2022.4.9(土)
玄関には、男物の靴やサンダルが、乱雑に脱ぎ捨てられていた。
框の方を向いている靴が、何足もあった。
学生は靴の間に足を入れると、靴の群をなぎ払った。
「ここに脱いで」
“脱いで”という単語にドキリとする。
もちろん、靴を脱いでと言われたわけだが。
絵里子は、学生の開けてくれた空隙にパンプスを脱いだ。
そのまま板の間にあがると……。
膝を付き、靴の向きを反対にして揃える。
「行儀がいいね」
城下町にあった絵里子の女子高には、行儀作法の授業があった。
武家の風儀が、色濃く残った町だった。
玄関に背中を向けて靴を脱ぎ、そのまま後ろ向きにあがるのは……。
マナー違反だと教えられていた。
学生が、小綺麗なスリッパを出してくれた。
来客用なのだろう。
学生に続き、廊下を進む。
床板が、飴色に光っていた。
掃除されているというより……。
脂光りしている感じだった。
代々、若い学生が住んできたからだろうか。
「ここ」
学生が、廊下の一番奥まったところで、脇の襖を開いた。
思いのほか広い部屋だった。
八畳はあるだろうか。
絵里子のワンルームより、ずっと広く見える。
ベッドがないせいもあるのだろうが。
床には、柄物のカーペットが敷き詰められていた。
おそらくその下は、畳なのだろう。
学生が、窓のカーテンを開けた。
窓のすぐ向こうが、ブロック塀だった。
眺望に関しては、絵里子の部屋と大差ない。
学生は、買って来た紙袋を、文机の上に置いた。
「あ、そうだ。
誰もいないけど……。
いちおう、鍵を掛けるね」
学生は、襖の枠に付いた捻じこみ鍵を差した。
真鍮色の古びた鍵だった。
昔の住人が付けたものなのだろう。
「窓の外は、心配しなくていいから。
玄関側に木戸が付いてて……。
誰も入って来れないようになってる」
框の方を向いている靴が、何足もあった。
学生は靴の間に足を入れると、靴の群をなぎ払った。
「ここに脱いで」
“脱いで”という単語にドキリとする。
もちろん、靴を脱いでと言われたわけだが。
絵里子は、学生の開けてくれた空隙にパンプスを脱いだ。
そのまま板の間にあがると……。
膝を付き、靴の向きを反対にして揃える。
「行儀がいいね」
城下町にあった絵里子の女子高には、行儀作法の授業があった。
武家の風儀が、色濃く残った町だった。
玄関に背中を向けて靴を脱ぎ、そのまま後ろ向きにあがるのは……。
マナー違反だと教えられていた。
学生が、小綺麗なスリッパを出してくれた。
来客用なのだろう。
学生に続き、廊下を進む。
床板が、飴色に光っていた。
掃除されているというより……。
脂光りしている感じだった。
代々、若い学生が住んできたからだろうか。
「ここ」
学生が、廊下の一番奥まったところで、脇の襖を開いた。
思いのほか広い部屋だった。
八畳はあるだろうか。
絵里子のワンルームより、ずっと広く見える。
ベッドがないせいもあるのだろうが。
床には、柄物のカーペットが敷き詰められていた。
おそらくその下は、畳なのだろう。
学生が、窓のカーテンを開けた。
窓のすぐ向こうが、ブロック塀だった。
眺望に関しては、絵里子の部屋と大差ない。
学生は、買って来た紙袋を、文机の上に置いた。
「あ、そうだ。
誰もいないけど……。
いちおう、鍵を掛けるね」
学生は、襖の枠に付いた捻じこみ鍵を差した。
真鍮色の古びた鍵だった。
昔の住人が付けたものなのだろう。
「窓の外は、心配しなくていいから。
玄関側に木戸が付いてて……。
誰も入って来れないようになってる」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2022/04/09 06:18
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今日は何の日
4月9日は、『食と野菜ソムリエの日』。
野菜や果物のある、豊かな食生活を提起する日として……。
『日本ベジタブル&フルーツマイスター協会(現:日本野菜ソムリエ協会)』が制定。
日付は、「し(4)ょく(9)⇒食」と読む語呂合わせから。
野菜や果物の魅力を伝える人材(野菜ソムリエなど)を通じて……。
食を楽しむ社会の実現をアピールし、食事に関して考え、家族と食事をする日に、などがその目的。
現在の『(社)日本野菜ソムリエ協会(https://www.vege-fru.com/)』は……。
東京都中央区築地に事務局を置きます。
同協会が誕生したのは、2001(平成13)年8月のこと。
様々な取り組みを通して……。
「食を日常的に楽しめる社会」「農業を次世代に継承できる社会」を創造していきます。
記念日は、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/104094.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「野菜ソムリエについて」を引用させていただきます。
「野菜ソムリエ」は、『(社)日本野菜ソムリエ協会』が認定する民間資格です。
毎日の食生活に欠かせない野菜や果物の目利き、栄養、素材に合った料理法、盛り付け方など……。
幅広い専門の知識を有してることを認定します。
「野菜ソムリエ」の使命は、「生産者と生活者の架け橋となること」です。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2022/04/09 06:19
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
資格認定は、2001(平成13)年8月にスタートしました。
当初「野菜ソムリエ」は、「ベジタブル&フルーツマイスター」という名称でした。
その後、メディアなどでの露出により、「野菜ソムリエ」が一般的に定着したため……。
2010(平成22)年4月から、親しみやすい名称として「野菜ソムリエ」に改訂されました。
2016(平成28)年時点で、日本全国に5万3000人が資格を有してます。
以上、引用終わり。
野菜。
それにしても最近は、お高いですよね。
半分に割った白菜が、280円くらいします。
丸ごとの白菜は、売ってません。
いくら何でも、500円以上の値札は付けづらいからでしょう。
わたしは、1週間に白菜を丸ごとひとつ食べるんです。
鍋とかじゃありません。
朝です。
漬物。
始めたのは、今年になってからだと思います。
最初は、漬物ではなく、生のレタスでした。
これを、ご飯の前にムシャムシャ食べます。
ご飯を先に食べてしまうと……。
ご飯が真っ先に小腸に降ります。
待ち構えてた小腸は、大喜びで吸収します。
体内に取りこまれてしまうわけ。
これを阻止するためには……。
ご飯を、なるべく後に食べなければなりません。
で、最初はレタス。
これをムシャムシャ食べて、胃の底に敷くわけです。
あ、その前に、野菜ジュースとお味噌汁を飲みます。
どちらも、飲み干してしまいます。
ご飯もおかずも手を付けてないのに、味噌汁椀は空っぽになります。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2022/04/09 06:19
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今日は何の日(つづきのつづき)
続いて、おかず。
たいがい、目玉焼きです。
ほうれん草とベーコンが入ってます。
これも、一気食いしてしまいます。
最後には、白ご飯だけ残ります。
これを、味付け海苔と納豆で食べるんです。
胃の中の、レタスと目玉焼きの上に、ご飯が載る感じ。
丼物の逆さまみたいになってると思います。
これで、ご飯の吸収を遅らせることが出来ます(たぶん)。
小腸も、レタスや目玉焼きを吸収した後ですから……。
ご飯を、全力で吸収はしないんじゃないでしょうか(たぶん)。
で、そのレタス。
そのころから高かったです。
そしたら、春キャベツが出回り始めました。
そっちの方が安い。
ということで、キャベツに乗り替えました。
ところが!
当然のことながら、生キャベツは食べづらい。
なので、漬物にすることにしたんです。
それでも、なかなか歯ごたえがあります。
で、今度は白菜に乗り替えました。
こちらは、格段に食べやすいです。
漬けると柔らかくなりますから。
美味しいです。
でも白菜は、漬けると嵩が減るんですよ。
ということで、週に丸ごとひとつ、食べることになりました。
でも高いので、少し量を減らすことにしました。
買うのは、1/2カット+1/4カット。
つまり、1個の3/4です。
これでも、400円以上しますからね。
こないだの地震が、まだ影響してるんでしょうか。
早く、安くなってもらいたいものです。