Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
単独旅行記Ⅶ・総集編(1)
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 この『単独旅行記Ⅶ・総集編(1)』は、『単独旅行記Ⅶ(001)』から『単独旅行記Ⅶ(010)』までの連載を、1本にまとめたものです。


 ときは、2022(令和4)年。
 季節は、初夏。
 ようやく……。
 3年ぶりに、単独旅行に出られることとなりました。

 この前に行ったのは、2019(令和元)年の梅雨真っ只中。
 本厄だった叔父のために、お寺を巡って、お札を受けて来ました。
 回ったのは、川崎大師に……。
川崎大師
↑賑わってませんでした(お正月とかは違うんでしょうけど)。

 浅草寺に……。
浅草寺
↑雨でしたが、アジア系観光客で賑わってました。傘と自撮り棒を振り回すので、剣呑至極。

 増上寺。
増上寺
↑お寺がデカすぎて、返って閑散ぶりが強調されてしまいました。お天気、悪かったですからね。

 そのおかげでしょう……。
 叔父は、本厄も後厄も無事にやり過ごすことが出来ました(糖尿になりましたが)。

 もちろん、お寺参り以外でも楽しみました。
 初日は、わたしが初めて東京で住んだ場所を訪ねました(見つけられませんでしたが)。
多摩川駅
↑最寄り駅の東急東横線「多摩川駅」。駅前の寂れ方が衝撃でした。

 2日目は、水上バスに乗って……。
水上バス
↑知床観光船の事故の後だったら、止めてたかも知れません。

 浜離宮に行きました。
浜離宮
↑海水を取り入れた池で、干満により海水が出入りします。周りは高層ビルだらけ。

 雨の中でしたが、逆に人が少なく、ゆったりと楽しむことが出来ました。
浜離宮の猫
↑猫がいました。野良なんですかね?

 腰痛に悩みつつでしたが、年に1度の旅行を満喫して来ました。

 ところが!
 その翌年です。
 2020年の初頭から、コロナウィルスの感染が拡大。
 2020年は、学校も休校し、ゴールデンウィークの列車さえガラガラで……。
 旅行なんてとんでもない!、という雰囲気でした。
 見学したい施設も大方休館してしまったので……。
 旅行は、断念するほかありませんでした。
 昨年の2021年は、ヒステリックな雰囲気はもうなくなってましたが……。
 緊急事態宣言は、たびたび出てました。
 ということで、この年も断念。

 しかしわたしは、コロナ禍においては……。
 模範的な国民の一人だったと思いますよ。
 まず、2020年。
 この年は、11月に結婚式出席のため、新潟県長岡市に行きました。
 現在、平成の大合併により、新潟市と長岡市は境界を接してます。
 新幹線で22分。
 わたしが、自宅のある新潟市を出たのは、このときだけでした。
 そのころは、感染の端境期で、「GoToトラベル」が使えました。
 おかげで長岡では、ホテルニューオータニに割安で泊まれました。

 昨年の2021年は、さらに見事でした。
 1度も、新潟市から出なかったのです。
 1年間の行動を、Googleマップのタイムラインで確認してみました。
 政令指定都市である新潟市には、8つの行政区があります。
 このうち、わたしが存在したのは……。
 自宅のある区、会社のある区、あともうひとつの区の3つだけでした。
 もうひとつの区には、車検で往復しただけです。
 あとはもう、自宅と会社の往復しかしてなかったわけです。
 しかも、この2年間、外食は1度もしてません。
 ていうか、最後に外食したのは、2018年の3月ですから……。
 これは、コロナのせいではありませんけど。

 よくそれで我慢できたなと、呆れられるかも知れません。
 でもわたしには、我慢したという自覚はないんです。
 逆に、肩の力を抜いて普通に暮らしてると……。
 自然とこうなってしまうんですね。
 旅行に出るには、事前の準備からして、エネルギーを要します。
 旅行計画を立てたり準備したりしてるときが、一番楽しいという人も少なくないようです。
 旅行好きな人は、きっとそうなんでしょう。
 でもわたしには、その感覚はありません。
 ひとりで行くので、自分で準備しなければどうしようもないからしてるだけです。
 全部やってくれる人がいて、付いていくだけだったらどんなに楽だろうかと思います。
 特に今年は、3年振りということで、いろいろとまごつくことも多かったです。

 さて、前置きが長くなりました。
 そろそろ、本題に入りましょう。
 行き先ですが、これまでのように東京方面ではありません。
 行き先を代えた理由はただひとつ。
 東京方面では、「県民割」がなかったからです。
 最初は、県内も考えました。
 でも、せっかく行くんなら、せめて県外には出たいと思い直しました。
 近県同士であれば、「県民割」が聞くんです。
 もう、答えを言っちゃいましょう。
 お隣の福島県です。
 といっても、福島県も、いささか広うござんすで……。
 郡山市や福島市では、新潟県からかなり遠くなります。
 新潟と会津を繋ぐ磐越西線には、特急がありませんから。
 鈍行の乗り継ぎで行く気には、さすがになれません。
 でも、福島県の西部、会津地方なら、新潟県を超えればすぐです。
 行き先は、その中心地である会津若松市に決めました。

 会津若松に行くのは……。
 実は、初めてではありません。
 なんと、3回目になります。

 1回目は、小学校の修学旅行でした。
 あまりいい思い出はありません。
 バスの旅でした。
 車酔いして辛かったのを覚えてます。
 飯盛山の土産物屋では、白鞘の模擬刀のようなものを売ってました。
 お土産に買う男子も多かったです。
 見学を終え、「またバスに乗るのか」と……。
 暗澹たる思いで駐車場のバスに向かってたとき。
 いきなり男子に取り囲まれました。
 全員、白鞘の模擬刀を抜いてました。
 そして……。
 滅多斬りにされました。
 もちろん、強く叩いたりはされませんでしたが。
 スローモーションみたいな斬り方です。
 中には、わたしの頭に刃をあてて、ギコギコと引くヤツまでいました。

 あんまり良い思い出のなかった修学旅行の地でしたが……。
 なぜかその後、また行ってます。
 社会人になって、新潟に戻ってからでした。
 そのころはまだ、『Mikiko's Room』をやってませんでしたので……。
 休日には、たっぷりと時間がありました。
 自分で車を運転して行きましたね。

 新潟市から会津若松市までは……。
 磐越自動車道を使えば、1時間40分くらいのようです。
 でもわたしは、下道の「国道49号」で行きました。
 磐越自動車道は、対面通行で怖いんですよ。
 片側1車線なので。
 片側1車線で、中央分離帯を区切ってしまうと……。
 遅い車がいれば、あっという間に渋滞してしまいます。
 なので対面通行にして、追い越しが出来るようになってるわけです。
 しかし、怖いですよね。
 高速道路で、反対車線に入るわけですから。
 わたしなら、とうてい出来ません。
 てなわけで、下道をのんびり走りました。
 当時は、腰痛もなかったですし。

 確か、5月の後半だったと思います。
 沿道には、タニウツギやキリの花が咲いてました。
タニウツギ
↑タニウツギ(Pixabayより)。

 このときは泊まらずに、日帰りしました。
 1日で、会津若松まで往復したわけです。
 今なら腰が心配で、とても出来ません。
 同じ姿勢で座ってると、覿面に痛くなりますから。
 でも、どこを見学したのか、ほとんど記憶がないんです。
 記録もありませんし。
 当時は、『Mikiko's Room』をやってませんから……。
 旅行記を書く用事もありません。
 なので、カメラなんか持って行ってなかったんです。

 さて、そんな会津若松。
 修学旅行では、いい思い出がありませんでした。
 2回目の日帰り旅行は、ほとんど記憶なし。
 そんなところに、なんでまた行くことにしたんでしょうね。
 明確な理由はないのですが……。
 やはり、心情的なつながりでしょうか。
 戊辰戦争つながり。
 会津と云えば、白虎隊。
 新潟県には、河井継之助。
 共に幕府側として戦い、壮絶な最期を遂げました。
 継之助が亡くなったのは、会津に向かう途中の南会津郡只見町でした。
 こんなところから、心情的なシンパシーを感じるようです。
 雪国という点でも、共通してますし。

 それに、2回行ってることで……。
 フォトジェニックな見所があることを知ってましたから。
 あそことあそことあそこ、瞬時に指を折って数えられます。
 しかも隣県なら、「県民割」が利きます。
 ということで、行き先を会津若松にすることは……。
 あんまり迷わずに決められました。

 前置きが長すぎましたね。
 それでは、始めましょう。
 2022(令和4)年。
 初夏。
 日曜日です。

 あ、もうひとつ追加。
 日曜日を出発日にしたこと。
 これは、2019年の東京行きからのことなんです。
 それまでは、木金で行ってました。
 なぜ、2019年から日月にしたのかと云うと……。
 ホテルの宿泊料金が、曜日によって違ってたからです。
 日曜日が安かったんですよ。
 単にそれだけの理由。
 これがなければ、日月にはしませんでした。
 なぜなら、月曜日に開いてる施設が少ないからです。

 で、今年ですが……。
 会津若松のホテルの料金は、曜日による違いはありませんでした。
 それでは、なぜ日月にしたのか。
 2019年、やむなくこの日程にして、初めて気づいたのですが……。
 準備が楽なんですよ。
 出発前日の土曜日に、時間をかけて準備できますから。
 それまでの木金の日程では大変でした。
 前日まで会社ですから。
 準備は、当日の朝。
 わたしは、こういうことがテキパキと出来ないので……。
 3時起きです。
 それでもギリギリでした。

 てなわけで、棚からぼた餅みたいなかたちで……。
 この「日月」日程の利点に気づけたわけです。

 でも、月曜に帰って、翌日出勤だと、ちょっと大変。
 月曜日の帰りは、気分的にもよろしくないと思います。
 ということで……。
 月火と、有給休暇を取りました。
 2019年のときもそうでした。
 うちの会社には、リフレッシュ休暇の取得をうながす制度があります。
 土日に繋げて、4連休を取ることが奨励されてるんです。
 もちろん、有給休暇を使うわけですが。
 なので、「リフレッシュ休暇」という名目で申請を出せば……。
 却下されることはまずありません。
 火曜が休めるとなれば、月曜の帰りも気分が沈みませんね。
 旅は、最後まで楽しみたいですから。

 それでは、再び仕切り直し。
 2022(令和4)年。
 初夏。
 日曜日。
 嬉しかったのは、お天気に恵まれたこと。
 「単独旅行」は、雨に祟られることが多いんですよね。
 梅雨時に行ってたので、当たり前なんですが。
 3月が会社の決算月で、5月が申告月なので……。
 3月末から5月一杯は忙しいんです。
 でも今年は、何とか仕事をやりくりして……。
 梅雨入り前の旅程を組みました。
 日ごろの精進のおかげか……。
 天気予報は、2日間とも降水確率ゼロ。
 折りたたみ傘も持たずに行けました。

 さて。
 初日。
 家を出たのは、8時半前。
 あ、日曜日でいいことが、もうひとつあります。
 駅も電車も空いてること。
 平日に行ってたときは、通勤客がたくさんいました。
 その電車に、大きなリュックを背負った行楽スタイルで乗りこむのは……。
 ちょっと気恥ずかしかったです。

 家からの描写はちょっと端折って……。
 まずは、この旅の起点の駅に降り立ちます。
新津駅

 「新津駅」です。
 今日は、JR東日本の磐越西線で会津若松に向かいます。
 磐越西線は、福島県の「郡山駅」が起点。
 「会津若松駅」を経由して、新潟県の「新津駅」が終点になります。
 「郡山駅」から「会津若松駅」を経て……。
 ラーメンで有名な福島県の「喜多方駅」までが電化されてます。
 「喜多方駅」から「新津駅」までは、非電化。
 なお、「会津若松駅」から「喜多方駅」間には……。
 電車による定期列車は運行されてないそうです。
 電化が整備されるのも、起点から順番なんですかね。

 なお、終点は「新津駅」ですが……。
 多くの列車が、「新潟駅」まで乗り入れてます。
 なのでわたしは、日常的にディーゼル車を見てます。
 電車とは、ぜんぜん音が違うんですよ。
 新しい車両は、エンジン音がいっそう喧しくなった気がします。
 なんでですかね?

 さて、「新津駅」。
 磐越西線のほか、信越本線と羽越本線が乗り入れてます。
 信越本線は、群馬県や長野県も通ってますが……。
 新潟県内では、上越市の「直江津駅」から新潟市の「新潟駅」を結んでます。
 羽越本線は、「新津駅」が起点で、秋田県の「秋田駅」が終点。
 「新津駅」は、この3路線が乗り入れる鉄道の要衝なのです。
 うち、2つの路線では、「起点(羽越本線)」と「終点(磐越西線)」ですからね。
 こんなことから、新津は……。
 機関区、工場、操車場を有する「鉄道の街」として栄えました。
 昔は、新津市という独立した自治体でした。
 人口は、7万人弱だったようです。
 今は、新潟市秋葉区の中心地となってます。

 「新津駅」は、2003(平成15)年に改築されてます。
 それに伴い、駅前の広場も整備されたようです。
 かつての「鉄道の街」を彷彿とさせる展示物もありました。
 出発まで少し時間があるので、駅の回りを見てみましょう。

 ↓さっそくありました。
新津駅前・動輪(説明板)

 ↓こちらが全容です。
新津駅前・動輪

 うーむ。
 比べるものが周りにないので、大きさがわかりませんね。
 説明板には、直径1.4メートルと書いてあります。
 軽自動車の横幅くらいです。
 まぁ、大きいことは確かです。

 ↓駅から続く商店街。
新津駅前商店街

 切ないほど寂れてます。
 かつては両側に、アーケードが連なってたそうです。
 老朽化により、撤去されました。
 建て替える力は、もう商店街には残ってなかったんです。

 ↓こちらは駅舎の脇です。
なんだかテーマパークの入口

 なんだか、テーマパークの入口みたいですね。
 ↓入ってみたら、エレベーターの乗り場があるだけでした。
エレベーターの乗り場があるだけ

 ↓「新津駅の歴史」。
新津駅の歴史

 そうそう。
 新津には、油田があったんです。
 その石油を運ぶため、鉄道網が発達したんですね。
 しかし、昭和30年代の新津駅……。
 「1日400本の列車が発着し、機関区には蒸気機関車60両、客車400両が待機する」ってのはすごいです。
 そんな光景、見てみたかったです。

 ↓奇っ怪なモニュメント。
奇っ怪なモニュメント

 ↓題名は「地球を縫う 新津」。
地球を縫う 新津

 わたしには、抽象芸術が理解できません。

 ↓駅舎の2階から。
駅舎の2階から

 ↓雨漏りするんでしょうか?
雨漏りするんでしょうか?

 ちと情けない光景。
 駅は街の顔です。
 こういうところは、極力見せないでいただきたいものです。

 ↓かつての鉄道の要衝の名残が、少し想像できます。
鉄道の要衝の名残

 ↓駅構内の連絡通路。
駅構内の連絡通路

 ↓人があんまり通らないことを物語ってます。
ダンス禁止

 ダンスは、高校の部活でしょうか?
 新潟の冬は、戸外では練習場所が見つけにくいのでしょう。

 ↓通路の反対側を撮りました。
通路の反対側

 見事に人がいませんね。
 メインの連絡通路なんですよ。
 ていうか、通路はこれしかないと思います。
 時間は、朝の9時3分。
 日曜日だからでしょうが。

 駅舎に戻りましたが……。
 まだ時間があります。
 駅の反対側に出てみることにしました。

 ↓こちら側にも、動輪が置かれてました。
こちら側にも、動輪が

 ↓説明板です。
動輪の説明板

 直径1.6メートル。
 5ナンバーの自動車の横幅くらいあります。
 さっきのより大きいですね。
 ↓駅舎は、表側と同じ顔ですね。
駅舎は、表側と同じ顔

 一件、大きな駅に見えます。

 ↓でも、ほぼ看板建築みたいなつくり。
ほぼ看板建築みたいなつくり

 駅の表と裏が、シンメトリーになってるのがわかります。
 両側に薄っぺらな顔があって、その間は通路が繋がってるだけ。
 かつての鉄道の要衝だった駅の、面目を保つための造りなのでしょうか。

 ↓こちら側は完全に住宅街です。
こちら側は完全に住宅街

 ↓これは良い形のケヤキでした。
良い形のケヤキ

 ↓さて、そろそろ改札を入りましょうか。
そろそろ改札を入りましょう

 おっと、その前に……。
 今回の旅のお供をご紹介しましょう。
 え?
 単独旅行じゃないのかって。
 いえいえ。
 いつもの相棒です。
 ↓こちら。
いつもの相棒

 2017年『単独旅行記Ⅳ』では、『松戸市立博物館』を訪ねました。
 そこのミュージアムショップで買った「埴輪キーホルダー(350円)」です。

 デザインは、馬と人の2種類ありました。
馬と人
↑『松戸市立博物館』の「オリジナルグッズ一覧」のページ(こちら)から。

 わたしは両方買って……。
 馬は、母のお土産にしました。
 わたしも馬の方がほしかったのですが……。
 人は、母の好みの顔じゃないと思ったので。
 ま、残り物には福があると云いますし。
 でも現在、人の方は売り切れのようですね。
 人気があるんでしょうか。
 この顔でね。
 あ、不人気だから生産が少なかったのかも。
 で、売り切れ後は、追加生産なしってことか。
 ま、仕方ないですね。
 この翌年以降、旅のお供をしてもらってます。
 埴輪だから、ハーさんと呼ぶことにしました。

 さてさて、写真も撮ったし、ハーさんには鞄に戻ってもらいましょう。
 と、そのときでした!

「ロ~ンブロゾ~」

 脳内に声が響きました。
 な、ななんじゃこの声は?

「な~にが、残り物や」

 ???。

「この顔で?
 不人気だから生産が少ない?
 失敬千万!」

 だ、誰?
 あたりを見回しますが、誰もいません。

「何をキョロキョロしておる。
 目の前におろうが」

 目の前って……。
 こいつ?
ハーさん

ハ「誰が“こいつ”や」
み「ひ、人の心が読めるのか!」
ハ「そうやない。
 声を出さずに会話が出来るということや」
み「どう違う?」
ハ「深く考えるな!」
み「しかし……。
 松戸の埴輪が、なんで関西弁なんだ?」
ハ「深く考えるなというに!
 物事を、ありのままに受け入れるのが、はじめの一歩や」
み「受け入れ難い」
ハ「ロ~ンブロゾ~!」
み「そもそも、それがおかしいではないか。
 黄金バットの宿敵、ナゾーのセリフだろ。
 あの、ソロバン玉みたいなのに入った」
ハ「ソロバン玉ではないわ!
 空飛ぶ円盤や」
み「だからなんで、ナゾーなのだ?」
ハ「それは謎です」
み「出発前から、頭がおかしくなったのかもしれん」
ハ「もともとだろ」
み「捨てていくかな」
ハ「くぉら!」
み「こんな人形と話をしてるとこを見られたら……。
 即、119番通報されるわい」
ハ「確かに、顔を合わせてると、声が出てしまうかもな。
 鞄にしまってもよいぞ。
 お主の目を通して、景色も見えるし」
み「なんでそんなことが出来るんじゃ?」
ハ「ロ~ンブロゾ~!
 聞くな!」
み「そもそも……。
 “ロ~ンブロゾ~”って、どういう意味よ?」
ハ「ナゾーの本名が、ロンブロゾ・ナゾーなんや」
み「は?
 そしたら、自分の名前を名乗りながら出てくるってわけ?」
ハ「そうやろ」
み「おかしいじゃないの。
 もし、和義という名前なら……。
 “か~ずよし~”とか言いながら出るわけ?
 ただのアホじゃ」
ハ「ごちゃごちゃ言うな!」
み「そもそも、おまえはナゾーじゃないじゃろ。
 “ハ~ニ~ワ”とか言うべきじゃないの」
ハ「そんなアホなことが言えるか!
 早く、腹の袋にしまえ」
み「腹の袋ってなんじゃ?
 わたしはカンガルーじゃないぞ」
ハ「腹に巻いてるやないか」
み「これは、ウエストポーチ!
 “腹の袋”って、いつの時代の人間じゃ」
ハ「うるさい!
 早くしまえと言うに。
 ほら、人が集まってきたぞ」
み「う?
 パフォーマーと間違えられてるかも。
 あ、すみません。
 通して下さい。
 見世物じゃないんで」
ハ「立派な見世物や」
み「うるさいというに」
ハ「だから!
 声を出すなと言っとるやろ。
 頭の中で会話するんや」
み「あーうるさい。
 あんまり話しかけるな」

 ハーさんをウエストポーチに突っこみ、改札を通ります。
 3番線ホームに降り立ちました。
3番線ホームに降り立ちました

み「げ!
 もう、入線してる!
 バカの相手をさせられて、入線を見逃してしまったではないか!」
ハ「誰がバカじゃ。
 しかし、妙に洒落た列車ではないか?
 水戸岡鋭治か?」
み「違うと思うぞ。
 しかし、この列車の名前を知らんとは……。
 お主、ド素人じゃな」
ハ「やかましわ。
 ここは、列車の最後尾やろ。
 前に回れ。
 ずばり、言い当ててくれる」
み「うるさいやつ。
 それじゃ、前に行ってやる」
前に行ってやる

み「あ、アルファベットで書いてある。
 読むなよ」
ハ「ポーチを揺らすな!
 そもそも、ポーチを揺らしても無駄やぞ。
 おぬしの目を通して見てるんやからな」
み「それじゃ、これならどうじゃ」
ハ「頭を振るな!
 バカと思われるぞ。
 見ろ、子供が後ずさりしてるやないか」
み「はあ、はあ。
 結構長いな」
ハ「運動不足や」
み「おまえに言われたくないわ。
 ほら、見えたぞ」
ハ「SLやないか。
 さすがド田舎。
 まだこんなのが走ってるんや」
み「バカタレ!
 観光列車に決まってるわい」
ハ「わざとや。
 知らんわけないやろ。
 これは、『SLばんえつ物語』やないか。
 しかし、お主にこういう趣味があるとは知らなんだ」
み「別に趣味で乗りに来たのではないわ」
ハ「ならなんでや?
 高速バスの方が早いやろ」
み「確かに所要時間では、高速バスの圧勝じゃ」
ハ「なぜ乗らん?
 バス酔いか?」
み「バス酔いしたのは、小学生までじゃ。
 良いか。
 いくら所要時間が短くても……。
 ちょうど良い時間に走ってくれなくてはなんにもならん。
 見よ、これが時刻表だ」

新潟交通さんのページから転載させていただきました(クリックすると、大きい画像が見られます)。

ハ「あるではないか。
 『万代シテイバスセンター』発、11:45。
 『若松駅前』着、13:41。
 確か、『ばんえつ物語』の『会津若松駅』着も……。
 同じころではないか?」
み「13:35着じゃ」
ハ「ほれみろ。
 なんでバスにしない」
み「よく見んかい。
 上の方に、
 “赤背景の一部便を、当面の間運休しております”と書いてある」
ハ「げげ」
み「すなわち!
 現在、11:45分発と14:25分発は運行してない。
 運行されてるのは、始発と最終便だけじゃ。
 18:45分発の最終は論外。
 となると、7:10分の始発だけ。
 いくらなんでも早すぎじゃ」
ハ「毎朝3時に起きてるんじゃないのか」
み「それは平日。
 今日は日曜だ。
 前夜は酒を飲まねばならんではないか」
ハ「そっち優先かい!」
み「ということで、高速バスは消去。
 残るはJRの磐越西線ということになる。
 この時点でわたしは、『快速あがの』にしようと思ってた。
 しかし……。
 時刻表に載ってなかった。
 そんなバナナ」
ハ「古る!」
み「つい最近まで、走ってるのを見てたんじゃ。
 『新潟駅』まで乗り入れてたから。
 で、調べて見たら……。
 なんと!
 2022年3月12日のダイヤ改正をもって廃止となってた。
 む、無念……」
ハ「ありゃまあ」
み「『快速あがの』には、いい時間のがあったのよ。
 あんまり残念だったので、手元にあった2020年3月号の時刻表を控えてある」
時刻表・2020年3月号

ハ「時刻表、毎月買ってるのか?」
み「まさか。
 2020年までは、年1回、春のダイヤ改正が載る3月号だけ買ってた。
 旅行の計画を立てるときは、なぜか紙の時刻表を見たくなるのじゃ」
ハ「鉄の端くれやな」
み「まあな。
 でも、2021年以降は、コロナで旅行に行けそうもなかったので……。
 買ってない。
 で、だ。
 その2020年3月号の時刻表によると『快速あがの』は……。
 『新潟駅』発が、8:25。
 『会津若松駅』着が、10:46分。
 終点の『郡山駅』でも、12:12分じゃ」
『快速あがの』時刻表
↑クリックすると、大きい画像が見られます。

ハ「完璧やな」
み「じゃろ。
 なんで廃止するかね」
ハ「早い話……。
 新潟から会津若松まで、通しで乗る客がいなくなったんやないか?」
み「あ、そうか。
 以前は、東日本大震災で新潟に避難してた人が……。
 福島と行き来する用事があったわけだ。
 しかし、震災から10年以上経って……。
 その需要も少なくなった」
ハ「でも、しょせん快速やろ。
 特急や急行じゃあるまいし……。
 鈍行とさほど違わないんちゃう?」
み「鈍行って……。
 国鉄か。
 そもそも、急行列車は、今どこにも走っておらん」
ハ「だーから、普通列車はどうなんや。
 会津若松までの直行便がなくなったとか?」
み「いや、あるにはある。
 ある程度、ちょうどいいのはある。
 新津駅、9:32分発」
ハ「会津若松駅着は?」
み「12:00ジャスト」
ハ「これでいいではないか」
み「いいことはいいのじゃが……。
 この時刻表を見てて、その後の便に目がいってしもうた」
ハ「それが『ばんえつ物語』か」
み「左様じゃ。
 鉄道の旅では、時間もさることながら……。
 座席問題も重要じゃ。
 普通列車に乗って、座れなければ話にならん。
 ロングシートだけってことはないと思うけど……。
 ボックスシートは限られてるはず。
 たとえ座れたとしても、通路側じゃ残念すぎる。
 写真が撮れない。
 しかも、ぜったい進行方向を向いて座りたい。
 出来れば、わたしの目の前の席には、誰も座らないでほしい」
ハ「普通列車で、そんなわがままが通用するかい」
み「だからじゃ。
 SL『ばんえつ物語』は、全席座席指定。
 しかも!
 一般車両は、向かい合わせのボックスシートじゃが……。
 グリーン車は、進行方向を向いた3列シート。
 すなわち、片側は1列。
 隣に誰か座ることもないのじゃ」
ハ「隣に誰が座ろうと、自分のしたいようにすればいいやろ。
 迷惑さえかけんかったら」
み「わたしは、外面(そとづら)がいいのじゃ。
 人前で、いけずな態度はとれん。
 ボックスシートで最悪なのは……。
 3人連れのおばちゃんと、同じボックスに入れられること。
 『ばんえつ物語』は、人気列車だから……。
 3人組と1人を組み合わせてボックスを埋めるという可能性はある。
 で、おしゃべりな3人組と一緒になったら……。
 いろいろと根掘り葉掘り聞かれるじゃろ。
 この歳でひとり旅とは、夫婦げんかでもしたのかと聞かれるかも知れん。
 独身だなどと答えたら……。
 火に油じゃ。
 ヘタすれば、相手まで紹介されかねん。
 写真なんか撮ってるヒマ、ないではないか。
ハ「話しながらでも撮れるやろ」
み「パカモン。
 手には、勧められた冷凍ミカンを持たされておる」
ハ「いつの時代の話や。
 車両に冷房がなかったころの売り物やろ」
み「とにかく!
 そういうリスクもあるということ。
 旅にやり直しはきかないのじゃ。
 リスクは、徹底的に排除すべき」
ハ「その割には、高速バスの延着を見こんでなかったり……。
 鉄道で、乗り換え時間1分の計画を立てたり……。
 20年前の地図で東京を歩いたりしてたのではないか?」
み「すべてにおいて完璧にはできんわ」
ハ「最初からクリアしておけるリスクではないか」
み「とにかく!
 1人掛けであれば、冷凍ミカンの危険から逃れられるのじゃ。
 ほら、頭が見えたぞ」
頭が見えた

ハ「頭って……」
み「さっそく人が群がっておる。
 わたしも前に回って撮らねば。
 なんと!
 人の後ろ頭しか撮れん。
 わたしは、SLの頭を撮りたいんじゃ。
 よし。
 念力じゃ。
 人の頭よ、低くなれぇ~」
ハ「なるかい」
み「なった!」
SLの頭を撮りたい

ハ「うそやろ」
み「次は横じゃ。
 見よ!
 がら空きじゃ」
「次は横

ハ「念力というより、怨念やな」
み「次、客車!」
次、客車!

み「絶好調じゃ。
 やっぱ、運転席も」
やっぱ、運転席も

ハ「うろうろすな!
 目が回る」
み「駅弁を売っとる!」
駅弁を売っとる

み「買わないけど」
ハ「途中で買えんかも知れんで」
み「お昼は食べないからいいの」
ハ「わしは食べたい」
み「どうやって食べる気じゃ。
 フェルトの口で」
ハ「お主が食べれば、わしにも味がわかるんや」
み「寄生虫か。
 次、客車の窓!」
客車の窓

み「一般車両はこのとおり、四人掛けのボックスシートじゃ」
ハ「テーブルもあって、便利ではないか」
み「4人組ならな。
 冷凍ミカンの恐怖が蘇るわい、
 先を急ぐぞ」
ハ「まだ時間は十分あるやろ」
み「なぜか気が急く。
 乗り遅れそうな気がする」
ハ「小心者が」
み「ほら来たぞ。
 わたしの乗る7号車。
 貴賓室じゃ」
わたしの乗る7号車

ハ「グリーン車やろ」
み「ほれ、進行方向を向いた、3列シートじゃろ」
進行方向を向いた、3列シート

ハ「景色が写りこんで、ほとんど見えんわ」
み「乗ればわかる。
 そしてこのグリーン車の最後尾には……。
 これなわけよ」
展望室

ハ「最初に見たやつやな」
み「この展望室、グリーン車の乗客しか入れんのじゃ。
 恐れ入ったか」
ハ「しかし、いくら違うんや。
 一般車とグリーン車」
み「よーく聞けよ。
 普通車の指定席は、530円」
ハ「安す!」
み「それに対し、グリーン車は……。
 1,700円もするのじゃ!」
ハ「……。
 それって、高いという認識か?」
み「あたりまえだろ。
 3.2倍なんじゃ。
 ホテル代で比べてみ。
 普通車を、5,000円のシングルルームとする。
 となると、その3.2倍じゃから……。
 なんと!
 16,000円のデラックスルームとなるのじゃ」
ハ「そんなルームがあるか。
 この場合、倍数ではなく引き算で考えるべきやろ。
 1,700円-530円。
 つまり、1,170円しか違わんやないか。
 しかし……。
 安いな。
 乗車券はいくらや?」
み「1,980円じゃ」
ハ「てことは乗車券と合わせて、普通車が2,510円か。
 グリーン車でも、3,680円やないけ」
み「快速だからな。
 そもそも、特急券がいらんわけじゃ。
 これで、3時間半も乗ってられるのじゃ。
 1分あたり、17.5円」
ハ「いらんわ、そんな換算」

み「ちょっくら、展望室を覗いてみるべ」
展望室を覗いてみる

ハ「やけにシンプルやないか」
 水戸岡鋭治やないな。
 あの行灯みたいなのは、椅子か?
 尻が痛くなるやろ」
み「ここに長時間座りこめんようにしてるんじゃろ」
ハ「プロの鉄は、座布団持って来たりして」
み「そういう輩は……。
 桃太郎侍の格好をした車掌が、後ろから袈裟切りに成敗する」
ハ「するかい」

み「格好いいロゴじゃ」
格好いいロゴ

ハ「しかし、“EXPRESS”ってのはどうなんや?
 バスより遅いやろ」
み「快速じゃろ。
 普通列車より速ければ、立派な“EXPRESS”じゃ」
ハ「会津若松まで、何時間かかるんやった?」
み「新津駅発が、10:03分。
 会津若松駅着が、13:35分。
 3時間32分じゃな」
ハ「さっき言ってた普通列車は?
 ほれ、新津駅発が、9:32分のやつ」
み「会津若松駅着が、12時ジャスト」
ハ「所要時間は?」
み「えーと、2時間28分じゃ」
ハ「おかしいやないけ。
 『ばんえつ物語』より、1時間以上早く着くぞ。
 鈍行より1時間以上も遅いのが、なんで“EXPRESS”なんや?」
み「各駅停車じゃないからじゃ」
ハ「各駅停車より遅くてもか?」
み「腐っても鯛」
ハ「例えが悪いやろ」
み「乗りこむぞ」

 グリーン車の入口には、車掌さんが立ってます。
 この車掌さんにグリーン券を見せないと、グリーン車には入れません。
 車掌さんを正面から撮るのは失礼なので、入口部分の写真はなしです。

ハ「車掌さん、丁寧やったな」
み「気持ちいいのぅ。
 特権意識をくすぐられるわい」
ハ「たった、1,700円のグリーン券なのにな」
み「やかまし。
 見よ、貴賓室入り口じゃ」
ハ「グリーン車だろ。
 しかし、ガラガラやないか」
み「まだ、発車まで30分もあるからな。
 グリーン車の乗客は、発車前に悠然と乗車するんじゃろ」
ハ「悠然としてないのが、ここにひとりおるがな」
み「うるさい。
 よし、これなら写真が撮れそうじゃ。
 でも、前からだと顔が写るから、加工がやっかいになる。
 展望室から撮ろう」

 通路を突っ切り、最後尾の展望車に移動。

み「よし。
 誰も後ろを見てないな」
 パチリ」
誰も後ろを見てないな

ハ「レトロ調やな」
み「ゴテゴテしないレトロが落ち着くではないか。
 車両に組子細工は必要ない」
ハ「また、水戸岡鋭治批判か」
み「批判ではないわ。
 好みの問題じゃ。
 さらに踏みこんで、パチリ」
さらに踏みこんで

み「よし。
 この空きようなら、ほかの車両内部も撮れそうじゃ。
 今のうちに撮っておこう。
 いざ、庶民たちの普通車へ」
ハ「庶民が余計や」

 隣の6号車に移ります。
 一両すべて、普通車指定席になります。

み「空いとるな」
ハ「ていうか、ガラガラやないけ」
み「普通車も座席指定だからな。
 席取りの必要がないからじゃろ」
ハ「発車間際に悠然と乗って来るわけか?」
み「違うわ。
 たぶん、写真を撮ってるんじゃろ。
 機関車とか、ほかの車両とかの。
 よし、おかげで真っ正面から撮れる。
 パチリ」
真っ正面から

み「発車まで、まだ30分近くあるな。
 もっと先まで行くぞ」

 5号車に移ります。
 こちらも、後部は普通車指定席です。
 でも、前方部は違ってます。

み「あ、売店がある」
ハ「ビール、買うてくれ」
み「まだ早いわ」
ハ「写真、撮らんのか?」
み「売店のお姉さんが写ってしまう」
ハ「かまへんやろ」
み「恥ずかしいではないか」
ハ「何で撮る方が恥ずかしがるんや」
み「シャイですから」
ハ「わからんやっちゃ」

 てなわけで、わたしが撮った売店の写真はありませんので……。
 ↓JRグループの『トレたび』さんのサイトから拝借しました(こちらのページです)。
『ばんえつ物語』売店

み「次、4号車。
 ここは展望車両じゃ。
 空いとる」
展望車両

ハ「当たり前や。
 発車してないのに、展望席に座ってどうする」
み「お。
 ポストがある」
ポストがある

み「出せるんじゃろか?」
ハ「出せるやろ。
 出せませんって注意書きはないぞ。
 しかし、出すヤツがおるんかな?」
み「読めたぞ」
ハ「何がや?」
み「さっきの売店で、絵はがきを売ってるに違いない。
 で、この展望車両で書くんじゃろ」
ハ「ここでか。
 書きにくそうや」
み「♪文字のみだれ~は線路の軋み」
ハ「♪愛の迷い~じゃないですか」
み「こんな葉書、ここで書いてる女がいたら……。
 不気味じゃろうな」
ハ「次、3号車」
み「もういいわ。
 あとは普通車両じゃ」

 と思ったのですが、1号車は「オコジョ展望車両」でした。
 見なくて残念と思ったのですが……。
 『ばんえつ物語』の写真を見ると、キッズルームでした(こちらのページから拝借)。
オコジョ展望車両

 乗車時間3時間32分ですから……。
 窓外の景色だけじゃ、退屈するお子さんもいるでしょうからね。
 ま、でも、これなら見なくても良かったです。
 しかし、何で「オコジョ」?

ハ「まだ時間あるやろ」
み「今、9時37分だから……。
 あと26分ある」
ハ「車内にいるんやから……。
 乗り遅れる心配もいらんやないか」
み「トイレに行きたくなった」
ハ「子供か!
 トイレなら、車内にもあるやないか。
 まさか、停まってるから使えないとでも?
 今のトイレは、垂れ流しやないから……。
 停まってても使えるはずやで」
み「男女共用じゃろ」
ハ「そらそやろ」
み「そういうところは、入りにくい」
ハ「なんでや?」
み「とにかく!
 改札抜けたところにあったトイレに行く」
ハ「難儀なやっちゃ」

 地上ホームから、改札のある2階に上がります。

み「ほら、こんな綺麗なトイレがある」
こんな綺麗なトイレ

ハ「早くしてこい」
み「おまえは、どこかに置いていくかな」
ハ「すな!
 盗られたらどうする」
み「誰が盗るんじゃ、こんなもの」
ハ「こんなものとはなんや!」
み「でも、猫が咥えていくかもしれんしな。
 連れて行くけど、見るなよ」
ハ「見るかい」

 中も、十分に綺麗でした。

み「あー、すっきりした」
ハ「早かったな。
 小、やな」
み「当たり前だ。
 大は家で出し切って来た」
ハ「いちいち言わんでよろし」
み「今、9時41分。
 まだまだ余裕じゃな。
 もう一回、してくるかな」
ハ「ええ加減にせい」
み「冗談じゃ。
 あ、やっぱり空いてるんじゃん」
やっぱり空いてる

ハ「土曜日なのにな。
 なかなか切符の取れん列車やなかったのか?」
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