2022.9.28(水)
「侑人くんも、ここにいるの」
『マジっすか。
代わって下さい』
「ちょっと……。
侑人くんも出れなくて」
『どうなってるんすか!
説明して下さいよ』
「だから、来てくれればわかるから」
『わかりました。
すぐ行きます』
「あ、ちょっと待って。
玄関、鍵が掛かってるかも知れない」
『開けて下さいよ』
「開けられないの」
『なんで!
わけわからんっす』
「先に、外のトランクルームに行って」
マンションの外には、戸別のトランクルームが設置されていた。
1度、夫が、酔ってバッグごとタクシーに置き忘れたことがあった。
マンションの鍵はバッグに入れていた。
バッグにはスマホも入っていたから、美咲に電話もできない。
しかしそのときは、エントランスのオートロックからの呼び出しで、美咲が解錠することができた。
もう深夜に近かったが、読み始めた推理小説を途中でやめられず、起きていたのだった。
通常、住民は、部屋鍵でオートロックを解錠して中に入る。
訪問客は住民を呼び出して、オートロックを遠隔で開けてもらうのだ。
しかしもし美咲が寝入っていたら、チャイムに気づかないかも知れない。
ということで、合鍵をトランクルームに隠すことにしたのだった。
「トランクルームの床下に隙間があるから」
湿気を防ぐためなのだろうか……。
トランクルームの底は、べったりと地面には着かず、隙間が設けられていた。
美咲は、部屋番号を香織に伝えた。
「そこに、マグネット式のキーケースが貼りつけてあるの」
香織に教えてしまったからには、キーの置き場所を変えなければならない。
夫には何て言おう。
しかし今は、こうするしかなかった。
香織が来るのを、千秋の思いで待った。
絵里子も侑人も、まだ起きそうな気配はない。
美咲は、体育座りの膝に顔を埋めた。
「お願い、早く来て」
『マジっすか。
代わって下さい』
「ちょっと……。
侑人くんも出れなくて」
『どうなってるんすか!
説明して下さいよ』
「だから、来てくれればわかるから」
『わかりました。
すぐ行きます』
「あ、ちょっと待って。
玄関、鍵が掛かってるかも知れない」
『開けて下さいよ』
「開けられないの」
『なんで!
わけわからんっす』
「先に、外のトランクルームに行って」
マンションの外には、戸別のトランクルームが設置されていた。
1度、夫が、酔ってバッグごとタクシーに置き忘れたことがあった。
マンションの鍵はバッグに入れていた。
バッグにはスマホも入っていたから、美咲に電話もできない。
しかしそのときは、エントランスのオートロックからの呼び出しで、美咲が解錠することができた。
もう深夜に近かったが、読み始めた推理小説を途中でやめられず、起きていたのだった。
通常、住民は、部屋鍵でオートロックを解錠して中に入る。
訪問客は住民を呼び出して、オートロックを遠隔で開けてもらうのだ。
しかしもし美咲が寝入っていたら、チャイムに気づかないかも知れない。
ということで、合鍵をトランクルームに隠すことにしたのだった。
「トランクルームの床下に隙間があるから」
湿気を防ぐためなのだろうか……。
トランクルームの底は、べったりと地面には着かず、隙間が設けられていた。
美咲は、部屋番号を香織に伝えた。
「そこに、マグネット式のキーケースが貼りつけてあるの」
香織に教えてしまったからには、キーの置き場所を変えなければならない。
夫には何て言おう。
しかし今は、こうするしかなかった。
香織が来るのを、千秋の思いで待った。
絵里子も侑人も、まだ起きそうな気配はない。
美咲は、体育座りの膝に顔を埋めた。
「お願い、早く来て」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2022/09/28 06:02
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大相撲9月場所総括①
まずは、玉鷲関。
優勝、おめでとうございます。
まさか、2度目があるとは思いませんでした。
37歳10ヶ月。
この歳で、馬力の突き押し相撲で優勝してしまうんですから……。
恐れ入りましたと言うほかはありません。
年6場所制が定着した、1958(昭和33)年以降では最年長の優勝。
それ以前の記録でも、大正時代の太刀山に次ぐ2番目になります。
太刀山は、「大正の雷電」と呼ばれた伝説の横綱。
優勝回数は9回ですが、当時は年2場所でした。
横綱時代に、56連勝と43連勝を記録してます。
横綱時代に喫した黒星は、わずかに3つ。
金星を与えたことはありません。
横綱での勝率は、.966(84勝3敗1分1預51休)。
この時代に、太刀山の身長は、188㎝だったそうです。
まさに、無敵だったでしょう。
もちろん玉鷲に、太刀山のような横綱になれとは言いません。
でも、破れる記録が1つあります。
史上最年長優勝。
太刀山の最後の優勝は、38歳9ヶ月。
ちょうど1年後の9月場所で優勝すれば、太刀山を上回れます。
なんか、出来そうな気もしてしますよ。
身体の張りが凄いですから。
さてさて。
恒例の幕内十両の入れ替え予想に進みたいところですが……。
そのためには、来場所の幕尻の枚数を確定させなければなりません。
すなわち、三役以上の人数を算出する必要があります。
なので講評も兼ねて、今場所の役力士……。
および、来場所三役になるであろう力士について検討していきたいと思います。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2022/09/28 06:02
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大相撲9月場所総括②
●横綱・照ノ富士(30歳)
5勝5敗5休。
膝がそうとう悪いようです。
両膝を手術するかも知れないとのこと。
そうなれば、復帰までに半年くらいはかかるんじゃないでしょうか。
わたしは、それでいいと思います。
今の状態では、とても横綱としての相撲は取れません。
協会としても、横綱の看板だけは掲げておきたいところ。
休場してくれた方が安心なんじゃないですか。
●大関・貴景勝(26歳)
10勝5敗。
2桁ですから、まず合格点。
横綱大関で勝ち越したのは、この人だけ。
1人で面目を保ってくれました。
しかし、優勝したころのような……。
立ち会いから、一気に持っていく相撲は見れなくなりました。
頭であたれません。
首が治らないようです。
以前は、頭であたっては突くの連続技で、一気に勝負をつけてました。
今は突くだけなので、引っ掛けられたり手繰られたりして、掴まってしまう相撲が増えました。
掴まれば平幕にも勝てませんから……。
10番、11番が精一杯じゃないですか。
わたしは、ぜんぜんそれでいいと思いますが。
●大関・正代(30歳)
4勝11敗。
わけがわかりません。
同じ相手と対戦して、先場所は10勝5敗です。
それがなんで翌場所、4勝11敗になるんですか。
場所後に、コロナで延び延びになってた、王関昇進披露パーティーがあるそうです。
カド番でのパーティーですから、そうとう叱咤激励されるでしょうね。
ま、落ちる前に出来て良かったです。
来場所はまた、2桁勝つかも知れませんよ。
カド番の後半になると力が出るみたいですから。
続きは次のコメントで。
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3. Mikiko- 2022/09/28 06:03
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大相撲9月場所総括③
●大関・御嶽海(29歳)
4勝11敗。
大関陥落です。
大関在位はわずか、4場所。
勝ち越したのは、最初の1場所だけ。
来場所は、関脇です。
横審の中には、小結まで落とせという人もいたとか。
陥落直後の場所で10勝すれば、大関に戻れますが……。
はなはだ厳しいと言わざるを得ません。
対戦相手は同じです。
4勝11敗の人が……。
翌場所、同じ相手とやって、10勝できるとは考え難いです。
正代なら別ですが。
●関脇・若隆景(27歳)
11勝4敗。
初日からの3連敗が、あまりにも惜しまれます。
その後は、1敗しかしなかったんですから。
本場所に慣れるのが遅いんですかね。
しかし、それを克服しなければ、大関は掴めません。
8勝、11勝ですから、来場所14勝すれば直近3場所33勝になります。
大関昇進の可能性は、ゼロではありません。
とにかく、序盤戦で取りこぼさないこと。
自力は十分なんですから。
●関脇・豊昇龍(23歳)
8勝7敗。
序盤は、4勝1敗だったんですが、中盤に崩れました。
でも、最後に帳尻を合わせたのは大したものです。
荒っぽい相撲がなかなか直りませんね。
この人には、千代の富士がお手本だと思います。
前褌を取って引きつけて、一気に走る相撲。
そういう相撲を身に付けたら、伯父さんの朝青龍を超える可能性もあります。
●関脇・大栄翔(28歳)
7勝8敗。
1番の負け越しですが……。
照ノ富士戦の不戦勝があります。
実質、6勝です。
関脇陥落は間違いありませんが……。
小結に留まれるかが微妙。
幕内上位に好成績の力士が何人もいますから。
先場所は、コロナで救済されてますしね。
続きは次のコメントで。
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4. Mikiko- 2022/09/28 06:03
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大相撲9月場所総括④
●小結・阿炎(28歳)
全休。
8月下旬にコロナに感染しましたが……。
休場理由は、足首と肘の故障のようです。
来場所は、幕内下位からの出直しです。
●小結・逸ノ城(29歳)
6勝9敗。
先場所の優勝で、化けると思ったんですがね。
まさに、元の木阿弥です。
正代と共に、わけがわかりません。
中に入られて寄られると、あっさり土俵を割ってしまいます。
相手は、安心して寄れますよ。
巨体で粘ると怪我が怖いのは確かですが、あの相撲ではね。
体勢が不利になったときは、むしろかんぬきに決めて体重を載せたらどうでしょう。
相手は、そうとう苦しいと思います。
かつての怪童も、すでに、29歳。
残された時間は長くはありません。
●小結・霧馬山(26歳)
9勝6敗。
確実に力は付けてます。
しかし、9勝もしてたとは思いませんでした。
目立ちませんよね。
特に得意技とか、この形になったらとかの印象がありません。
気がついたら勝ち越してるって感じでした。
問題は、この成績で関脇に上がれるかどうか。
で、まずは関脇。
勝ち越した若隆景と豊昇龍はそのまま。
負け越した大栄翔は関脇から陥落。
ここに、大関から落ちた御嶽海が加わります。
これで、3人。
順当ならこのままなんですが……。
今回は、小結候補が多いんです。
まず、負け越した阿炎と逸ノ城は平幕に落ちます。
霧馬山は、9勝で、小結以上は確定です。
問題は、三役昇進候補。
続きは次のコメントで。
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5. Mikiko- 2022/09/28 06:04
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大相撲9月場所総括⑤
↓3人います。
【】の中は、今場所の枚数から勝ち越し数を引いた数字。
これが、0以下であれば、小結昇進ラインをクリアしてます。
東前頭筆頭・翔猿(10勝5敗【-4】)。
東前頭三枚目・玉鷲(13勝2敗【-8】)。
西前頭四枚目・高安(11勝4敗【-6】)。
東筆頭で2桁の翔猿は、上げないわけにはいかないでしょう。
玉鷲の成績は、小結を飛び越えてもおかしくありません。
やっぱり、関脇は4人ですね。
若隆景、豊昇龍、御嶽海に……。
やはり、玉鷲でしょう。
小結の霧馬山は9勝ですが、小結としては3番手の番付でした。
上にずらせる余裕がありますから、関脇までは届かないでしょう。
ということで、小結は……。
霧馬山、翔猿、高安。
問題は、大栄翔です。
関脇で7勝8敗。
通常なら、小結で留まれます。
しかし、横綱戦が不戦勝で、実質6勝。
しかも先場所は、コロナで途中休場で救済されてます。
わたしは、平幕まで落とされると思います。
なので、小結は先の3人。
もう1度、役力士をおさらいしましょう。
横綱は、照ノ富士だけ。
大関は、貴景勝と正代の2人。
関脇は、若隆景、豊昇龍、御嶽海、玉鷲で、4人。
小結は、霧馬山、翔猿、高安で、3人。
合計、10人。
幕内の定員は、42。
差し引きすると、平幕の人数は32人。
東西は、そろって16人。
ということで、幕尻は十六枚目になります。
続きは次のコメントで。
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6. Mikiko- 2022/09/28 06:04
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大相撲9月場所総括⑥
それではまず、幕内から十両に落ちそうな力士から。
↓の【】内は、「現在の前頭枚数+(負け数-勝ち数)」です。
この数値が、幕尻の16を超えれば、概ね陥落です。
東前頭十六枚目・水戸龍(5勝10敗【+21】)
西前頭十四枚目・豊山(4勝11敗【+21】)
西前頭十五枚目・剣翔(5勝10敗【+20】)
東前頭十五枚目・照強(6勝9敗【+18】)
西前頭十六枚目・平戸海(7勝8敗【+17】)
5人もいました。
続いて、十両から幕内に上がりそうな力士。
【】内は、「現在の十両枚数-(勝ち数-負け数)」です。
これが、「1」より小さければ、概ね昇進です。
東十両二枚目・東龍(9勝6敗【-1】)
1人しかいません。
どうしましょう?
もうちょっと甘くして、候補者をあげてみます。
東十両四枚目・輝(9勝6敗【+1】)
東十両三枚目・熱海富士(8勝7敗【+2】)
西十両三枚目・東白龍(8勝7敗【+2】)
こんなところですね。
十両で2桁勝ったのは……。
西十両十二枚目の金峰山(10勝5敗)と、東十両十四枚目の栃武蔵(11勝4敗/十両優勝)だけ。
この2人を幕内に上げるのは無理でしょう。
なので、幕内からの陥落候補が、ひとり助かることになります。
平戸海は、スコア的には一番いいですが、西前頭十六枚目という最幕尻。
陥落やむなしです。
となれば、助かるのは照強になります。
結果をおさらいします。
↓幕内から十両に陥落。
東前頭十六枚目・水戸龍(5勝10敗【+21】)
西前頭十四枚目・豊山(4勝11敗【+21】)
西前頭十五枚目・剣翔(5勝10敗【+20】)
西前頭十六枚目・平戸海(7勝8敗【+17】)
続きは次のコメントで。
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7. Mikiko- 2022/09/28 06:05
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大相撲9月場所総括⑦
↓十両から幕内に昇進。
東十両二枚目・東龍(9勝6敗【-1】)
東十両四枚目・輝(9勝6敗【+1】)
東十両三枚目・熱海富士(8勝7敗【+2】)
西十両三枚目・東白龍(8勝7敗【+2】)
今回は、そうとう揉めるんじゃないでしょうか。
わたしも、自信はありません。
さて最後に、新潟県出身力士。
ヒドい結果でした。
西十両四枚目の朝乃若は、0勝1敗14休。
コロナの後遺症のようですが……。
協会から出場を止められたわけではありません。
実際、初日の割りが組まれたわけですから。
1敗は、初日の不戦敗です。
コロナ救済はされないはずです。
スコアは、【+19】。
十両は14枚なので、遙かに超えてます。
なので来場所は、幕下陥落。
豊山は、↑にあるように、十両陥落です。
この人はもう、幕内には上がって来れないと思います。
最後の最後に、もう1人の注目力士。
朝乃山。
6勝1敗。
やっちゃいけないことをやっちゃいましたね。
せっかく協会が、15枚目まで上げてくれたのに。
幕下15枚目以内で全勝なら、十両昇進という内規があるんです。
それを無駄にしてしまいました。
もう1場所、幕下に留まらなければなりません。
この人ももう、28歳。
駆けあがっていかなくてはなりません。
さて。
今場所は、久しぶりに満員の国技館が見られました。
その観客に、上位陣は応えられませんでしたが。
九州場所も、無事開催され、2022年を締めくくってほしいものです。
来場所の注目力士には、若隆景を上げておきます。
もう少し身体が出来たら、横綱・玉の海みたいになると思うんですよ。
それじゃ、また来場所。
2ヶ月は、長いのぅ。