2025.5.19(月)
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空が見えた。
土が匂う。
侑人は身を起こした。
「痛っ」
腕が、植えこみのトゲに触れた。
植えこみとフェンスの細い隙間に寝ていたのだ。
「あ」
ようやく我に返って驚いた。
裸だ。
さっきまで着ていたトレーナーとカーゴパンツが消えている。
植えこみの上に顔を出す。
主婦の姿が見えない。
「冗談だろ……」
さっきの仕返しだろうか。
しかし、これはやり過ぎじゃないか。
もし、侑人を放置したまま帰ったとしたら……。
冗談では済まない。
どうする?
じりじりした思いで睨んでいた街路に、人が現れた。
思わず頭を沈める。
低木の枝間から、向こうが透けて見えた。
人物は、何の躊躇もなくポケットパークに入ってきた。
トレーナーとカーゴパンツ。
あ。
オレのだ。
入って来たのは主婦だった。
侑人の上下を着ているのだ。
主婦は缶コーヒーを煽りながら、ベンチ前まで歩み寄った。
コーヒーを買いに、ここを離れたわけか。
裸の自分を残して。
ヒドい女だ。
侑人は、樹冠から顔を出した。
主婦は、ニヤリと笑った。
トレーナーとカーゴパンツは、元々侑人にはブカブカのサイズだった。
なので主婦の巨尻も、余裕で収まったようだ。
「どういうつもり!」
「決まってるでしょ。
さっきのお返し。
ほんとに怖かったんだから」
裸で街路まで出させたことを言っているのだろう。
盛大に濡らしてたくせに。
空が見えた。
土が匂う。
侑人は身を起こした。
「痛っ」
腕が、植えこみのトゲに触れた。
植えこみとフェンスの細い隙間に寝ていたのだ。
「あ」
ようやく我に返って驚いた。
裸だ。
さっきまで着ていたトレーナーとカーゴパンツが消えている。
植えこみの上に顔を出す。
主婦の姿が見えない。
「冗談だろ……」
さっきの仕返しだろうか。
しかし、これはやり過ぎじゃないか。
もし、侑人を放置したまま帰ったとしたら……。
冗談では済まない。
どうする?
じりじりした思いで睨んでいた街路に、人が現れた。
思わず頭を沈める。
低木の枝間から、向こうが透けて見えた。
人物は、何の躊躇もなくポケットパークに入ってきた。
トレーナーとカーゴパンツ。
あ。
オレのだ。
入って来たのは主婦だった。
侑人の上下を着ているのだ。
主婦は缶コーヒーを煽りながら、ベンチ前まで歩み寄った。
コーヒーを買いに、ここを離れたわけか。
裸の自分を残して。
ヒドい女だ。
侑人は、樹冠から顔を出した。
主婦は、ニヤリと笑った。
トレーナーとカーゴパンツは、元々侑人にはブカブカのサイズだった。
なので主婦の巨尻も、余裕で収まったようだ。
「どういうつもり!」
「決まってるでしょ。
さっきのお返し。
ほんとに怖かったんだから」
裸で街路まで出させたことを言っているのだろう。
盛大に濡らしてたくせに。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2025/05/19 05:52
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今日は何の日
5月19日は、『小諸・山頭火の日(https://zatsuneta.com/archives/105192.html)』。
温泉宿『中棚荘(なかだなそう)https://nakadanasou.com//長野県小諸市』が制定。
中棚荘は、明治の文豪、島崎藤村ゆかりの宿でもあります。
1936(昭和11)年5月19日(今から89年前)……。
漂泊の俳人、種田山頭火(たねだ さんとうか/1882~1940)が、中棚荘(当時は中棚鉱泉)に宿泊しました。
その日の日記に、「熱い湯に入れて酒が飲めるのがいい」と記載してることから、記念日となりました。
敷地内には、山頭火の句碑も建てられてます。
記念日は、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されてます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/105192.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「種田山頭火について」を引用させていただきます。
1882(明治15)年、山頭火は、山口県佐波郡西佐波令村(現:防府市)において……。
大地主、種田家の長男として生まれました。
しかし、父親が経営する種田酒造場の破産や、身体と精神の不調など……。
数々の苦難の末、生涯を酒と放浪のうちに過ごしました。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2025/05/19 05:52
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
俳句を愛した山頭火は、1940(昭和15)年に、愛媛県松山市で亡くなるまで……。
全国各地を歩いて旅しながら、数多くの俳句を作りました。
昭和の芭蕉とも呼ばれ、定型に縛られない自由律俳句の代表とされてます。
山口県防府市内には、山頭火の生家跡があり……。
JR防府駅てんじんぐち(北口)前には、山頭火の銅像が建てられてます。
https://zatsuneta.com/img/105192_01.jpg
また、防府市内各所に、山頭火の句碑が80基以上建てられており……。
句碑めぐりを楽しむことができます。
関連する記念日として、山頭火の忌日に由来して……。
10月11日は、『一草忌(いっそうき)https://zatsuneta.com/archives/110119.html』となってます。
「一草忌」の名称は……。
山頭火終焉の地である松山市の庵「一草庵(いっそうあん)」にちなみます。
以上、引用終わり。
↓山頭火の代表句。
●うしろすがたのしぐれてゆくか
●どうしようもない私が歩いている
●まつすぐな道でさみしい
●分け入つても分け入つても青い山
●鉄鉢の中へも霰
明日のこともわからない放浪の日々は、さぞ寂しかったでしょう。
山口県の生まれなんですね。
小諸に立ち寄ったのは、5月中旬。
このころなら、もう寒くなかったでしょう。
亡くなったのは松山。
暖かいところで良かったです。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2025/05/19 05:53
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今日は何の日(つづきのつづき)
東京に行ったとき、木々の茂る公園の脇を通ると……。
木立を透いて、ブルーシートが張られてるのが見えました。
ホームレスの方々のねぐらですね。
大阪の人だったかが、新潟に出張に来て……。
公園にホームレスがいないことに感心してたそうです。
自治体などが、そうとうに力を入れてないと……。
こんな状態に維持できないだろうと。
でも実際は、役所がホームレス排除に奮闘してるわけではありません。
単に、いないんです。
理由は簡単。
冬を越せないから。
新潟の冬、外で寝てたら死にますから。
冬だけ、ほかの場所に移るなんてこと出来ないでしょう。
ああいう方々は、縄張りがそうとうに厳しいはずです。
冬だけ余所者を入れてやるなんて寛容さはないでしょう。
1年中いられるところでしか、住めないんですよ。
しかし、東京などはこれからさらに、温暖化で住みやすくなっちゃいますよね。
籠から逃げたインコみたいな鳥も、立派に越冬して野生化してるようです。
明治神宮の森には、ヤシなどが茂ってるそうですし。
でも今後、さらに地球温暖化が進んでも……。
ホームレスが新潟に増えることはないでしょう。
温暖化したら、雪が少なくなりそうなものですが……。
逆だそうですから。
冬になっても、海水温がなかなか下がらなくなります。
当然、海から蒸発する水蒸気量が増えます。
なので、降る雪も増えるということです。
ホームレスどころか、普通の住民さえ住めなくなっちゃいますよ。