2023.6.4(日)
左手の壁の中央部は、黒い矩形に象られていた。
開口部のようだが、ドアノブなどは見あたらない。
引き戸だろうか。
万里亜はその前に立つと、手の平を打ち合わせた。
駆動音が起こり、黒い矩形がゆっくりと横にスライドした。
やはり引き戸だったのだ。
現れた開口部は、人が2人、並んで立てそうなほどの幅があった。
その向こうは薄暗い。
万里亜は、ためらいなく暗がりに踏みこんでいった。
取り残されそうに思い、慌てて後を追う。
2人が身を移すと同時に、天井灯の照度があがった。
「ひ」
美咲は息を呑んだ。
部屋の中央には、椅子が一脚据えられていた。
椅子には、座り主がいた。
絵里子だった。
しかも、ただ座っているのではなかった。
全裸だった。
しかもその肉は、そこここを赤いロープで括られていた。
両脚は肘掛けに載せられ、固定されている。
意識はないようだ。
傾げた頭を背もたれに預け、両眼は閉じられていた。
「どうして……」
万里亜は応えず、代わりに再び手を打ち鳴らした。
部屋の隅の暗がりから、何かが這い出て来た。
人だった。
やはり、赤いロープで全身を括られている。
その身をくねらせながら、芋虫のように移動して来たのだ。
芋虫は、万里亜の脚元で頸をもたげた。
「そんな……」
侑人だった。
渇望する目で、万里亜を見あげている。
しかし、言葉は発せられなかった。
口には、ボールのようなものを咥えていた。
いや。
咥えさせられているのだ。
ボールからストラップが伸び、後頭部に回っている。
「わたしの……。
せいなのね……」
美咲は両手で顔を覆った。
万里亜に助けられた夜、感情のおもむくまま、この身に起きたことを万里亜に訴えた。
しかし……。
しかし、こんなことをしてほしいなどとは、ひと言も頼んではいない。
が……。
それだけで、自らにまったく罪がないと言えるのだろうか。
万里亜とこの2人を結びつけたのは、まさしくこの自分なのだから。
開口部のようだが、ドアノブなどは見あたらない。
引き戸だろうか。
万里亜はその前に立つと、手の平を打ち合わせた。
駆動音が起こり、黒い矩形がゆっくりと横にスライドした。
やはり引き戸だったのだ。
現れた開口部は、人が2人、並んで立てそうなほどの幅があった。
その向こうは薄暗い。
万里亜は、ためらいなく暗がりに踏みこんでいった。
取り残されそうに思い、慌てて後を追う。
2人が身を移すと同時に、天井灯の照度があがった。
「ひ」
美咲は息を呑んだ。
部屋の中央には、椅子が一脚据えられていた。
椅子には、座り主がいた。
絵里子だった。
しかも、ただ座っているのではなかった。
全裸だった。
しかもその肉は、そこここを赤いロープで括られていた。
両脚は肘掛けに載せられ、固定されている。
意識はないようだ。
傾げた頭を背もたれに預け、両眼は閉じられていた。
「どうして……」
万里亜は応えず、代わりに再び手を打ち鳴らした。
部屋の隅の暗がりから、何かが這い出て来た。
人だった。
やはり、赤いロープで全身を括られている。
その身をくねらせながら、芋虫のように移動して来たのだ。
芋虫は、万里亜の脚元で頸をもたげた。
「そんな……」
侑人だった。
渇望する目で、万里亜を見あげている。
しかし、言葉は発せられなかった。
口には、ボールのようなものを咥えていた。
いや。
咥えさせられているのだ。
ボールからストラップが伸び、後頭部に回っている。
「わたしの……。
せいなのね……」
美咲は両手で顔を覆った。
万里亜に助けられた夜、感情のおもむくまま、この身に起きたことを万里亜に訴えた。
しかし……。
しかし、こんなことをしてほしいなどとは、ひと言も頼んではいない。
が……。
それだけで、自らにまったく罪がないと言えるのだろうか。
万里亜とこの2人を結びつけたのは、まさしくこの自分なのだから。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2023/06/04 05:08
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今日は何の日
6月4日は、『水虫治療の日』。
医薬品「水虫薬エフゲン」などの製造販売を行う……。
『大源製薬㈱(https://www.e-daigen.co.jp/)/兵庫県尼崎市』が制定。
日付は、「水虫」の「む(6)し(4)」と読む語呂合わせと……。
水虫を患う人が急増する、梅雨入り前の時期であることから。
水虫の早期治療の大切さと、水虫は必ず治る皮膚病なので……。
諦めずに治療に取り組んでほしいことを、多くの人に知ってもらうことが目的。
「水虫薬エフゲン」は、2016(平成28)年、発売40周年を迎えました。
記念日は同年、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/10604a4.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「水虫について」を引用させていただきます。
「水虫」は、日本人の4人に1人が患ってる感染症です。
一般的に「水虫」の通称で呼ばれますが……。
正確には、「足白癬(あしはくせん)」と云います。
水虫菌(白癬菌:はくせんきん)が、足の指や足の裏など……。
皮膚の角質、さらにその下の皮下組織を侵食することによって炎症などが起きます。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2023/06/04 05:09
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今日は何の日(つづき)
さらに同じページから、「治療について」を引用させていただきます。
大源製薬の「水虫薬エフゲン」には、白癬菌に対して抗菌作用のあるウンデシレン酸と……。
角質層を軟化させ浸透性を高めるサリチル酸を配合した、画期的な水虫治療薬です。
https://zatsuneta.com/img/10604a4_01.jpg
白癬菌は、角質層の下に侵入するため……。
その治療には、角質層下に薬剤が浸透することが重要になります。
水虫の原因である白癬菌を、エフゲンで完全に撃退するまでには……。
個人差はありますが、最低3ヵ月はかかります。
エフゲンでかゆみが治まり、皮膚の炎症が改善してきても……。
皮膚下の白癬菌をすべて撃退するために、完治したと思ってからも1ヵ月は使用することを同社では勧めてます。
また、水虫一筋の同社では、数量限定で……。
水虫治療のための「エフゲンプレミアム治療セット」も販売してます。
https://zatsuneta.com/img/10604a4_02.jpg
水虫によく利く「水虫薬エフゲン」に加え、下記のものがセットになってます。
硬くなった角質を優しく除去する「軽石」、肌荒れ、皮膚の保護、皮膚の乾燥防止に効果がある「薬用フットオイル」……。
5本指ソックスより手軽で、足指間の汗をしっかりキャッチする「足ゆびちゃん」です。
以上、引用終わり。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2023/06/04 05:09
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今日は何の日(つづきのつづき)
幸い、わたしは水虫になったことはありません。
家族にも、水虫持ちはいませんでした。
昔は6人家族で、お風呂場の足拭きマットも共用でしたが……。
誰ひとり感染したことはなかったです。
水虫というと、男性の病気のように思いがちですが……。
足の環境という点では、女性の方が悪いんじゃないでしょうか。
ストッキングとブーツが元凶だと思います。
特に冬は、それがダブルですからね。
靴下にすればだいぶ違うでしょうが……。
事務のおばちゃんみたいになっちゃいますし、外回りの人はそもそも難しいでしょうね。
同じ靴を毎日履かないというのも対策だそうです。
特に冬場は、一晩で靴の中が乾かないでしょうからね。
ちょっと出費ですが……。
同じパンプスを2足買って、交互に履くということでしょうか。
あ、わたしはもちろん、毎日、同じ靴を履いてますよ。
ジメジメ対策は、ちゃんとしてありますから。
シューズ用の湿気とりがあるんです。
↓こういうの。
https://item.rakuten.co.jp/zakka-gu/m5-mgkah00189-ss/?variantId=m5-mgkah00189-ss
コンセントに挿しておくと乾燥力が蘇り、繰り返し使えます。
帰ったら、これを靴の中に入れます。
すると翌朝は、冬でも靴の中がさらっさらです。
ブーツには、特に効果が高いと思います。