Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
ウルトラウーマン(23)
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「ウルトラウーマン」作:八十八十郎(はちじゅうはちじゅうろう)


(23)リターンマッチ


 先に部屋に入ったグレタは、続いて入ろうとする目加田恵子を片手で止めた。
「ちょっと待って」
 壁に設置された調光ダイヤルを二回りさせると、何かが切り替わる様なカチッと小さな音がした。
「さあどうぞ」
 グレタは愛想なく恵子を部屋に招き入れる。
「これでこの部屋で何があっても、私はベッドで安らかに眠りについてるの」
 奥のダブルベッドにちらりと視線を送ったあと、恵子はグレタを振り返った。
「ダミーの映像と音声に切り替えたのね」
「一緒に入室したのは見られてるけど、室内で何もなければ何とでもいい訳出来るわ」
 薄っすらと笑みを浮かべた恵子に、グレタは相変わらず冷徹な眼差しを返す。
「でも今夜は特別。私の任務であなたに特別な感情を差し挟むなんて思わない事ね」
 無言のまま右手でリビングの椅子を勧めると、グレタはキッチンへと向かった。

「ブランデーでいい?」
「ええ、いただくわ」
 琥珀色に輝くグラスを両手に持って、グレタはそのひとつを恵子に差し出す。
「わざわざ監視役の男どもを喜ばすこともないでしょう? もっとも、あなたはもう随分サービスしたみたいだけどね」
「なるほど、そういうこと………ふふ……」
 ブランデーを口に運びながら恵子は含み笑いを漏らした。
「じゃあ、あたしの好みもばれちゃったってわけね」
「そういうこと」
 ぶっきらぼうに返事をして、グレタもブランデーを口に含む。
 傍らのテーブルにグラスを置いて、恵子はグレタに歩み寄った。
 グレーの視線が恵子の瞳を貫いてくる。
「喜んだのは男達ばかりかしら? もしかしたらあなたも………」
「ふん」
 グレタは小さく鼻で笑う。
「あたしがトレーニングルームに向かう報告を受けて、監視の名目で先回りして待ってたとか……」
 恵子はグレタの手からブランデーグラスを奪った。
「あなたみたいにタフで強面の美人なら、可愛い女性がたくさん好意を持ったはずよ。でもあなたはそんな人たちに、いまいち気が乗らなかった……」
 グレタは恵子の顔を睨む。
「大した観察眼ね。あなた何が言いたいの?」
 見つめ返す恵子の目が妖しく輝いた。
「そんな時、珍しく自分と同じように鍛え上げた女を見て、あなたは身体の火照りを覚えた。何故ならあなたは………、強い女に可愛がられるのが好きだからよ」
 見つめ合った眼差しをグレタは瞬きと共に逸らした。
「もうひとつ付け加えると、あなたに喜びを教えたのは、留学時代の日本の女性ね? ………東洋の女性は久し振り?」
「シャ、シャワーを浴びてくるわ」
 浴室に向かおうとしたグレタの右手を恵子が掴んだ。
 揺らいだグラスからブランデーが床に零れ落ちる。
「お互いに久しぶりみたいだから、シャワーなんてもったいないわ。このままベッドに行きましょう。たっぷりとあなたを味わいたいの」
 目加田恵子はグラスに残ったブランデーを口に含んだ。
 もう一方の手でグレタを抱き寄せ、みっちりと唇を重ね合わせる。
 唾液混じりのブランデーがグレタの喉を二三度波打たせた。
「ふん!」
 興奮で互いの頬を荒い鼻息がなぶる。
 手から滑り落ちたグラスがフロアで音を立てた時、二人の逞しい女はきつくお互いの身体を抱きしめ合っていた。

「ん………んんはあ!!」
 恵子のお尻の間から顔を離すと、グレタは天井に向かって大きな息を吐いた。
 恵子とグレタは、ベッド上で逆さまに抱き合って互いの股間をむさぼり合っていたのだ。
 汗ばんだ肌が薄暗い天井照明の灯りに鈍く輝いている。
「ああまた………」
 グレタは恵子の引き締まったお尻の肉を両手で掴むと、その脇の太ももの肉に噛みつく。
「う!」
 恵子はくぐもった呻きを上げて、吸い付いていたクリトリスの太い筋から唇を離した。
「またいきそうなの? ふう……いいわよ……何度でも………ほら……」
 熱い中に潜り込ませている指の動きを速めながら、再びグレタのものに顔を伏せる。
「あうう…………だめ……ああ……almost there…… cum………」
 長い足に筋を立てて、グレタの背中が反り上がる。
 片手をベッドについて動きを合わせながら、グレタの股間で恵子の顔が細かく左右に揺れた。
「Oohh!! …I'm……I'm cumming!! ……cu~mming!!!」
 オーガズムで鋼(はがね)の身体を激しく痙攣させながら、グレタは恵子の身体もろともベッドに崩れ落ちた。

 まだ快感の名残に震えている乳房に軽く口づけすると、恵子はいそいそとベッドから身を起こす。
 今度は添い寝の姿勢でグレタを抱き寄せ耳元に唇を寄せる。
「うふふ、気持ちよかった? どうやらリターンマッチは、あたしの勝ちみたいね」
 そう囁きながら、恵子は再びグレタの股間に指を忍ばせていく。
「ああ……もう許して恵子……。もうだめ………」
「なにがダメなの、ほら、まだいけるでしょう?」
 肘を張った恵子の右手が小刻みに動き始める。
「Oh no………、you make me cum again(ああだめ……またいかされちゃう)」
「はあはあ………嫌がってもあなたのここは、濡れ濡れであたしに食いついてきてるわよ」
「Ahhhh………だめ………ああもう、すぐいきそう!!」
「ああ……グレタ、あなたすごいわ! 一緒にあたしまで…………!」
 激しく右手を使いながら、恵子は深々とグレタに唇を重ねた。
 口中で二人の舌が絡み合った時、グレタの鍛えられた身体がくねり返った。
「んぐうううう!!!」
 グレタの絶叫を飲み込みながら、恵子は足を足で押さえて右手を使い続ける。
 必死で恵子に抱き着きながら、グレタは目くるめく快感に涙を流した。
 そして何故か恵子も、痙攣を走らせるグレタの太ももに熱い飛沫を浴びせたのである。

 朝食のトーストにかじりつきながら、小林隊長は傍らの目加田恵子を横目で見た。
「目加田さん、昨夜はあまり眠れませんでしたか?」
「え……?」
「い、いや、目が赤く充血してるようだから………」
 恵子は二三度パチパチと瞬きをした。
「映画鑑賞もほどほどにしないと、寝不足では非常時に差し障りが出ますよ」
「あたしは大丈夫。それに小林さんと違って、わたしは実践で………」
 恵子は危うくその口を押えた。
 警護兵2名を従えて食堂に入ってくるグレタの姿が見えたからである。
 グレタは小林と恵子の前に立つと姿勢を正して敬礼した。
「お食事中失礼します。私は警備隊長のグレタと申します」
 小林はグレタの迫力に思わず立ち上がった。
「科学特捜隊隊長の小林です。よろしく」
「グレタさん、よろしくね。昨夜はよく眠れませんでした? 随分と目が赤いけど……」
 恵子は分からないように小林の背中で親指を立てる。
「特に思い当たることはありませんが、ご忠告有難うございます」
 グレタは表情も変えずに恵子に答えた。
「で、何か問題でも?」
 小林はグレタに問いかけた。
「連合本部から、ゼットンが移動を開始したとの連絡が入りました」
「え!!」
 小林と恵子は顔を見合わせた。
「今朝がたアメリカを飛び立って、太平洋越えにアジア方面に向かっているようですが、まっすぐこちらに向かえば今夜にはこちらに到着する予測です。朝食を終えられ次第、指令室に出頭ください。指令本部長がお待ちです」
「わかりました」
 小林は引き締まった表情で頷いた。
「それから、非常時態勢に入りますので、以後行動の統制は強化されます。ご不自由をおかけする場合もありますがご理解ください」
「ちょっと残念……」
 グレタはちらりと恵子に向けた視線を小林に戻すと、鋭い眼差しで敬礼した。
「では、これで失礼します」
 食堂を出て行くグレタの背中を見送りながら、小林は大きなため息をついた。
「思ったより速い展開になる可能性もありますね。飛鳥君とゼットンの件が無関係であればいいが、そちらは矢野さんに頑張ってもらうしかありません」
「そうね。私たちは私たちで頑張りましょうよ、隊長」
 力強い恵子の言葉で、小林はようやく笑みを浮かべて頷いた。
「じゃ、目加田さん。早いとこ朝食を平らげて指令室へ向かいましょう」
 頷き合うと二人は改めて朝食のテーブルに就いた。


「え? う、動いた! そうですか。それで? ええ………まだうちの部署での業務は発生しませんね? はい、はいわかりました」
 穂茂田部長は神妙な顔つきで通話機を机に置いた。
 電話を取り次いだ中山希美も、デスクから立ち上がって穂茂田の様子を窺っている。
「中山君、アメリカにいたゼットンが動き出したそうだ。どうやら最初にウルトラウーマンと接触があったタクラマカンに向かっているらしい」
「そうですか。では早速篠原室長に報告しないと」
「ああ、中山君」
 室長室を出て行こうとする希美を穂茂田は呼び止めた。

「現地作戦に必要な機材の提供が済んだ今、我々が直接関与する業務は発生していない。何か必要が生じれば要望が来る可能性はあるが……」
「はい」
 穂茂田の話に希美は頷いた。
「当初篠原室長から聞いていた2日程度の協力依頼が、もう2週間に渡って延べ6日以上にも上っている。僕も多少の誤差はと思っていたし、真面目に業務に携わっている様子の君にも感謝しているんだが、現在実験室でどのような業務に協力しているんだね?」
 希美は少し顔の火照りを覚えながら口を開く。
「あ、あの、射精テストを始め基本的な実験は終了しまして、今は使用時の問題点の確認と、データ整理のお手伝いが主な業務です」
「そうかそれならいいんだが、まさか夜の夫婦生活のような業務がまだ続いているんじゃないだろうね。君にはご主人もいることだし、いくら業務だとは言っても、僕も少々気が咎めてね。いや、正直な話………」
 希美は小さく咳ばらいをして再び口を開いた。
「ご心配頂いてありがとうございます。いえ、確認とデータ整理のみで、もう実験は終了しています」
 穂茂田の顔に笑みが浮かんだ。
「そうか、分かった。で、残りの作業はあとどれくらいで終わりそうかね?」
「篠原室長に確認しなければ正確には分かりませんが、あと四五日程度じゃないかと……」
「分かった。それを聞いて僕も安心したよ」
「では実験室に報告に行ってきます」
「うん、報告だけなら30分程度で終わるのかな?」
「ええっと、今お尋ねの残り作業の確認もしてきますので1時間程度かと……」
「分かった。ご苦労さん」
 中山希美は笑顔で頭を下げると事務室を出て行った。

「じゃあゼットンが再び動き始めて、クライアントと接触の可能性が出てきたのね?」
 篠原怜子室長はデスクから立ち上がって、壁掛けの鏡でヘアスタイルをチェックしている中山希美に歩み寄る。
「ええ。まだ飛鳥隊員の所在も分からない様ですが、まさかもうセッティングは済んでいて、位置の発信が正常に行われていないなんていうことも……」
「いいえ……」
 振り返った希美と怜子は顔を見合わせた。
「射精したらこちらに分かる仕組みになってるの。それは十分にチェック済みだわ」
「じゃあまだ、ターゲットと接触していないということ……?」
「そうね。接触していないか、まだセットする行為が済んでいないのか………」
 怜子の手が希美の腰のくびれに添えられる。
 長身の怜子の見下ろす視線を嫌って、希美は再び鏡を振り返った。
 仕方なく怜子は希美の背中に寄り添う。
「もう何回になるかしら……?」
 両手を希美の腰から前に回して、怜子は頬を希美の肩先に預けた。

「あなたにそんな隠れた願望があったなんて思わなかった」
 希美の肩先で目を閉じた怜子がつぶやいた。
「それまであたしも気づいていなかったわ」
 希美は鏡の中の自分の瞳の輝きを見つめた。
「あなたに使用者側の実験を持ちかけた時、あなたがすごく興奮しているのが分かった」
 怜子は顔を上げた。
 鏡の中の希美と見つめ合う。
「あなたは愛されるより、女性を愛することに喜びを感じるのよ」
 希美は怜子を振り返った。
 腰を引き寄せると、互いの顔が30センチに満たない距離に向かい合う。
「そしてエリートのあなたは、女性に愛されることに喜びを感じるのね?」
 怜子は希美の顔から10センチの距離に顔を近づけると、ゆっくりと首を横に振った。
「いいえ、私はあなたに愛されることに喜びを感じるの」
 そのまま二人の唇が触れ合わんばかりに近づいた時、希美は怜子の肩を押し返した。
「今日はもう30分しか時間が無いわ。そのままパンツを脱いで、あれを持って来て」
 その声は、もうさっきまでの新妻である希美の声とは違っていた。
 そして怜子が嬉しそうにペニスバンド取りに行く背中を見ながら、自分のパンツをゆっくりと脱ぎ去ったのである。
ウルトラウーマン(22) <目次> ウルトラウーマン(24)

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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2021/11/11 05:52
    • I'm coming!
       本編中、グレタ警備隊長が絶頂時に発する言葉です。
       これは結構有名なフレーズですので、多くの方がご存じかと思います。
       でも、なんで「come」なんでしょう?
       日本語では、そのものズバリ「イク!」ですよね。
       まさに、「昇天します」という宣言でしょう。
       ではなんで、英語では「クル」のか。

       実は、「I'm coming」は、あのときにだけ使うフレーズではないのです。
       普段使いされます。
       ↓どういうときに使うかと云うと……。

       お母さんが、階段の下から呼びかけます。
      「Dinner is ready!(ご飯が出来たわよ)」
       2階にいる子供が応じます。
      「I'm coming!(今行くよ)」

       すなわち、「come」は「イク」なわけです。
       でも、行く方向は、決して天ではありませんね。
       「あなたの方に行きますよ」というのが、「coming」なわけです。
       つまり↑の場面では、お母さんから見て「coming」ということ。

       しかし、これをあのときに使うというのが、ちとわかりかねます。
       交わった状態ですから、身体は密着してます。
       「coming」もへったくれもないわけです。
       唯一、可能性があるとしたら……。
       男性が先にイッちゃってる場合。
       すなわち、わたしもすぐにあなたの側にイキますという意味で……。
       「coming」。
       しかしねー。
       このシチュエーションは、ほとんど起こりえないでしょう。
       すでにイッちゃってる男性が……。
       続いて女性をイカせることは難しいと思えるからです。

       続きは次のコメントで。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2021/11/11 05:52
    • I'm coming!(つづき)
       いろいろネットを調べたところ……。
       どうやら、「coming」の行き先は、お相手ではないようです。
       絶頂の境地。
       そこにわたしは行きますという意味の、「coming」。
       すなわちまさに、日本語の昇天を表す「イク」なわけです。
       あのときの意識は、万国共通ということでしょう。

       なお、本編では……。
       2組の女性同士で、タチとネコが突然入れ替わるというシチュエーションが描かれてます。
       これはあり得ることらしく……。
       「ドンデンが来る」と云うようです。
       もともとは、男性同士の関係で用いられたみたいです。
       最初、女性役(ネコ)を責めるだけだった人(タチ)が……。
       あるとき、何かのきっかけで、責められる(犯される)側になってみた。
       すると、すっかり嵌まってしまい……。
       以来、完全なるネコに変わってしまったというケース。

       ちなみに、なぜ、タチ、ネコと云うのか。
       タチには、2つの説があるようです。

      ①歌舞伎や宝塚で男役を、「立ち役」というので
      ②男性器を「太刀(たち)」に例えた

       どっちですかね。
       わたしとしては、前説の方が納得出来ます。
       ネコも、2説ありました。

      ①工事現場で使う一輪車がネコと呼ばれていることから(仰向けで股を開いた姿に例えて)
      ②女性器の隠語であるプッシーキャットが由来

       わたしはこれも、前説をとりたいです。
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