2024.2.16(金)
「おそらく……。
ご夫婦は、そこでセックスがしたくなったんじゃないかと思ってます。
それが、塀を建てた理由。
ご覧のとおり、塀の間際の樹木はぼんやりと透けて見えますが……。
ガゼボはまったく見えなくなりました。
ということはすなわち、向こうからもこっちが見えなくなったってことです。
その有り難みは、こちらを芝庭にしてから存分にわかりました」
「でもあの……」
「なんですか?」
「反対側のお庭は、丸見えじゃないですか」
「あぁ。
あちらのお宅は、ご夫婦共働きでね。
昼間は誰もいません。
昔は、子供さんがひとりで庭で遊んでたこともありましたが……。
その子ももう、大学を出て就職してます。
今は、仙台に転勤してるって聞きました。
その向こうのお宅との境は、高い板塀でしょ。
だから、こっち側の視線も気にしなくていいわけです」
奈美は、対面する自宅マンションを見あげた。
ベランダから数メートル踏み出しただけなのに、やたらと近く見えた。
正面に見える侑人の部屋の窓には、カーテンがかかっていた。
しかし、ベランダでは庇に隠れていた上階の窓が見えた。
腰高窓なので、顔を窓から出さない限り、こちらは見えないだろうが。
「大丈夫です。
あの窓が開いているのは、一度も見たことがありません。
つまりこの芝生の上は、プライベートビーチみたいなものです。
裸で泳げる場所ってことです。
さぁ、奈美さん。
ここで、種を繋げてくれた遠い祖先に感謝しましょう。
獣だったころに戻るんです」
視線の心配がないのは、どうやら確かなようだ。
その証拠は、ご主人の股間に顕れていた。
陰茎が、高々と勃起したままなのだ。
視線の不安があれば、こうはならないだろう。
「さ、四つん這いになって。
それが獣のスタイルです。
芝は、あえて長めにカットしてありますから……。
ふかふかですよ」
確かに芝草は、足首が埋まるほどの丈だった。
奈美は正面のマンションを見上げながら、芝に膝を着いた。
自分が生きてきた文明の世界と対峙している気がした。
いや、対決しようとしているのか。
奈美は両手も芝に下ろした。
手首まで芝草に覆われた。
ご夫婦は、そこでセックスがしたくなったんじゃないかと思ってます。
それが、塀を建てた理由。
ご覧のとおり、塀の間際の樹木はぼんやりと透けて見えますが……。
ガゼボはまったく見えなくなりました。
ということはすなわち、向こうからもこっちが見えなくなったってことです。
その有り難みは、こちらを芝庭にしてから存分にわかりました」
「でもあの……」
「なんですか?」
「反対側のお庭は、丸見えじゃないですか」
「あぁ。
あちらのお宅は、ご夫婦共働きでね。
昼間は誰もいません。
昔は、子供さんがひとりで庭で遊んでたこともありましたが……。
その子ももう、大学を出て就職してます。
今は、仙台に転勤してるって聞きました。
その向こうのお宅との境は、高い板塀でしょ。
だから、こっち側の視線も気にしなくていいわけです」
奈美は、対面する自宅マンションを見あげた。
ベランダから数メートル踏み出しただけなのに、やたらと近く見えた。
正面に見える侑人の部屋の窓には、カーテンがかかっていた。
しかし、ベランダでは庇に隠れていた上階の窓が見えた。
腰高窓なので、顔を窓から出さない限り、こちらは見えないだろうが。
「大丈夫です。
あの窓が開いているのは、一度も見たことがありません。
つまりこの芝生の上は、プライベートビーチみたいなものです。
裸で泳げる場所ってことです。
さぁ、奈美さん。
ここで、種を繋げてくれた遠い祖先に感謝しましょう。
獣だったころに戻るんです」
視線の心配がないのは、どうやら確かなようだ。
その証拠は、ご主人の股間に顕れていた。
陰茎が、高々と勃起したままなのだ。
視線の不安があれば、こうはならないだろう。
「さ、四つん這いになって。
それが獣のスタイルです。
芝は、あえて長めにカットしてありますから……。
ふかふかですよ」
確かに芝草は、足首が埋まるほどの丈だった。
奈美は正面のマンションを見上げながら、芝に膝を着いた。
自分が生きてきた文明の世界と対峙している気がした。
いや、対決しようとしているのか。
奈美は両手も芝に下ろした。
手首まで芝草に覆われた。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2024/02/16 06:11
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今日は何の日
2月16日は、『天気図記念日』。
1883(明治16)年2月16日(今から141年前)……。
日本で初めて、天気図が作られました。
ドイツの気象学者エルウェン・クニッピング(Erwin Knipping/1844~1922)が、天気図を描き……。
英語で書かれた天気概況を翻訳したものでした。
3月1日以降は、印刷して1日1回発行されることとなり……。
8月23日以降は、新橋と横浜の停車場にも掲示されました。
当初の天気図は……。
電報で送られた、全国11箇所の測候所のデータを元に描かれた、7色刷でした。
ただし、この記念日は、気象庁が定めたものではありません。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/102161.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「天気図について」を引用させていただきます。
天気図(weather map)とは、様々な規模の気象現象を把握するため、地図上に……。
天気、気圧、等圧面における高度、気温、湿数、渦度などの値を、等値線などの形で記入した図のことです。
https://zatsuneta.com/img/102161_01.jpg
1820(文政3)年に、ドイツの気象学者ハインリッヒ・ブランデス(Heinrich Brandes/1777~1834)が……。
観測データを、郵送などで集めて発表した天気図が世界初とされてます。
毎日、世界時0時と12時、加えてその間の3時間ごと(日本時間では、朝3時から夜21時)に……。
世界中の地上気象観測地点、数千箇所で、気象観測データがまとめられ送信されてます。
また、海上の船舶、上空の観測気球などからもデータが集められます。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2024/02/16 06:11
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
各地域の気象機関は、そのうち必要なデータを使用して天気図を作成し……。
現在の気象の解析や、今後の気象の予報に利用してます。
データの解析にコンピュータを使用することはありますが……。
天気図の作成には熟練した技術も必要であり、手書きに頼る部分もまだ残されてます。
主要地点の気象観測データは、ファクシミリや無線などでも配信されており……。
気象関係者以外でも、入手することができます。
そのため、天気図作成の知識があれば……。
誰でも、天気図を作成することができるのです。
気象庁では、1日7回(3、6、9、12、15、18、21時)の観測データをもとに……。
日本周辺域における実況天気図の解析を行い、観測時刻の約2時間10分後に発表してます。
気象庁のホームページには、海陸や天気図記号などを着色して識別しやすくしたカラー画像のほか……。
FAX送信で利用することを考慮した白黒画像の天気図が掲載されてます。
以上、引用終わり。
未だに、FAXが利用されてるんでしょうか?
FAXで送ってもらってるところって……。
インターネットが出来ないってことですよね?
インターネットが出来れば……。
気象庁のホームページから、直接ダウンロードすればいいだけですから。
未だに、そんなところがありますか?
さて。
ようやく春の気配が感じられるようになりました。
まず一番それを感じるのが、日が延びたこと。
まだ空気は冷たいですが、日足の長さは、まさに春です。
春は、3段階で進むと云われてます。
光→音→気温。
今がまさに、光の春です。
音の春は、雪解け水。
でもこれは、雪国じゃなければ感じられませんね。
そして最後が、暖かさが実感できる、気温の春。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2024/02/16 06:11
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今日は何の日(つづきのつづき)
わたしは、2月に入ると……。
夏なら、今はいつくらいになるのかなと計算してみます。
計算と云っても、小学校低学年レベルの算数です。
日付を、6ヶ月後に直すだけ。
今日は、2月16日ですから……。
6ヶ月後は、8月16日になります。
でも、ちょっと待ってください。
8月は31日ありますが……。
2月は28日です(今年は29日ですが)。
なので、その差の3日(今年は2日)を足します。
すると、8月19日(今年は18日)になります。
8月19日といったら、お盆から1週間近く経ってます。
高校野球も、もう大詰め。
フルタイムで働いてたころは……。
帰り道、日暮れが早くなったのを実感するころ。
夜は、気の早い秋の虫が鳴き出してます。
まだ暑さは残ってますが……。
秋の足音を実感して、物寂しさが増すころです。
立秋から2週間も経ってるんだから当然です。
それを思うと……。
今はもう、春なんだということが実感できます。
おそらく、あと2週間もすると、花壇の球根が芽を出すでしょう。
昨秋は、新たにチューリップを3球、植えたんですよ。
楽しみです。
でも、ちょっと心配なのが、花壇の落ち葉。
毎週、庭のモミジの落ち葉を、花壇に敷き詰めてるんです。
冬場、花壇は雪捨て場になります。
雪の多い年は、わたしの胸くらいまで雪が積みあがります。
なので、春になると、花壇の落ち葉はぺっちゃんこ。
押し葉みたいになってます。
でも、今年は雪が少なかったせいで……。
けっこう厚いまま残ってしまってます。
球根の芽出しが、ちょっと苦労するかも。
今年は、芽出しを手伝ってやることにします。
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4. 手羽崎 鶏造- 2024/02/16 10:49
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天気図。
中学生の頃ですから、昭和40年代前半、
NHKラジオの放送を聞きながら、上級生の
指導で書いたことがあるのを思い出しました。(気象班)
最初は「いづはらでは天候〇〇、」で始まるのでした。
その時、対馬の地名であることを知りました。
天気図では晴が〇、曇りが◎で、納得がいかなかった
ことを覚えています。
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5. Mikiko- 2024/02/16 16:44
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<emoji:sun天気図は描いたことありませんが……
NHKラジオの気象通報は、昔、よく聞いてました。
遠方の事業所に出かけるときの車の中です。
北海道の浦河という地名が記憶に残ってます。
寒いんだろうなと思いながら聞いてたものです。