焦燥に似た興奮が、美弥子の下腹部を灼いた。
大便が漏れそうだった。
懸命に肛門を締め上げる。
括約筋が絞られると、膣壁も捻られた。
悦楽の滴りが、濡れた布地を絞るように零れた。
美弥子の立つ横には、大きな鏡があった。
洗面コーナーの壁いっぱいに貼られた鏡は、目に入らないわけがない。
しかし、美弥子はまだ直視していなかった。
その鏡には、全裸の自分が映っているのだ。
美弥子の身体は静かに角度を変え、ようやく鏡と正対した。
洗面ボウルに落とした視線を、ゆっくりと持ち上げる。
……見つけた。
これが、ほんとうの自分なのだ。
興奮で瞳が潤み、目元には赤みが差していた。
鏡の中の唇が、小さく動いた。
「こんにちは」と言ったつもりだが、声にはならなかった。
泣き笑いのように歪んだ頬に、マスカラを溶かした涙が流れた。
美弥子は後ずさり、背中を壁に付けた。
そうしないと、身体を支えていられないこともあったが……。
下がることで、性器まで鏡に映したかった。
鏡の下端には、腰高な美弥子の股間がはっきりと映っていた。
水煙のようにけぶる陰毛を分け、肉色の陰核が覗いていた。
もう、ほんとうに我慢できなかった。
美弥子の片手が、陰核に伸びた。
「あひぃ」
鏡の中の美弥子が、口元をへの字に曲げた。
もう、絶頂を迎えそうな表情をしていた。
こんな場所で喪神したら、大変なことになる。
それは、判っていた。
しかし、指先の動きはもう止められなかった。
触れた陰核は、高熱を放っていた。
指は一瞬、火傷したように陰核を離れ……。
そのまま下に降りる。
そこには、熱泥の溢れる膣口が開いていた。
熱い泥を満遍なく塗された指先が、翻るように反転し……。
再び陰核を捉えた。
「あひゃ」
腰が跳ね、陰核が小魚のように逃げた。
再び摘み直す。
指先に力が籠もった。
大便が漏れそうだった。
懸命に肛門を締め上げる。
括約筋が絞られると、膣壁も捻られた。
悦楽の滴りが、濡れた布地を絞るように零れた。
美弥子の立つ横には、大きな鏡があった。
洗面コーナーの壁いっぱいに貼られた鏡は、目に入らないわけがない。
しかし、美弥子はまだ直視していなかった。
その鏡には、全裸の自分が映っているのだ。
美弥子の身体は静かに角度を変え、ようやく鏡と正対した。
洗面ボウルに落とした視線を、ゆっくりと持ち上げる。
……見つけた。
これが、ほんとうの自分なのだ。
興奮で瞳が潤み、目元には赤みが差していた。
鏡の中の唇が、小さく動いた。
「こんにちは」と言ったつもりだが、声にはならなかった。
泣き笑いのように歪んだ頬に、マスカラを溶かした涙が流れた。
美弥子は後ずさり、背中を壁に付けた。
そうしないと、身体を支えていられないこともあったが……。
下がることで、性器まで鏡に映したかった。
鏡の下端には、腰高な美弥子の股間がはっきりと映っていた。
水煙のようにけぶる陰毛を分け、肉色の陰核が覗いていた。
もう、ほんとうに我慢できなかった。
美弥子の片手が、陰核に伸びた。
「あひぃ」
鏡の中の美弥子が、口元をへの字に曲げた。
もう、絶頂を迎えそうな表情をしていた。
こんな場所で喪神したら、大変なことになる。
それは、判っていた。
しかし、指先の動きはもう止められなかった。
触れた陰核は、高熱を放っていた。
指は一瞬、火傷したように陰核を離れ……。
そのまま下に降りる。
そこには、熱泥の溢れる膣口が開いていた。
熱い泥を満遍なく塗された指先が、翻るように反転し……。
再び陰核を捉えた。
「あひゃ」
腰が跳ね、陰核が小魚のように逃げた。
再び摘み直す。
指先に力が籠もった。
股間に触りたかった。
しかし、今そこに触ってしまえば、一気に絶頂まで追い詰められてしまうだろう。
もったいなかった。
この興奮に、もっと揉まれていたかった。
触りたいのに触れない。
もどかしさが、美弥子の身を捩った。
握り締めたショーツを、フックに掛ける。
そのまま美弥子の身体は、マネキンのように凝固した。
ある想念が、美弥子の脳裏を彗星のようによぎったのだ。
美弥子の視線は、扉を閉ざしているスライド式のラッチに釘付けられていた。
出たい……。
このまま、扉の外に。
美弥子の震える指は、次第に求める指に変わり、ラッチへと伸びた。
ラッチをスライドさせると、甲高い音を立てて錠が外れた。
手を引くと、扉は自ずから内側に開いた。
気配から、外に人がいないことは判っていた。
それでも美弥子は、扉から顔だけ出し、通路を確認せずにはおれなかった。
天窓を抜けた光が、床のタイルを暖めていた。
人の気配は無い。
美弥子は、扉の外に踏み出した。
全裸のままで。
こんなことをしている自分が、信じられなかった。
しかし、これこそが……。
心から望んでいた行為だということは、痛いほどに感じていた。
ヒールの立てる音が、乱れていた。
膝から下が、がくがくと震え、足元が定まらない。
内腿に、熱い滴りを感じた。
美弥子の性器が、熱い涙を零しているのだ。
それが悦びの涙であることは、自らが一番判っていた。
美弥子の足は、不規則なヒール音を立てながら進んだ。
個室の並ぶ通路を折れると、洗面コーナーだった。
すぐ脇はもう、廊下を隔てる扉だ。
磨りガラスの矩形に入った扉は、いつ開いてもおかしくない。
しかし、今そこに触ってしまえば、一気に絶頂まで追い詰められてしまうだろう。
もったいなかった。
この興奮に、もっと揉まれていたかった。
触りたいのに触れない。
もどかしさが、美弥子の身を捩った。
握り締めたショーツを、フックに掛ける。
そのまま美弥子の身体は、マネキンのように凝固した。
ある想念が、美弥子の脳裏を彗星のようによぎったのだ。
美弥子の視線は、扉を閉ざしているスライド式のラッチに釘付けられていた。
出たい……。
このまま、扉の外に。
美弥子の震える指は、次第に求める指に変わり、ラッチへと伸びた。
ラッチをスライドさせると、甲高い音を立てて錠が外れた。
手を引くと、扉は自ずから内側に開いた。
気配から、外に人がいないことは判っていた。
それでも美弥子は、扉から顔だけ出し、通路を確認せずにはおれなかった。
天窓を抜けた光が、床のタイルを暖めていた。
人の気配は無い。
美弥子は、扉の外に踏み出した。
全裸のままで。
こんなことをしている自分が、信じられなかった。
しかし、これこそが……。
心から望んでいた行為だということは、痛いほどに感じていた。
ヒールの立てる音が、乱れていた。
膝から下が、がくがくと震え、足元が定まらない。
内腿に、熱い滴りを感じた。
美弥子の性器が、熱い涙を零しているのだ。
それが悦びの涙であることは、自らが一番判っていた。
美弥子の足は、不規則なヒール音を立てながら進んだ。
個室の並ぶ通路を折れると、洗面コーナーだった。
すぐ脇はもう、廊下を隔てる扉だ。
磨りガラスの矩形に入った扉は、いつ開いてもおかしくない。