2016.4.1(金)
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フロント前を通り過ぎて、反対側に突きあたったところが大浴場だ。
今日は貸し切りだからだろう、フロントには誰の姿も見えなかった。
玄関の引き戸も閉まっていた。
そのまま館の反対側まで進むと……。
斜めに渡り廊下が伸びており、その先に男女の大浴場があった。
奥の浴場入口には、赤い地に、“ご婦人”と白抜きされた暖簾が下がっている。
手前にあるもう一つの入口には、暖簾が下がっていなかった。
こちらが、本来の男湯だろう。
入口脇には、史恵さんが言ったように案内看板が出ていた。
看板には、“研修会場”とだけ書いてある。
入口を入ったところが、脱いだスリッパを置く棚と上がり框になっている。
スリッパを棚に入れ、上がり框を上がる。
当然のことながら、そこは脱衣所だ。
脱衣所には、何のセッティングもされていない。
史恵さんに渡された図面を見る。
会場は、浴場の洗い場だった。
そのまま浴場に入ろうとしたが……。
自らの足元を見て、躊躇した。
ストッキングを履いているのだ。
浴場のタイルが濡れていないとも限らない。
わたしは、図面を挟んだクリップボードを脱衣棚に置いた。
白のナースストッキングを脱ぐ。
ナース服でナマ足というのも落ち着かないが、仕方がない。
ストッキングを、脱衣棚の一番下の籠に丸めて入れ、クリップボードを持ち直す。
浴場のガラス扉を開ける。
洗い場の照明は、少し薄暗く感じた。
湯気のせいだろうか。
浴槽には、満々と湯が湛えられている。
24時間掛け流しだそうだから、常にこの状態なのだろう。
洗い場のタイルは、乾いていた。
ストッキングを脱いだのは、取り越し苦労だったかも知れない。
穿き直そうかと思ったが……。
ストッキングを穿いてるときに参加者が入って来るかも知れないので、諦めることにした。
史恵さんの図を、もう一度見る。
洗い場らしい部分に、長方形の四角が2つ描かれていた。
四角の中に、“マット”という文字が入っている。
目の前の光景は、まさにその図のままだった。
フロント前を通り過ぎて、反対側に突きあたったところが大浴場だ。
今日は貸し切りだからだろう、フロントには誰の姿も見えなかった。
玄関の引き戸も閉まっていた。
そのまま館の反対側まで進むと……。
斜めに渡り廊下が伸びており、その先に男女の大浴場があった。
奥の浴場入口には、赤い地に、“ご婦人”と白抜きされた暖簾が下がっている。
手前にあるもう一つの入口には、暖簾が下がっていなかった。
こちらが、本来の男湯だろう。
入口脇には、史恵さんが言ったように案内看板が出ていた。
看板には、“研修会場”とだけ書いてある。
入口を入ったところが、脱いだスリッパを置く棚と上がり框になっている。
スリッパを棚に入れ、上がり框を上がる。
当然のことながら、そこは脱衣所だ。
脱衣所には、何のセッティングもされていない。
史恵さんに渡された図面を見る。
会場は、浴場の洗い場だった。
そのまま浴場に入ろうとしたが……。
自らの足元を見て、躊躇した。
ストッキングを履いているのだ。
浴場のタイルが濡れていないとも限らない。
わたしは、図面を挟んだクリップボードを脱衣棚に置いた。
白のナースストッキングを脱ぐ。
ナース服でナマ足というのも落ち着かないが、仕方がない。
ストッキングを、脱衣棚の一番下の籠に丸めて入れ、クリップボードを持ち直す。
浴場のガラス扉を開ける。
洗い場の照明は、少し薄暗く感じた。
湯気のせいだろうか。
浴槽には、満々と湯が湛えられている。
24時間掛け流しだそうだから、常にこの状態なのだろう。
洗い場のタイルは、乾いていた。
ストッキングを脱いだのは、取り越し苦労だったかも知れない。
穿き直そうかと思ったが……。
ストッキングを穿いてるときに参加者が入って来るかも知れないので、諦めることにした。
史恵さんの図を、もう一度見る。
洗い場らしい部分に、長方形の四角が2つ描かれていた。
四角の中に、“マット”という文字が入っている。
目の前の光景は、まさにその図のままだった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2016/04/01 07:51
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館内構造
↓実は、モデルがあります。
http://www.kashiwaya.org/facilities
群馬県の四万温泉、『柏屋旅館』さん。
もちろん、行ったことはありません。
ネット検索で、こじんまりとした館内図を発見し、モデルとさせていただきました。
図の1階、左端にある『食事処』が、座学の研修会場。
続く実技会場は、1階の反対側……。
フロント前を通り過ぎ、突きあたったところから渡り廊下で伸びる浴場です。
こういう図が頭にあるとないとでは、書くもののリアリティに違いが出るんじゃないでしょうか。
本日より、新年度。
電車、混むかな?
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2. ヌードモデル!求HQ- 2016/04/01 11:55
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モデル有り
なるほど。
そりゃあ、モデルがあると書きやすいよね。当然リアリティはあるし。
しかし、これだけの旅館を借り切ったら、一体いくら取られるんだろうね。
『アイリス』も、モデルを探すべきだったな。いまさら後の祭りですが、そんな発想はこれっぽっちも無かったなあ。
金沢編は記憶頼り、京都編は戸外はともかく、屋内はすべて想像です(番宣してんじゃねえよ)。
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3. Mikiko- 2016/04/01 19:51
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もちろん……
本編の旅館は、もっと古くて簡素な想定です。
間取りだけお借りしたわけですね。
こういう図があると、書くのが楽です。
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4. 錦繍ハーレクイン- 2016/04/02 15:54
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しかし……
この旅館さん。
自分とこの間取りがエロ小説に書かれているとは、夢にも現にも、こっから先も、想像すらしていないだろうね。
こういうのを「人のめぐり合いが織りなす綾錦」というんだろうなあ(ぜんぜん違うって)。
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5.- 2016/04/05 05:48
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タイトルの二人はいつ出てくるんですかね
最近やたら男出てくるわ時間ぽんぽん飛ぶわで、
以前とは全く別の小説読んでいるかのようです
本当はレズビアン小説じゃなくて男女の描写をなさりたいのではと邪推してしまいますね
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6. Mikiko- 2016/04/05 07:28
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m(_ _)m 申し訳ありませぬ m(_ _)m
脱線はわたしの悪い癖ですが……。
さらに悪いのは、脱線したまま暴走を続けてしまうことです。
書きながら反省はしておるのですが、なかなか止められません。
今の話を一旦中断して、由美と美弥子の場面を挿入することも考えておりますので、もうしばらくお待ち下さい。
書き始めたころと今では、わたし自身の嗜好に変化が出てきたことも否めません。
来月は、8周年を迎えます。
もう一度立ち止まり、来し方を省みたいと思っております。