2016.5.29(日)
『うぐ』
もう、出そうだった。
涼太は、さらに立膝をにじり寄せた。
その時だった。
「うーん」
向う側に倒れていた由美の顔が、真上に起き直った。
その表情は、明らかに眠りが浅くなっているように見えた。
口元が、むにゃむにゃと動く。
「はぁぁぁ」
大きなあくびを終えると、由美の目蓋が細長く開いた。
涼太は、その場に這いつくばった。
巨大な美弥子の尻の山脈が、自分の身を隠してくれるはずだ。
しかし、そんなところに長く隠れてはいられない。
涼太は、畳に身を伏せたまま反転し、そのまま這った。
匍匐前進である。
「う」
うっかり、陰茎を畳に擦ってしまった。
チリチリと尻の産毛が逆立つ。
一瞬、動きを止めた涼太に、由美の声が聞こえた。
「美弥ちゃん……」
半分寝ぼけてはいるが、寝言ではなさそうだ。
涼太は気を取り直すと、一気に押し入れまで這った。
さっき開けておいた隙間に、頭から潜りこむ。
中の暗闇が、涼太を迎えてくれた。
身を反転させ、入ってきた隙間から部屋を覗く。
由美が、半身を起こしていた。
呆然とした様子なのは、まだ目覚めきってないからだろう。
美弥子は、こちらに背を向けたまま動かない。
由美が、向こう側に顔を向けた。
その隙を逃さず、涼太は押し入れの引き戸を引いた。
引き戸の隙間を、片目で覗ける程度に狭める。
中は真っ暗だから、自分の姿は見えないはずだ。
あとは、2人が部屋を出て行くか、再び寝こむかした間に、逃げ出せばいい。
もう、出そうだった。
涼太は、さらに立膝をにじり寄せた。
その時だった。
「うーん」
向う側に倒れていた由美の顔が、真上に起き直った。
その表情は、明らかに眠りが浅くなっているように見えた。
口元が、むにゃむにゃと動く。
「はぁぁぁ」
大きなあくびを終えると、由美の目蓋が細長く開いた。
涼太は、その場に這いつくばった。
巨大な美弥子の尻の山脈が、自分の身を隠してくれるはずだ。
しかし、そんなところに長く隠れてはいられない。
涼太は、畳に身を伏せたまま反転し、そのまま這った。
匍匐前進である。
「う」
うっかり、陰茎を畳に擦ってしまった。
チリチリと尻の産毛が逆立つ。
一瞬、動きを止めた涼太に、由美の声が聞こえた。
「美弥ちゃん……」
半分寝ぼけてはいるが、寝言ではなさそうだ。
涼太は気を取り直すと、一気に押し入れまで這った。
さっき開けておいた隙間に、頭から潜りこむ。
中の暗闇が、涼太を迎えてくれた。
身を反転させ、入ってきた隙間から部屋を覗く。
由美が、半身を起こしていた。
呆然とした様子なのは、まだ目覚めきってないからだろう。
美弥子は、こちらに背を向けたまま動かない。
由美が、向こう側に顔を向けた。
その隙を逃さず、涼太は押し入れの引き戸を引いた。
引き戸の隙間を、片目で覗ける程度に狭める。
中は真っ暗だから、自分の姿は見えないはずだ。
あとは、2人が部屋を出て行くか、再び寝こむかした間に、逃げ出せばいい。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2016/05/29 07:47
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涼太、危機一髪!
なんとか、押し入れに逃げこめました。
しかし、シリコンスプレーとは、ご都合主義ですねー。
ま、わたしの小説の出来事は、必ずご都合主義から生じます。
こういうのを思いつくには、嘘つきの資質が必要でしょうね。
正直者では、小説は書けないようです。
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2. 嘘つきハーレクイン- 2016/05/29 11:21
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匍匐前進涼太
しかし、押し入れに逃げ込むかね。
普通なら入り口めがけてまっしぐら、逃走を図る、と思うが。
まあ、お話の都合っちゅうもんがおますわなあ。
で、
>正直者では、小説は書けない
全く異論はありません。
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3. Mikiko- 2016/05/29 12:52
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だから……
入口に行くためには、布団を回りこまなきゃならないのです。
とっさに近い方に逃げてしまうのが、子どもというものです(ほんまか?)。
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4. ボケ老人ハーレクイン- 2016/05/29 14:44
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大ボケ涼太
ははあ、3人の位置関係は全く覚えてませんでした。
いかんいかん。
読み返さねば。