Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 2001
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 陰茎は高々と天井を指し、皮の捲れた先端が黒い翳を沈めている。
 思わず手が伸びた。

「う」

 背筋を駆けあがった快感が、うなじを越え、後ろ頭をチリチリと灼いた。
 涼太は、硬く熱い陰茎を握った。
 荒い呼吸を収めようとしたが……。
 出来なかった。
 むしろ、下腹の起伏はますます大きくなった。

 涼太は陰茎を握ったまま、部屋の方を向いた。
 中に誰もいないのなら、ちょっとだけ入ってみたかった。
 この部屋にこれまで、入ったことが無いわけではない。
 2人に呼ばれ、中でトランプ遊びをしたこともある。
 でももちろん、2人が不在のときに忍びこんだことなどはない。
 千穂には、誰もいない客室に出入りすることは禁じられていた。
 2人の部屋は客室では無いが、そのルールに含まれると判断していた。
 しかし、ルールによる規制以前に、そんなことをしてはいけないということは直感的にわかった。
 むろんそれが、“タブー”という感覚であることまでは理解していない。
 しかし、それを犯そうとするエモーションは、今、まさしく体感していた。

 誰もいない2人の部屋に入る。
 しかも、全裸で。
 再び便意に似た興奮が、涼太の下腹部を襲った。
 腸が捻れるようだった。
 衝動を抑え切れなかった。
 陰茎を握っていない左手が、ドアノブに伸びた。
 客室と違って、この部屋に鍵が掛からないことは知っていた。
 ゆっくりとノブを回し、扉を引く。
 危惧していた音も立てず、扉は素直に開いた。
 身を滑りこませる。

 この部屋は、元々は客室のひとつだったと言う。
 作りもまさしく、そのころを彷彿とさせた。
 入ったところが、上がり框になっていた。
 そこでスリッパを脱ぎ、部屋に上がるのだ。
 上がり框の小さなスペースの向こうには、襖が閉まっていた。
 2人の居室は、襖の向こうの8畳の和室だ。
由美と美弥子 2000目次由美と美弥子 2002


コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2016/05/18 07:38
    • 『2001年宇宙の旅』
       という映画がありました。
       公開は、1968(昭和43)年。
       月着陸の前年ですね。
       鉄腕アトムは、2003年生まれの設定だそうです。
       昔は、それくらいのスピードで未来化が進むと思われてたんですね。
       実際は、遥かに遅かった。
       でも、遅くて良かったんだと思います。
       まさしく、「そんなに急いでどこに行く」です。
       おそらく、急ぎすぎた行き先は、滅亡でしょう。

    • ––––––
      2. 渇きの海ハーレクイン
    • 2016/05/18 12:41
    •  ↑クラークのSF小説。「月」ものです。
        ハラハラドキドキ。最後はめでたしめでたし。
      2001: A Space Odyssey
       ↑2001年宇宙の旅』の原題です。
       原作・脚本は、スタンリー・キューブリックと、SF作家A.C.クラーク。映画はキューブリックがメガホンを取りました。
       いやあ、懐かしい。父親と一緒に、大阪梅田の映画館で見ました。無重力の宇宙船内で、磁石付きの靴(たぶん)をはいて天井からぶら下がる(は、おかしいか)シーンをよく覚えています。他はほとんど記憶になし。特にラスト近くが「もうわけわからん」、というのが印象に残っています(それは「印象」ではなかろう)。
       先日BSで放映しましたので録画してあります。じっくり見ることにしましょう、楽しみだなあ。
       ♪ぼくは無敵だー鉄腕アトム~
       あ、いけねえ、『由美美弥』を忘れるとこだった。
      >皮の捲れた先端
       そうか、涼太め、もう剥けてるのか。生意気な。

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2016/05/18 19:50
    • ほー
       『A Space Odyssey』ですか。
       洒落てますね。
       邦題の『2001年宇宙の旅』は、観客のレベルを考えて付けたんでしょうね。
       鼻を垂らした小僧が、父親に連れられて来る場合もあるわけですから。

    • ––––––
      4. イーリアスHQ
    • 2016/05/18 21:34
    • ま、確かに……
       鼻垂らしガキがホメロスを知ってるわきゃありません。
       
       で、いまだにわからんのは、わたしの父親の心境。
       ①息子に見せてやろうと付き合っただけ。
       ②自分が見たさに息子を出しにした。
       正解は1.5だと思われますが、今となっては永遠の謎です。

    • ––––––
      5. Mikiko
    • 2016/05/19 07:26
    • テレビで放映されたとき……
       1度、見たような気もするのですが。
       猿(ゴリラ?)が骨を振り回して割るシーンだけは、脳裏に残ってます。

    • ––––––
      6. 2001年HQ
    • 2016/05/19 08:23
    • 映画の旅
       少し見ました。
       ご指摘の「骨振り回しシーン」までです。
       あれはサルじゃなく、人類の祖先でしょう。で、骨は「道具」の象徴ですね。
       で、その「サル野郎」、歓喜のあまり骨を中空高く投げ上げます。その骨が……宇宙船に変化して、物語は現在?に移ると、こういうことでしょうね。

    • ––––––
      7. Mikiko
    • 2016/05/19 19:50
    • サルは……
       手を使うことにより、知能を発達させたわけでしょう。
       それならなぜ、ラッコやリスの知能は発達しないのでしょう。
       脳が小さいからでしょうか。

    • ––––––
      8. フィロソフィアHQ
    • 2016/05/19 23:08
    • ラッコやリス
       「食べる」、ということにこだわり過ぎたんでしょうね。
       サルは、「食べる以外の目的」で道具を使いこなし、その結果、知能が発達していったのでしょう。
       『2001年』でサル、じゃなくて人類の祖先が骨を振るった目的は、対立する部族の長を「殺す」、ということでした。

    • ––––––
      9. Mikiko
    • 2016/05/20 07:34
    • サルモネラ
       動物園のサルは、確かに遊びで道具を使ったりしてるようです。
       でも、野生ではどうなんですかね?
       食べる以外の目的で、道具を使う余裕があるでしょうか。

    • ––––––
      10. サルまわしHQ
    • 2016/05/20 13:48
    • いろんな……
       「人類の曙」ものを見ますと、初期の人類が道具を使うようになった目的は二つあるようです。
       一つは狩り、つまり食料の確保ですね。
       もう一つは闘い、同じヒトどうしでの争いのためです。まあ、これも広くとらえれば食料のためでしょう。食べきれないほど食料があれば、争う理由などありませんからね。
       いや、そうでもないか。脳が発達してくると、欲望の対象は食料だけじゃなくなってきます。交尾相手、はまあ置いといて、土地・領土(これも広くとらえれば食料かなあ)、美術・工芸品、宝石・貴金属、そして、金(鉦ではないぞ)。
       で、道具、つまり武器も際限なく発達していったわけです。
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