2022.7.15(金)
玄関に向かおうとしたら、ドアホンが鳴った。
リビングにあるモニターを覗く。
香織の顔が大写しになっていた。
相変わらず不細工だ。
「今、開ける」
通話ボタンを押してそう告げると、絵里子は玄関に向かった。
三和土への降り口の脇には、大きな姿見が造りつけられていた。
太ったおばさんが映っている。
もちろん、絵里子だ。
乳房は不様に垂れ、腹はぽっこりと突き出ている。
このまま廻しを着ければ似合うだろう。
夫が相手にしなくなるのも無理はない。
絵里子は、前後のないサンダルに足を下ろした。
前後ろがなく、どちらからも履けるサンダルだ。
ベランダでも使っている。
いちおう、ドアスコープを覗く。
結婚間もないころは、全裸で夫を迎えていた。
夫が望んだことだった。
しかし一度、宅配業者に裸を見せかけたことがあった。
彼がドアの外で、「印鑑、お願いしまーす」と声を出さなければ……。
ドアを開けてしまっていたところだった。
以来、必ずドアスコープを覗く癖が付いた。
スコープには、香織の顔が大写しになっていた。
魚眼レンズなので、不細工さがいっそう強調されている。
絵里子は、笑いながらドアを開けた。
「あ」
ドアの向こうには、香織と並んで侑人 が立っていた。
絵里子の恰好に驚いたのだろう、棒のように硬直している。
「絵里子さん……。
相変わらず飛ばしてますね」
「何で言わないんだよ、連れて来るって」
「驚かそうと思って。
でも、こっちの方が驚かされました。
絵里子さんには敵いません」
「ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと入って。
侑人くん、君も」
リビングにあるモニターを覗く。
香織の顔が大写しになっていた。
相変わらず不細工だ。
「今、開ける」
通話ボタンを押してそう告げると、絵里子は玄関に向かった。
三和土への降り口の脇には、大きな姿見が造りつけられていた。
太ったおばさんが映っている。
もちろん、絵里子だ。
乳房は不様に垂れ、腹はぽっこりと突き出ている。
このまま廻しを着ければ似合うだろう。
夫が相手にしなくなるのも無理はない。
絵里子は、前後のないサンダルに足を下ろした。
前後ろがなく、どちらからも履けるサンダルだ。
ベランダでも使っている。
いちおう、ドアスコープを覗く。
結婚間もないころは、全裸で夫を迎えていた。
夫が望んだことだった。
しかし一度、宅配業者に裸を見せかけたことがあった。
彼がドアの外で、「印鑑、お願いしまーす」と声を出さなければ……。
ドアを開けてしまっていたところだった。
以来、必ずドアスコープを覗く癖が付いた。
スコープには、香織の顔が大写しになっていた。
魚眼レンズなので、不細工さがいっそう強調されている。
絵里子は、笑いながらドアを開けた。
「あ」
ドアの向こうには、香織と並んで
絵里子の恰好に驚いたのだろう、棒のように硬直している。
「絵里子さん……。
相変わらず飛ばしてますね」
「何で言わないんだよ、連れて来るって」
「驚かそうと思って。
でも、こっちの方が驚かされました。
絵里子さんには敵いません」
「ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと入って。
侑人くん、君も」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2022/07/15 05:47
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今日は何の日
1月15日と毎月15日は、『いちごの日』。
1月15日の「いちごの日」は、「全国いちご消費拡大協議会」が制定。
日付は、「いい(1)いち(1)ご(5)⇒いい苺」と読む語呂合わせから。
ハウス栽培や品種改良で、いちごは一年中手に入るようになりましたが……。
1月中旬は、収穫、出荷が本格化する時期にあたります。
書籍にも記されてる記念日ですが、制定した目的については定かではありません。
また、記念日を制定したとされる「全国いちご消費拡大協議会」についても詳細は不明で……。
すでに解散してるとの情報もあります。
毎月15日も、「いち(1)ご(5)⇒苺」と読む語呂合わせから、「いちごの日」とされます。
しかしこちらも、制定した団体や目的についての詳細は定かではありません。
また、1月5日も「いちごの日」となってますが、こちらは果物の苺ではなく……。
15歳という世代を表した「いちご」です。
高校受験を間近に控えた15歳の生徒に、エールを送る日とされてます。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2022/07/15 05:47
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今日は何の日(つづき)
さらに同じページから、引用を続けさせていただきます。
「いちごの日」については、制定した団体など不明な点も多い記念日ですが……。
1月15日の「いちごの日」を中心として、苺スイーツの新商品の発表や、苺に関連したキャンペーンを実施する店などもあります。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/101152.html)のページから転載させていただきました。
関連する記念日として、毎月22日は「ショートケーキの日」となってます。
この記念日は、カレンダーにおいて22日の真上には15日があるため……。
ショートケーキの上には苺がのってるという由来です。
以上、引用終わり。
イチゴは、もちろん食べたことはあります。
でも、年に1度くらいですかね。
買ってくるのではありません。
母は入れ歯なので、食べられませんし。
わざわざイチゴを買って来るのもイヤミなものです。
なので食べるのは、貰いものがあったときだけです。
もらわない年は、食べません。
もちろん、嫌いなわけじゃありません。
でも、酸っぱさはちょっと苦手かも。
子供のころは、ケーキに載ってるのを食べるくらいでしたね。
クリスマスと、あと年に1回あるかどうか。
わが家は酒飲みばっかりでしたので、甘いものを食べる習慣がなかったんです。
実はわたし、イチゴ大福も食べたことがないんですよ。
餡子の甘さとイチゴの酸っぱさが絶妙なんでしょうね。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2022/07/15 05:47
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今日は何の日(つづきのつづき)
突然、思い出しました。
小学校のころ。
通学路にあった小さな畑に、イチゴが植わってました。
小粒のイチゴで、売り物ではなく、自家消費するのでしょう。
で、たまに畑に入りこみ、失敬してくることがありました。
赤いのは滅多になく、緑なのがほとんど。
なるべく赤いのを取るのですが、酸っぱくて硬かったと思います。
今、気づきました。
畑の人は、朝早く来て、赤いのを取ってたんでしょうね。
だから、緑ばっかりだったんだ。
わたしがイチゴを食べないのは……。
この悪行の記憶が蘇るからかも知れません。
話は変わります。
イチゴじゃなくて、イチジク。
今春、ドーフィンという品種の苗を取り寄せました。
届いたのは、3月の早いころだったと思います。
根には水苔が巻かれてあるだけで、土は付いてませんでした。
まだ寒くて、植え付け作業をするのが億劫で、苗はベランダに置いたままでした。
もちろん、週に1回くらいは、根に水をかけてましたが。
で、ようやく寒さが緩んでから植え付けたんですが……。
春になっても芽が出ません。
やっぱり、根が剥き出しのまま放っておいたせいでしょう。
可哀想なことをしたと思いつつも、諦めきれず……。
水だけはやってました。
そしたら、だいぶ遅くなってから、芽が出たんです。
でもよく見ると、台木の方です。
買った苗は接ぎ木されたものだったんです。
残念ながら、その接ぎ木から上は枯れてしまったようです。
ところがどっこい、根は生きてたんですね。
で、台木の地際から芽を出した。
台木がどんな品種かはわかりません。
でも、せっかく出た芽なので、このまま育てたいと思ってます。