2023.3.22(水)
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エントランスのオートロックパネルで、教えられた部屋番号を呼び出す。
応答はなかったが、すぐに解錠音が響いた。
扉を入ったエレベーターホールは、森の中のような匂いに満ちていた。
フィトンチッドだろうか。
最上階の5階で下りて、内廊下に出る。
エレベーターを出たら右に進んで一番奥の部屋だと、バスを降りたとき教えられていた。
廊下は絨毯敷きだった。
まるでホテルだ。
一番奥の扉の前に立ち、ドアホンのボタンを押す。
「長井です。
漆原くんに呼ばれて来ました」
扉の裏側で、解錠音が響いた。
『どうぞ。
お入り下さい』
侑人の声ではなかった。
女性の声だった。
そうか。
侑人の友人は、男とは限らない。
しかし、侑人と同年代の声ではなかったようだ。
一瞬、このまま帰ろうかと思ったが……。
好奇心の方が勝った。
絵里子はためらいつつも、扉のレバーハンドルを押し下げた。
玄関ホールに身を移す。
広い玄関だった。
ここだけで、絵里子のマンションの一室分もありそうだ。
奥に向かって廊下が伸びている。
しかし、誰の姿もない。
「こんにちは」
奥に向かって呼びかける。
応答はなかった。
上がり框の上には、革製らしいスリッパが一足、据えられている。
このまま上がれということなのだろう。
絵里子は、揃えられたスリッパに身を移した。
玄関を振り返り、スニーカーで来たことを少し後悔した。
大理石らしいたたきに、黒いスニーカーは似合わなかった。
スニーカーの向きを変え、再び奥に身を向ける。
絨毯敷きの長い廊下が伸びている。
部屋全体の広さは、100平米以上はありそうだ。
「おじゃまします」
絵里子は、もう一度声をかけた。
相変わらず、返答はない。
エントランスのオートロックパネルで、教えられた部屋番号を呼び出す。
応答はなかったが、すぐに解錠音が響いた。
扉を入ったエレベーターホールは、森の中のような匂いに満ちていた。
フィトンチッドだろうか。
最上階の5階で下りて、内廊下に出る。
エレベーターを出たら右に進んで一番奥の部屋だと、バスを降りたとき教えられていた。
廊下は絨毯敷きだった。
まるでホテルだ。
一番奥の扉の前に立ち、ドアホンのボタンを押す。
「長井です。
漆原くんに呼ばれて来ました」
扉の裏側で、解錠音が響いた。
『どうぞ。
お入り下さい』
侑人の声ではなかった。
女性の声だった。
そうか。
侑人の友人は、男とは限らない。
しかし、侑人と同年代の声ではなかったようだ。
一瞬、このまま帰ろうかと思ったが……。
好奇心の方が勝った。
絵里子はためらいつつも、扉のレバーハンドルを押し下げた。
玄関ホールに身を移す。
広い玄関だった。
ここだけで、絵里子のマンションの一室分もありそうだ。
奥に向かって廊下が伸びている。
しかし、誰の姿もない。
「こんにちは」
奥に向かって呼びかける。
応答はなかった。
上がり框の上には、革製らしいスリッパが一足、据えられている。
このまま上がれということなのだろう。
絵里子は、揃えられたスリッパに身を移した。
玄関を振り返り、スニーカーで来たことを少し後悔した。
大理石らしいたたきに、黒いスニーカーは似合わなかった。
スニーカーの向きを変え、再び奥に身を向ける。
絨毯敷きの長い廊下が伸びている。
部屋全体の広さは、100平米以上はありそうだ。
「おじゃまします」
絵里子は、もう一度声をかけた。
相変わらず、返答はない。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2023/03/22 06:24
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今日は何の日
6月を除く毎月22日は、『カニカマの日』。
https://zatsuneta.com/img/101227_01.jpg
水産練製品や加工品の製造販売、冷凍魚塩干魚の販売などを行う……。
『㈱スギヨ(https://www.sugiyo.co.jp/)/石川県七尾市』が制定。
かに風味かまぼこ「カニカマ」の美味しさを、より多くの人に味わってもらうことが目的。
日付は、かにのハサミの形状が、漢字の「ニニ」に似ていることから、毎月22日に。
なお、6月22日は「かにの日」なので、本物のかにへ敬意を表して除いてます。
この日を中心に、カニカマスマイルフォトコンテストが実施されます。
記念日は、2017(平成29)年、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/101227.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、引用を続けさせていただきます。
元祖「カニカマ」メーカーのスギヨでは、「まるでカニのほぐし身のようなカニカマ」……。
「大人のカニカマ」「匠のカニカマ」「香り箱」など、数多くのカニカマ商品を販売してます。
中でも「香り箱」は、ズワイカニの脚肉をイメージし……。
形状、食感、味、色合い、ジューシー感を再現したカニカマです。
https://zatsuneta.com/img/101227_02.jpg
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2023/03/22 06:25
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
2006(平成18)年度、第45回農林水産祭最高賞「天皇杯」を受賞してます。
カニの代用品として使用でき、お刺身やちらし寿司の具にもぴったりなカニカマです。
さらに同じページから、「カニカマについて」を引用させていただきます。
カニカマ(Crab stick、Seafood stick)は、「かに風味かまぼこ」を略した名称で……。
色、形、食感を、カニの身に似せたかまぼこ(魚肉練り製品)です。
実際には、カニ肉は入っておらず……。
海外ですり身に加工し、冷凍すり身として輸入された、スケトウダラを主原料とする場合が多いです。
1972(昭和47)年、スギヨが、着色、着香した蒲鉾を細く裁断した商品である……。
「珍味かまぼこ・かにあし」を発売したのが最初とされてます。
発売当初は、「インチキじゃないか!」などの苦情が寄せられました。
しかし、この消費者の声を逆手にとり、「カニのようでカニでない」とのキャッチコピーで……。
あくまでも「アイデア商品」として、全国に広告宣伝活動と販売を行いました。
現在、カニカマは、日本のみならず、世界各地で……。
安値で食べられるサラダなどのトッピングとして広がってます。
日本からも輸出されてますが、海外では韓国製のものが多く流通してます。
以上、引用終わり。
先日見た『COOL JAPAN(NHK-BS1)』は、日本の「海の幸」がテーマでした(たぶん再放送)。
その中で、北陸のベニズワイガニが紹介されてました。
カニカマではなく、本物のカニです。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2023/03/22 06:25
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今日は何の日(つづきのつづき)
採れた地域ごとに、ブランド名が付けられて出荷されてました。
越前ガニ、松葉ガニ、加能(かのう)ガニ、間人(たいざ)ガニなど。
名称は違いますが、ぜんぶ同じカニだそうです。
地元の料理人さんが、本音を漏らしておられましたが……。
「味はすべて一緒」だそうです。
でも、とにかく驚いたのが、その値段。
魚市場の価格で、1匹3万円くらいしてました。
札束を食べるようなものです。
しかし、わたしが最後にカニを食べたのは、いつのことですかね。
記憶がないほどです。
15年以上前、建設会社時代の新年会で食べたのが最後かも知れません。
味は好きなんですが、なんといっても食べづらさがネック。
わたしは、手に匂いが着くのが苦手で、あんまり食べてませんでした。
そしたら、宴会に呼ばれてたコンパニオンさんが、わたしのカニを剥いてくれました。
味は記憶にないですが、彼女の細い指先の動きは覚えてます。
先日、昼飲みのアテに、カニカマを買ってみました。
味には、まったく文句はありません。
カニとは比べものにならないほど安価なのに……。
あの味なら、十分に需要はあるはずです。
でもその後、リピートはしてません。
大いなるネックがあったからです。
小さなスティックが、1本1本ビニールで包装されてたんです。
わたしは、食卓に出す前に、すべてビニールを剥いだんですが……。
イライラするほど面倒でした。
ビニールがないと、くっついたりするんですかね?
しかし、SDGs的にも、あの包装は問題ありだと思います。