2016.7.25(月)
■
「さて、困りましたね」
史恵さんの声に、わたしは妄想から引き戻された。
「マットが埋まってしまってます」
離れたマットでは、サクラの夫婦が並んで横たわっている。
まだ目が覚めないようだ。
脚元のマットには、村井さんご夫婦。
2人の魂は、仲良く手を繋ぎ、お花畑でも散歩しているのだろう。
目覚めそうな気配も無かった。
「起こしてしまうのも、気の毒ですね」
「あの、先生」
「はい」
声を上げたのは、吉川さんのご主人だった。
「わたしたち、タイルの上でいいです」
「でも、それじゃ……」
「マットの2組は、勇気を出して、先に被験者になってくれたんです。
残ったわたしたちが、マットを使えなくても仕方ありません。
な?」
最後の「な?」は、隣の奥さんに向けてのものだった。
奥さんは、ちらりとご主人を見上げ、かくかくと頷いた。
目の下の涙袋が、桜色に灯っていた。
表情は平静を装っているが、内奥の興奮が色に現れてるように思えた。
マットを使えなくても仕方ないというのは……。
おそらく方便に違いない。
本音は、一刻も早く交わりたいのだ。
「わかりました。
えーっと、じゃ、こちらで大丈夫ですか?」
史恵さんが手の平を向けたのは、2つのマットの間だった。
「あの。
俺たちも一緒にいいですか?」
太ったご主人が、一歩踏み出した。
「そうですね。
同時となると、2組が並んでいただかないと、アドバイスがしづらいですね。
じゃ、吉川さんと、えーっと、平山さんでしたね?
奥さんお2人、こちらのマットの間に仰向いてください」
「さて、困りましたね」
史恵さんの声に、わたしは妄想から引き戻された。
「マットが埋まってしまってます」
離れたマットでは、サクラの夫婦が並んで横たわっている。
まだ目が覚めないようだ。
脚元のマットには、村井さんご夫婦。
2人の魂は、仲良く手を繋ぎ、お花畑でも散歩しているのだろう。
目覚めそうな気配も無かった。
「起こしてしまうのも、気の毒ですね」
「あの、先生」
「はい」
声を上げたのは、吉川さんのご主人だった。
「わたしたち、タイルの上でいいです」
「でも、それじゃ……」
「マットの2組は、勇気を出して、先に被験者になってくれたんです。
残ったわたしたちが、マットを使えなくても仕方ありません。
な?」
最後の「な?」は、隣の奥さんに向けてのものだった。
奥さんは、ちらりとご主人を見上げ、かくかくと頷いた。
目の下の涙袋が、桜色に灯っていた。
表情は平静を装っているが、内奥の興奮が色に現れてるように思えた。
マットを使えなくても仕方ないというのは……。
おそらく方便に違いない。
本音は、一刻も早く交わりたいのだ。
「わかりました。
えーっと、じゃ、こちらで大丈夫ですか?」
史恵さんが手の平を向けたのは、2つのマットの間だった。
「あの。
俺たちも一緒にいいですか?」
太ったご主人が、一歩踏み出した。
「そうですね。
同時となると、2組が並んでいただかないと、アドバイスがしづらいですね。
じゃ、吉川さんと、えーっと、平山さんでしたね?
奥さんお2人、こちらのマットの間に仰向いてください」
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2016/07/25 07:38
-
新潟県代表
中越高校に決まりました。
大会終盤の勢いが、そのまま出ましたね。
中越の夏の出場回数は10回目で、県内高校初の2桁出場となりました。
本大会では、多くは期待できませんが……。
組み合わせに恵まれれば、1回くらい勝てるかもです。
-
––––––
2. プロデューサーHQ- 2016/07/25 08:55
-
お
次は吉川夫妻&ギャルデブ夫妻、同時進行ですか。
これは豪華な宴になりそうですな。
あ、ギャルデブは平山夫妻か。
-
––––––
3. Mikiko- 2016/07/25 19:43
-
この後、どういう展開になるのか……
すっかり忘れてしまいました。
楽しみに待つことにしましょう。
-
––––––
4. ♪わたし待つわHQ- 2016/07/25 21:29
-
↑♪いつまでも待つわ
待つって……
作者が何を待つんだよ。
神の降臨かあ。
ま、とりあえず明日は1回休み、ですな。