2021.3.5(金)
犬のおしっこには参った。
やはり消毒してもらおう。
「こっち来て」
由美は裾を捲ったまま起ちあがり、女性の後に従った。
かなり恰幅のいい後ろ姿だった。
年齢はいくつくらいなのだろう。
40代くらいには見える。
しかし……。
花柄のワンピースのようなものを着ているのだが……。
裾が異様に短いのだ。
寒くないのだろうか。
そう考えて、はっと気づいた。
寒いどころか、むしろ蒸し暑いのだ。
マンションを出たときは……。
カーディガンを羽織ってきて正解だと思ったほどの夜気だった。
なんだか季節が逆戻りした感じだ。
こんな短時間に、気候が変わることがあるものなのか。
「上がって」
玄関先には、靴やサンダルが無造作に脱ぎ散らかされていた。
子供のものも混じっている。
框を上がったが、スリッパなどはなかった。
廊下は板張りで、つやつやに光っていた。
長年の人の往来で、表面が磨かれたのだろう。
かなり古い家のようだ。
いや、表の造りを見ると、長屋みたいだから……。
貸家なのかも知れない。
「こっち入って」
畳の部屋だった。
茶の間のようだ。
中央に、丸いちゃぶ台が置かれている。
窓がないのは、隣の長屋と接している壁だからだろう。
子供が2人いた。
小学校高学年くらいの男の子と……。
中学年くらいの女の子だ。
男の子はちゃぶ台でノートを広げている。
宿題のようだ。
女の子は仰向けに寝転がって、本を読んでいた。
しかし今どき、これほど今風でない子供がいることに驚いた。
男の子は丸刈りだった。
おじさんでも着ないような、襟にラインが入ったポロシャツに、半ズボン姿。
やはり消毒してもらおう。
「こっち来て」
由美は裾を捲ったまま起ちあがり、女性の後に従った。
かなり恰幅のいい後ろ姿だった。
年齢はいくつくらいなのだろう。
40代くらいには見える。
しかし……。
花柄のワンピースのようなものを着ているのだが……。
裾が異様に短いのだ。
寒くないのだろうか。
そう考えて、はっと気づいた。
寒いどころか、むしろ蒸し暑いのだ。
マンションを出たときは……。
カーディガンを羽織ってきて正解だと思ったほどの夜気だった。
なんだか季節が逆戻りした感じだ。
こんな短時間に、気候が変わることがあるものなのか。
「上がって」
玄関先には、靴やサンダルが無造作に脱ぎ散らかされていた。
子供のものも混じっている。
框を上がったが、スリッパなどはなかった。
廊下は板張りで、つやつやに光っていた。
長年の人の往来で、表面が磨かれたのだろう。
かなり古い家のようだ。
いや、表の造りを見ると、長屋みたいだから……。
貸家なのかも知れない。
「こっち入って」
畳の部屋だった。
茶の間のようだ。
中央に、丸いちゃぶ台が置かれている。
窓がないのは、隣の長屋と接している壁だからだろう。
子供が2人いた。
小学校高学年くらいの男の子と……。
中学年くらいの女の子だ。
男の子はちゃぶ台でノートを広げている。
宿題のようだ。
女の子は仰向けに寝転がって、本を読んでいた。
しかし今どき、これほど今風でない子供がいることに驚いた。
男の子は丸刈りだった。
おじさんでも着ないような、襟にラインが入ったポロシャツに、半ズボン姿。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2021/03/05 05:58
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今日は何の日
3月5日は、『スチュワーデスの日』。
1931(昭和6)年3月5日(今から90年前)。
『東京航空輸送社(後に「大日本航空」に吸収)』が実施した……。
日本初のスチュワーデス採用試験の結果が発表されました。
「エアガール」という呼び名で募集され、2月5日に試験が行われました。
140人の応募に対し、合格者は3人でした。
その3人は、「東京-下田-清水」間の定期旅客路線に新卒として採用されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/103053.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「スチュワーデスについて」を引用させていただきます。
「スチュワーデス(stewardess)」とは、旅客機に乗り込み接客サービスを行う女性客室乗務員のことで……。
船舶の司厨員に由来する「スチュワード(steward)」の女性の呼称です。
現在では、テレビドラマなどの影響もあり……。
性差のない語である「キャビンアテンダント」または「CA(シーエー)」と呼ばれることが多くなってます。
ただし、「cabin attendant」は和製英語で……。
英語では、「フライトアテンダント(flight attendant)」、あるいは集合名詞で「キャビンクルー(cabin crew)」と呼ばれます。
これに伴い、日本語訳では「客室乗務員」という言葉が正式とされるようになりました。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2021/03/05 05:58
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
客室乗務員の新卒採用倍率は数十倍は当たり前の人気職業であり、なるための難易度は高いです。
客室乗務員になるためには……。
実践的な英語を含む語学力、容姿、学歴、マナー、教養、体力など総合的な能力が求められます。
また、客室乗務員専用の制服はデザイン性も高く、その制服に憧れを持つ人も少なくありません。
以上、引用終わり。
なるほど。
どうして「スチュワーデス(stewardess)」と呼ばれなくなったのか、初めてわかりました。
女性という性が特定された呼称だったからなんですね。
スチュワーデスは、女の子が最も憧れを持ちやすい職業のひとつでしょう。
昔は、スチュワーデスを主人公としたテレビドラマがありましたし。
今は、子供のころから、飛行機で旅行する機会も少なくないでしょう。
その機内で颯爽と働くスチュワーデスの姿を目にし……。
憧れを抱くようになった女の子も多いんじゃないですか。
スチュワーデスという職業は、女優や歌手よりも、ずっと現実的な目標となるはずです。
目指すために、やらなければならないことも、ある程度具体的にわかります。
容姿は置いといて……。
語学力、学歴、マナー、教養、体力などは、努力すれば身に付けられるものです。
なので、子供のころからの目標を持ち続けたまま、就職活動に望むという人もいるはずです。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2021/03/05 05:59
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今日は何の日(つづきのつづき)
それが……。
コロナで一変してしまいました。
狭き門なのは、もとより覚悟だったでしょうが……。
今は、門さえ閉ざされてしまいました。
新規採用、ゼロです。
子供のころからの目標を、目の前で奪われた喪失感はいかばかりでしょう。
ほんとに可哀想です。
簡単には、別の道に進めないんじゃないですか。
切り替えるなんて、容易じゃないです。
でも、採用が再開されるのを待ち、就職浪人するのも考えもの。
そのときの新卒の方が、圧倒的に有利でしょうし。
すでにスチュワーデスの職に就いてる人も、大変なようです。
関連会社への出向を余儀なくされてる方もおられるとか。
電話応対みたいな仕事とか。
ま、そういう能力は高いでしょうから……。
出向先では重宝されるでしょうが。
とにかく、ワクチンが劇的に効いて……。
早く、元どおりの日常が戻ってくることを祈るしかありません。
以下、余談。
スチュワーデスに関連した思い出です。
社員旅行でした。
わたしの後ろの方に座ってた部長が、スチュワーデスさんを呼び止めようとして……。
「看護婦さん」と言ったんです。
部長は、冗談を言うような人ではありませんでした。
ふと、口に出てしまったのでしょう。
やっぱり、「制服」という共通点からですかね。
もちろん、背もたれに頭を潜して笑いましたよ。
隣の子と、「どんな店に通ってるんだ」ってね。
旅行の思い出はほとんど忘れましたが……。
この「看護婦さん事件」は、今でも頭に残ってます。