Mikiko's Room

 ゴシック系長編レズビアン小説 「由美と美弥子」を連載しています(完全18禁なので、良い子のみんなは覗かないでね)。
 「由美と美弥子」には、ほとんど女性しか出てきませんが、登場する全ての女性が変態です。
 文章は「蒼古」を旨とし、納戸の奥から発掘されたエロ本に載ってた(挿絵:加藤かほる)、みたいな感じを目指しています。
 美しき変態たちの宴を、どうぞお楽しみください。
管理人:Mikiko
由美と美弥子 3318
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 強烈な臭いだった。
 精液臭なのだが……。
 とうてい、1回夢精した程度の臭いではない。
 眼前にぶら下げた布地は、がびがびに強ばっていた。
 ところどころ、薄茶色に変色している。
 おそらく……。
 最初は、夢精だったのだろう。
 洗濯にもゴミ箱にも出せないので、そのままベッドと壁の隙間に押しこんだのだ。
 部屋のゴミは、各自がキッチンにあるダストボックスに移すことになっている。
 しかし、精液を拭った後のティッシュなどは出しにくいのだろう。
 そのため、夢精したブリーフを、オナニーの後処理用に繰り返し使っているのだ。

 絵里子は、がびがびのブリーフに顔を伏せた。
 深呼吸する。
 気が遠くなりそうだった。
 そのままベッドに倒れこみたかった。
 しかし、ようやく堪える。
 移り香が残れば、息子が気づくかも知れない。
 絵里子は、ブリーフで顔を覆ったまま息子の部屋を飛び出し、夫婦の寝室に向かった。

 セックスレスにはなっているが、狭いマンションでは寝室を別にすることも出来ない。
 ツインベッドが並んでいた。
 昔はくっつけていたのだが、1度大げんかをしたときに離して以来、そのままになっていた。
 夫が帰るのは、絵里子がベッドに入ってからだった。
 夫が寝室に入るころには、絵里子はもう眠っていることが多かった。
 夫が、眠っている絵里子にちょっかいを出したことは、ただの1度もない。
 感心するほどの聖人だ。
 というより、すでに済まして来ているのかも知れない。
 ときどき、背広から香水が匂うことがあった。
 もちろん、気がつかないふりをしている。

 昼間の寝室は、遮光カーテンで覆われていた。
 遮光カーテンだけ半分開く。
 下にはレースカーテンがあるので、外からの視界は気にならない。
 絵里子は、息子のブリーフをベッドに落とした。
 むろん、裸になるためだ。
 カーディガンに手をかけたところで、気が変わった。
 レースのカーテン越しの柔らかな光が、掛け布団に差している。
 そしてそのぬくもりにうずくまる、白いブリーフ。
 精液まみれの。
 穿いてみたいと思った。
 いくらなんでも、妊娠はしないだろう。
由美と美弥子 3317目次由美と美弥子 3319

コメント一覧
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    • ––––––
      1. Mikiko
    • 2021/06/12 06:16
    • 今日は何の日
       6月12日は、『恋と革命のインドカリーの日』。
       1927(昭和2)年6月12日(今から94年前)。
       東京の新宿で、レストラン(喫茶部)を開設し……。
       日本で初めて、「純印度式カリー」を売り出した『㈱中村屋/http://www.nakamuraya.co.jp/』が制定。
       記念日の名前の由来は、中村屋の創業者、相馬愛蔵(あいぞう)・黒光(こっこう)夫妻の娘、俊子にあります。
       俊子は、インド独立運動の活動家「ラス・ビハリ・ボース」と恋に落ち……。
       1918(大正7)年に結婚しました。
       それをきっかけに、インドカリーが誕生したのです。
       記念日は、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されてます。

       上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/106127.html)のページから転載させていただきました。

       さらに同じページから、「インドカリー誕生の歴史について」を引用させていただきます。

       「ラス・ビハリ・ボース(Rash Behari Bose/1886~1945)」は……。
       当時、イギリスの植民地として圧政に苦しんでた祖国インドを救おうと、独立運動を行ってました。
       しかし、インド総督への襲撃をきっかけに、イギリス政府から厳しい追及を受け……。
       1915(大正4)年、日本に亡命しました。

       続きは次のコメントで。

    • ––––––
      2. Mikiko
    • 2021/06/12 06:16
    • 今日は何の日(つづき)
       引用を続けます。

       日本では、アジア開放運動の志士を守ろうという動きが民間で高まってましたが……。
       日英同盟を結んでた日本政府は、ボースに国外退去を命じました。
       ボースを気の毒に思った相馬夫妻は、アジア主義者の巨頭・頭山満の依頼もあり……。
       政府の意に反して、ボースを中村屋の敷地内にあったアトリエで匿(かくま)うこととなりました。
       翌1916(大正5)年、ボースは中村屋を出て隠れ家を転々としますが……。
       その逃亡生活で連絡役を務め、陰で支えたのが相馬夫妻の長女、俊子でした。
       2人は後に結婚し、2人の子どもを授かりますが……。
       逃亡生活の心労がたたり、俊子は1925(大正14)年、26歳の若さで亡くなってしまいました。
       当時、日本に広まっていたカレーはイギリスから伝わった小麦粉を使用したもので……。
       祖国インドのカリーとは別のものでした。
       俊子の死後も中村屋と交流を深めたボースは、本場のカリーを日本に紹介したいとの思いから……。
       1927(昭和2)年6月12日、中村屋で、純印度式カリーを発売したのです。
       このカリーは、中村屋の名物料理となり……。
       「恋と革命の味」として現在に伝わってます。

       以上、引用終わり。

       しかし、俊子が可哀想でなりません。
       亡くなった1925年に26歳と云うことは……。
       ボースが中村屋に匿われた1915年は、16歳だったということになります。
       おそらく箱入り娘で、若い男性が近くにいたこともなかったんでしょうね。
       そこに、異国人の革命戦士が現れるわけですから……。
       虜になるのも、諾なるかなです。

       続きはさらに次のコメントで。

    • ––––––
      3. Mikiko
    • 2021/06/12 06:17
    • 今日は何の日(つづきのつづき)
       ↓夫妻の画像です。
      https://zatsuneta.com/img/106127_02.jpg

       ボースは、予想に反して、かなり恰幅がいいですね。
       快傑ハリマオみたいなタイプを想像してました。
       俊子は丸顔ですが、整った意志の強そうな顔立ちです。

       しかし、気になったのは……。
       なんで、中村屋?
       創業者の苗字は相馬です。
       ↓Wiki(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E5%B1%8B)を見たら、すぐにわかりました。
      +++
       1901年(明治34年)12月 現文京区本郷の東京大学正門前にあったパン販売店中村屋を相馬愛蔵・良夫妻が買い取り、個人経営で創業。
      +++

       さらにわからないことが出て来ました。
       婦人の名前。
       良さんですよね。
       ↑の引用文だと、黒光になってます。
       ↓これもWiki(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E9%A6%AC%E9%BB%92%E5%85%89)に書いてありました。
      +++
       「黒光」の号は、恩師の明治女学校教頭から与えられたペンネームで、良の性格の激しさから「溢れる才気を少し黒で隠しなさい」という意味でつけられたものと言われている。
      +++

       教頭から号をもらうとは、よほど傑出した生徒だったのでしょう。

       続きはさらにさらに次のコメントで。

    • ––––––
      4. Mikiko
    • 2021/06/12 06:17
    • 今日は何の日(つづきのつづきのつづき)
       さて、カレーの話です。
       わたしは、最近こそ食べてませんが、カレーは好きです。
       でももちろん、↓中村屋のは食べたことありません。
      https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E6%9D%91%E5%B1%8B#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:%E6%96%B0%E5%AE%BF%E4%B8%AD%E6%9D%91%E5%B1%8B%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%83%BC.jpg

       ていうか、中村屋のだけでなく……。
       こういう、ルーがアラジンのランプみたいのに入ってるカレーは、未体験な気がします。
       なんで、最初からかけてないんですかね?
       ↓答えが簡単に見つかりました。
      http://www.tbs.co.jp/kodomotel/life/0054.html

       カレーには、カレーライスとライスカレーがあり……。
       ご飯にカレーがかけてあるのが、「カレー・オン・ザ・ライス」で、すなわち、カレーライス。
       ご飯の皿とは別にカレーのルーが出てくるのは、「ライス・アンド・カレー」、すなわちライスカレー。
       さらに、ルーが別になってるのは、イギリススタイルだそうです。
       インドは手づかみですから、ライスとカレーは一緒の皿です。
       中村屋さん、なんでインドカレーを、イギリス式で出したんですかね?
       ま、何となく想像はできます。
       当時、中村屋に通うような人は……。
       スカしたと言ったらなんですが、上流を気取った人たちでしょう。
       手づかみってのは、当時は土人(ピー)の食べ方と認識されてたはず。
       「手でお食べください」とは言えなかったんでしょうね。

    • ––––––
      5. 手羽崎 鶏造
    • 2021/06/13 10:07
    • ボースも相馬家の世話になっていたとは
      初めて知りました。
      黒光の美貌とそれに憧れていた
      荻原碌山(守衛)のことは、ワタシもこの
      コメント欄で触れたように思います。
      信州・安曇野に有る「碌山美術館」の
      黒光がモデルだと言い伝えられる彫象には
      しばし見入ってしまったものです。
      若き日の碌山も世話になっていて、その
      アトリエを利用していたのでしょうね。

    • ––––––
      6. Mikiko
    • 2021/06/13 14:37
    • インドカレー
       新潟駅の近くに……。
       インド人(ネパール人?)のやってるカレー屋があります。
       通勤経路なので、出店時から見てます。
       出店前の改装工事中は、朝、店前でインド人が山菜を売ってました。
       朝の通勤時に、山菜を買うサラリーマンは皆無だったと思いますが。
       でもその逞しさのおかげか、まだ保ってますね。
       コロナになってからは、店頭の扉に……。
       「テイクアウト オケ」の貼り紙が。
       最初は、テイクアウト用の桶を売ってるのかと思いましたが……。
       「オッケー」のことだったようです。
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