2022.12.23(金)
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楽しい時間は、あっという間に過ぎていく。
万里亜に勧められるまま、ビールは赤ワインに替わっていた。
やや甘口の、飲みやすいワインだった。
いや、飲みやすすぎるワインだ。
しかも、アルコール度数が低いわけではないようだ。
少し……。
いや、かなり回って来た。
「美咲さん、今日は泊まっていきなさいよ」
「え?
でも、主人が帰ってくるから……」
「まだ飲んでるんじゃないの?
電話してみて。
わたしが途中で替わるから。
ほら」
万里亜がソファーを立ち、テーブルを回りこんだ。
2人掛けの方に座っていた美咲の隣に腰を下ろす。
万里亜は、ソファー脇の美咲のトートバッグを持ちあげ、2人の間に置いた。
「スマホ、この中でしょ。
かけて」
「でも……」
「か・け・て」
万里亜が、じっと美咲の目を覗きこんだ。
なぜだか、背筋を指で撫でられるような感じがした。
帰りたくないと思った。
美咲はトートバッグのポケットから、スマホを取りあげた。
夫にかける。
呼び出し音が長く続いた。
寝てしまったのだろうか?
切ろうかと思ったとき、ようやく電話が繋がった。
ガヤガヤという喧噪が聞こえてきた。
まだ飲み屋のようだ。
『あ、美咲?
ごめん。
まだ、飲んでるんだ。
盛りあがっちゃって。
悪いけど、先に寝てて』
「わたしも今、友達のところにいて……」
「替わらせて」
万里亜が、美咲のスマホを取りあげた。
暖かくて柔らかい指だった。
「もしもし。
美咲さんのご主人ですか?」
『あ、はい』
「わたし、美咲さんの友人で有坂といいます。
今、川向こうのわたしの家にいるんですけど……。
今夜、美咲さん、うちに泊まってもらってもいいですか?
明日の朝食、出来なくなっちゃいますけど」
楽しい時間は、あっという間に過ぎていく。
万里亜に勧められるまま、ビールは赤ワインに替わっていた。
やや甘口の、飲みやすいワインだった。
いや、飲みやすすぎるワインだ。
しかも、アルコール度数が低いわけではないようだ。
少し……。
いや、かなり回って来た。
「美咲さん、今日は泊まっていきなさいよ」
「え?
でも、主人が帰ってくるから……」
「まだ飲んでるんじゃないの?
電話してみて。
わたしが途中で替わるから。
ほら」
万里亜がソファーを立ち、テーブルを回りこんだ。
2人掛けの方に座っていた美咲の隣に腰を下ろす。
万里亜は、ソファー脇の美咲のトートバッグを持ちあげ、2人の間に置いた。
「スマホ、この中でしょ。
かけて」
「でも……」
「か・け・て」
万里亜が、じっと美咲の目を覗きこんだ。
なぜだか、背筋を指で撫でられるような感じがした。
帰りたくないと思った。
美咲はトートバッグのポケットから、スマホを取りあげた。
夫にかける。
呼び出し音が長く続いた。
寝てしまったのだろうか?
切ろうかと思ったとき、ようやく電話が繋がった。
ガヤガヤという喧噪が聞こえてきた。
まだ飲み屋のようだ。
『あ、美咲?
ごめん。
まだ、飲んでるんだ。
盛りあがっちゃって。
悪いけど、先に寝てて』
「わたしも今、友達のところにいて……」
「替わらせて」
万里亜が、美咲のスマホを取りあげた。
暖かくて柔らかい指だった。
「もしもし。
美咲さんのご主人ですか?」
『あ、はい』
「わたし、美咲さんの友人で有坂といいます。
今、川向こうのわたしの家にいるんですけど……。
今夜、美咲さん、うちに泊まってもらってもいいですか?
明日の朝食、出来なくなっちゃいますけど」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2022/12/23 05:54
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今日は何の日
毎月23日は、『天ぷらの日』。
もともと、一年で暑さが最も激しくなる「大暑(7月23日ころ)」が、「天ぷらの日」となってて……。
夏の暑さにバテないために、天ぷらを食べて元気に過ごそうというものでした。
その後、定めた団体などは定かではありませんが、疲労回復に適した天ぷらを食べて元気に過ごそうという主旨で……。
7月23日を含む毎月23日が、「天ぷらの日」となってます。
この日を中心に、特別メニューを販売するなど、キャンペーンを実施してる店も見られます。
7月23日の「天ぷらの日」は、7月20日ころの「土用の丑の日」、8月29日の「焼き肉の日」とともに……。
食べ物の「夏バテ防止の三大記念日」とも云われてます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/10123a5.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「天ぷらについて」を引用させていただきます。
天ぷら(天麩羅)は、魚介類や野菜などの食材を、小麦粉を主体とした衣で包み……。
油で揚げて調理する日本料理です。
https://zatsuneta.com/img/10123a5_01.jpg
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2022/12/23 05:54
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
寿司、蕎麦とともに、「江戸の三味」の一つとして江戸の庶民に愛され……。
江戸(東京)の郷土料理となってます。
「てんぷら」の語源には諸説あります。
「調味料を加える」「油を使用して硬くする」を意味するポルトガル語の「temperar」由来する説……。
「調理」「調味料」を意味する「tempero」に由来する説などです。
漢字の「天麩羅」は、揚げ油の上辺を意味する「天」、ゆらゆらする小麦粉の「麩」に……。
絹で織った網のような薄物を指す「羅」の字を当てたとする説があります。
以上、引用終わり。
天ぷらは好きです。
でも、食べるのは、数ヶ月に1回くらいですかね。
といっても、天ぷら料理の専門店に行くわけではありません。
単に、惣菜としてスーパーで買うだけです。
それが、数ヶ月に1回というのは……。
少々お高いと云うことと、やはり油ものは控えたいという気持ちからです。
わたしがまだ、お昼を食べる習慣があったころですが……。
たまに東京に遊びに行くと、お昼はたいがい、天ざる蕎麦でした。
見知らぬ場所では、お昼を食べるお店を探すのが、なかなか難しいです。
扉を開けてから、「しまった」と思うお店もあるはず。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2022/12/23 05:55
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今日は何の日(つづきのつづき)
でも、小綺麗な暖簾の掛かったお蕎麦屋さんなら……。
まず、外れはありません。
時間はいつも、1時過ぎでした。
サラリーマンのお昼が終わったあと。
で、頼むのは、天ざるに瓶ビール。
これだけで、2,000円くらいになっちゃいますが……。
「たまの奢りとはしゃぐ」わけです。
美味しかったな。
またやってみようかな。
あと、天ぷら専門店で、わたしに提案があります。
ひょっとしたらもう、あるのかも知れませんが……。
野菜天だけを出す天ぷら店。
今、ようやくインバウンドの観光客が戻りつつあります。
外国では、ベジタリアンやビーガン(卵、乳製品、はちみつなどの動物性食品も一切口にしない人)が増えてるそうです。
そういう人たちに、受けるんじゃないでしょうか。
そんなら、普通の天ぷら店に入って、野菜天だけ注文すればいいだけだと言われるかも知れませんが……。
そういうお店では、野菜は、肉や魚と同じ鍋で揚げるわけでしょ?
油には、そうしたエキスが溶け出してるはずです。
あと、厳格なビーガンの中には、臭いだけでも嫌だという人もいるかも知れません。
野菜天の専門店なら、それがありません。
けっこう、評判になると思いますよ。
モミジの天ぷらなんて、受けるんじゃないですか。
木の葉っぱを食べるなんて、究極のビーガン食でしょう。
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4. 手羽崎 鶏造- 2022/12/23 11:14
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野菜しか揚げない天麩羅鍋。
なるほど、ニーズは有るでしょうけど
興業的(収益的)には、どうでしょうかね。
ウチは「海老は出さない店です」で客が
集まるとは考え辛いですなぁ
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5. Mikiko- 2022/12/23 18:45
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日本人客は……
来なくていいんです。
今は、たちまちグローバルに情報が広まりますからね。
外人客だけでも、十分に儲けは出ると思います。