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歌★初音ミク
詞★Mikiko
曲★闇元たかし
動画制作★黒粉屋@(ΦωΦ)にゃ
深さ2百4十メーター 竜飛の海底に
三線軌条は 光り輝く 白金の矢
頭上渦巻く津軽海峡 陸を隔てる波
ブラキストン線 貫き渡る 青函トンネル
過去と 未来 いま結ばれる レール
夢と うつつ いま呼びさます 旅路
凍る海を 突き抜けてく 紫の翼よ
カムイの風 "はやぶさ"
5万3千9百メーター 抜けて北の空
走る雲より 遠い地平へ 誘う虹
車窓流れる渡島の森 最北限のブナ
函館平野 北斗に尖る 蝦夷駒ヶ岳
遥か 遠く いま甦る 記憶
手と手 目と目 いま通わせる 心
命灯し 歩み続け 共に至る丘
振り返れば まほろば
過去と 未来 いま結ばれる レール
夢と うつつ いま呼びさます 旅路
香る大地 駆け抜けてく 紫の翼よ
カムイの風 "はやぶさ"
★『カムイの風』完成までの経緯★
この曲のメロディを、『黒い教室』やみげんさんから送っていただいたのは、昨年(2015年)の5月20日のことでした。
詩を載せてみたい曲が手元に4つほどあるので、どれか選んで詩を付けてほしいとのご依頼でした。
送っていただいた曲を聞いたのは、東京に遊びに行った帰りの新幹線の中でした。
なんで帰りに聞いたかと云うと、行きは高速バスだったからです。
わたしはバスからの眺めが大好物なので、バスに乗ってるときは、曲を聞いている余裕がないのです。
その点、帰りの上越新幹線には長い大清水トンネルがあり、そのときに聞かせてもらったわけです。
4曲から1曲を選ぶのに、苦労はしませんでした。
1曲だけ、突出して良かったからです。
それが、今回の『カムイの風』のメロディでした。
早々、やみげんさにその由を伝え、文字数を書いた資料を送っていただきました。
わたしは譜面がまったく読めないので、文字数を教えていただけないと詩が付けられないのです。
同時に、やみげんさんからは、詩のイメージの参考資料として、2曲、Youtubeのページを伝えられました。
↓『アンダルシアに憧れて』
↓『コーヒー・ルンバ』
『コーヒー…』は知ってましたが、『アンダルシア……』は、初めて聞く曲でした。
やみげんさんがお持ちの歌詞イメージは、下記のとおりとのことでした。
1.参考資料の曲のように、物語仕立てにする。新潟の話とか。
2.比喩的、コミカルで、ブラックな内容。
3.登場人物が何かを象徴しているといった“隠しテーマ”を織りこむ。
これらの資料から、詞のテーマをまず決めてほしいとのことでした。
と云って、わたしに日ごろから温めてるテーマなどなく、頭の中はまったくの白紙状態で、アイデアはさっぱり浮かびませんでした。
で、やみげんさんのイメージ「1」の、新潟の話にしようかと思い、その由を伝えました。
このまま話が進んでいれば、今回の曲のサビ“はやぶさー”のところは、“にいがたー”になるはずだったのです。
で、この方向で、歌詞を考えてみました。
『ケンミンショー』みたいなネタですね。
「新潟県人は、道で会っても“ごめんください”と言う」とか。
でも、イマイチ、気持ちが乗りませんでした。
どうしても、はなわ氏の『佐賀県』の二番煎じになってしまいそうな気がしたからです。
そんなときでした。
NHKで再開されていた『ブラタモリ』という番組を見たのです。
放送日を確認したところ、2015年5月30日(土)でした。
この回の舞台は、『函館』。
このとき、北海道新幹線が2016年に開通するということを初めて知ったのです。
一瞬にして、「これだ!」と閃きました。
北海道新幹線のテーマ曲にしようと。
早々、サビ部分の詩を考え、やみげんさんに送りました。
ですが……。
やみげんさんは、限りなく“鉄分”の薄い方みたいで、再考を促されました。
マニアックすぎると言われるのです。
新潟の話で、もう一度考えてみてほしいとのこと。
でも、わたしの頭はすでに北海道新幹線一色となっており、新潟の話は吹き飛んでいました。
というわけで、とりあえず北海道新幹線で詩を完成させてほしいとお願いしたのです。
この時点ですでに、函館出身のバンド『GLAY』に、北海道新幹線のPR曲が依頼されていました。
おそらくそちらの曲は万人向けとなると考え、わたしは逆に、“鉄分”多めなマニアックな詩で行こうと考えました。
鉄道PR曲にありがちな恋愛的イメージは一切排除し、鉄道用語なども折り込み……。
青函トンネルを掘った作業員の汗が感じられるような、泥臭い、言ってみれば『プロジェクトX』路線を目指すことにしたのです。
ということで、すべての文字を埋めたものをお送りしたのが、2015年6月22日でした。
1番は青函トンネルの中、2番はトンネルを出た北海道の大地を描きました。
その後、やみげんさんとのやり取りでは、「三線軌条」「ブラキストン線(これは鉄道用語ではありませんが)」などの特殊な言葉づかいについて難色を示されたのですが……。
わたしのわがままで押し切らせていただきました。
もうひとつ、大きな問題となったのが、曲の発表時期でした。
わたしは、GLAYの曲が出来上がる秋より前に発表したいと思っていました。
でもこれは、やみげんさんに速攻却下されました。
そんな時期に発表したら、実際の開業のときには、すでに消え去ってるというのです。
とにかく、ジャストなタイミングに合わせないと、話題にもならないとのお言葉でした。
これまでの経験からのお話であり、こればかりはわたしの方で引き下がるしかありませんでした。
そんなわけで、曲の発表が、詩の完成から9ヶ月後になってしまいました。
大きく時間が空いてしまうことになったため……。
わたしの中では、一旦、この曲は頭の中から葬り去っていました。
でも、ようやくこうして、発表できる日がやってきたのです。
感慨深いです。
思えば……。
上越新幹線の大清水トンネルの中で初めて聞いた曲が、北海道新幹線の青函トンネルの歌になったのです。
運命的なものを感じずにはおれません。
いつの日か、北海道新幹線に乗ってみたいと思っています。
できればグランクラスで、イヤホンから流れるこの曲を聞きながら。
今後の人生に、大きな楽しみが出来ました。
ともあれ!
素晴らしい曲と楽しい作業時間を与えてくださったやみげんさん、そして今回も素敵な動画を付けてくださった黒粉屋@(φωφ)にゃさんに、心から感謝いたします。
ほんとうにありがとうございました!
※作詞、お引き受けします。ご相談ください(メールフォーム)。
オリジナルサイズの動画は、【ニコニコ動画】でご覧いただけます(【ニコニコ動画】をご覧いただくには会員登録が必要となりますが、Twitterやfacebookのアカウントでも、ログインできます)。【YouTube】では、英詩バージョンをご覧いただけます(会員登録は不要です)。
歌★初音ミク
詞★Mikiko
曲★闇元たかし
動画制作★黒粉屋@(ΦωΦ)にゃ
サウンドアドバイザー★さくちゃ
忘れられぬあの日の雲は
誰の空に浮かぶの
窓に映る涙のすじを
数えても返らない
時はどうして流れるの
一緒にいたいよ
道はどうして分かれるの
遠ざかる影法師
誰に宛てて書いた手紙は
誰のために燃やすの
誰のもとに帰る面影
山並みに消えてゆく
人はどうして別れるの
指切りしたのに
声はどうして届かない
夕暮れのむこうがわ
見あげる空から
花びら舞い落ちる
この胸吹いてる風の中
はらはらと
きみの夢を見ないひと夜は
いつになれば明けるの
胸のリボン結ぶ朝にも
まなざしが離れない
時はどうして流れるの
一緒にいたいよ
道はどうして分かれるの
おもいでは Refrain
人はどうして別れるの
指切りしたのに
声はどうして届かない
おもいでは Refrain
うつむけば頬から
わたしの恋ごころ
こぼれる雫に水色の
花びらが生まれる
見あげる空へ
花びら舞いあがれ
あのとき吹いてた風に乗り
きみの手に届け
※作詞、お引き受けします。ご相談ください(メールフォーム)。