2022.2.7(月)
「ちょっと待った」
「今度は何すっか!」
「ここじゃ、面白みがない。
場所を変えよう」
「えー。
準備万端なのにぃ」
「今日はおまえに主役をやらせてやるよ」
「ほんとっすか」
絵里子は、壁際のサイドチェストの引き出しを開けた。
取り出したのは、美咲のために購入した赤い首輪とリードだった。
夫や息子に見られたら、友達へのプレゼント用だと言うつもりだった。
「これが主役のしるし。
ほら、こっち来て」
香織が起ちあがる。
「ダメだろ、犬が立ったら。
四つん這いで来るんだよ」
「あたし、犬っすか?
主役なんじゃ?」
「犬が主人公のお話だって、いくらでもあるの」
香織は再び床に伏すと、絵里子に向かって這い始めた。
「ダメだって。
膝、着いてたら。
犬が歩くとき、膝着いてる?
違うでしょ。
膝、あげて。
クマ歩き」
クマ歩きは、息子が幼稚園のとき、園でやっていた運動のひとつだった。
文字どおり、手の平と足の裏を使って歩く。
膝は着かない。
「こうっすか?」
香織は膝をあげて歩み出した。
「そのまま、尻をこっちに向けてみな」
香織が姿勢を反転させた。
尻が高々と掲げられている。
「はは。
まさしくお犬さまだね。
肛門丸出しなのが、犬の証しだ」
絵里子は、香織の後ろから脇を通りながら、香織の背中に爪の先を滑らせていく。
「ひぃぃ」
香織の肩から二の腕に、鳥肌が立つのがわかった。
腰を折り、香織の首に赤い首輪を巻きつける。
「今度は何すっか!」
「ここじゃ、面白みがない。
場所を変えよう」
「えー。
準備万端なのにぃ」
「今日はおまえに主役をやらせてやるよ」
「ほんとっすか」
絵里子は、壁際のサイドチェストの引き出しを開けた。
取り出したのは、美咲のために購入した赤い首輪とリードだった。
夫や息子に見られたら、友達へのプレゼント用だと言うつもりだった。
「これが主役のしるし。
ほら、こっち来て」
香織が起ちあがる。
「ダメだろ、犬が立ったら。
四つん這いで来るんだよ」
「あたし、犬っすか?
主役なんじゃ?」
「犬が主人公のお話だって、いくらでもあるの」
香織は再び床に伏すと、絵里子に向かって這い始めた。
「ダメだって。
膝、着いてたら。
犬が歩くとき、膝着いてる?
違うでしょ。
膝、あげて。
クマ歩き」
クマ歩きは、息子が幼稚園のとき、園でやっていた運動のひとつだった。
文字どおり、手の平と足の裏を使って歩く。
膝は着かない。
「こうっすか?」
香織は膝をあげて歩み出した。
「そのまま、尻をこっちに向けてみな」
香織が姿勢を反転させた。
尻が高々と掲げられている。
「はは。
まさしくお犬さまだね。
肛門丸出しなのが、犬の証しだ」
絵里子は、香織の後ろから脇を通りながら、香織の背中に爪の先を滑らせていく。
「ひぃぃ」
香織の肩から二の腕に、鳥肌が立つのがわかった。
腰を折り、香織の首に赤い首輪を巻きつける。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2022/02/07 06:13
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今日は何の日
2月7日は、『長野の日・オリンピックメモリアルデー』。
『(財)日本青年会議所北陸信越地区長野ブロック協議会』が、1998(平成10)年に制定。
1998(平成10)年2月7日(今から24年前)に……。
長野冬季オリンピックの開会式が行われたことを記念したもの。
長野オリンピックの理念が、「自然との共生」であったことから……。
オリンピック後に、「オリンピックメモリアルデー」として、長野の自然と環境を考える日となりました。
記念日は、「オリンピックメモリアルデー」の名称で……。
『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されてます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/102072.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、引用を続けさせていただきます。
長野県議会で、この日を「県民の日」に制定してはどうかとの提案が何度かなされましたが……。
実現には至ってません。
長野オリンピックは、72の国や地域から、選手と役員4638人が参加し……。
延べ144万2700人の観客が会場に集まりました。
日本からは、166人の選手が参加し……。
当時の冬季オリンピック史上最多となる、合計10個(金5・銀1・銅4)のメダルを獲得しました。
以上、引用終わり。
「長野オリンピック」。
もう、24年前ですか。
わたしも歳を取るわけだ。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2022/02/07 06:13
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今日は何の日(つづき)
金メダルの5つは、↓の人たちです。
●船木和喜 スキー・ジャンプ(ラージヒル個人)
●岡部孝信、斎藤浩哉、原田雅彦、船木和喜 スキージャンプ(ラージヒル団体)
●里谷多英 スキー・フリースタイル(女子モーグル)
●清水宏保 スケート・スピードスケート(男子500メートル)
●西谷岳文 スケート・ショートトラック(男子500メートル)
一番、印象に残ってるのは、清水選手ですね。
とにかく、太腿が凄かった。
船木選手のジャンプは、とにかくキレイでした。
里谷選手は、事前に話題になってなかったんじゃないでしょうか。
まさにダークホースが優勝をかっさらた感じ。
話題になってた上村愛子選手は、7位でした。
西谷選手は、申し訳ありませんが、記憶にないです。
ショートトラック競技は、まだメジャーじゃなかったんでしょうね。
今も、多少、そうですけど。
ショートトラック競技を初めて見たオヤジが……。
「東京ボンバーズだ!」と叫んだという話を聞きました。
昔、ローラーゲームという、ローラースケートを履いてトラックで行う競技があり……。
テレビ放映もされて、人気だったとか。
「東京ボンバーズ」は、その強豪チームだったそうです。
長野からは離れますが、最も印象に残ってる金メダリストと云えば……。
荒川静香選手でしょう。
2006(平成18)年のトリノオリンピック。
あ、そうか。
長野より後だったんだ。
今から16年前です。
印象に残ってるわけは……。
このオリンピックでの、日本唯一の金メダルだったからです。
イナバウアー。
大変な流行語になりました。
NHK刈屋富士雄アナウンサーの……。
「トリノのオリンピックの女神は、荒川静香にキスをしました」という実況も話題になりました。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2022/02/07 06:14
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今日は何の日(つづきのつづき)
荒川選手の表彰台での光景も印象に残ってますね。
銀メダルのコーエン(米国)や銅メダルのスルツカヤ (ロシア)より、荒川選手の背が高かったんです。
銀と銅の2人は、子供のような体型でしたが……。
荒川選手一人、大人の身体でした。
実際、金メダルの演技は、技術的には難易度は高くなかったです。
でも、優美さは抜群でした。
あれこそが、フィギアスケートですよ。
↓YouTubeがあります。
https://www.youtube.com/watch?v=6YvgMMOUE9U&t=7s
わたしとしては、片脚を上げたY字バランスの後、脚から手を離すシーンが一番好きです。
手を離しても、高く上げた脚の角度が動かなかったんです。
観客もどよめいてた気がします。
そして、信じがたいほど優美な、イナバウアー。
この技、加点はゼロです。
そもそも、イナバウアーとは、身体を反らせる技じゃないんです。
スケートを180度に開いて、横に滑る技です。
荒川選手は、それをしながら身体を反らせただけ。
なので、難易度の加点はゼロ。
しかし、キレイでした。
イナバウアーに入る直前は、何回見ても鳥肌が立ちます。
コスチュームも素敵でしたね。
あと当時は、おそらく脚を長く見せるためなんでしょうが……。
ストッキングで靴先まで覆うという、妙ちくりんなスタイルが流行ってました。
そんな中、荒川選手の純白のブーツは、とりわけエレガントでした。
そうそう。
あと、曲も良かったです。
プッチーニの「トゥーランドット」という歌劇の中の……。
↓『誰も寝てはならぬ』という曲。
https://www.youtube.com/watch?v=EwlE_qNSWLw
↑パバロッティが歌ってます。
かなり、やかましいですね。
これじゃ、寝れませんよ。