しかし、一向に女教授が迎えに来る気配は無かった。
やがて、廊下のざわめきも収まったころ……。
再び照明が切り替わった。
窓の中の舞台は、赤いパラフィンを透いたような光に包まれている。
「また始まるの?」
「お客さんが入れ替わったみたいね」
「わたしたちはいいの?
入れ替わらなくて」
「仕方ないでしょ。
言われてなかったんだから」
「料金、たくさん取られるんじゃない?
わたし、あんまり持ってないよ。
カード、使えるかな?」
「先生が案内してくれたんだから、大丈夫よ」
由美を安心させる手前、そう言ってはみたが……。
その先生が、一番信用ならないのだ。
美弥子の胸にも、不安の翳が射した。
「あ、音楽がかかった」
スピーカーから鳴り出した音楽は、いかにもというか……。
あまりにも古典的な曲調だった。
美弥子でも、そのメロディには聞き覚えがあった。
由美も、微妙な顔を向けてきた。
これは確か、『タブー』というラテン音楽だ。
「なんか、急に恥ずかしくなった」
同感だった。
こんなところにいるのが、いたたまれない気分だった。
しかし、このまま廊下に出る勇気もなかった。
逡巡しているうち、舞台の上からスモークが噴きだした。
見えない観客席から、拍手が起こる。
扉を縁取る電飾が、高速で回り出す。
拍手が高まった。
同時に、音高く扉が上がった。
矩形に開かれた空間は、スモークに隠されている。
しかし、真っ赤なハイヒールに包まれた脚先だけが見えていた。
エナメルの甲が、濡れた光を返している。
爪先は、曲の波に乗るように、スモークの中を踏み出した。
光を受けて極彩色に煙るスモークを抜け……。
その女性は現れた。
美弥子は、愕然とした。
やがて、廊下のざわめきも収まったころ……。
再び照明が切り替わった。
窓の中の舞台は、赤いパラフィンを透いたような光に包まれている。
「また始まるの?」
「お客さんが入れ替わったみたいね」
「わたしたちはいいの?
入れ替わらなくて」
「仕方ないでしょ。
言われてなかったんだから」
「料金、たくさん取られるんじゃない?
わたし、あんまり持ってないよ。
カード、使えるかな?」
「先生が案内してくれたんだから、大丈夫よ」
由美を安心させる手前、そう言ってはみたが……。
その先生が、一番信用ならないのだ。
美弥子の胸にも、不安の翳が射した。
「あ、音楽がかかった」
スピーカーから鳴り出した音楽は、いかにもというか……。
あまりにも古典的な曲調だった。
美弥子でも、そのメロディには聞き覚えがあった。
由美も、微妙な顔を向けてきた。
これは確か、『タブー』というラテン音楽だ。
「なんか、急に恥ずかしくなった」
同感だった。
こんなところにいるのが、いたたまれない気分だった。
しかし、このまま廊下に出る勇気もなかった。
逡巡しているうち、舞台の上からスモークが噴きだした。
見えない観客席から、拍手が起こる。
扉を縁取る電飾が、高速で回り出す。
拍手が高まった。
同時に、音高く扉が上がった。
矩形に開かれた空間は、スモークに隠されている。
しかし、真っ赤なハイヒールに包まれた脚先だけが見えていた。
エナメルの甲が、濡れた光を返している。
爪先は、曲の波に乗るように、スモークの中を踏み出した。
光を受けて極彩色に煙るスモークを抜け……。
その女性は現れた。
美弥子は、愕然とした。
「あ、そうか。
長くいるとお金がかかるから……。
さっさと出しちゃう?
なんか、哀しいよね。
でもさ。
もっと可哀想なのは、こんなとこで出される精子だよ。
ティッシュに丸められて、ゴミ箱にポイでしょ。
運命って過酷よね。
女性の胎内に入って、新しい生命になる子もいれば……。
風俗店のゴミ箱に捨てられる子もいる。
あ」
「なに?」
「しゃべってたら、忘れちゃったね」
「なにを?」
「決まってるじゃない。
オナニー」
「ちょっと……」
「あのさ。
オナニーしない方が、お姉さんに失礼なんじゃないの?」
「止めてちょうだい」
「もう行っちゃったよ。
あー、もったいない。
また1周して来るかな?
でも、今出しちゃった人は、そんなに早く復活出来ないよね?」
「聞かないで」
ダンサーは、すべての窓に股間を見せ終えていた。
窓が途切れ、登場した扉まで舞台が巡った。
ダンサーはその場で身を翻し、扉を背にした。
女性器を剥き拡げ、もう一度腰を突き出す。
同時に、天井からスモークが噴き出し、背後の扉が上がった。
真っ黒い奈落を背に、ダンサーは大きく腰をグラインドさせた。
スモークが、ダンサーを包んでいく。
ダンサーは、奈落の向うに消え……。
扉が降りた。
舞台の明かりが、無機質な昼光色に変わった。
床も壁も、容赦の無い光に照らされ、安っぽさを晒していた。
夜の女性が、厚化粧のまま昼の街に出たようだった。
そこここで、扉の開く音がする。
由美が、不安そうな顔を向けた。
「終わっちゃった?」
「みたいね」
「どうする?
外、出る?」
「今はマズいでしょ。
廊下、お客さんが歩いてるわよ」
「そうよね。
先生が迎えに来てくれるわよね」
長くいるとお金がかかるから……。
さっさと出しちゃう?
なんか、哀しいよね。
でもさ。
もっと可哀想なのは、こんなとこで出される精子だよ。
ティッシュに丸められて、ゴミ箱にポイでしょ。
運命って過酷よね。
女性の胎内に入って、新しい生命になる子もいれば……。
風俗店のゴミ箱に捨てられる子もいる。
あ」
「なに?」
「しゃべってたら、忘れちゃったね」
「なにを?」
「決まってるじゃない。
オナニー」
「ちょっと……」
「あのさ。
オナニーしない方が、お姉さんに失礼なんじゃないの?」
「止めてちょうだい」
「もう行っちゃったよ。
あー、もったいない。
また1周して来るかな?
でも、今出しちゃった人は、そんなに早く復活出来ないよね?」
「聞かないで」
ダンサーは、すべての窓に股間を見せ終えていた。
窓が途切れ、登場した扉まで舞台が巡った。
ダンサーはその場で身を翻し、扉を背にした。
女性器を剥き拡げ、もう一度腰を突き出す。
同時に、天井からスモークが噴き出し、背後の扉が上がった。
真っ黒い奈落を背に、ダンサーは大きく腰をグラインドさせた。
スモークが、ダンサーを包んでいく。
ダンサーは、奈落の向うに消え……。
扉が降りた。
舞台の明かりが、無機質な昼光色に変わった。
床も壁も、容赦の無い光に照らされ、安っぽさを晒していた。
夜の女性が、厚化粧のまま昼の街に出たようだった。
そこここで、扉の開く音がする。
由美が、不安そうな顔を向けた。
「終わっちゃった?」
「みたいね」
「どうする?
外、出る?」
「今はマズいでしょ。
廊下、お客さんが歩いてるわよ」
「そうよね。
先生が迎えに来てくれるわよね」











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