2023.10.11(水)
親子ほども年の離れた2人だったが、話してみると妙に気が合った。
そしてその主婦の家が、侑人の部屋から正面に見える住宅だったのだ。
サークルの帰り、お茶に招かれたことも何度かあった。
だから、その住宅のリビングから、奈美の住むマンションを眺めたこともあるのだ。
もちろん、ちょうど正面に見える窓が漆原家だということは話していた。
そこが、一人息子の勉強部屋だと云うことも。
「遅くまで勉強していらっしゃるのね」と感心された。
侑人の窓に、夜遅くまで明かりが点いているのだろう。
しかし、漆原家の上下階の部屋は、リビングからは見えなかった。
その住宅は、崖ぎりぎりに建っているわけではなく、リビングの前が庭になっていた。
そのためマンションの下階は、段丘面である庭に遮られて見通せない。
さらにリビングと庭の間は、庇のあるベランダになっていた。
小さなテーブルと椅子が置かれていた。
主婦の夫は、食後、そこでコーヒーを飲むのが日課なのだそうだ。
ベランダに幅広く張り出した庇は、透明ではない。
だから、マンションの上階は、その庇に遮られて見えないのだ。
その住宅には、3,4回は招かれただろうか。
しかし、その主婦との交流は、突然途絶えた。
彼女が病を患ったのだ。
確かに、顔色が優れないとは思っていた。
やはり体調を崩していたようで、病院で検査を受けたところ……。
即、入院ということになったらしい。
お見舞いには、1回だけ行った。
奈美の方が動揺するほどやつれていた。
病の重篤さが、ひと目でわかるほどだった。
2度めの見舞いをためらっているうち……。
彼女の訃報を聞くこととなった。
通っていたサークルでだった。
彼女は古参の会員だったので、会の世話人のようなこともやっていたのだ。
その関係で、サークルの方にも知らせがあったようだ。
奈美には、世話人の一人から伝えられた。
親しくしていたのを見知っていたからだろう。
もちろん、葬儀には参列した。
サークルの会員はもちろん、講師の先生も来ていた。
喪主であるご主人の挨拶で、膵臓がんだったことを知らされた。
腰痛で検査を受けたところ、がんが見つかったそうだ。
すでにほかの臓器に転移しており、手術も出来なかったという。
ご主人は定年を控えており……。
定年後には、2人でクルーズ船での日本一周も計画していたそうだ。
ご主人の震える声に、涙を誘われた。
葬儀は、近隣のセレモニーホールで行われた。
なので、彼女が病を得て以来、お宅には伺っていない。
ご主人は、もう定年を迎えているはずだ。
葬儀には娘さんが2人来ていたが、共に遠方に嫁いでいると聞いた。
となれば今、あの住宅には、ご主人が1人で住んでいるはずだ。
知的な感じのご主人だったが、食事はちゃんと摂れているのだろうか。
そしてその主婦の家が、侑人の部屋から正面に見える住宅だったのだ。
サークルの帰り、お茶に招かれたことも何度かあった。
だから、その住宅のリビングから、奈美の住むマンションを眺めたこともあるのだ。
もちろん、ちょうど正面に見える窓が漆原家だということは話していた。
そこが、一人息子の勉強部屋だと云うことも。
「遅くまで勉強していらっしゃるのね」と感心された。
侑人の窓に、夜遅くまで明かりが点いているのだろう。
しかし、漆原家の上下階の部屋は、リビングからは見えなかった。
その住宅は、崖ぎりぎりに建っているわけではなく、リビングの前が庭になっていた。
そのためマンションの下階は、段丘面である庭に遮られて見通せない。
さらにリビングと庭の間は、庇のあるベランダになっていた。
小さなテーブルと椅子が置かれていた。
主婦の夫は、食後、そこでコーヒーを飲むのが日課なのだそうだ。
ベランダに幅広く張り出した庇は、透明ではない。
だから、マンションの上階は、その庇に遮られて見えないのだ。
その住宅には、3,4回は招かれただろうか。
しかし、その主婦との交流は、突然途絶えた。
彼女が病を患ったのだ。
確かに、顔色が優れないとは思っていた。
やはり体調を崩していたようで、病院で検査を受けたところ……。
即、入院ということになったらしい。
お見舞いには、1回だけ行った。
奈美の方が動揺するほどやつれていた。
病の重篤さが、ひと目でわかるほどだった。
2度めの見舞いをためらっているうち……。
彼女の訃報を聞くこととなった。
通っていたサークルでだった。
彼女は古参の会員だったので、会の世話人のようなこともやっていたのだ。
その関係で、サークルの方にも知らせがあったようだ。
奈美には、世話人の一人から伝えられた。
親しくしていたのを見知っていたからだろう。
もちろん、葬儀には参列した。
サークルの会員はもちろん、講師の先生も来ていた。
喪主であるご主人の挨拶で、膵臓がんだったことを知らされた。
腰痛で検査を受けたところ、がんが見つかったそうだ。
すでにほかの臓器に転移しており、手術も出来なかったという。
ご主人は定年を控えており……。
定年後には、2人でクルーズ船での日本一周も計画していたそうだ。
ご主人の震える声に、涙を誘われた。
葬儀は、近隣のセレモニーホールで行われた。
なので、彼女が病を得て以来、お宅には伺っていない。
ご主人は、もう定年を迎えているはずだ。
葬儀には娘さんが2人来ていたが、共に遠方に嫁いでいると聞いた。
となれば今、あの住宅には、ご主人が1人で住んでいるはずだ。
知的な感じのご主人だったが、食事はちゃんと摂れているのだろうか。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2023/10/11 05:58
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今日は何の日
10月11日は、『トイレットロールの日』。
フェイシャルティシュー、トイレットロール、キッチン用品などの製造販売を手がける……。
『日本製紙クレシア㈱(https://www.crecia.co.jp/)/東京都千代田区神田駿河台』が制定。
日付は、「トイレット(10)」で10月……。
「ロール(roll)」の「ll(エルエル)」を数字の「11」と見立てて、11日に。
記念日を通して、普段あまり気に留めることの少ないトイレットロールにスポットライトをあてる日を作り……。
その歴史などを振り返る機会になればとの願いがこめられてます。
記念日は、2023(令和5)年、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/11011a1.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、引用を続けさせていただきます。
同社は、1963(昭和38)年4月2日に設立されました。
現在は、製紙業を営む日本製紙グループに属してます。
当初の社名は、十條キンバリー㈱でした。
十條製紙(現:日本製紙)とキンバリー・クラーク社の合弁により設立された会社だったからです。
その後、1996(平成8)年10月1日に……。
十條キンバリーとクレシアの合併により、㈱クレシアに社名を変更。
さらに、2006(平成18)年8月1日……。
日本製紙クレシア㈱に社名を変更し、現在に至ります。
https://zatsuneta.com/img/11011a1_02.jpg
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2023/10/11 05:58
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどの商品ブランドは、二本立てで展開してます。
十條キンバリーの「クリネックス(Kleenex)」と……。
クレシアの前身である山陽スコットの「スコッティ(scottie)」です。
https://zatsuneta.com/img/11011a1_01.jpg
1924(大正13)年に、国産品として初めて製造されたロール状のトイレットロールは……。
外洋汽船や高級ホテル用で、一般向けではありませんでした。
その後、下水道の整備に伴って水洗トイレが普及し……。
トイレットロールは、生活必需品として無くてはならない存在となりました。
同社(山陽スコット)は、1963(昭和38)年に……。
国内最初の一般市販用のロール状トイレットロール「スコット・トイレットティシュー」を発売しました。
現在では、「クリネックス」と「スコッティ」で、それぞれトイレットロールを販売してます。
ちなみに、「トイレットペーパー(toilet paper)」は英語です。
日本では、円筒形の巻き取りタイプ(ロール紙タイプ)を、「トイレットロール(toilet roll)」と呼びますが……。
こちらは、和製英語とされます。
「ロール(roll)」には、「回転する、転がる、巻いたもの、1本」などの意味があります。
また日本語において、用便の際の清拭用の紙は「落とし紙」と総称され……。
多用途で使用される紙は「ちり紙」と呼ばれます。
以上、引用終わり。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2023/10/11 05:59
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今日は何の日(つづきのつづき)
2020年のトイレットペーパー騒動を思い出しますね。
もう、あれから3年経ったんですね。
あの騒ぎは、メーカーからの供給が止まったわけではありませんでした。
購買量が爆発的に増えたため……。
供給が追いつかなくなったんです。
トイレットペーパーって、ものすごく嵩張りますからね。
トラックいっぱい詰めこんだって、運べる量はたかが知れてます。
結局、輸送で詰まって、末端まで届かなくなったわけです。
実際、あんなものをトラックで運んでるってのは、馬鹿らしい話です。
国も推進していくようですが……。
鉄道や船舶での輸送に転換すべきでしょう。
さて、トイレットペーパー。
あの騒動をきっかけとして、ずいぶんと値段があがりました。
供給が落ち着いた今でも、値段は下がらないまま。
わたしは、一番安いのを買ってます。
でも、ダブルなんです。
シングルのつもりで使ってたら……。
使える回数が半分になってしまいます。
なので、ペーパーを引っ張り出す長さを、半分にするようにしました。
ガラガラ回したりしません。
前腕の長さくらいを引き出し……。
小さく畳んで使ってます。
でも、便座の乾燥機能で乾かし切るようにすれば……。
ペーパーはいらなくなるわけです。
電気代と、ペーパー代、どっちが得なんでしょう?
でも、やっぱり乾燥はねー。
イラチなので、待ってられないんですよ。
乾くまで待ってられる人って、偉いと思います。
「鳴くまで待とうホトトギス」を連想してしまいます。
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4. 手羽崎 鶏造- 2023/10/11 16:26
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台北に行った際、ホテルの人に
ペーパーは便と一緒に流してはならないと
日本人はキツく言われました。
便器の横に汚物ペーパー入れなる容器が
置いてありました。
分別(糞別)するだけで、インフラ費用や、
処理コストが相当違うそうです。
そういえば、被災地の避難施設でも
「紙は別に」と大書されていたのを
複数箇所で見た記憶があります。
処理してくれる人のこと、
その後の作業のことも、
考えられる人になりたいと思います。
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5. Mikiko- 2023/10/11 18:26
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「流してはならない」というのは……
詰まるからということなんでしょうか?
詰まる心配がないのに、そういうことを強要されるのは納得できません。
コストは、そっちの問題でしょう。
処理してる人は、ボランティアでやってるわけではありません。
賃金をもらってやってるわけです。
処理作業が軽減されたら、職を失う人も出るんじゃないですか。