2016.5.18(水)
陰茎は高々と天井を指し、皮の捲れた先端が黒い翳を沈めている。
思わず手が伸びた。
「う」
背筋を駆けあがった快感が、うなじを越え、後ろ頭をチリチリと灼いた。
涼太は、硬く熱い陰茎を握った。
荒い呼吸を収めようとしたが……。
出来なかった。
むしろ、下腹の起伏はますます大きくなった。
涼太は陰茎を握ったまま、部屋の方を向いた。
中に誰もいないのなら、ちょっとだけ入ってみたかった。
この部屋にこれまで、入ったことが無いわけではない。
2人に呼ばれ、中でトランプ遊びをしたこともある。
でももちろん、2人が不在のときに忍びこんだことなどはない。
千穂には、誰もいない客室に出入りすることは禁じられていた。
2人の部屋は客室では無いが、そのルールに含まれると判断していた。
しかし、ルールによる規制以前に、そんなことをしてはいけないということは直感的にわかった。
むろんそれが、“タブー”という感覚であることまでは理解していない。
しかし、それを犯そうとするエモーションは、今、まさしく体感していた。
誰もいない2人の部屋に入る。
しかも、全裸で。
再び便意に似た興奮が、涼太の下腹部を襲った。
腸が捻れるようだった。
衝動を抑え切れなかった。
陰茎を握っていない左手が、ドアノブに伸びた。
客室と違って、この部屋に鍵が掛からないことは知っていた。
ゆっくりとノブを回し、扉を引く。
危惧していた音も立てず、扉は素直に開いた。
身を滑りこませる。
この部屋は、元々は客室のひとつだったと言う。
作りもまさしく、そのころを彷彿とさせた。
入ったところが、上がり框になっていた。
そこでスリッパを脱ぎ、部屋に上がるのだ。
上がり框の小さなスペースの向こうには、襖が閉まっていた。
2人の居室は、襖の向こうの8畳の和室だ。
思わず手が伸びた。
「う」
背筋を駆けあがった快感が、うなじを越え、後ろ頭をチリチリと灼いた。
涼太は、硬く熱い陰茎を握った。
荒い呼吸を収めようとしたが……。
出来なかった。
むしろ、下腹の起伏はますます大きくなった。
涼太は陰茎を握ったまま、部屋の方を向いた。
中に誰もいないのなら、ちょっとだけ入ってみたかった。
この部屋にこれまで、入ったことが無いわけではない。
2人に呼ばれ、中でトランプ遊びをしたこともある。
でももちろん、2人が不在のときに忍びこんだことなどはない。
千穂には、誰もいない客室に出入りすることは禁じられていた。
2人の部屋は客室では無いが、そのルールに含まれると判断していた。
しかし、ルールによる規制以前に、そんなことをしてはいけないということは直感的にわかった。
むろんそれが、“タブー”という感覚であることまでは理解していない。
しかし、それを犯そうとするエモーションは、今、まさしく体感していた。
誰もいない2人の部屋に入る。
しかも、全裸で。
再び便意に似た興奮が、涼太の下腹部を襲った。
腸が捻れるようだった。
衝動を抑え切れなかった。
陰茎を握っていない左手が、ドアノブに伸びた。
客室と違って、この部屋に鍵が掛からないことは知っていた。
ゆっくりとノブを回し、扉を引く。
危惧していた音も立てず、扉は素直に開いた。
身を滑りこませる。
この部屋は、元々は客室のひとつだったと言う。
作りもまさしく、そのころを彷彿とさせた。
入ったところが、上がり框になっていた。
そこでスリッパを脱ぎ、部屋に上がるのだ。
上がり框の小さなスペースの向こうには、襖が閉まっていた。
2人の居室は、襖の向こうの8畳の和室だ。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2016/05/18 07:38
-
『2001年宇宙の旅』
という映画がありました。
公開は、1968(昭和43)年。
月着陸の前年ですね。
鉄腕アトムは、2003年生まれの設定だそうです。
昔は、それくらいのスピードで未来化が進むと思われてたんですね。
実際は、遥かに遅かった。
でも、遅くて良かったんだと思います。
まさしく、「そんなに急いでどこに行く」です。
おそらく、急ぎすぎた行き先は、滅亡でしょう。
-
––––––
2. 渇きの海ハーレクイン- 2016/05/18 12:41
-
↑クラークのSF小説。「月」ものです。
ハラハラドキドキ。最後はめでたしめでたし。
2001: A Space Odyssey
↑2001年宇宙の旅』の原題です。
原作・脚本は、スタンリー・キューブリックと、SF作家A.C.クラーク。映画はキューブリックがメガホンを取りました。
いやあ、懐かしい。父親と一緒に、大阪梅田の映画館で見ました。無重力の宇宙船内で、磁石付きの靴(たぶん)をはいて天井からぶら下がる(は、おかしいか)シーンをよく覚えています。他はほとんど記憶になし。特にラスト近くが「もうわけわからん」、というのが印象に残っています(それは「印象」ではなかろう)。
先日BSで放映しましたので録画してあります。じっくり見ることにしましょう、楽しみだなあ。
♪ぼくは無敵だー鉄腕アトム~
あ、いけねえ、『由美美弥』を忘れるとこだった。
>皮の捲れた先端
そうか、涼太め、もう剥けてるのか。生意気な。
-
––––––
3. Mikiko- 2016/05/18 19:50
-
ほー
『A Space Odyssey』ですか。
洒落てますね。
邦題の『2001年宇宙の旅』は、観客のレベルを考えて付けたんでしょうね。
鼻を垂らした小僧が、父親に連れられて来る場合もあるわけですから。
-
––––––
4. イーリアスHQ- 2016/05/18 21:34
-
ま、確かに……
鼻垂らしガキがホメロスを知ってるわきゃありません。
で、いまだにわからんのは、わたしの父親の心境。
①息子に見せてやろうと付き合っただけ。
②自分が見たさに息子を出しにした。
正解は1.5だと思われますが、今となっては永遠の謎です。
-
––––––
5. Mikiko- 2016/05/19 07:26
-
テレビで放映されたとき……
1度、見たような気もするのですが。
猿(ゴリラ?)が骨を振り回して割るシーンだけは、脳裏に残ってます。
-
––––––
6. 2001年HQ- 2016/05/19 08:23
-
映画の旅
少し見ました。
ご指摘の「骨振り回しシーン」までです。
あれはサルじゃなく、人類の祖先でしょう。で、骨は「道具」の象徴ですね。
で、その「サル野郎」、歓喜のあまり骨を中空高く投げ上げます。その骨が……宇宙船に変化して、物語は現在?に移ると、こういうことでしょうね。
-
––––––
7. Mikiko- 2016/05/19 19:50
-
サルは……
手を使うことにより、知能を発達させたわけでしょう。
それならなぜ、ラッコやリスの知能は発達しないのでしょう。
脳が小さいからでしょうか。
-
––––––
8. フィロソフィアHQ- 2016/05/19 23:08
-
ラッコやリス
「食べる」、ということにこだわり過ぎたんでしょうね。
サルは、「食べる以外の目的」で道具を使いこなし、その結果、知能が発達していったのでしょう。
『2001年』でサル、じゃなくて人類の祖先が骨を振るった目的は、対立する部族の長を「殺す」、ということでした。
-
––––––
9. Mikiko- 2016/05/20 07:34
-
サルモネラ
動物園のサルは、確かに遊びで道具を使ったりしてるようです。
でも、野生ではどうなんですかね?
食べる以外の目的で、道具を使う余裕があるでしょうか。
-
––––––
10. サルまわしHQ- 2016/05/20 13:48
-
いろんな……
「人類の曙」ものを見ますと、初期の人類が道具を使うようになった目的は二つあるようです。
一つは狩り、つまり食料の確保ですね。
もう一つは闘い、同じヒトどうしでの争いのためです。まあ、これも広くとらえれば食料のためでしょう。食べきれないほど食料があれば、争う理由などありませんからね。
いや、そうでもないか。脳が発達してくると、欲望の対象は食料だけじゃなくなってきます。交尾相手、はまあ置いといて、土地・領土(これも広くとらえれば食料かなあ)、美術・工芸品、宝石・貴金属、そして、金(鉦ではないぞ)。
で、道具、つまり武器も際限なく発達していったわけです。