2023.2.14(火)
み「しかし、この千社札は……。
どういう料簡なのかね。
ここは、国指定の重要文化財だよね。
そういうところに千社札を貼るのは、法律違反なんじゃないの?
ちょっと、調べて」
ハ「ふむ。
どうやら、『文化財保護法』に抵触するようやな。
札を剥がす際に、建物に傷を付ける怖れがあるからやて。
実際、仁和寺に千社札を貼った男が書類送検されたそうや」
み「待てよ。
じゃ、重要文化財じゃない寺には貼り放題なのかな?」
ハ「ふむふむ。
器物損壊罪やいうて怒っとる寺もあるようやで」
み「当然だよ」
ハ「せやけど……。
犯行現場を押さえん限りは、罪に問うのは難しいみたいやな」
み「書類送検なんて軽すぎるだろ。
日本の歴史への冒涜じゃない。
日本への攻撃と同じ。
テロリストだろ」
ハ「えらい極論やな」
み「こういう輩には、身に染みる罰を与えなきゃ応えないよ。
犯行現場の掃除、1年間とかね」
ハ「会社、クビやがな」
み「こんなの貼って回ってるのは、定年後のヒマ人だろ」
ハ「そうとは限らんやろ」
み「じゃ、掃除1年間、もしくは、罰金1千万円」
ハ「高か!」
み「跡が残らないように剥がすんだから、そのくらいかかるんじゃない?」
ハ「さっきから、偉い剣幕やな」
み「こういうの、嫌いなの。
自己顕示欲の醜さを見せつけられるみたいでさ」
ハ「わかったから。
早よ、次、行こうや」
み「おぉ、栄螺の殻の中の始まりだ。
しかしさ、この踏み板……。
1枚たりとも、同じ形のがないんじゃないの?」
ハ「そうかも知れんな」
み「造るのに、何年かかったの?」
ハ「建立年は、寛政8年やな。
西暦で、1796年や。
せやけど、着工がいつかは……。
どこにも書いたらへんな。
あ、あったぞ。
『福島県の町並みと歴史建築』というサイトのページや。
『伝承によると、郁堂和尚が二重
み「アホきゃ!
こんなのが、着想して1年で出来るわけないだろ。
まず、資金集めからじゃない」
ハ「知らんがな。
“伝承によると”とあるやないか」
み「しかし、千社札が目障りじゃ。
どうせなら踏み板に貼って……。
どうぞ踏んで下さいって謙虚さがないもんかね」
ハ「ちゃっちゃと進まんと、日が暮れるで」
み「おー、陽の光が入って、神秘的じゃない」
ハ「時間によっても、感じが違うんやろな」
み「雨風も吹きこむよね」
ハ「窓ガラス、入れるわけにもいかんやろ」
み「天井にまで貼ってる。
バカと煙は高いとこに上りたがるって、このことだよ」
ハ「もう、ええっちゅうねん」
み「腰板も、だいぶくたびれて来てるね。
ここの修理って、どうなってんの?」
ハ「明治23(1890)年に、大修理があったようやな」
み「誰がお金出したの?」
ハ「寄付やな。
有志が発起人となって、広く寄付を募ったようや」
み「1890年って云うと、建立から94年後か。
それからもう、132年も経ってるじゃない」
ハ「その後、屋根の葺き替えや、傾いた堂の引き起こしなんかは行われとる。
しかし、全面的な大修理は明治のときだけみたいやな」
み「むしろ今なら、出来るんじゃないの?
クラウドファンディングでさ」
ハ「なるほどな」
み「うーむ。
こりゃ絶対、修理が必要だわ」
ハ「発起人になったらどうや?」
み「よそ者がしゃしゃり出たら失礼でしょ。
会津人に任せます」
ハ「ものは言いようや」
み「なんだか、目が回ってきた。
酔いそうじゃ。
小学校の修学旅行で、バスに酔った記憶が蘇ったのかも知れん」
ハ「小間物屋開くのだけは、止めてくれれよ」
み「おー、ついに下りだ。
しかし、上りと下りがすれ違わないってのは、ほんとにスゴい構造だよね。
ていうか、まさにコロナ時代を見越した建造物なわけだ。
ひょっとしたら、疫病終息祈願で建てられたんじゃないの?
赤べこと同じだよ」
ハ「うがち過ぎやて」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2023/02/14 05:49
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クラウドファンディング
最近、やたらとニュースなどで耳にしますが……。
これまで、改めてどういうものか、調べたことはありませんでした。
↓例によって、Wiki様にお聞きしました(出典⇒https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%89%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%82%B0)。
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クラウドファンディング(英語: crowdfunding)は、群衆 (crowd) と資金調達 (funding) を組み合わせた造語である。
多数の人による少額の資金が他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを意味する。
ソーシャルファンディングとも呼ばれ、日本語では「クラファン」と略されることもある。
クラウドファンディングという言葉はカタカナ語としては新しい言葉ではあるが、後述の通り古くから使われている言葉である。
また、全く同じ意味としてロシア語由来のカンパという言葉もある。
現代ではインターネット経由で実施する事例が多く、また日本語の音韻体系では r と l が区別されないため、クラウドコンピューティング (cloud computing) の「cloud(雲)」と混同して「cloud funding」と誤表記されたり関連性があると思われたりすることがある。
しかし、両者に関連性はないし(インターネットやクラウドコンピューティングを使うことは必須事項ではない)、インターネット技術の発達前からクラウドファンディングは存在していた。
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続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2023/02/14 05:50
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クラウドファンディング(つづき)
うーむ。
どうやら、やり方などが特に定められているわけじゃないようですね。
よく聞くのは、経営がピンチになったお店とかが、クラウドファンディングにより救われたとかの話です。
募る方も応える方も、共に善意に基づいていれば、たいへんいい方法だと思います。
しかし……。
詐欺って、ないんですかね?
ネットを見ると、あっという間に、数千万とか集まっちゃう案件もありますよね。
実際、「クラウドファンディング詐欺」で検索すると、かなりの事例がヒットします。
愛犬を病気で亡くした女性が、生前の治療費を取り戻そうとして……。
犬が生きてるように装って、治療費を募ったとか。
集めたお金は、184万円だったそうです。
この女性は逮捕されたそうですが、どうやってバレたんですかね?
でも、こういうのが増えてくると……。
ほんとにお金を必要としてる人に、資金が集まらなくなってしまいかねません。
間に立って、審査や資金の授受を行う組織が必要な気がしますが……。
そこが、ごっそりピンハネしてたらなんにもなりませんし。