2024.9.2(月)
“これ”のところで、青鬼は小指を立てました。
この2人の上司の女性のことです。
青鬼赤鬼の上司と云う理由から……。
気の毒なことに、閻魔大王と呼ばれてました。
でも、年齢は部下の鬼たちよりも若く、ずっと人間らしい顔立ちをしてました。
「新入社員研修のとき、あの人が講師だったらしいのよ。
それですっかり子分みたいになっちゃって。
この部屋割り振って、大手柄と思ってたろうね。
その肝心の本人が欠席で、わたしらだけで使ってると知ったら……。
がっくりだわね」
「見せてよ、露天風呂」
部屋は、十畳ほどの小ぢんまりとした和室です。
奥に広縁があって、テーブルに相対して椅子が置かれてました。
その向こうは、真っ暗な窓です。
確か、谷間に面してたと思います。
露天風呂なんて、ありそうには見えません。
「こっちなの」
青鬼は起ちあがると、側面の障子戸を開きました。
「スゴいね、これは」
そこは、和室の十畳と同じほどのスペースがありました。
床は鉄平石みたいな石張りで……。
一段高いステージのような台の上に、楕円形の浴槽が載ってました。
右手奥には、洗面台や小さな内風呂も見えました。
青鬼が寄り添ってきました。
わたしの腕に手を掛け、わたしを見あげます。
いつもは吊り目がちの目元が、このときは下がって見えました。
オッケーということだよな。
わたしは、青鬼の目を見据えました。
黒目の中にわたしが大写しになってました。
その目が閉じられました。
青鬼が顎を持ちあげます。
わたしは華奢な身体をかき寄せると、貪るように唇を求めました。
青鬼も、半分唸りながら応えます。
酒臭い息をかけあいながら、互いの舌を絡ませます。
わたしの背中を掻き回していた青鬼の手が、帯に掛かりました。
結び目が解かれます。
わたしの手も、負けじと青鬼の帯を解きました。
お互いの帯が畳に落ち、浴衣がそれに続きます。
この2人の上司の女性のことです。
青鬼赤鬼の上司と云う理由から……。
気の毒なことに、閻魔大王と呼ばれてました。
でも、年齢は部下の鬼たちよりも若く、ずっと人間らしい顔立ちをしてました。
「新入社員研修のとき、あの人が講師だったらしいのよ。
それですっかり子分みたいになっちゃって。
この部屋割り振って、大手柄と思ってたろうね。
その肝心の本人が欠席で、わたしらだけで使ってると知ったら……。
がっくりだわね」
「見せてよ、露天風呂」
部屋は、十畳ほどの小ぢんまりとした和室です。
奥に広縁があって、テーブルに相対して椅子が置かれてました。
その向こうは、真っ暗な窓です。
確か、谷間に面してたと思います。
露天風呂なんて、ありそうには見えません。
「こっちなの」
青鬼は起ちあがると、側面の障子戸を開きました。
「スゴいね、これは」
そこは、和室の十畳と同じほどのスペースがありました。
床は鉄平石みたいな石張りで……。
一段高いステージのような台の上に、楕円形の浴槽が載ってました。
右手奥には、洗面台や小さな内風呂も見えました。
青鬼が寄り添ってきました。
わたしの腕に手を掛け、わたしを見あげます。
いつもは吊り目がちの目元が、このときは下がって見えました。
オッケーということだよな。
わたしは、青鬼の目を見据えました。
黒目の中にわたしが大写しになってました。
その目が閉じられました。
青鬼が顎を持ちあげます。
わたしは華奢な身体をかき寄せると、貪るように唇を求めました。
青鬼も、半分唸りながら応えます。
酒臭い息をかけあいながら、互いの舌を絡ませます。
わたしの背中を掻き回していた青鬼の手が、帯に掛かりました。
結び目が解かれます。
わたしの手も、負けじと青鬼の帯を解きました。
お互いの帯が畳に落ち、浴衣がそれに続きます。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2024/09/02 05:50
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今日は何の日
9月2日は、『くず餅の日』。
くず餅、あんみつなどの製造販売を手がける……。
『㈱船橋屋(https://www.funabashiya.co.jp/)/東京都江東区亀戸』が制定。
日付は、『「く(9)」「ず(2)」もち⇒くず餅』と読む語呂合わせから。
記念日を通して、「くず餅」の美味しさを、さらに多くの人に知ってもらうことが目的。
記念日は、2021(令和3)年、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/109028.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、引用を続けさせていただきます。
小麦澱粉(でんぷん)を発酵させて作る「くず餅」は、適度なやわらかさとしなやかな歯ざわりで……。
江戸時代から愛されてる、和菓子唯一の発酵食品です。
https://zatsuneta.com/img/109028_01.jpg
「くず餅」は、450日(15ヵ月)もの間、乳酸発酵でじっくりと熟成させて作られる……。
身体に優しいお菓子です。
ただし、自然のまま無添加の発酵製法のため……。
消費期限は、わずか2日間となってます。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2024/09/02 05:50
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
船橋屋は、1805(文化2)年に……。
江戸の亀戸天神参道で創業したお店です(第11代将軍・徳川家斉(とくがわ いえなり/1773~1841)の治世)。
https://zatsuneta.com/img/109028_02.jpg
船橋屋の初代・勘助の出身地は、下総国(現:千葉県北部)の船橋で……。
当時、下総国は良質な小麦の産地でした。
勘助は、亀戸天神が梅や藤の季節に参拝客で賑わうのを見て上京し……。
湯で練った小麦澱粉をせいろで蒸し、黒蜜きな粉をかけて餅を作りあげました。
それが、またたく間に参拝客の垂涎(すいぜん)の的となり、いつしか「くず餅」と名付けられ……。
江戸の名物の一つに数えられる程の評判を取りました。
そして、その「くず餅」が、創業以来220年近くもの間、作り続けられてるのです。
ちなみに、船橋屋の商品は「くず餅」と表記されます。
漢字で表記される「葛餅(くずもち)」は、葛粉から作られ……。
主に関西圏で食されている別の物です。
以上、引用終わり。
驚きました。
「葛餅」以外に「くず餅」があったとは。
あ、そうか。
思い出しましたよ。
何年か前、単独旅行記で行った川崎大師。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2024/09/02 05:50
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今日は何の日(つづきのつづき)
あそこの参道では確か、「久寿餅」というのが売られてました。
↓Wikiからの引用です(出典⇒https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%9B%E9%A4%85)。
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久寿餅は、かつて葛飾郡だった東京都江東区の亀戸天神社のほか、池上本門寺(東京都大田区)や川崎大師(神奈川県川崎市)の門前町の名物でもある。
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でもなんで、小麦粉から作ってるのに「くず餅」なんて名を付けたんでしょう?
「くず」は、語感のよろしくない名称です。
「久寿」は、それを打ち消すための当て字でしょう。
見た目を、関西の「葛餅」に似せて作ったからですかね?
関東では、「葛」は取れなかったんでしょうか?
↓Wikiの上記ページに、名称の由来についての記載がありました。
+++
関東では江戸時代後期に入り、小麦粉を発酵させたものから作られた菓子がくずもち(久寿餅)と呼ばれるようになった。
現在の東京都区部東部を含む葛飾郡(下総国)の「葛」に由来し、関西の葛餅と区別するため「くず(久寿)」の字を当てたという説がある。
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なるほど。
葛飾の葛ですか。
でもどうも、ムリヤリ感がありますね。
思うに……。
関東では、葛は簡単に手に入らなかったのでは?
続きはさらにさらに次のコメントで。
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4. Mikiko- 2024/09/02 05:51
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今日は何の日(つづきのつづきのつづき)
関西では需要がありますから、葛の供給地が存在してたわけです。
でも関東には、安定して葛を供給してくれる地域はなかった。
葛というのは、文字どおり、「クズ」が語源だと思います。
とにかく、ヒドい雑草なんですよ。
新潟では、バイパスの法面が、この葛に覆い尽くされてます。
蔓植物なので、構築物があると這いあがり、すべて覆ってしまいます。
グリーンモンスターみたいになります。
江戸近郊でも、大迷惑植物だったんじゃないですか。
なので、生産なんてとんでもない。
見つけたら、親の敵のように刈り取る植物だった。
当然、安定的に供給されることなんかありません。
船橋屋の初代は、関西の葛餅の味に惚れこみ……。
作ろうとしたんじゃないでしょうか。
でも、葛の入手が難しかった。
かといって、自分で栽培したりしたら、まわりのお百姓さんから怒られたでしょう。
大迷惑雑草を育てるなんてもってのほかだと。
ということで、小麦粉を使って、似たようなお餅を作ったんです。
でも、いっそ別の名前にすれば良かったのにね。
小麦粉なんだから、そのまんま「麦餅」で良かったんじゃないですか。
なんで、「くず」にこだわったんですかね?
あ、↑の引用文、よく読むと違いましたね(最初から読め!)。
「くず餅」と名付けたのは、食べた客の方でした。
おそらく、関西の「葛餅」を食べたことがある人だったのでしょう。
それに似てたから、そう呼んだんじゃないですか。
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5. 手羽崎 鶏造- 2024/09/03 16:40
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カンサイでは「葛きり」といって
細長くカットして、冷やして
食べるスイーツがありましたよ
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6. Mikiko- 2024/09/03 17:40
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涼しげですね
関西は、葛を利用する文化があったんですね。
関東はなかったんですかね。
ここらでは、獰悪なにっくき雑草です。