2024.5.22(水)
水槽の中には、華やかな色合いの小さな熱帯魚が無数に泳いでいた。
その水槽の前に、長椅子が置かれている。
まさに、長椅子としか表現のしようがない。
ロングソファーの一種だろうか。
背もたれのある革製らしい黒いソファーが、水槽に対峙している。
すなわち、ソファーの両サイドが少し空くだけで……。
背にした壁一面に沿って、水槽と向き合って座面が伸びているのだ。
水槽を眺めるためだけの設備にしか見えない。
奈美は、入って来た方を振り向いた。
しかし矩形はすでに閉じられ、受付嬢の姿もなかった。
ソファーに座ろうかとためらっていると……。
大きな機械が起動するような、“ブーン”という重低音が響いた。
「あ」
水槽が、一瞬で消えていた。
イリュージョンを見るようだった。
眼前に現れたのは、水槽と同じサイズの横長のガラス窓だった。
どうやら水槽は、ここに投影されていただけだったようだ。
ガラス窓の向こうは、薄暗い部屋だった。
がらんとして、家具ひとつない。
対面する壁には、小さな窓が幾つも並んでいた。
その窓の向こうは見通せない。
マジックミラーになっているのかも知れない。
そうか。
ひとつひとつの窓の向こうは、個室の客席なのではないか。
その窓の連なる壁は、平面ではなかった。
筒の内側のように湾曲していた。
一方、奈美の目の前のガラス窓に湾曲はない。
つまり、こちら側の壁は平面ということだろう。
上から眺めたら、半月皿のように見えるのではないか。
対面に並ぶ真っ黒な窓。
その一つ一つの窓の向こうには、すでに客が入っているのかも知れない。
期待に胸を膨らませて。
いや、膨らませているのは、胸だけではないのだろう。
痛いほどにはち切れそうになった一物を、ズボンから取り出している者もいるのではないか。
奈美は唾を飲みこんだ。
下腹に、甘い痛みを感じた。
その水槽の前に、長椅子が置かれている。
まさに、長椅子としか表現のしようがない。
ロングソファーの一種だろうか。
背もたれのある革製らしい黒いソファーが、水槽に対峙している。
すなわち、ソファーの両サイドが少し空くだけで……。
背にした壁一面に沿って、水槽と向き合って座面が伸びているのだ。
水槽を眺めるためだけの設備にしか見えない。
奈美は、入って来た方を振り向いた。
しかし矩形はすでに閉じられ、受付嬢の姿もなかった。
ソファーに座ろうかとためらっていると……。
大きな機械が起動するような、“ブーン”という重低音が響いた。
「あ」
水槽が、一瞬で消えていた。
イリュージョンを見るようだった。
眼前に現れたのは、水槽と同じサイズの横長のガラス窓だった。
どうやら水槽は、ここに投影されていただけだったようだ。
ガラス窓の向こうは、薄暗い部屋だった。
がらんとして、家具ひとつない。
対面する壁には、小さな窓が幾つも並んでいた。
その窓の向こうは見通せない。
マジックミラーになっているのかも知れない。
そうか。
ひとつひとつの窓の向こうは、個室の客席なのではないか。
その窓の連なる壁は、平面ではなかった。
筒の内側のように湾曲していた。
一方、奈美の目の前のガラス窓に湾曲はない。
つまり、こちら側の壁は平面ということだろう。
上から眺めたら、半月皿のように見えるのではないか。
対面に並ぶ真っ黒な窓。
その一つ一つの窓の向こうには、すでに客が入っているのかも知れない。
期待に胸を膨らませて。
いや、膨らませているのは、胸だけではないのだろう。
痛いほどにはち切れそうになった一物を、ズボンから取り出している者もいるのではないか。
奈美は唾を飲みこんだ。
下腹に、甘い痛みを感じた。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2024/05/22 06:05
-
今日は何の日
5月22日は、『サイクリングの日』。
『(財)日本サイクリング協会(Japan Cycling Association:JCA)⇒https://www.j-cycling.or.jp//東京都新宿区新宿』が……。
創立45周年記念事業として、2009(平成21)年4月に制定。
1964(昭和39)年5月22日(今から60年前)……。
同協会が、公益事業を行う財団法人として、文部大臣から認可されました。
人が漕ぐことで走行する自転車は……。
CO2などの温室効果ガスや騒音を出さず、自然環境にもやさしい乗り物です。
また、健康の維持、増進への効果も期待できます。
そんな自転車の積極的活用の推進を図り……。
サイクリングに対する関心と理解を深めることが目的。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/105223.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「サイクリングとサイクリングロードについて」を引用させていただきます。
サイクリング(cycling)は、自転車に乗ることや……。
スポーツである自転車競技などを意味します。
日本では……。
レクリエーション、スポーツとして自転車に乗ることを指す場合が多いです。
1970(昭和45)年、「自転車道の整備等に関する法律」が成立し……。
「サイクリングロード」と呼ばれる自転車専用道路などが建設されるようになりました。
これは、自転車の通行の安全を確保し……。
自転車や歩行者の交通事故を防止することが目的でした。
続きは次のコメントで。
-
––––––
2. Mikiko- 2024/05/22 06:06
-
今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
各地にあるサイクリングロードは、河川敷や公園、鉄道廃線跡などに設置されてます。
安全に走れること、美しい風景を楽しめることなどから人気が高まり、観光にも利用されてます。
関連する記念日として……。
5月5日は「自転車の日」、6月3日は「世界自転車デー」となってます。
以上、引用終わり。
現在、わたしが自転車に乗るのは、週1回です。
日曜日の午前中の自転車散歩。
時間は、買い物も含めて1時間くらいですかね。
さすがに雨の日はお休みです。
でも、思いのほか、雨の日曜日は少ないです。
月に1回もないと思います。
ほんとは、もっと長く乗りたいのですが……。
ブログの作業などがあり、1時間取るのがやっとです。
お昼からは、お酒を飲まなければなりませんし。
ブログを始める前は、土日は基本的にヒマでした。
なので当時は、土日ともに自転車散歩をしてました。
土曜日は、遠出です。
といっても、郊外に向かうわけではありません。
新潟市の中心部に行ってました。
特に用はなく、本屋に寄るくらいでしたかね。
遠回りしたりして、走ることを楽しみました。
といっても、本格的なサイクリング車ではありません。
ママチャリです。
それでも、変速は3段ついてましたが。
時間的には、8時ころ出かけて……。
戻るのは、12時前くらいでした。
4時間くらい。
お店に寄ってるのはわずかな時間なので……。
この大半は、自転車を漕いでたわけです。
続きはさらに次のコメントで。
-
––––––
3. Mikiko- 2024/05/22 06:06
-
今日は何の日(つづきのつづき)
あ、そうそう。
ゴールデンウィークだけは、郊外を走りました。
阿賀野川にかかる橋を渡るのが、楽しみでした。
楽しみ半分、怖さが半分ですが。
橋の片側には、歩行者と自転車の専用道が付いてます。
なので、車の危険はありません。
長さ1キロ近い橋なので、歩行者が歩いてることもありません。
自転車も、滅多に通らないですね。
それじゃ、何が怖かったかというと……。
真下に見える阿賀野川です。
この時期の阿賀野川は、雪解け水で増水してるうえ……。
水の勢いもけっこうなものなんです。
下を見てると、吸いこまれそうになります。
なので、かなりおっかなびっくり渡りました。
怖い反面、春が来た喜びも感じられて嬉しかったんです。
あと、そのころは、日曜日にも乗ってましたね。
これはほぼ、今と同じ町内の自転車散歩。
でも、別な楽しみもありました。
ほんとにやってたとは、今となってはちょっと信じたくないのですが……。
確かにやってました。
当時は、お酒の自販機がそこら中に置かれ……。
土日も普通に買えました。
で、自販機のあるごとに、ビールや酎ハイを買って……。
それを飲みながら走ってたんです。
早い話、酔っ払い運転です。
呆れますよね。
当時のわたしに注意しに行きたいくらいです。
でも、お酒を飲んで自転車漕いでると、気持ちいいんですよ。
ただでさえ、昼酒は回る上に……。
運動してるわけです。
アルコールが血流に乗って、全身を駆け巡る感じ。
ほんとに至福の時間でした。
後になって、チャリの酔っ払い運転のことを……。
大阪のメル友に書いたことがあります。
メル友からは……。
「西成のおっちゃんですやん」と言われました。