2016.5.30(月)
「美弥ちゃん。
美弥ちゃん」
「うーん。
もう、朝?」
「ぜんぜん。
まだ9時前だよ」
「なんで起こすのよ」
「お夕飯、食べてないよね」
「え……?
あ、そうか」
「お腹空かない?」
「言われて見れば」
美弥子が身を起こすと同時に、キュルキュルとくぐもった音が聞こえた。
美弥子が、自分の腹を見下ろした。
「やだ。
そんなこと言うから、鳴っちゃったじゃない」
「お腹は正直ね。
厨房に食べに行こうか」
「うん」
美弥子が、あたりを見回す。
「どうしたの?」
「着るもの探してるのよ。
この格好じゃ、行けないでしょ」
「ジャージは、お風呂場だっけ?」
「うん。
夕方まで着てた服も、お風呂に脱いで来ちゃったよね」
「ここには、クリーニングした外出着しかないよ」
「じゃ、下着だけ着けて行く?」
「パンツ一丁で行くか。
ブラまでする気にならないし。
誰かに見られるわけでもないし」
「そうね。
ちょっと不謹慎な感じで気が咎めるけど」
「よく言うわ。
お風呂場で、あれだけのことしてて」
「ふふ」
「ちょっと……。
美弥ちゃん。
あれ」
「何よ?」
「入口の襖、開いてる」
「それが、どうかしたの?」
「寝たあと、トイレとかに起きた?」
「起きないわよ」
「閉まってたよね、襖」
「確かに。
由美が勢い良く閉めすぎて、跳ね返ったのを、わたしがぴったり閉めたんだもの」
「スプレー振って滑りやすくなってたの、忘れてたのよ。
スプレーが効きすぎて、ひとりでに開いたのかな?」
「そんなわけないでしょ」
「じゃ、誰が開けたの?」
「知らないわよ」
美弥ちゃん」
「うーん。
もう、朝?」
「ぜんぜん。
まだ9時前だよ」
「なんで起こすのよ」
「お夕飯、食べてないよね」
「え……?
あ、そうか」
「お腹空かない?」
「言われて見れば」
美弥子が身を起こすと同時に、キュルキュルとくぐもった音が聞こえた。
美弥子が、自分の腹を見下ろした。
「やだ。
そんなこと言うから、鳴っちゃったじゃない」
「お腹は正直ね。
厨房に食べに行こうか」
「うん」
美弥子が、あたりを見回す。
「どうしたの?」
「着るもの探してるのよ。
この格好じゃ、行けないでしょ」
「ジャージは、お風呂場だっけ?」
「うん。
夕方まで着てた服も、お風呂に脱いで来ちゃったよね」
「ここには、クリーニングした外出着しかないよ」
「じゃ、下着だけ着けて行く?」
「パンツ一丁で行くか。
ブラまでする気にならないし。
誰かに見られるわけでもないし」
「そうね。
ちょっと不謹慎な感じで気が咎めるけど」
「よく言うわ。
お風呂場で、あれだけのことしてて」
「ふふ」
「ちょっと……。
美弥ちゃん。
あれ」
「何よ?」
「入口の襖、開いてる」
「それが、どうかしたの?」
「寝たあと、トイレとかに起きた?」
「起きないわよ」
「閉まってたよね、襖」
「確かに。
由美が勢い良く閉めすぎて、跳ね返ったのを、わたしがぴったり閉めたんだもの」
「スプレー振って滑りやすくなってたの、忘れてたのよ。
スプレーが効きすぎて、ひとりでに開いたのかな?」
「そんなわけないでしょ」
「じゃ、誰が開けたの?」
「知らないわよ」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2016/05/30 07:25
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お腹が鳴る
わたしは、昼食を食べません。
当然、お昼から夕方にかけては、空腹を感じます。
でも、お腹が鳴ることは無いんです。
もし、鳴るようだったら、お昼抜きは出来ないでしょう。
オフィスでは、聞こえますからね。
でも、お腹が鳴るのは健康な証拠とも云われます。
胃酸抑制剤を飲んでるので、そのせいもあるんでしょうかね。
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2. 会話が好きっHQ- 2016/05/30 14:34
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>「知らないわよ」
今回の由美ちゃんのセリフですが、見事に性格が表れてますね。
それにしても思うのは、「会話だと行数稼げるなあ」です。
これは以前書きましたが、筒井に↓こんなのあります。
下士官が兵隊に命令します。
「整列、番号!」
「一」
「二」
「三」
「四」
「五」
「六」
「七」
「八」
「九」
「十」
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3. Mikiko- 2016/05/30 19:53
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「知らないわよ」は……
美弥子のセリフです。
兵隊を5,000人出せば、5,000行。
原稿用紙、250枚になりますね。
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4. 5000行の会話HQ- 2016/05/30 23:12
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美弥子のセリフ
「知らないわよ」
これなんだよなあ、会話が続く場合の弊害。
わたしは極力、セリフの内容・話し方・表現などにキャラを滲ませるように意識しています。あとは、あまり会話を続けない、かな。適宜、状況説明の地の文を挟むようにしています。
まあ、独白のみで1回分書いたことはありますが、この時は久美一人でしたから問題ないよね。
5,000人で5,000行。
誰も読まんわ。
それ以前に、人数は小隊で多くて50人、中隊200人、大隊1,200人です。5,000人の兵隊が一堂に会するなど、ありえません。
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5. Mikiko- 2016/05/31 07:23
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4個前のセリフに……
「由美が勢い良く閉めすぎて……」とありますから、これは美弥子です。
それから順に追っていけば、わかると思いますがのぅ。
“一堂に会する”。
この字を書くとは意外でした。
“一同に会する”だと思ってた。
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6. 国語講師ハーレクイン- 2016/05/31 12:44
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いっそ……
シナリオ形式にすれば「順に追う」などの手間が省けまっせ。
参考文献:『センセイのリュック』
【一堂】同じ堂。同じ場所。 「―に会する」
【一同】①同じであること。同一。また、同じになること。
②そこにいる人々、または仲間全体。
参考文献:広辞苑
前コメでは、「兵隊が同じ場所に集まって番号確認をする」わけですから、「一堂」ですね。まあ、参加者は“兵隊さん一同”ではあるわけですが。
“一同に会する”。よくある間違いだそうです。
授業を終わります。起立、礼。