は困惑した。
何しろ眼下には川島老人の相好を崩した顔が窺え、目のやり場がないのだ。
川島老人はまるで神々しい女神が降臨したかのように、目を爛々と輝かせて衣葡を見つめている。
彼の視線に耐え切れなくなった衣葡は思わず顔を背けてしまった。
ひるむ衣葡の背中を内田は小突き催促をする。
「おい、早く爺さんの口の上にまたがってしゃぶらせてやれよ」
「ううぐっ……!」
背中を押された衣葡がやむなく前進すると、川島老人の顔が間近に迫る。
「ふんがふんが…こんにゃ若くてきれいにゃ看護婦しゃんと、ふんがぁ……こりゃ極楽じゃ……」
日頃総入れ歯をしている老人が入れ歯を外すと滑舌が悪く何を言っているのかよく分からないが、喜びに満ち溢れていることだけは十分に理解できた。
川島老人が痩せた腕を女体に伸ばす。
点滴をつけたままの腕が痛々しく見える。
川島老人の手が震えている。
衣葡の肌は近いようで遠い。