2023.3.7(火)
み「さらばじゃ、さざえ堂」
ハ「下から上がって来た方が、趣があったんやないか?」
み「いまさら言うな」
み「昔の子供なら、絶対ここで泳いだよな」
ハ「白虎隊の子らもな」
み「ひょっとしたら……。
“湧き水飲むな”はそういうことか……」
ハ「どういうこっちゃ?」
み「子供がここで遊んでたら、絶対に身体が冷えるでしょ」
ハ「はぁ?
さっぱり話が見えんで」
み「身体が冷えたら、したくなるじゃん」
ハ「なにを?」
み「おしっこ」
ハ「アホか……。
武士の子が、そないなことするか?」
み「子供はみんな一緒。
この流れ見てると、水洗トイレにしか見えん」
ハ「異常やで」
み「立派な杉だね。
そうか……。
ここは高台だから、水はけがいいのか」
ハ「杉は、水はけが悪いとダメなんか?」
み「新潟市街は、“杉の木と男の子は育たない”って言われてる土地なのよ。
低湿地だからね。
水はけが悪いと、杉は育ちにくいってこと」
ハ「杉は、わかったわいな。
せやけど、男の子は何で育たへんねん?」
み「農家では、長男ひとりが田畑をみんな継ぐわけだ。
子供のころから、大事にされて育つから……。
バカ殿みたいなのができあがるってわけ」
ハ「長男がぜんぶ継ぐのは、会津の武家でも一緒やろ」
み「でも、ぜったい甘やかされないよね。
むしろ、一番厳しく育てられるんじゃない?」
ハ「それで、こないに立派な杉に育つちゅうわけやな」
み「左様。
でも、わたしが生まれ変わるとしたら……。
ぜったいバカ殿がいい」
ハ「せやろな」
み「魚はいないのかな?」
ハ「流れが早よすぎて棲めんのやろ。
寝たら流されてまうわ」
み「泳ぎながら寝るんじゃないの?」
ハ「それは、海の回遊魚やろ。
マグロとか、カツオや。
きゃつらは、エラをパクパク動かせんのや。
泳ぐことでしか、エラに酸素を取りこめんちゅうわけや」
み「止まると息が出来なくなっちゃうってわけ?」
ハ「そういうこっちゃな」
み「切ない生き物じゃ。
そうやって泳ぎ続けて……。
止まったときには、寿司のネタになってる」
ハ「回転寿司やったら、まだ回っとるで」
み「哀しすぎるサガじゃ」
み「げ。
何でここに厳島神社があるんだ?」
ハ「書いたあるやろ」
み「字が消えかけてて読めん」
ハ「ま、そういうこっちゃ」
み「どういうこと!」
ハ「早よ行かんと、日が暮れるで」
み「わからんのだな」
み「さっきの杉は、厳島神社の所有ってことか」
ハ「せやろな」
み「しかし、『自然景観指定緑地』の看板に、この柵はいただけないね」
ハ「何でやねん?」
み「擬木だろ。
コンクリートだよ」
ハ「そこまで言うたりなや。
生木で作っとったら、管理かてたいがいやないで」
み「おー、池に出た」
み「ていうか、さっきまでの流れは、ここが源流だね」
ハ「あこから水が出とる。
源流は、もっと上(かみ)やで」
み「にゃんとー。
猪苗代湖から水を引いたっての!
何キロあるのよ。
Googleマップ見て」
ハ「猪苗代湖から飯盛山までは……。
直線距離で、5キロやな」
み「昔の人の根気には、ほんと頭が下がるよ。
寿命が短いのに」
ハ「あんたにはでけんわな」
み「でけん!」
ハ「きっぱりと断言すな」
み「戸ノ口原ってどこ?」
ハ「猪苗代湖のねきやな」
み「なるほど。
白虎隊士たちは、知ってたんだね。
この水路を抜ければ、飯盛山に出るってことが」
ハ「子供のころ、よっぽど遊んでたやろからな」
み「そうやって、せっかく生き延びた命なのに……。
鶴ヶ城が燃えてると思って、自刃してしまった」
ハ「切ない運命や」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2023/03/07 05:51
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魚の呼吸
そもそも呼吸の役割とは、酸素を取りこむことだけではありません。
二酸化炭素の排出も重要な役割です。
わたしたちもそうですが、吸うだけが呼吸ではなく……。
あくまで、吐くこととワンセットなわけです。
魚の場合、毛細血管が張り巡らされたエラに水を通すことにより……。
酸素を取り入れると共に、二酸化炭素を排出してるわけです。
二酸化炭素は、水に溶けやすいんだとか。
魚が陸に打ちあげられた場合……。
二酸化炭素を排出できないため、呼吸が出来ないということだそうです。
なお、夏の池などで、魚が水面に口を出してパクパク動かしてることがあります。
一件、空気を直接吸いこんでるように見えます。
でも、実際は違うそうです。
水面を波立たせて、水と空気を混ぜてるんだとか。
で、溶けこんだ酸素を、エラから取りこむわけです。
でも、魚の中には、空気呼吸が出来る種類もいます。
ベタという熱帯魚は、補助呼吸器官(ラビリンス器官)により、空気呼吸が出来るため……。
コップの中みたいに、すぐに酸素がなくなる環境でも生きられるんだとか。
本来は、水溜まりみたいなところで生き抜くための能力のようです。
また、その名も肺魚という、文字どおり肺を持つ魚もいます。
乾季になって水が干上がると……。
土の中に潜って生き抜くそうです。
でも逆に、水中で息継ぎが出来ないと、溺れて死んでしまうとか。
それはそれで、ちょっと憐れですね。