波の音さえ届かぬ静寂の中、奈緒美は響子の身体が音も無く離れて行くのを感じた。
そしていつの間にか、奈緒美の心を悲しみが支配していた。
響子は全裸のまま立ち上がると、月の光が差し込む窓辺へと歩いて行く。
追いすがろうと身を起こすと、何故か奈緒美自身はもうその身体にナイトウエアーをまとっている。
「行かないでっ、響子さん!」
響子は月の光の中へ入るとゆっくりと奈緒美を振り返った。
「ありがとう、奈緒美ちゃん、あたしとても幸せだったわ・・・。でももう、お別れしなくちゃならないの。本当に嬉しかった・・・。さよなら、奈緒美ちゃん・・・。」
「いやっ! い、行かないでっ!」
奈緒美は夢中で響子に向かって叫んだ。
だが響子は月の光にその輪郭が輝いたかと思うと、徐々に小さい光の粒に分かれる様にして、奈緒美に微笑みながらその姿をおぼろにしていくのだった。
「ああっ、待って! ・・・いやっ! ・・ああっ・・・。」
叫びながら奈緒美の目に涙が溢れた。
響子の姿はもう薄っすらと輝きの粒の集まりになり、窓の外が透けて見えるように消えかかっていた。
「さようなら・・・奈緒美ちゃん・・・。」
「ああ・・・・、響子さん・・・待って・・・・・。」
暗がりに差し込む月の光だけになった場所を見つめながら、奈緒美の頬を幾筋もの涙が伝い落ちた。
奈緒美はふと目を覚ました。
昨夜の普段着のまま、ソファーに横たわった身体に毛布が掛けられている。
明るい朝日が部屋に差し込み、開け放たれたテラス戸からそよ風が潮の香りを運んで来る。
「響子さん・・・。」
まだ胸を締め付ける思いを感じながら、奈緒美は身を起こして響子を探した。
部屋の中から外のテラスへ視線を移した時、手摺に寄りかかって景色を眺める響子の姿があった。
身に纏った白いシーツがゆらゆらと風になびいている。
「響子さん、ここにいたの。」
奈緒美はテラスへ出ると背中から響子に声をかけた。
「ああ、奈緒美ちゃん、おはよう。昨夜はよく眠れた?」
「え、ええ、まあ・・・。」
奈緒美は自然と顔が火照るのを覚えながら答えた。
響子はそんな奈緒美を例の悪戯っぽい笑みで覗き込む。
「楽しかったわね。でも、あたしをほっといて先に寝ちゃうなんて、ずるいわよ、もう・・・。」
「ご、ごめんなさい。あたしったら、いつの間にか・・・。」
「あはは、いいのよ、そんなこと。あははは・・・。」
「ほんとに楽しかった・・・。有難う。」
奈緒美は響子の瞳を見つめながら言った。
響子はまたすっと海の方を向くと、真顔に戻って口を開く。
「あたしちょっと今日用事があるのを忘れてたから、急いで次の電車で帰ろうと思うの。ごめんね。でも楽しかった・・。あなたのこと、忘れないわ。」
そう言って、響子は部屋の中へ戻って行く。
「ええ!? ちょっと待って。じゃあ、あたしも駅まで送るわ。」
思いがけず早くなったお別れに、慌てて奈緒美は響子の後を追った。
タクシーを降り二人がホームに駆け込んだのは、もう発車の5分前であった。
間に合ったことを確信した二人は、ほっとして電車の前のベンチに腰を下ろす。
平日の昼間のことで、周囲に乗客もまばらなようである。
「はあ・・間に合ってよかった・・・ふう・・。」
響子は大きく息を弾ませながら言った。
奈緒美はもう堪らなくなって響子に訴える。
「ねえ響子さん、よかったら携帯とか連絡先を教えて。せっかくお友達になれたんですもの・・・。それに昨日の焼き物だって、一週間後に出来るんですって。色々ご馳走になったお礼に、ううん、記念に響子さんにプレゼントしたいの・・。」
響子はそう訴える奈緒美の目をじっと見つめた。
そしてやおら自分の荷物を取り上げ、何やらバッグの中をごそごそと探り始めた。
やがて響子がバッグから掴み出したものは、インテリア用であろうか、壁掛けのベティーちゃんのお面の様な物であった。
響子はそれを被って奈緒美の方を向いた。
「これ、ちょっといいでしょう? どう? あたし可愛い・・・?」
ベティーちゃんは奈緒美に楽しげに笑いかけている。
「響子さんったら・・・。もういいから、ねえ携帯でも教えて。」
奈緒美は苦笑しながら響子をさらに問い詰める。
ベティーちゃんは少しの静寂のあと話し始めた。
「奈緒美ちゃん・・。あなた昨日の夜、うなされながら何度もあたしの名前を呼ぶのよ。そして最後に・・・、行かないでって叫んだの。あたしもう、あなたのことが可愛くて・・・、黙ってほっぺにキスしちゃった。ごめんなさい・・・。」
奈緒美は言葉を返すことが出来なかった。
身が震える様な満足感を覚える一方、冷静になろうとする自分を感じる。
「だけどその時、あなたが言った映画の話・・・。大事な人だから会わない、愛してるから会えないっていう言葉を思い出したの。あなたの暮らしは、あたしと一緒には無いのよ。昨日からの事はすべてまぼろし・・・。」
電車に乗り込もうとする人たちが、お面を被った響子を見ては笑いながら通り過ぎて行く。
ベティーちゃんは相変わらず奈緒美に笑いかけていた。
「もう響子さん、お面取ってっ・・。」
奈緒美は堪りかねて響子のお面をはぎ取った。
その下から、悲しみに歪んで目を潤ませた響子の顔が現れた。
「響子さん・・・・。」
奈緒美はその時悟った。
夢の中でオレンジ色に輝いた響子の手の光は、奈緒美自身の心であったことを。
そして響子を淡い輝きに消し去ったのも、いつの間にかナイトウエアーに身を包んだ奈緒美自身であったことを。
ホームに発車を告げるアナウンスが流れ始めた。
響子は立ち上がって電車の方へ歩きながら言った。
「じゃあ奈緒美ちゃん、お幸せにね。ほんと楽しかった、元気でね。」
奈緒美は小走りに響子の背中を追った。
胸が詰まって何も言葉が出てこない。
電車のドアの内側に立つと、響子は奈緒美に優しく微笑みながら言った。
「泣かないのよ、奈緒美ちゃん。じゃあ・・・・、さよなら。」
その言葉を聞いたとたん、奈緒美の目から涙が溢れだした。
電車のドアが閉まると、響子はもう別の世界の人になった。
「はあ・・・ああ・・響子さん・・・。」
ガラス越しに響子の顔を見つめながら、奈緒美の頬を幾筋もの涙が流れ落ちた。
ゆっくりと電車はホームを滑り出て行き、最後のキャンパスである電車の窓の中の響子が遠ざかっていく。
やがて中から見返す響子の視線も届かなくなり、奈緒美はゆっくりと睫毛を伏せた。
電車の中はほとんど客もまばらな状態だった。
「・・・ひっ・・・くっ・・・・。」
響子は人が居ない辺りを選んで席に付くと、肩を震わせて泣いた。
誰も居ないと思っていたのに、後ろから一人の老婆が歩み寄り、響子の斜め前に座った。
「お別れは悲しいわよねえ・・・。」
老婆の声に、響子はしゃくりあげながらその顔を見た。
「でも大丈夫。私も沢山の人とお別れしたけど、悲しみを忘れようとしなくても、人は必ず新しい喜びに巡り会うものよ。」
老婆は響子に優しく微笑みながら言った。
「うっ・・・くっ・・・。」
響子は肩をわななかせながら、やっと泣き笑いの表情を浮かべた。
「あなたは、あまり泣かない人ね。すぐ泣く人は慣れてるから恰好つけてるけど、あなたはまるで子供みたいに泣いてるんだもの・・・。」
老婆は手提げから一つの果物を取り出して響子に手渡した。
「これはあたしの農園で取れたオレンジよ。とっても甘くておいしいよ。後で食べてごらん。」
そう言うと老婆は前の方へ去って行った。
響子は温かい気持ちになりながら、両手の中の果実を見つめた。
それは窓から差し込む日の光に照らされて、涙の溢れる響子の目には、なおさら明るくオレンジ色に輝いていた。
「あっ・・・、あう~っ・・・。」
喉の奥から濁った呻きを絞り出しながら、奈緒美はベッドの上で身を反り上げた。
そのまま強張った身体に痙攣が走り、豊かな乳房が絶頂を告げて激しく弾む。
一度絶頂まで追い上げられた奈緒美は、響子に股間を吸われるままに二度三度とエクスタシーを味わっていた。
十分に息が静まる暇も無く、響子の唇に優しく覆われていた自分のクリトリスが、再びやわやわと愛され始めるのを感じる。
「ああ・・響子さん・・お願い・・来て・・・。」
奈緒美はそう言いながら、半身を起こして響子の肩を掴んだ。
「はあ・・・どうしたの・・・?」
顔を上げた響子は両足の間から身をずり上げる。
「うふふ・・・奈緒美、どうしちゃったの・・・?」
肩を抱いて顔を覗き込みながら、再び響子が囁いた。
奈緒美はしっかりと響子に抱きつき、その首筋に顔を埋めた。
「うふふ、なに? 甘えん坊さんね。ほら、こっちを見て・・・。」
奈緒美が顔を上げて響子の顔を見ると、その唇の廻りだけが月明かりにキラキラと輝いていた。
「チュ・・・、ほら味わってみる・・・?」
小さく頷くと奈緒美は夢中でその輝きに唇を寄せていった。
響子が噛みつく様に唇を重ね返す。
奈緒美の鼻に自身の酸味を帯びて蒸れた匂いが漂った。
ずるずると響子の口の中に舌を吸い込まれる。
固く抱き締められて、互いの胸の膨らみが押しひしぎ合った。
「ん~~むう~・・・。」
「んうう~~・・・。」
期せずして二人はやるせない呻きを鼻から漏らし合った。
響子に肌を重ねられただけで、奈緒美は再び身体が燃え上がってくるのを感じた。
響子の陰毛が右太ももに熱く滑り付く感触に、奈緒美はたまらない喜びを覚えてしまう。
“響子さん、あたしなんかで嬉しいの・・・? だったら、もっと抱いて・・あなたとひとつにして・・・。”
奈緒美は互いの肌が溶け合う様な気がして、足を擦り付けて響子の女の部分を求める。
するとたちまち響子のものは、新たな熱い露を奈緒美の太ももに滑らせてくるのだった。
奈緒美の唇を吸い離すと、響子は苦しげな表情で呻いた。
「ああ・・・奈緒美・・・、好き。 思いっきり愛してあげる・・・。」
熱い息を吐きながら、奈緒美の桜色に染まった耳に舌を這わせていく。
奈緒美はそこから血が沸き立つ様な感触を覚えて上体を捩らせた。
響子はせり上がった奈緒美の右肩とベッドの間に身を割り込むと、後ろからその背中に身を添わせていく。
奈緒美の身体は横向きになり、後ろから響子に抱き込まれた。
腋の下から前に廻った響子の手が右の乳房を揉みあげてくる。
固くなった乳首を指の間に挟まれたまま、疼く膨らみを揉み立てられる。
「あ、あああ・・・」
奈緒美は右手を上げて、耳を甘噛みする響子の短髪を掴んだ。
背中の肉に響子のしこった乳首が食い込むのを感じて、奈緒美は細かく身を震わせた。
「奈緒美・・・。」
耳元で響子の湿った声がしたかと思うと、右足に響子の長い右足が絡み付き、巻き取る様に奈緒美の足が広げられた。
「はあっ・・・いやっ・・。」
濡れそぼったものがひんやりとした空気に晒されるのを感じて、奈緒美はか細い声を上げた。
後ろから響子に絡み付かれながら、部屋の薄暗がりに向かって、もう露で濡れ光っているであろうその身体を開いているのである。
それは鏡にでも映れば、奈緒美にとって正視出来ない様な、まるで愛される事を待つばかりの格好に違いなかった。
右の乳房を可愛がっていた響子の右手がゆっくりと滑り降りていき、思わせぶりに奈緒美の下腹部の白い肌を撫でまわし始めた。
やがてその下のふっくらと盛り上がった丘の上で、艶やかに光る陰毛を指が弄ぶ。
「んっ・・・ふうう・・・。」
そこから広がるざわざわとした感触に、奈緒美の口から切ない吐息が漏れた。
まだ触れられもしないのに、響子を待ちわびて自分の花びらから喜びの滴が流れ落ちるのを感じる。
ついに奈緒美は、彼のことも家族のことも、すべてを忘れた。
「恥ずかしいわね、奈緒美・・こんなかっこうで・・・。もうすごく濡れてるんでしょう・・?」
「はあ・・いやっ・・・・。」
奈緒美は再び右手を後ろに上げて、響子の髪を掴んだ。
響子の指が濡れそぼった奈緒美の中に滑り込む。
「んはあっ・・・ああ・・・!」
泣き声を上げると奈緒美の四肢に震えが走った。
「ほら奈緒美、こんなに喜んで、可愛い・・・。」
「ああっいやっ・・・・もうっ・・・。」
濡れた部分を指で撫でられながら、奈緒美は小さく腰を煽り立てた。
背筋を愉悦が走り抜け、下肢が痙攣すると同時に響子の手に愛液を濡らしかけるのが分かった。
触れられたとたんあっけないほど早く、奈緒美は軽い絶頂に縛られたのである。
しばらく息が静まるのを待ちながら、響子は優しく奈緒美の髪を撫でていた。
「奈緒美、気持ちよかったのね・・・、うれしいわ。でもまだよ。今度は二人がひとつになれるように愛してあげる。ね、キスして・・・。」
奈緒美はうっとりと目を閉じたまま、後ろを振り返るようにして響子の唇を受け入れた。
唇を合わせたまま、響子は奈緒美の背中をゆっくりとベッドに戻していった。
奈緒美の両足の間に腰を密着させて、上から抱きしめていく。
響子は両足の太ももを奈緒美の太ももの裏に当て、軽く押し上げる様にしながら奈緒美のお尻を浮かし上げると、二人の女の部分が互いの露で滑り付く様に密着した。
「あああ・・・響子さん・・・。」
響子のものが温かく自分のものに絡み付く感触に、奈緒美は呻きを上げて響子の背中に手を廻した。
響子は目の前に奈緒美を見つめて、優しく微笑む。
「奈緒美ちゃん、好きよ・・・。ううんもっと・・・愛してるわ・・。」
そう囁くと響子は、潤んだ目で奈緒美を見つめながら、少し背を丸める様にして押し当てた柳腰を蠢かせ始めた。
普通は足を交差させないと十分密着出来ないその行為も、長身でしなやかな柔軟性を持った響子の身体は、その姿勢のまま安々と奈緒美に喜びを与えてくる。
「うう~・・ああ・・あ・・・。」
互いの濡れたものを揉み合されて、響子と見つめ合いながらそこから身を捩る様な快感が身体に押し込まれてくる。
粘着を帯びて互いのものが粘り付くかと思うと、響子の強張ったしこりが潤みの中に潜り込み、そしてプリプリと絶妙に奈緒美の敏感なものに競り合ってくるのだ。
響子に唇を貪られながら、奈緒美はその愉悦に身悶えした。
「んふ~~~ん・・・?」
「んぐ~~~んっ・・・!」
そんな呻きを交わしながら、奈緒美は響子の背中に爪を立て、自ら腰を振りさえし始めていた。
男女の行為とはまた違って、絶え間ない湿り気を帯びた音が暗がりに響き続ける。
「ふうっ・・・あ・・・はあ・・。」
荒い息を吐きながら、響子は次第にその腰の動きを速めていった。
背中から引き締まったお尻の筋肉が忙しなく皮膚の下で動いて、まるで別の生き物の様にうねりながら奈緒美を苛んでいる。
敏感な突起をブルブルと競り合わせられて、耐え切れぬ快感に血が沸き立つ。
「あっ、響子さん・・ああっだめ・・・。もうおかしくなるっ・・。」
体中に燃え上る疼きが、次第に背筋を貫く様な快感に変わり始めた。
思わず奈緒美は両手で響子のお尻をつかみ、その弾く様な肉に指を食い込ませた。
我知らず響子を求めて腰を振り立ててしまう。
「はあっ、奈緒美・・。もうだめでしょ? たまんないでしょ・・? いいのよ、さあ・・・。」
響子は一層その動きを強めながら奈緒美を抱きしめた。
身体の間で乳房を競り合わせながら、互いの喘ぎを飲み込む様に深く唇が重なり合う。
“ああ、響子さん・・・。お願い、あなたとひとつにして・・・、ひとつになって・・・!”
体中が愉悦の炎で燃え上がるのを感じながら、奈緒美は心の中でそう叫んだ。
その時苦しげに唇を離した響子が、何故か奈緒美のその心の叫びに応えて来たのである。
「ああ・・あたしももうだめっ・・・。いいわ奈緒美、あなたとひとつになってあげる・・・。」
一層強く抱かれて唇を塞がれた時、不思議な異変を感じて奈緒美は身体を震わせた。
上から押し付けられた乳房の狭間で、響子の乳首がそれ自体うねうねと奈緒美の乳首に絡み付く感触がしたからである。
それは弾き立った膨らみの頂点を、弄り回したり唇の様に吸い付いてきたりした。
更にはそれから繊毛の様な触手でも伸びたのだろうか、敏感な乳首から染み入り、まるで二人の乳房が溶け合っていくような気がする。
両の乳房の隅々まで響子の乳房に犯される感覚に、奈緒美の上体が震えた。
「うぐううう~~~っ!」
唇を塞がれたまま、奈緒美は響子の口の中に呻りを発した。
どうしようもない快感の高まりを感じ始めたからである。
我知らず響子の太ももに両足を絡めると、背筋に力が入り上体が反り上がっていく。
「あああ~っもうだめよっ。・・・ああっ・・・だめっ・・。」
堪らず奈緒美は、響子の唇を振り解いて泣き声を上げた。
「ああっ奈緒美、もうだめでしょっ? あ~可愛いっ。くうっ・・・だめっ! もうあたしもっ・・・!」
響子は切羽詰まった声を絞り出すと、奈緒美を掻き抱いてウエストを狂おしく蠢かせた。
「はあっ! あぐうっ!! ああああ~~~~っ!!」
響子と共に喜びの頂に登ろうとした時、突然奈緒美は裏返った叫びを上げた。
自分の花びらを愛していた響子のものが、みるみるそれ自体蠢いて奈緒美を侵してきたのである。
響子のものは透明を帯びて自在に伸縮し、うねりながら菊の蕾をなぶると、巣に潜るように蕾の中に滑り込んだ。
同時に無数に別れたものが花びらの奥まで入り込み、襞の隅々まで絡み付き、内面の起伏を押し揉んでいる。
「あぐう~っ、あはああ~っ・・・!!」
狂う様な刺激で、奈緒美は響子の背中に爪を立て、獣の様に反り返って身体を痙攣させた。
「くうううっ! だめっ! 奈緒美っ! ・・・ああいくっ・・・・!!!!」
響子が絶頂の叫びを上げ、その熱い息が耳元に吹きかけられたと同時に、奈緒美の身体の中で響子のすべてが激しく震えた。
「はあっ!!! ・・ああああ~~~っ!! ・・・・・・。」
ピンクに弾けそうな突起が響子の同じものに吸い付かれて浸食された時、後頭部から引き込まれるように奈緒美を絶頂が襲った。
響子と一つに溶け合いながら、奈緒美は全身の柔らかみを震わせた。
まるで終わりのない快楽のようであった。
体中から奈緒美を侵した響子の分身は、淡く煙る様に細く分かれゆき、奈緒美の神経の隅々にまで伝いゆき、微かに震えながらその喜びを共にしていた。