2021.6.21(月)
●自由課題 『針金傘』

↑クリックすると、大きい画像が見られます。
今回は制作に入る前に、エスキースのレポートを出すことになっていた。私はそのレポートに「あむ」とだけ書いて提出した。
今年度の前期から、いろんな素材で「あむ」という技法で造形してきた。非日常的な行為がいつのまにか日常的な行為になっていた。あむことが生活の一部のような…。
すると、世の中にある「あんで作られているもの」に敏感になった。実用的な「あんで作られているもの」は結構ある。毛糸のセーターや帽子、よく考えれば毛糸でなくても普通の布地も「あむ」(織る)でできている。
かごや籐の家具なんかもそうだ。見た目の美しさもあるだろうけど、通気性のよさなどの利点も考えられているのだと思う。私が特に注目し、心惹かれたのは椅子だった。
パイプ椅子の骨組みだけのとこに、座面と背面をあんで作っている。パイプ椅子は特にすてきな形のものではない普通のパイプ椅子が、そこに「あむ」を加えると魅力的なものになる。そのことに気づけた。
今まで「自分で形を作る」ということばかりしていた。マルセル・デュシャンのようにとまでは行かなくても既製のもの、そのものだけでは特に魅力的でないものに「あむ」という技法を加え魅力的なものを作りたいと思った。そして、わざわざ「あむ」ということを加えているにも関わらず実用的でないものを作りたいと思った。
傘の骨組みを軸に針金であんでいく というのは前からやってみたいと思っていたことだった。友人・Yさんに教育実習の指導案、生徒に一人一本のビニール傘を与え「自分だけの傘」を作る。の話を聞き、おもしろそうやなー私ならどうするやろう。と考えてこれを思いついた。
結局、彼女はこの指導案を実践することはできず残念そうだった。だから私一人でもY先生の課題に乗っかろうと思った。
材料…100円均一で買ったビニール傘、直径2mmのアルミ針金、直径10mm程度の鉄棒
ビニールを外し骨だけにする。とても貧相な姿になった。
↓
支柱から骨を支える部分が三角形で、単純なものの中にメカニカルですてきやと思った。
この部分をどうにか生かしたいと思う。
↓
元ある骨…8本、針金で本数を増やしてあんでいく。
外からも三角部分が見えるように空間を残す。
↓
裾をどうするか考え、やってみては気に入らず何度も考え直し、やり直す。
↓
持ち手はどうするか?プラスチックそのままでは安っぽいし嫌。でも、針金を巻くことしか思いつかない。人の意見も参考にして考える。
元の持ち手は切り落とし、鉄棒につけ換え支柱から全体に針金を巻くことにする。
鉄棒に換えてよかったことは、すきなかたちに曲げて思うようなかたちにできたこと。
重量感のバランスを考えながら、ぴっちりときつくきれいに巻いた。
晴雨兼用(で使えない) 体力勝負 貴婦人の傘になった。
元は100円の傘やのに、高級感が溢れていると思う。
さしたときに、あみ目から入ってくる光の加減がなんとも言えずやわらかですてきだと思った。
貴婦人の繊細さがあるのに、この重さ。最初ちょっとびっくりするほど重くなった。

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今回は制作に入る前に、エスキースのレポートを出すことになっていた。私はそのレポートに「あむ」とだけ書いて提出した。
今年度の前期から、いろんな素材で「あむ」という技法で造形してきた。非日常的な行為がいつのまにか日常的な行為になっていた。あむことが生活の一部のような…。
すると、世の中にある「あんで作られているもの」に敏感になった。実用的な「あんで作られているもの」は結構ある。毛糸のセーターや帽子、よく考えれば毛糸でなくても普通の布地も「あむ」(織る)でできている。
かごや籐の家具なんかもそうだ。見た目の美しさもあるだろうけど、通気性のよさなどの利点も考えられているのだと思う。私が特に注目し、心惹かれたのは椅子だった。
パイプ椅子の骨組みだけのとこに、座面と背面をあんで作っている。パイプ椅子は特にすてきな形のものではない普通のパイプ椅子が、そこに「あむ」を加えると魅力的なものになる。そのことに気づけた。
今まで「自分で形を作る」ということばかりしていた。マルセル・デュシャンのようにとまでは行かなくても既製のもの、そのものだけでは特に魅力的でないものに「あむ」という技法を加え魅力的なものを作りたいと思った。そして、わざわざ「あむ」ということを加えているにも関わらず実用的でないものを作りたいと思った。
傘の骨組みを軸に針金であんでいく というのは前からやってみたいと思っていたことだった。友人・Yさんに教育実習の指導案、生徒に一人一本のビニール傘を与え「自分だけの傘」を作る。の話を聞き、おもしろそうやなー私ならどうするやろう。と考えてこれを思いついた。
結局、彼女はこの指導案を実践することはできず残念そうだった。だから私一人でもY先生の課題に乗っかろうと思った。
材料…100円均一で買ったビニール傘、直径2mmのアルミ針金、直径10mm程度の鉄棒
ビニールを外し骨だけにする。とても貧相な姿になった。
↓
支柱から骨を支える部分が三角形で、単純なものの中にメカニカルですてきやと思った。
この部分をどうにか生かしたいと思う。
↓
元ある骨…8本、針金で本数を増やしてあんでいく。
外からも三角部分が見えるように空間を残す。
↓
裾をどうするか考え、やってみては気に入らず何度も考え直し、やり直す。
↓
持ち手はどうするか?プラスチックそのままでは安っぽいし嫌。でも、針金を巻くことしか思いつかない。人の意見も参考にして考える。
元の持ち手は切り落とし、鉄棒につけ換え支柱から全体に針金を巻くことにする。
鉄棒に換えてよかったことは、すきなかたちに曲げて思うようなかたちにできたこと。
重量感のバランスを考えながら、ぴっちりときつくきれいに巻いた。
晴雨兼用(で使えない) 体力勝負 貴婦人の傘になった。
元は100円の傘やのに、高級感が溢れていると思う。
さしたときに、あみ目から入ってくる光の加減がなんとも言えずやわらかですてきだと思った。
貴婦人の繊細さがあるのに、この重さ。最初ちょっとびっくりするほど重くなった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2021/06/21 09:12
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雨の季節、こんな傘はいかが?
なぜか思い出したのが、学生時代のある午後。
当時は、西武新宿線の「都立家政」という町に住んでました。
その日は、初夏だったと思います。
「都立家政駅」を降りて、狭い商店街を歩いてるとき。
突然の驟雨です。
傘は持ってませんでした。
頭にバッグを載せてみましたが……。
そんなものは、まったく役に立たないほどの雨でした。
ほんとに狭い商店街だったので、お店に軒先もありません。
アパートまでは10分もかからなかったので……。
走り出してみましたが、すぐに手遅れであることに気づきました。
すでにびしょ濡れだったんです。
で、アパートに帰ってから着替えればいいやと……。
頭からバッグを下ろし、悠然と歩き出しました。
顔に瀧のように雨が流れます。
でもこれが、思いのほか気持ち良かったんです。
あんな経験は、あのときだけでしたが……。
K子さんの針金傘を差してたら、もっと爽快だったかもと思いました。
重たそうですから、ジーン・ケリーみたいには踊れなかったとしても。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2021/06/21 09:13
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雨の季節、こんな傘はいかが?(つづき)
K子さんから初めてメールをもらったのが、2012年6月25日。
もう、9年になるんですね。
彼女は大阪府堺市在住で……。
日々の生活がビビッドに綴られたメールは、毎回楽しく読ませてもらってます。
羨ましいのは、ほんとに鉄道の路線が多いことです。
わたしの住むあたりは、JRの信越本線1本ですからね。
そうそう、この「針金傘」。
この作品が添付されたメールをもらったのは、今年の5月25日なんです。
でも、この傘が作られたのは、彼女の学生時代ですから、20年近く前になります。
まだこんなお宝が眠っていたのかと、嬉しくなりました。
もちろん、掲載の許可もいただいてます。
もうひとつご披露。
K子さんご夫婦の入籍日は、2010年5月17日なんです。
つまり、『Mikiko's Room』の開設日2008年5月17日のちょうど2年後。
なので、うちからの「XX周年ありがとうございます」のメールをもらうと……。
「あ、入籍記念日やった」と思い出すそうです。
いずれにしろ、今後とも、メール、楽しませてください。
何だか近ごろは、もうひとつの人生を、大阪で送ってるような気がしてます。
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3. けいこ山▲- 2021/06/22 19:07
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Mikikoさん、いつもいつも本当にありがとうございますorz
『針金傘』は本気で重いですし、雷も落ち兼ねません!!
危険な傘です×
私とのメールで大阪でも暮らしてる二十生活気分味わっていただけてるんですね?!
私は大阪弁しか使えませんが、
Mikikoさんとのやり取りで標準語学ばせていただけてます!
いつかは標準語と大阪弁のバイリンガルになれるでしょうかねぇ?!
今後とも末長くよろしくお願い致しますorz
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4. K子- 2021/06/23 18:42
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ごめんなさいorz
K子と‘けいこ山▲’は同一人物です!!
つい、うっかりハンドルネーム間違って入力してしまいました↓↓
反省します。
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5. Mikiko- 2021/06/24 05:43
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don't mind
反省するほどのことじゃないですよ。
コメント、サンキューでした。