2023.2.7(火)

み「でたー。
さざえ堂。
よくもまぁ、こんな奇天烈な建物を考えたもんだよな。
でも、待てよ……。
栄螺(さざえ)って、海に棲んでるんだよね」
ハ「あたり前やがな」
み「会津に、海はないじゃない。
名前を付けるとしたら……。
タニシ堂とか、カタツムリ堂になるんじゃないの?」
ハ「知らんがな」
み「即、検索!」
ハ「いちいち難儀やな。
ふーむ。
なるほど」
み「納得してないで、説明!」
ハ「金取るぞ」
み「金もらって、どうやって使うつもりだ?」
ハ「くそー。
栄螺堂ってのはな、これひとつやなかったんや。
ええか。
Wikiを読み上げるぞ(出典)。
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栄螺堂(さざえどう、さざいどう)は、江戸時代後期の東北から関東地方にかけて見られた特異な建築様式の仏堂である。
堂内は螺旋構造の回廊となっており、順路に沿って三十三観音や百観音などが配置され堂内を進むだけで巡礼が叶うような構造となっている。
仏教の礼法である右繞三匝(うにょうさんぞう)に基づいて、右回りに三回匝る(めぐる)ことで参拝できるようになっていることから、本来は三匝堂(さんそうどう)というが、螺旋構造や外観がサザエに似ていることから通称で「栄螺堂」、「サザエ堂」などと呼ばれる。
アニメ「サザエさん」とは無関係。
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やて」
み「最後の一文は余計じゃ」
ハ「わしのせいやないわ」
み「それじゃ、ほかにも現存してるってこと?」
ハ「Wikiには……。
ここのほかに、7箇所の現存例が書かれたあるな。
群馬、茨城、青森、東京、埼玉、大分や。
東京だけ、2箇所や」
み「大分?
なんで九州?
東北から関東にかけて見られたんじゃないの?」
ハ「あ、そのうち2箇所は、最近作られたもんやった。
東京の1箇所と、大分」
み「それでか」
ハ「あと、東京のもう1箇所と埼玉のは、明治期に再建されたもんやった。
せやから、江戸時代のが残っとるのは、会津のほかに3箇所やな。
群馬、茨城、青森や。
えーと、それから、成立の経緯は……」
み「よし、見学するぞ」
ハ「話を最後まで聞け!」
み「百聞は一見にしかずじゃ」
ハ「勝手に切りあげおって……」

み「正直……。
趣味、よろしおまへんな。
なんじゃ、この柱に巻き付いた龍は。
アナゴか?」
ハ「サザエさんには、アナゴさんが出てくるわな」
み「不要な情報じゃ。
“アニメ「サザエさん」とは無関係”なんでしょ」
ハ「当たり前やがな」

み「ん?
インバウンド用の案内板か?
“Sanso-do”?
栄螺って、英語で“Sanso”なの?」
ハ「ちゃうがな。
やから、説明を最後まで聞けっちゅうたんや。
栄螺堂は通称で、本来は三匝堂(さんそうどう)云うんや。
“匝(そう)”は、巡るっちゅう意味や。
三層を巡るから、三匝堂」
み「四層に見えるけど」
ハ「そんな気がせんでもないがな」
み「わかった。
これも、染之助・染太郎のしわざじゃ。
いつもより余計に回しております!」
ハ「またそれか!」
み「よし、入るぞ」
ハ「続き、読まんのかいな」
み「インバウンドじゃないんで」
ハ「読めんだけやな」

み「誰じゃ?」
ハ「郁堂禅師て、書いたるがな。
この、さざえ堂を建てた人やろ」
み「建てたって、棟梁ってこと?」
ハ「何で禅師が棟梁なんや。
施主やろ」
み「禅師がそんな金、持ってんの?」
ハ「寄進を募ったんやないか?
棟梁の方も、もうけ度外視で請け負ったのかも知れんし」
み「こんなややこしい建物、善意だけで請け負えんだろ。
棟梁は手弁当でも、大工には賃金やらないわけにいかんじゃないの。
そもそも、設計図なんてあったのか?」
ハ「なかったんちゃうか」
み「するってえとなにかい?
こんな頭のおかしくなりそうな建物……。
現場の見当合わせで造ったって言うの?
大天才じゃないの。
立体パズルだよ。
どんな脳みそしてたんだ?」
ハ「さざえみたいな脳みそやったんやろな」
み「そんな結論でいいのか!」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2023/02/07 05:45
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アナゴさんと大工の日当
『サザエさん』に、アナゴさんという登場人物がいることは……。
この本編を書いてて、初めて知りました。
書くって、ほんとに勉強になるなぁ。
↓『ピクシブ百科事典』からの引用です(出典⇒https://dic.pixiv.net/a/%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%81%95%E3%82%93)。
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マスオの同僚で親友兼悪友。
一度見たら忘れられないタラコ唇の持ち主でどこか親しみのある顔が特徴。
年齢を知ると驚かれるキャラクターの代表格の一人である27歳。
マスオは「穴子くん」と呼んでいるが、「穴子」は名字なため、下の名前は不明。
磯野家・フグ田家とは血縁関係がないにもかかわらず、海産物関係の名前を冠する数少ない人物である。
マスオには亭主関白を装うが、実際は妻の尻に敷かれている。
夫人(声:山本圭子)は厳しく、弱みを握られているのかアレコレねだられ、小遣いは減る一方である。
何気に東京大学法学部卒業というすごいエリートだったりする。
こんな彼だが、実はアニメのみの登場である(ただし、原作にも似た造形のキャラクターは登場する。作中で深夜遅く磯野邸を訪れ泣きながらマスオに昼間マスオにとった態度のことで詫びるシーンがある)。
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画像を見ましたが、とうてい27歳の顔ではありませんでした。
もっとも、ほかの登場人物だって、実年齢には驚きます。
毛が1本の波平さんは、なんと54歳です。
キングカズより若いんですよ。
ま、会社員なんだから、納得出来る年齢ではあります。
当時の定年は、55歳だったでしょうから。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2023/02/07 05:46
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アナゴさんと大工の日当(つづき)
奥さんのフネさんは、50歳です。
ワカメは、小三で10歳ですから……。
45歳と40歳のときの子供ですね。
画だけ見ると、祖父母と孫にしかみえませんが……。
年齢的には、親子でぜんぜん不思議じゃありません。
続いて、大工さんの日当。
『文政年間漫録』という資料には……。
大工の日当は、銀5匁(もんめ)4分と書いてあるそうです。
これが、現在のお金でいくらになるかは、換算が難しいところです。
いろんなサイトで、違ってます。
でもだいたい、1万2千円から1万8千円くらいのようです。
間を取ると、1万5千円ですかね。
当時は、定期的な休日はありません。
お正月とかは休んだでしょうが。
でも、雨の日などは、仕事に出れません。
日払いですから、仕事に出なければ日当はもらえません。
でも、だいたい年に、300日は働いたようです。
となると、年収4,500,000円。
長屋暮らしでこれだけ入れば、大余裕でしょう。
あるだけ使っちゃったんでしょうけどね。
あと、年300日も働いたら、さぞ大変だと思いますよね。
でも当時は、日が暮れればお終いです。
残業はありません。
今は、外の現場でも、投光器つけて仕事してます。
内装屋さんなんか、普通に電気点けて遅くまでやってますよ。
江戸時代はさらに、休憩時間が長かったようです。
午前、お昼、午後に休憩があり……。
それぞれ、1時間から2時間休んでたようです。
昼の短い冬などは、実働4時間くらいだったとか。
うらやましい気もしますが……。
わたしはやっぱり、拘束時間が短い方がいいですね。
今は、テレワークで融通が利くので助かってます。
この文章も、勤務時間中に書いてますから。
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3. 手羽崎 鶏造- 2023/02/07 08:48
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こんな替え歌はスキです。
♪ 波平さんがフネに乗って
サザエが出来た ♪
元歌は、「長崎」から船に乗ります。
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4. Mikiko- 2023/02/07 17:59
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五木ひろしですね
長崎と神戸を結ぶフェリー航路はないようです。
昔はあったのかな?
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5. 手羽崎 鶏造- 2023/02/08 11:31
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昔も無いと思います。
神戸・大阪からは瀬戸内海を通る航路
ですから、わざわざ玄界灘や外洋を行く
方が費用も時間もかかるでしょう。
小倉や別府、宮崎方面の航路は
ありそうですが。
演歌所縁(ゆかり)の港町を単に
並べた歌詞であろうと推測します。
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6. Mikiko- 2023/02/08 17:10
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しかし、真に受けて……
長崎から神戸行きのフェリーに乗ろうとした人、いるんじゃないですかね。
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7. 手羽崎 鶏造- 2023/02/09 10:31
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長崎(大波止)からフェリーに乗ると、
神戸ではなく五島列島に
連れていかれますよ