2016.9.1(木)
首筋に手拭いを使いながら、お蝶は洗い場に立ち上がった紫乃をじっと見つめた。
“悔しいけど、なんてきれいな身体だろう……”
お湯を使い終えた紫乃はその濡れた体を拭い始めた。
腰高のお尻の下から長い二の足が伸びて、腰から上に目を向けると、一度窮屈そうに細まった胴のくびれからなで肩の割にはその上半身のしっかりとした肉付きは、武芸者も然りと思わせるに十分だった。
“ふふふ……、でもまだ生娘のようだねえ……”
手拭いを使う腕の下にその胸が垣間見えた時、お蝶は胸のうちで微笑んだ。
まだ固そうに膨らんだ乳房の先に、煩悩を感じさせぬ可憐な桜色が弾んだからである。
「ではお蝶さん、私は先に……」
「あ、ええ。じゃあ、私もそろそろ上がりますから、伊織様にお風呂へどうぞとお伝えくださいますか……?」
「はい、わかりました」
そう言って風呂場から出ていく紫乃を見ながら、お蝶はつい自分のおなかの肉をつまんでみる。
三十路半ばを迎えた今でも名前の通り蝶の様に飛べなくては、若を救い出すなど到底適わぬことを承知しているからであった。
「紫乃さん、とってもきれいなお身体でしたのよ」
そう言ってお蝶は、伊織の背中に手拭いを使いながら横顔を覗き込む。
「そうですか……」
「たっぱも伊織様と同じくらいに高いし、お乳も初めてお会いした時のあなたみたいに可愛くて……」
夢見る様につぶやいたお蝶の前で、湯気のせいばかりでなく伊織の顔が薄っすらと赤く染まった。
「うふふ赤くなって……、恥ずかしゅうござんすか……?」
後ろから回り込んだお蝶の両手が、伊織の胸の膨らみを包み込む。
「あ………」
「久しぶりですね……。もうお乳の先をこんなに固くして……」
「このようなところで……」
「だめ? ほら、こうされると切ないでしょう……」
ぷりぷりと乳首を転がしながら、お蝶の両手のひらが伊織の乳房を揉みあげる。
「もうやめて……、だれか入ってきたら……」
「伊織……、いいえ菊様はこのところずっとお心を痛めたまま……。このままではお体に触ります。今宵ひと時、あたしと一緒に夢を見て……」
ゆっくりと振り返った伊織の唇に、そのままお蝶のふくよかな唇がみっちりと吸い合わされていった。
「あ……ああ!」
切羽詰まった伊織が夢中で股間のお蝶の手を掴む。
「ああ!」
頤を上げて眉の間に縦皺を刻むと、洗い場の腰掛の上で後ろから抱かれた体が弾んだ。
お蝶は頬を重ねたまま、伊織の裸身を湯の流れる石張りの上に横たえる。
女ざかりの豊満な身体を伊織のしなやかな身体に絡めると、少しでも情愛の熱を冷まさぬようにその右手を伊織の繊毛に忍ばせていく。
「ほら伊織様、またすぐ、すぐ続けていけるでしょう……?」
上向きの乳房に吸い付いたお蝶の手が細かく震えると、両膝をすり合わせながら伊織の身体がくねりかえる。
「あ~……お蝶さん……」
堪らず伊織は泣き声を上げた。
「ねえほら、今度は思いっきり………」
弾き立った乳首を吸い離して、ますます忙しなく右手を使いながらお蝶が囁く。
「ああ~~、だめだめ!! ……くうっ……」
お蝶の手に合わせて腰を振りながら、伊織の身体が戦慄きながらせり上がった。
「あぐう……!!」
その右手にどっと熱い女の露を浴びせると、反りかえった伊織の体に狂おしい痙攣が走る。
燃えるようなお蝶の瞳に見つめられながら、極みに縛られた伊織のまつげが細かく震えていた。
やっと息が静まった伊織は、傍らのお蝶の豊かな胸に頬を寄せる。
「うふふ、昼間はあんな素っ気なかったのに、伊織様ったらまるで赤ちゃんみたい……。ねえ、あたしのおっぱいお吸いになる……?」
「はずかしい……」
顔を赤らめた伊織は額でお蝶の乳房を揺るがした。
「でもだめ……」
お蝶はそう言って伊織の顔を自分の乳房から引き離した。
訝し気な表情を浮かべた伊織の顔を、色っぽい笑みが見おろす。
「今度はあたしの旦那様になっていただかなきゃあ……。ねえ、あたしのことも可愛がって」
照れくさそうな笑みを浮かべた伊織は、お蝶の胸からゆっくりと身を起こした。
「ではここへおいでなさい……」
伊織はお蝶の体をその胸に引き寄せると、もううっとりと頤を上げたお蝶の唇を深々と奪ったのである。
「あっはあ……ああもう、気が行きそう……」
おなかの柔らかみをぶるっと震わせると、お蝶は伊織の胸の中で身をくねらせた。
熱い露を滑らせて、伊織の長い指がお蝶の女を揉み込んでいる。
「ああ! お願い、伊織様、噛んで!!」
伊織は桃色の舌をお蝶のうなじから胸元に滑り下ろす。
一層濡れたものを蹂躙しながら、伊織の白い歯がお蝶のふくよかな乳房に食い込んだ。
もう十年来睦み合ううちに、時折お蝶は伊織に苛められることを求めた。
愛する人に滅茶苦茶にしてもらいたい、そして命を懸けて愛してもらいたい。
そんなことを夢うつつに思うお蝶なのである。
そしてそんな時、獣の様にお蝶を愛することで己が体が熱く燃え上がるのを伊織自身も感じた。
「あ~~、だめだめ! くうう……!!」
お蝶の身体が泣きそうな快感に幾度も跳ねた。
白い肌に薄っすらと歯形を残して、身を起こした伊織がお蝶の体をうつ伏せに転がす。
「ここ……?」
もう長年連れ添った夫婦のように、伊織はお蝶に問いかける。
手の甲を上にして、伊織の右手の中指がお蝶の濡れたものに滑り込んでいく。
左手で尻たぶを押し開くと、色白の細面がその間に割り込んでいった。
「あは!」
お蝶は上半身を洗い場から浮かせて、切羽詰まった声を上げた。
菊のつぼみをちろちろと舐められながら、伊織の指が自分の中でうごめき始めたからである。
くの字に曲げた長い指が、濡れた中の天井の起伏をぷりぷりと揉み込んでくる。
“そこはあたしの急所なのよ……”
それは年月を経て睦みごとが重なるうちに、いつかお蝶が伊織に囁いた場所であった。
「ああもう! ああまた果てそう……ねえ、ぶって、ぶって伊織様!!」
伊織は顔を上げると、お蝶の弾む尻を音を立てて叩いた。
右手を忙しなく使いながら、左手がお蝶の尻の肉に幾度も湿った音を立てる。
「ああだめ! ……伊織さまあ!」
うつ伏せで頤を上げたお蝶の口から裏返った女の声が絞り出された。
伊織はお蝶に覆いかぶさると、左手でお蝶の顎を掴む。
待っていた様に振り向いたお蝶の唇に伊織の唇が狂おしく揉み合わされた。
「ふん! ぐうう……んぐうう!!!」
目くるめく極みの喜びに貫かれながら、お蝶の目から一筋二筋涙さえ流れ落ちていたのである。
もう明るくなった窓の外で雀の鳴き声が聞こえる。
「さあ、支度も整った。そろそろ参ろうか」
背袋の紐を胸の前で締め終えた伊織が、鏡台に陣取ったお蝶に声をかけた。
「え、ええ。やだわあ、あんまり伊織様がいじめるから、今朝はなんだか髷がうまくいかなくって……」
そんなお蝶の憂いをよそに、伊織は周囲を見回す。
「紫乃殿の姿が見えぬが、お蝶、お前知らぬか?」
「え? ……ええ実は……」
ようやく鏡台から腰を上げてお蝶は続ける。
「今朝ご飯を頂いた後に手水場で顔を合わせたんですけどね、旅先のことを聞かれてつい人探しの話を……」
「ええ!? 若の話をしたのか?」
八の字に眉を寄せた伊織に、慌ててお蝶は言葉を繋ぐ。
「い、いえ、若様の一件は何も。ただ伊織様のお子が人さらいの一味に連れ去られてという話をしますと……」
「如何した?」
「ええ、何やら顔色を変えて黙り込んでましたが、その後姿が見えなくなっちまって……」
「ふうむ……」
顎に手をあてて少し思案した伊織だったが、小さな息を吐くと顔を上げた。
「黙って去ったとは思えぬが、私たちも先を急がねばならん。もうこのまま出立するとしよう」
「ええ」
二人はうなずき合うと旅籠の部屋を後にした。
伊織とお蝶が宿から中山道へと歩いていくと、道端の切り株に腰かけた若い女の姿が見えた。
「伊織様、ほら、あれ」
紫乃は伊織とお蝶の姿を見つけると、急いで立ち上がって二人の方へ走り寄っていく。
「昨夜は一方ならぬ御厚意をいただき、お礼の言葉もございません」
「い、いやいや。お姿が見えず少々心配しておりましたが、御無事でなにより」
紫乃は再び頭を下げた後、その美しい瞳を輝かせて口を開く。
「今朝はお二人の旅の目的をお聞きし、私も是非お供にお加えいただこうと」
紫乃の申し出に伊織は目を見開いた。
「い、いや、あなたのお気持ちは嬉しいが、此度はいささか危うい出来事があっても不思議ではなく……」
「いいえ、そのような事は覚悟の上です。あなたの様な優し気な殿方お一人では如何にも心もとなく心配です」
それを聞いたお蝶が横目で紫乃を睨む。
「ま、まあ、あなたの様な腕達者にご同行願えれば心丈夫だが……、これはその修行と違って……」
「修行のお手合わせとは訳が違うんですよう。命を取るか取られるかのやり取りなんだから」
伊織の言葉にかぶせるかのようにお蝶が言い放った。
「これ」
少々険のある言い方のお蝶を伊織が片手で制する。
「いいえ。一宿一飯のご恩をお返しすることは勿論、あなたのお子をお助けして、世の中の為にならねば私の修行も何の意味もないこと」
伊織の目がじっと紫乃の顔を見つめた。
「是が非でも、私はあなた方の後について行きます」
小さなため息を漏らしたお蝶と顔を見合わせると、伊織は紫乃に口を開いた。
「本当に危うい状況になりましたら、私の考えであなたにはお引き取り願うかもしれませぬが、それでもよければご同行ください」
「は、はい。わかりました!」
紫乃の顔がみるみる明るく輝いた。
もともと気高い雰囲気に初めて若い娘の華やかさが加わる。
「では参りましょうか。…………ん?」
前を向いて歩きかけた足をぴたりと止めて伊織は振り返った。
「紫乃さん、あなた長刀は如何なさった?」
「あ!」
傍らのお蝶も口に手をあてて短い声を上げた。
「あ、あの、これ以上路銀でご迷惑をおかけするわけにもいかず……」
紫乃は顔を俯かせて唇を噛んだ。
「処分なさったのか!」
「まあ、なんてことを……」
顔を赤くして小さくうなずく紫乃に伊織は口を開く。
「何故そのような事を。あなた一人ぐらい辛抱すれば何とでもなること。さあ、急いで買い戻しに参りましょう。いずれですか? さあ紫乃さん早く!」
先頭切って歩いてゆく伊織の背中を見ながら、お蝶は心の中で苦笑いした。
“えらそうな事言ってるけど、若いころの伊織様だって紫乃さんにそっくり。生真面目で、不器用で……”
再び大事に向かい真顔に戻った伊織とお蝶ではあったが、思いがけない若い武芸者の出現で、まだ道のりを残した旅の行く末に微かな光が差したような気がしたのも確かだった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2016/09/01 07:43
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時代劇
お楽しみのひとつが、お風呂場の場面です。
由美かおるさん、綺麗でしたね。
時代劇の人気が衰えてしまったのは……。
こういうサービスシーンが無くなったからでもあるのでは?
もう一つ、楽しいのが、道中ものです。
土手道などを、面白そうに歩くシーンが目に浮かびます。
どこまでも広がる青空。
鳥の声。
最近は、ロケ地を探すのが難しいでしょうけどね。
でも、CGがこれほど発達してるんだから、邪魔ものを消すくらい出来るでしょう。
いや、消すよりむしろ、そこに何か重ねた方が簡単か。
電柱の列だって、杉の木を上書きすれば、杉並木になります。
ま、手間が大変でしょうけど。
一度、映画でやってみてくれないでしょうか。
成功すれば、テレビでも普及するかも。
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2. 抜けば玉散る……HQ- 2016/09/01 17:19
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時代劇
ほんとに少なくなりました。
まあ、BSには『時代劇専門チャンネル』なんて局もあるんですがね。
邪魔ものを消せ
まあ、セットを作れば何の問題もありませんが、どちらが手間ですかね。
また、その見映えはどちらが……。
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3. Mikiko- 2016/09/01 19:45
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セット
バラして運んで、ロケ地で組み立てるわけですね。
ひょっとしたら、これまでの時代劇でも、普通にやってたことかも知れません。
大きくないものなら、人垣を作っても消せますよね。
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4. 助監督ハーレクイン- 2016/09/01 21:40
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ロケ地で組み立て
違います。
撮影所に作ったセットということです。
だから、現実の、現在の街並み・景観は一切無関係、ということですね。
だから、やりたい放題、し砲台(ん?)。
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5. Mikiko- 2016/09/02 07:37
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わたしは……
ロケに出たいのです。
撮影所なら、セットを作らずとも、太秦などがあります。
屋内と屋外とでは、ぜんぜん雰囲気が違いますよ。
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6. 助監督2ハーレクイン- 2016/09/02 13:42
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ああ、はいはい
実際の、例えばどこやらの山奥で撮影するということですね。で、家屋や、社や寺などの建物は、現地で組み立てる、と。
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7. Mikiko- 2016/09/02 19:51
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あーたね……
寺社のセットを現地で組み立てるって、原寸大ですよ。
どれだけの費用と時間がかかると思いますか。
寺社の作りなんて、今も江戸時代も大して変わりありません。
現物で撮ればいいだけです。
消火栓なんかを、ハリボテの灯籠で隠すわけです。
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8. セットにこだわるHQ- 2016/09/02 22:43
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寺社のセットは無理
道端の祠くらいならいけるでしょう。
傍らに座頭市がうずくまってたりして。











![[官能小説] 熟女の園](https://livedoor.blogimg.jp/mikikosroom2008/imgs/3/e/3e07a9c3.gif)





































































































