2021.5.22(土)
そして……。
コンドームを取りあげる。
縛ってある場合は、破らないよう、丁寧に結び目を解く。
そしてそのまま、玄関脇の壁に埋めこまれた姿見の前に立つ。
家を出る前に、身だしなみを確かめるための鏡だ。
夫や年ごろになった息子は、鏡の前でネクタイを直したりしている。
しかし、絵里子が普段、この前に立つことはなかった。
部屋を出る用事は、買物くらいしかない。
もちろん、着飾ったりはしない。
鏡の前は素通りだ。
いやむしろ、目を背けているのかも知れない。
二重顎の太った主婦が映るだけだから。
しかし、コンドームをゲットした日は違う。
ハレの日だ。
同じように繰り返され、日々太り、日々年老いていく日常。
その灰色の毛糸の束にも似た暮らしの中に、小さなダイヤモンドが光る日。
絵里子は、鏡に微笑みかける。
不様に太った、四十過ぎの女。
夫に相手にされなくなって、もう何年になるだろう。
夫が、絵里子の裸を最後に見たのはいつのことか。
もし今、夫がこの姿を目にしたら……。
そのまま玄関を飛び出し、もう帰って来ないかも知れない。
ふふ。
鏡に笑いかける。
二重顎が愛しい。
コンドームを摘まんだ丸々とした指。
二の腕は丸太のようだ。
体幹は、それに輪を掛けて太い。
ウエストは細らむどころか、ウィスキー樽さながらに膨れている。
乳房は大きいが見事に垂れ、乳首は鳩尾の高さにあった。
最も目立つのは、前方に張り出した腹部だ。
まさに太鼓腹。
脂肪に押し出され、臍が飛び出していた。
その腹を支える二本の脚も、神殿の柱のごとく重厚だった。
そしてその柱の付け根には、淡いブッシュが萌え出ているのだが……。
下腹の肉に覆われ、ほとんど見えない。
もちろん性器も、禁制の秘仏のように隠されていた。
しかし今日は、待ちに待ったご開帳の日だ。
絵里子は、鏡の前に尻を落とした。
背中を、廊下の壁に凭れかける。
片手に摘まんでいたコンドームを、口に咥える。
ゴムの開口部の片側を歯で挟むのだ。
開口部が開いた状態で垂れ下がる。
精液の臭いが、ゆらめきながら立ち昇る。
コンドームを取りあげる。
縛ってある場合は、破らないよう、丁寧に結び目を解く。
そしてそのまま、玄関脇の壁に埋めこまれた姿見の前に立つ。
家を出る前に、身だしなみを確かめるための鏡だ。
夫や年ごろになった息子は、鏡の前でネクタイを直したりしている。
しかし、絵里子が普段、この前に立つことはなかった。
部屋を出る用事は、買物くらいしかない。
もちろん、着飾ったりはしない。
鏡の前は素通りだ。
いやむしろ、目を背けているのかも知れない。
二重顎の太った主婦が映るだけだから。
しかし、コンドームをゲットした日は違う。
ハレの日だ。
同じように繰り返され、日々太り、日々年老いていく日常。
その灰色の毛糸の束にも似た暮らしの中に、小さなダイヤモンドが光る日。
絵里子は、鏡に微笑みかける。
不様に太った、四十過ぎの女。
夫に相手にされなくなって、もう何年になるだろう。
夫が、絵里子の裸を最後に見たのはいつのことか。
もし今、夫がこの姿を目にしたら……。
そのまま玄関を飛び出し、もう帰って来ないかも知れない。
ふふ。
鏡に笑いかける。
二重顎が愛しい。
コンドームを摘まんだ丸々とした指。
二の腕は丸太のようだ。
体幹は、それに輪を掛けて太い。
ウエストは細らむどころか、ウィスキー樽さながらに膨れている。
乳房は大きいが見事に垂れ、乳首は鳩尾の高さにあった。
最も目立つのは、前方に張り出した腹部だ。
まさに太鼓腹。
脂肪に押し出され、臍が飛び出していた。
その腹を支える二本の脚も、神殿の柱のごとく重厚だった。
そしてその柱の付け根には、淡いブッシュが萌え出ているのだが……。
下腹の肉に覆われ、ほとんど見えない。
もちろん性器も、禁制の秘仏のように隠されていた。
しかし今日は、待ちに待ったご開帳の日だ。
絵里子は、鏡の前に尻を落とした。
背中を、廊下の壁に凭れかける。
片手に摘まんでいたコンドームを、口に咥える。
ゴムの開口部の片側を歯で挟むのだ。
開口部が開いた状態で垂れ下がる。
精液の臭いが、ゆらめきながら立ち昇る。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2021/05/22 06:24
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今日は何の日
5月22日は、『うなぎの未来を考える日』。
『㈱鮒忠(ふなちゅう)https://www.funachu.co.jp//東京都台東区浅草』が提唱する「うなぎの未来を考える日」普及推進委員会が制定。
「㈱鮒忠」は、レストラン、フランチャイズ、食品加工販売などの事業を展開する会社です。
日付は、2009(平成21)年5月22日に、マリアナ諸島付近において……。
世界で初めて、天然ニホンウナギの卵を採取することに成功し、うなぎの完全養殖化への道が開けたことから。
限りある天然資源であるうなぎを絶滅から守り……。
うなぎの生態と正しい食文化を広め、後世に残すことが目的。
記念日は、2019(平成31)年、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/105226.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「うなぎの養殖について」を引用させていただきます。
日本では古くから、蒲焼や鰻丼などの調理方法が考案され……。
日本の食文化と深い関わりを持つ魚です。
漁業、養殖ともに日本では広く行われてきましたが……。
現在商業化されている「養殖ウナギ」は、天然稚魚を育てたものです。
養殖に必要となる稚魚は海外から輸入されてますが……。
出所の不透明さが指摘されてるほか、天然資源が枯渇すると養殖不可能になる問題もあります。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2021/05/22 06:25
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
昨今では、天然稚魚の減少もあり、天然稚魚を必要としない受精卵からの「完全養殖」が進められてます。
2010(平成22)年、水産総合研究センターが、受精卵から人工孵化したウナギを親ウナギに成長させ……。
さらに次の世代の稚魚を誕生させるという完全養殖に世界で初めて成功したと発表しました。
その後、孵化直後の稚魚の餌など、様々な問題を解決してきましたが……。
完全養殖の商業化については、コスト面での課題が残されているのが現状です。
以上、引用終わり。
数年前でしたか、うなぎに代わる魚として、ナマズが注目されてました。
近畿大学が進めてたんじゃなかったですか。
で、商業的流通も始まり……。
一部のイオンで買えるという情報もありました。
でも、それきりみたいですよね。
少なくとも、ここらのスーパーのチラシに……。
ナマズの蒲焼きが載ることはありませんでした。
今、ちょっと近大ナマズのその後を検索してみたのですが……。
やはり、味の点で、ウナギとは大きな差があったようです。
ウナギの蒲焼きより、サンマの蒲焼きに似てたそうです。
残念。
サンマの蒲焼きも美味しいものですが……。
値段がサンマ並みでなければ意味がありません。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2021/05/22 06:25
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今日は何の日(つづきのつづき)
これは何回か書いてますが……。
わたしは、鰻屋でウナギを食べたことがありません。
そのうち食べられなくなるんですから……。
1度くらい、食べてみたいという気はあるんですけどね。
イマイチ食指が動かないのは……。
元々、甘いタレが苦手なせいかも知れません。
あ、白焼きってのがあるんですよね。
これなら食べてみたい気がします。
が……。
やはり、ネックとなるのがその値段。
数千円ですよね。
明日から刑務所ということなら、奮発するかも知れませんが……。
そうでもない限り、とうてい自腹を切る気にはなれません。
ま、1度も食べないまま、もう食べられなくなるんでしょうね。
でも、美味しさを知らなければ、未練もないわけです。
諦めもつきます。
さて。
ここでひとこと。
これまた、何度か書いてきてることです。
魚の天然ものと養殖もの。
今もって、養殖が下に見られてる感があります。
何でですかね?
動物の肉では、あり得ないことですよね。
和牛はみんな、養殖ですよ。
野牛より味が劣るなんて、誰も考えないでしょう。
魚だって、そうなんじゃないですか。
過酷な競争下で育つ天然ものより……。
ストレスのない環境で、考えられた餌で育った養殖魚の方が、美味しいと思うんですけどね。
今後、外洋に出ての漁業は……。
外国の漁船や巡視船との遭遇が増え、危険がさらに増していくと思います。
ヘタすりゃ、拿捕されますよ。
養殖に切り替えましょうよ。
後継者問題も考えれば、積極的にそうしていくべきだと思います。