2022.2.23(水)
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身を隠す猶予はなかった。
入って来たのは、少年だった。
ゴミ袋も何も持っていない。
扉から一歩踏みこんだところで、立ちすくんでいた。
無理もない。
目の前で、裸の女が3人、前衛芸術のオブジェのように絡み合っているのだ。
少年は凝固していたが、次第にその顔が歪み……。
ムンクの「叫び」さながらの表情に変じた。
たたらを踏んで後ずさる。
まずい。
扉の外に出られたら、追いかけられない。
絵里子は全裸なのだ。
絵里子は、美咲の後ろから身を躍らせた。
少年に向かって突進する。
少年の顔は、驚愕から恐怖に変わった。
少年は身を翻し、ドアノブに手を掛けた。
絵里子は、大猿のごとくその背中に襲いかかる。
伸ばした手が、少年の後ろ襟に届いた。
思い切り引っ張り寄せる。
ボタンが弾け飛び、視界の端に消えた。
少年の手が、ドアノブから剥がれた。
後ろから抱きかかえる。
少年は、バッタのように暴れた。
しかし、絵里子の膂力から逃れることは出来ない。
そのまま引きずり、後ずさる。
元の場所まで戻ると、少年の身体ごと振り回し、絵里子も反転した。
美咲は、しゃがみこんでいた。
胸を腿に折りたたみ、その脚に腕を回している。
なるたけ裸を見せまいとするポーズなのだろう。
香織は立ちすくんでいた。
もちろん、全裸のままだ。
「こいつ、知ってる?」
「見たことはあります」
「小学生?」
「中坊っすよ。
スクールシャツ、着てますから」
締め抱えたまま少年を見下ろすと、確かに白いカッターシャツ姿だった。
そのポケットに、四角い箱とオレンジのスティック状のものが見えた。
タバコとライターだ。
どうやらここには、タバコを吸いに来たらしい。
子供みたいな体型だが、頭の中は不良気取りか。
「香織。
こいつのズボン、脱がせて」
「え?」
「え、じゃないよ。
こんなとこで素っ裸になってるのを見られたんだよ。
口止めしなきゃならないだろ」
「あ。
写真撮るんすね」
「早くしな」
身を隠す猶予はなかった。
入って来たのは、少年だった。
ゴミ袋も何も持っていない。
扉から一歩踏みこんだところで、立ちすくんでいた。
無理もない。
目の前で、裸の女が3人、前衛芸術のオブジェのように絡み合っているのだ。
少年は凝固していたが、次第にその顔が歪み……。
ムンクの「叫び」さながらの表情に変じた。
たたらを踏んで後ずさる。
まずい。
扉の外に出られたら、追いかけられない。
絵里子は全裸なのだ。
絵里子は、美咲の後ろから身を躍らせた。
少年に向かって突進する。
少年の顔は、驚愕から恐怖に変わった。
少年は身を翻し、ドアノブに手を掛けた。
絵里子は、大猿のごとくその背中に襲いかかる。
伸ばした手が、少年の後ろ襟に届いた。
思い切り引っ張り寄せる。
ボタンが弾け飛び、視界の端に消えた。
少年の手が、ドアノブから剥がれた。
後ろから抱きかかえる。
少年は、バッタのように暴れた。
しかし、絵里子の膂力から逃れることは出来ない。
そのまま引きずり、後ずさる。
元の場所まで戻ると、少年の身体ごと振り回し、絵里子も反転した。
美咲は、しゃがみこんでいた。
胸を腿に折りたたみ、その脚に腕を回している。
なるたけ裸を見せまいとするポーズなのだろう。
香織は立ちすくんでいた。
もちろん、全裸のままだ。
「こいつ、知ってる?」
「見たことはあります」
「小学生?」
「中坊っすよ。
スクールシャツ、着てますから」
締め抱えたまま少年を見下ろすと、確かに白いカッターシャツ姿だった。
そのポケットに、四角い箱とオレンジのスティック状のものが見えた。
タバコとライターだ。
どうやらここには、タバコを吸いに来たらしい。
子供みたいな体型だが、頭の中は不良気取りか。
「香織。
こいつのズボン、脱がせて」
「え?」
「え、じゃないよ。
こんなとこで素っ裸になってるのを見られたんだよ。
口止めしなきゃならないだろ」
「あ。
写真撮るんすね」
「早くしな」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2022/02/23 06:34
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今日は何の日
2月23日は、『富士山の日』。
パソコン通信「Nifty-Serve(ニフティサーブ)」内の同好会「山の展望と地図のフォーラム(FYAMAP)http://fyamap.jizoh.jp/」が……。
1996(平成4)年1月に制定。
これとは別に、山梨県南都留郡河口湖町(現・富士河口湖町)が2001(平成13)年12月に、静岡県が2009(平成21)年12月に制定。
日付は、「ふ(2)じ(2)さん(3)⇒富士山」と読む語呂合わせと……。
この時期、富士山がよく望めることから。
「山の展望と地図のフォーラム」では、オンラインを通じて……。
全国一斉に富士山の見え具合をネット上で報告し合うなど、富士山をテーマとした活動を活発に行ってます。
フォーラムの中に、「富士山の広場」を新設したことがきっかけとなって……。
新設記念イベント「富士山の日」を催しました。
現在、山梨県と静岡県では……。
それぞれ「富士山の日条例」において、「富士山の日」を定めてます。
富士山の豊かな自然、美しい景観、富士山に関する歴史や文化を……。
後世に引き継ぐこと目的としてます。
この日には、山梨と静岡の両県のおいて、富士山の後世継承に向けた運動を全国に広げていくため……。
「富士山の日」フェスタを開催してます。
富士山世界遺産センターによる研究成果発表や、記念講演などが行われます。
記念日は、「山の展望と地図のフォーラム」が制定した日として……。
『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されてます。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2022/02/23 06:34
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今日は何の日(つづき)
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/102232.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「富士山について」を引用させていただきます。
富士山は、日本三名山(三霊山)、日本百名山、日本の地質百選に選定されてます。
また、1936(昭和11)年には、富士箱根伊豆国立公園に指定されてます。
その後、1952年(昭和27年)に特別名勝、2011年(平成23年)に史跡に指定されました。
さらに、2013(平成25)年6月22日には、関連する文化財群とともに……。
「富士山:信仰の対象と芸術の源泉」の名称で、ユネスコの世界文化遺産に登録されました。
日本の文化遺産としては13件目となります。
以上、引用終わり。
「パソコン通信」というのは、懐かしい言葉です。
まだ、インターネットがなかった時代の通信方法。
↓Wikiの説明です(出典⇒https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%BD%E3%82%B3%E3%83%B3%E9%80%9A%E4%BF%A1)。
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パソコン通信とは、専用ソフト等を用いてパソコンとホスト局のサーバ(またはノード、ホスト)との間で、通信回線によりデータ通信を行う手法及びそれによるサービスである。
全盛期は1980年代後半から1990年代で、のちにインターネットが一般ユーザーに開放されたため、徐々に衰退していった。
商用大手としては最後まで残っていたニフティが、2006年3月末でパソコン通信サービス「NIFTY-Serve」を終了した事で、パソコン通信は事実上廃止となった。
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続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2022/02/23 06:35
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今日は何の日(つづきのつづき)
今も、「山の展望と地図のフォーラム」さんは存在してるようですが……。
もちろん、インターネット上での活動です(http://fyamap.jizoh.jp/)。
しかし、『(社)日本記念日協会』に、このフォーラムが記念日登録をしたということは……。
このフォーラムが、登録料の15万円を出したと云うことです。
会員からの寄付なんでしょうね。
さて、富士山。
「この時期、富士山がよく望めることから」というのは羨ましい限りです。
東京の冬の青い空、恋しいです。
富士山は、欧米人にも人気があります。
欧米の山は、山脈であることがほとんど。
火山ではなく、地層の褶曲により出来た山が多いからです。
要は、テーブルに置いた食パンの左右の耳の上を、両手の平で抑え……。
両手を内側に寄せると、真ん中が連なって盛りあがります。
これが、欧米の山。
なので、富士山のような独立峰はとても珍しいのです。
この富士山。
わたしにとっては、悩ましい山です。
何が悩ましいのかと云うと……。
移住候補地の選定にです。
わたしには、冬にお天気の良い土地に移住する夢があります。
当然、終の棲家となりますので……。
場所の選定には、慎重を期したいです。
太平洋に面した地域は、いくらお天気が良くても避けたいです。
大地震による津波が怖いからです。
なので、ちょっと内陸、ぜったいに津波が来ない地域を選びたいわけです。
甲府は、とても魅力的な候補地のひとつになります。
盆地ですから、夏は暑く、冬は寒いです。
でも、冬の寒さは、気温より体感温度が重要。
群馬県の高崎なんかは、空っ風がスゴくて……。
北海道から引っ越した人が、「高崎は寒い」とこぼすほどだとか。
続きはさらにさらに次のコメントで。
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4. Mikiko- 2022/02/23 06:35
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今日は何の日(つづきのつづきのつづき)
甲府は盆地なので、冬の季節風が弱いそうなんです。
風が弱ければ、身体に感じる寒さはそうとう軽減されるはずです。
これは、北海道の旭川にも云えること。
旭川の寒さは、甲府の比じゃないでしょう。
でもそんな土地に、34万人も人が住んでるんです。
旭川もまた、風の弱い地域なんです。
だから住めるんだと思います。
さて、甲府。
晴天率はとても高いようです。
冬に強風も吹かない。
わたしの大好きなワインは豊富。
たぶんですが……。
昼間っからワインを飲んでても、白い目で見られないんじゃないでしょうか。
天国のような土地です。
太宰治が住んだ地という、ミーハー的な喜びもあります。
ただ、唯一と言っていいマイナス材料が……。
富士山なんです。
いや、もちろん景色のことではありません。
太宰の書いたように「風呂屋のペンキ絵みたいで好かない」というわけではないのです。
むしろ、ほんとに富士山が真ん前に見えるお風呂を造りたいくらい。
何がダメなのかと言うと……。
怖いんですよ。
噴火がです。
富士火山の噴火は、781年以後17回記録されてるそうです。
最後の大噴火は、宝永四(1707)年。
今から約300年前のことです。
これまで、一番間隔の空いた噴火は……。
1083年から1511年までの、約400年。
それ以外は、すべてこれより短い間隔で噴火してました。
となれば、最後の噴火から300年経った今は……。
いつ、噴火が起きてもおかしくないと言えるでしょう。
ま、実際に富士山が噴火したら……。
甲府がどうこうどころではなく、関東一円、ダメなんでしょうけどね。