2022.4.8(金)
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学生に連れられて降りたのは、急行の停まらない私鉄駅だった。
地上ホームの小さな駅だ。
改札を出ると、踏切があった。
遮断機が下りていた。
向こう側の遮断機との間に敷かれた線路が、黒い川のように見えた。
絵里子は、対岸に立つ人の顔を、ひとりひとり眺めた。
これから処女を捨てに行こうとしている人は……。
間違いなく、誰もいないだろう。
ぼんやりした思考を掻き消すように、電車が通り過ぎた。
かなりのスピードだった。
急行なのだろう。
「ちょっとここで待ってて」
商店街を歩き出したところだった。
学生は、『駅前薬局』という大きな看板を掲げた店に入っていった。
ほどなく戻った学生は、小さな紙袋を手にしていた。
絵里子の耳元で囁いた。
「ちゃんと買って来たよ。
ゴム製品」
10分ほど商店街を歩き、脇道に入った。
クランクのように幾度か小道を曲がった。
ひとりで帰れるだろうか。
「ここなんだ」
学生が立ち止まったのは、一軒家の前だった。
このあたりには珍しい、平屋建てだった。
道路を隔てて、高校らしいグランドがあった。
大木が、防球ネットを越えて枝を広げている。
古い高校なのだろう。
しかし……。
絵里子が想像していたのは、アパートだった。
学生は確か、「僕の部屋に来てくれる?」と言ったのだ。
「友達と、2人で借りてるんだ。
うちのサークルで、代々受け継がれてる貸家なんだよ。
4人くらい住めるんだけどね。
最近はみんな、新しいアパートに住みたがるみたいでさ。
僕の後を引き継いで住んでくれるヤツも、なかなか見つからなくて。
入って。
一緒に住んでる友達は、今日はバイトで遅くなるから」
学生に連れられて降りたのは、急行の停まらない私鉄駅だった。
地上ホームの小さな駅だ。
改札を出ると、踏切があった。
遮断機が下りていた。
向こう側の遮断機との間に敷かれた線路が、黒い川のように見えた。
絵里子は、対岸に立つ人の顔を、ひとりひとり眺めた。
これから処女を捨てに行こうとしている人は……。
間違いなく、誰もいないだろう。
ぼんやりした思考を掻き消すように、電車が通り過ぎた。
かなりのスピードだった。
急行なのだろう。
「ちょっとここで待ってて」
商店街を歩き出したところだった。
学生は、『駅前薬局』という大きな看板を掲げた店に入っていった。
ほどなく戻った学生は、小さな紙袋を手にしていた。
絵里子の耳元で囁いた。
「ちゃんと買って来たよ。
ゴム製品」
10分ほど商店街を歩き、脇道に入った。
クランクのように幾度か小道を曲がった。
ひとりで帰れるだろうか。
「ここなんだ」
学生が立ち止まったのは、一軒家の前だった。
このあたりには珍しい、平屋建てだった。
道路を隔てて、高校らしいグランドがあった。
大木が、防球ネットを越えて枝を広げている。
古い高校なのだろう。
しかし……。
絵里子が想像していたのは、アパートだった。
学生は確か、「僕の部屋に来てくれる?」と言ったのだ。
「友達と、2人で借りてるんだ。
うちのサークルで、代々受け継がれてる貸家なんだよ。
4人くらい住めるんだけどね。
最近はみんな、新しいアパートに住みたがるみたいでさ。
僕の後を引き継いで住んでくれるヤツも、なかなか見つからなくて。
入って。
一緒に住んでる友達は、今日はバイトで遅くなるから」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2022/04/08 05:42
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今日は何の日
4月8日は、『シャボン(せっけん)の香りの日』。
海外ブランド品の輸入卸を手がけ、コスメティックブランド「AQUA SAVON(アクア シャボン)」を発売する……。
『㈱ウエニ貿易(https://www.ueni.co.jp/)/東京都台東区池之端』が制定。
日付は、「シ(4)ャボンの泡(8)」と読む語呂合わせから。
シャボン(ポルトガル語:sabao)とは、せっけんのこと。
強い香りを好まない日本人にとって、シャボンは身近な香りとして愛され続けてきました。
これからも、日本人に寄り添う香りとして……。
「シャボン(せっけん)の香り」を、多くの人に愛し続けてもらうことが目的。
記念日は、2019(平成31)年、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/10408b5.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「“アクア シャボン”について」を引用させていただきます。
「AQUA SAVON(アクア シャボン)https://aquasavon.jp/」は……。
「いいねって、言われる香りが溢れている」をコンセプトに、ブランド展開を行ってます。
爽やかで清潔感のあるシャボンの香りが、日本人の感性にマッチし……。
国内で、これまで未開拓だったライトフレグランス市場を象徴するブランドとして、急激な成長を遂げました。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2022/04/08 05:42
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
現在は、オードトワレをはじめ、ヘアー&ボディミスト、ハンドクリーム、ボディミルク、ボディソープ……。
シャンプー&コンディショナーなど、ラインナップを広げており、多くのファンを獲得してます。
「アクア シャボン」シリーズは、せっけんやシャンプーなど……。
「シャボン」をベースに、多数の香りを取り揃えてます。
「リフレッシュ」「リラックス」「ナチュラル」「スウィート」など……。
今の自分にぴったりな香りを探すことができます。
以上、引用終わり。
確かに、日本人は「シャボン」の香りが好きですよね。
柔軟剤やトイレの消臭剤にも、「石鹸の香り」がありますから。
この香りのするオードトワレなどを出したというのは……。
逆に、目から鱗の発想だったのでは。
特にすごいのは、シャンプーやコンディショナーにも採用したということ。
「石鹸の香りのするシャンプー」ってのは……。
むしろ、なかなか思いつかないんじゃないでしょうか。
でも、そのコンセプト「いいねって、言われる香りが溢れている」。
なんで、「いいねって」の後に読点があるんでしょう?
「いいねって言われる香りが溢れている」でいいのに。
切るならむしろ、「いいね、って言われる香りが溢れている」では?
ははあ。
五七五に載せやすいように、「いいねって」で切ったのかな?
語呂がいいと、覚えやすくなりますから。
しかし、最近はわたし……。
身に着ける香りに、とんと無頓着になりました。
原因は、だいたいわかります。
テレワークです。
家にいるとき、自分の臭いを気にする必要はないですから。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2022/04/08 05:42
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今日は何の日(つづきのつづき)
会社は、週に2,3回行きますが……。
半日で帰ってきます。
帰りの電車はガラ空きで、必ず座れます。
ときには、4人掛けのボックスシートにわたしひとりということも。
なので、臭いを気にすることはありません。
コロナ前の帰りは、終業後ですから……。
かなり混雑した電車です。
1日働いてきた人たちは、それなりの臭いを纏ってます。
つまり、人の臭いが気になるから……。
自分の臭いにも気をつけてたということなんでしょう。
しかし、コロナさん。
実は内心、わたしは……。
終息してほしくないと願ってしまいます。
テレワーク中心の働き方が、楽でしょうがないので。
終日勤めてたときは、仕事が苦痛でした。
でも、今考えてみると……。
仕事自体が苦痛なわけじゃなかったんです。
通勤がイヤだったんですよ。
片道、約45分。
往復で、1時間半。
本くらいは読みますが、無駄な時間と云っていいでしょう。
積み重ねると、バカになりません。
週5日ですから、週に7時間半にもなります。
丸1日分、余計に働いてるようなもの。
東京とかの人は、もっと通勤に時間をかけてるでしょう。
もったいないです。
地方への移住、どんどん進めないと。
衆議院の「10増10減」で、地方の議員数が減らされるようです。
二階さんとか、これに反対する議員も多いみたいです。
でも、反対してるだけじゃダメでしょう。
強引に、地方に人を移す施策を進めなきゃ。
一番いいのは……。
都心の法人住民税を、大幅に上げること。
企業が都心から逃げ出せば……。
社員も、都心を離れざるを得ませんから。