噎び泣くようなサックスの音色が、さらに昂まった。
女教授は美弥子たちの窓に背中を向け、上体だけを起こした。
ボンレスハムめいた腕が器用にくねり、ベビードールに手をかけた。
身をうねらせながら抜きあげる。
観客席から、口笛が鳴り響く。
背脂を思わせる厚みのある肉が、照明のもとに晒されていた。
背中の両脇には、括れるほど肉が付いている。
おそらく、ブラのストラップに乗りあげるだろう。
広い背中から、ほとんど狭まらない腰。
臼のようだった。
さらにその下に、巨大な尻が広がっている。
尻には、さっきの女性と同じく、T字の紐が渡るだけだった。
女教授が、身を捻りながら起ちあがった。
四囲に自らを誇示するように、両腕を頭上に掲げる。
脇の下まで露わに見せながら、女教授はゆっくりと回転した。
横を向くと、重力に逆らえなくなった乳房が、雪原のスロープさながらに斜め下方を指していた。
女教授は、上体を左右に振った。
張りのない乳房が、宙に振り回される。
大ぶりな乳首が、タクトの軌跡を描いた。
女教授は、見えを切る所作で身を煽った。
巨大な乳房が、美弥子たちの窓を向いた。
頭上の腕が、羽ばたきの仕草で降りると、下から片乳房を持ちあげる。
乳房は、驚くほど伸びあがった。
大振りな乳首が、顎下にまで届いている。
女教授の顔が倒れ、自らの乳首を咥えた。
吸いたてる。
しかし、マスクの下の目は、真っ直ぐに窓を見ていた。
女教授に射すくめられる気がして、美弥子は思わず身を引いた。
しかし、由美は逆に身を乗り出していた。
「すごいー。
あんなことが出来るんだ。
便利よね。
ひとりで舐められるんだもん」
女教授は、腰をグラインドさせ始めた。
股間を渡るタンガからは、金糸を撚り合わせたフリンジの房飾りが下がっている。
腰が煽られるごとに、フリンジの束が波打った。
「やだー。
お相撲さんみたい」
女教授が聞いたら、さぞ気を悪くすることだろう。
女教授は美弥子たちの窓に背中を向け、上体だけを起こした。
ボンレスハムめいた腕が器用にくねり、ベビードールに手をかけた。
身をうねらせながら抜きあげる。
観客席から、口笛が鳴り響く。
背脂を思わせる厚みのある肉が、照明のもとに晒されていた。
背中の両脇には、括れるほど肉が付いている。
おそらく、ブラのストラップに乗りあげるだろう。
広い背中から、ほとんど狭まらない腰。
臼のようだった。
さらにその下に、巨大な尻が広がっている。
尻には、さっきの女性と同じく、T字の紐が渡るだけだった。
女教授が、身を捻りながら起ちあがった。
四囲に自らを誇示するように、両腕を頭上に掲げる。
脇の下まで露わに見せながら、女教授はゆっくりと回転した。
横を向くと、重力に逆らえなくなった乳房が、雪原のスロープさながらに斜め下方を指していた。
女教授は、上体を左右に振った。
張りのない乳房が、宙に振り回される。
大ぶりな乳首が、タクトの軌跡を描いた。
女教授は、見えを切る所作で身を煽った。
巨大な乳房が、美弥子たちの窓を向いた。
頭上の腕が、羽ばたきの仕草で降りると、下から片乳房を持ちあげる。
乳房は、驚くほど伸びあがった。
大振りな乳首が、顎下にまで届いている。
女教授の顔が倒れ、自らの乳首を咥えた。
吸いたてる。
しかし、マスクの下の目は、真っ直ぐに窓を見ていた。
女教授に射すくめられる気がして、美弥子は思わず身を引いた。
しかし、由美は逆に身を乗り出していた。
「すごいー。
あんなことが出来るんだ。
便利よね。
ひとりで舐められるんだもん」
女教授は、腰をグラインドさせ始めた。
股間を渡るタンガからは、金糸を撚り合わせたフリンジの房飾りが下がっている。
腰が煽られるごとに、フリンジの束が波打った。
「やだー。
お相撲さんみたい」
女教授が聞いたら、さぞ気を悪くすることだろう。
現れた女性は、さきほどのダンサーとは、正反対と云っていい体型だった。
纏っているものは、同じベビードールに違いない。
しかし、それに包まれた肉体は、まったく別種の生き物とさえ思えた。
さっきのダンサーを、上から3分の2くらいに押しつぶしたらこうなるだろうか。
太い胴体に……。
丸太のような短い脚。
そしてなにより、鶏の腿肉を思わせる巨大な尻。
この体型には、はっきりと見覚えがあった。
そう。
忘れもしない、あの教授室で目にしたものだ。
蝶を象ったマスクで顔は覆われているが……。
目の前のベビードールの女性は、紛れもなく、あの女教授だった。
「うそ……。
こんな人が踊り子さんなの?」
どうやら由美は、目の前の女性の正体には気づいていないようだ。
無理もない。
2人を案内してきた社会学の教授が、目の前の舞台に立っているなど、誰も考えはしない。
拍手が一段と高まった。
口笛も聞こえる。
熱狂的に近い盛りあがりだ。
「どうして……?
さっきの女性より、人気があるみたい。
なんで?」
美弥子は首を振った。
それは、美弥子にもわからないことだった。
女性……、いや女教授は、曲に乗って、身をうねらせている。
思いの外、柔らかい身体だった。
そう言えば……。
中学まで器械体操をしていたと言ってたようだ。
曲の昂まりとともに、女教授の身体は、螺旋を描きながら床に沈んだ。
太ぶとしい下半身を横たえた姿は、陸に上がった海獣を思わせた。
「でもさ。
なんか……。
エロさは、さっきの人以上だよね。
なんていうか……。
リアリティがあるっていうかさ。
隣のおばさんでも、見てるみたいな」
由美が、評論家めいたことを言い出した。
恥ずかしくなったなどと愚痴ってたくせに……。
今はもう、身を乗り出して窓の向うに見入っている。
纏っているものは、同じベビードールに違いない。
しかし、それに包まれた肉体は、まったく別種の生き物とさえ思えた。
さっきのダンサーを、上から3分の2くらいに押しつぶしたらこうなるだろうか。
太い胴体に……。
丸太のような短い脚。
そしてなにより、鶏の腿肉を思わせる巨大な尻。
この体型には、はっきりと見覚えがあった。
そう。
忘れもしない、あの教授室で目にしたものだ。
蝶を象ったマスクで顔は覆われているが……。
目の前のベビードールの女性は、紛れもなく、あの女教授だった。
「うそ……。
こんな人が踊り子さんなの?」
どうやら由美は、目の前の女性の正体には気づいていないようだ。
無理もない。
2人を案内してきた社会学の教授が、目の前の舞台に立っているなど、誰も考えはしない。
拍手が一段と高まった。
口笛も聞こえる。
熱狂的に近い盛りあがりだ。
「どうして……?
さっきの女性より、人気があるみたい。
なんで?」
美弥子は首を振った。
それは、美弥子にもわからないことだった。
女性……、いや女教授は、曲に乗って、身をうねらせている。
思いの外、柔らかい身体だった。
そう言えば……。
中学まで器械体操をしていたと言ってたようだ。
曲の昂まりとともに、女教授の身体は、螺旋を描きながら床に沈んだ。
太ぶとしい下半身を横たえた姿は、陸に上がった海獣を思わせた。
「でもさ。
なんか……。
エロさは、さっきの人以上だよね。
なんていうか……。
リアリティがあるっていうかさ。
隣のおばさんでも、見てるみたいな」
由美が、評論家めいたことを言い出した。
恥ずかしくなったなどと愚痴ってたくせに……。
今はもう、身を乗り出して窓の向うに見入っている。