Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
単独旅行記Ⅶ(070)
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いっぱい出てる
み「げ。
 いっぱい出てる。
 でも、妙な光景だよね」
ハ「何がや?」
み「周りに竹がないじゃない。
 なんで、タケノコだけ生えてるの?」
ハ「あっちゃに竹林が見えるやないけ。
 あこから、地下茎で繋がってるんやろ」
み「何で途中で出ないの?」
ハ「出る端から、採って食うたんちゃうか」
み「誰が?」
ハ「市役所の職員やろな」
み「市有財産の横領だろ」
ハ「大目に見たれや」
み「じゃ、何でこれは採らないの?」
ハ「ここは園路際で、目立つからやろ」
み「閉園時間に採ればいいじゃん」
ハ「泥棒やがな」
み「昼間に採っても同じだろ」
ハ「おそらく、もう食い飽きたんやないか」
み「食い飽きるほど、タケノコを食べてみたいもんだわ。
 採って帰るか?」
ハ「あこまで大きゅうなると、半分竹やで。
 あれが食えるのは、パンダだけやな」
み「無念……」

ミツデカエデ?
み「ミツデカエデ?
 葉が3つに割れてるのかな?」

割れてないじゃん
み「割れてないじゃん。
 調べて」
ハ「またかいな。
 葉が、3枚1組で出るからみたいやな。
 『三出複葉(さんしゅつふくよう)』ちゅうらしいで」
み「なるほど。
 確かに、3枚1セットで出てる感じだね」

今度は、ヒトツバカエデか
み「今度は、ヒトツバカエデか。
 だいたい想像はできるな」

やっぱり、葉が1枚だ
み「やっぱり、葉が1枚だ。
 でも……。
 何でカエデなわけ?
 カエデの語源は、『蝦手(かえるで)』でしょ。
 カエルの手に似てるから、カエデなわけよ。
 何で、この木がカエデなの?
ハ「初っぱなは、見た目からそう呼ばれたんやろな。
 でもその後、カエデは……。
 ムクロジ科カエデ属っちゅう属名になったわけや。
 カエデ属に属する木の総称が、カエデっちゅうことや。
 ところが、カエデ属の木の中には……。
 葉っぱが割れてないものも少なくなかったちゅうことやな」
み「そんなら、モミジって何?」
ハ「たまには、自分で調べたりや」
み「たまには、自分で歩いたらどうだ?」
ハ「わかったわい。
 えーっとな。
 モミジもカエデも、ムクロジ科カエデ属の総称やそうや。
 植物の分類上は、おんなじものやて。
 使い分けは、葉の見た目からするみたいや。
 葉の切れこみが浅いのが、カエデ。
 深いのが、モミジなんやと」
み「なるほど。
 だから、切れこみがまったくないのは、カエデなんだ。
 確かにこの木は、モミジじゃないわな」

これはもう、由来は一目瞭然だね
み「ウリハダカエデ。
 これはもう、由来は一目瞭然だね。
 木の肌が、ウリに似てるからだ」

実にカエデらしい葉っぱだね
み「これはもう、実にカエデらしい葉っぱだね。
 切れこみが浅くて」

カエデばっかり並んどるな
ハ「しかし、カエデばっかり並んどるな」
み「秋に来てみたいもんだね」
ハ「せやな。
 見事やろうな」

これは歌碑か?
み「これは歌碑か?
 ……。
 “秋風”だけは読める。
 誰の歌だろ?」
ハ「与謝野晶子やな」
み「何でわかるの!」

こっちゃに説明書きがあるがな
ハ「こっちゃに説明書きがあるがな」
み「なんだ」

●秋風に荷葉(かよう)うらがれ香を放つおん菜園の池をめぐれば

み「荷葉ってなに?」
ハ「池をめぐりながら見えるんや。
 蓮の葉ちゅうことやがな」
み「そしたら、ここらに池があるのかな?」
単独旅行記Ⅶ(069)目次単独旅行記Ⅶ(071)

コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2023/11/21 05:55
    • わが家のモミジ
       わが家にも、モミジが幾本か植わってます。
       すべて切れこみの深い葉ですので、カエデではなくモミジですね。
       そのうちの1本が、ちと問題児。
       玄関前の塀際、花壇の奥に植わってます。
       夏場は、花壇に毎日水やりをしてるので……。
       その水を吸って、元気に猛暑を乗り切りました。
       周囲に高い木がないので、自在に枝を広げてます。
       その半分近くが道路の上に広がってます。
       で、秋。
       見事に黄葉します。
       まさに、真っ黄色。
       そこまではいいんです。
       でも、これからが大変。
       落葉です。
       花壇にだけ葉を落としてくれればいいんですが……。
       当然、そうはいきません。
       道路に大量に落とします。

       続きは次のコメントで。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2023/11/21 05:56
    • わが家のモミジ(つづき)
       玄関前の道路は、南北に走ってます。
       北風の通り道。
       その北風が、落ち葉を南隣の家の前まで広げてしまいます。
       当然、その家の前の落ち葉は、そのままにしておけません。
       雨が降ってない日は必ず、落ち葉掃きをしなければなりません。
       新潟はもう、毎日お天気が悪いので、道路は常に濡れてます。
       落ち葉がアスファルトに貼り付いて、なかなか掃けません。
       しかも、南方向に掃くわけですから、北風に逆らわなければなりません。
       せっかく掃いても、すぐにまた戻されたりします。
       腕が痛くなりますよ。
       そうして集めた葉は、花壇に積みあげます。
       モミジが葉を落とし切るまでそれを続けると……。
       積みあげた落ち葉の厚みは、20㎝くらいになります。
       で、冬が来ると、花壇は……。
       玄関前を除雪した雪捨て場になるんです。
       大雪の年は、わたしの背丈近くまで雪が積みあがります。
       新潟の雪は重いです。
       そして、春。
       雪が解けると……。
       現れた落ち葉は、押し葉みたいにぺっちゃんこになってます。
       それからが楽しみ。
       花壇の球根が、芽を出すんです。
       まず、押し葉が持ちあげられます。
       それから、細い芽が突き出てくるんです。
       厚い落ち葉を笠みたいに被ってる芽もありますね。
       そういう芽は、落ち葉を除けてあげます。
       それが見られるまで、あと3ヶ月半。
       頑張って、冬を乗り切りましょう。

    • ––––––
      3. 手羽崎 鶏造
    • 2023/11/22 13:54
    •  大阪・箕面(みのお)では
      「モミジの天ぷら」が名物です。
      子どもの頃、土産にもらった
      この品を食べたことがありますが
      胸やけしそうになった覚えがあります。
       まあ、現地で揚げたてなら、ひとつぐらい
      イケそうな気はしますが

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2023/11/22 18:14
    • 拾った落ち葉を揚げて出せば……
       原価ゼロじゃんと思ったことがあります。
       でも、そうじゃありませんでした。
       収穫したモミジは、1年間、塩漬けにするそうです。
       そうしないと、葉脈が柔らかくならないんだとか。

    • ––––––
      5. 手羽崎 鶏造
    • 2023/11/23 11:24
    • へえ、そうなんだ。
      実は知りまへんでした。
      「紅葉狩り」というぐらいだから
      ベジタリアンの食材になるのかぐらいに
      思っていました。

      たしかに、紅葉がそのまま
      食べられるなら、熊や猪や鹿に
      食い荒らされていますよね。
      紅葉の景色は拝めないでしょう。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2023/11/23 13:40
    • 天ぷら屋
       これからの狙い目は、野菜だけの天ぷら屋だと思います。
       ターゲットは、インバウンドのベジタリアンやビーガン。
       通常の天ぷら屋の野菜天は、肉や魚と同じ油で揚げます。
       それを良しとしないビーガンもいるでしょう。
       なので、具材は野菜だけ。
       今は、SNSなどで口コミがあっという間に広がりますから……。
       けっこう繁盛すると思います。
       モミジの天ぷらなんて、葉っぱを食べるわけですから……。
       究極のビーガン料理ですよね。
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