2021.1.16(土)
「思い出すわ、独身時代。
わたしも、あなたの歳のころは、そんな暮らしだった。
10年も前かしらね」
「もっとだろ。
20年前じゃないか」
「バカ言わないで。
十数年よ。
でもあなた、どうして結婚しないの?」
「どうしてと言われても……」
「あー、そうよね。
わたしもそうだったもの。
でももう、その質問もされなくなってきたんじゃない?」
「はい。
めっきり減りました」
「逆に、気を使われて、話題を逸らされるって感じよね」
「ありますあります。
結婚してる友達仲間としゃべってても……。
わたしの前で、結婚生活の話はタブーだって雰囲気」
独身時代が長かったという共通点のせいか……。
2人は、ずいぶんと気が合ったようだ。
自分で言ったとおり、槻本くんの呂律は、だんだんと怪しくなってきた。
「気持ち良くなると、舌が回らなくなっちゃって。
コントの酔っ払いみたいでしょ。
だから飲み会だと、無意識にブレーキかけちゃうんです」
「家に帰って、飲み直すんじゃない?」
「あたりです!
飲まずにいられるかって感じですよね。
だからわたし、週の途中の飲み会って嫌いなんですよ。
翌日に残っちゃうから。
週末、最高!
いつまで飲んだっていいんですから」
「そうよね。
わかるわかる。
わたしもそうだったから。
じゃ、今夜も最高の夜にしましょう。
だから、今日はお泊まりね」
「え、そんな」
「あなた絶対、脚に来てるわよ。
バスだって、もう無いんじゃないの?」
「タクシー、呼んでもらえれば」
「こんな色っぽい酔っ払い乗せたら……。
運ちゃん、ヘンな気を起こすかもよ」
「そんな」
「たぶんあなた、車内で寝ちゃうんじゃないの。
気持ち良く揺られてると」
「あー、あの揺れ、抗いがたいですよね」
「当然、スカートの膝は開いてしまう」
「ありますあります。
わたし、考えたことがあるんですよ。
バッグの側面にアダプターみたいなのが付いてて……。
それを両側に開くと、ちょうど膝を挟めるみたいな。
見た目は、バッグを膝に載せてるとしか見えない。
特許、取ろうかな」
わたしも、あなたの歳のころは、そんな暮らしだった。
10年も前かしらね」
「もっとだろ。
20年前じゃないか」
「バカ言わないで。
十数年よ。
でもあなた、どうして結婚しないの?」
「どうしてと言われても……」
「あー、そうよね。
わたしもそうだったもの。
でももう、その質問もされなくなってきたんじゃない?」
「はい。
めっきり減りました」
「逆に、気を使われて、話題を逸らされるって感じよね」
「ありますあります。
結婚してる友達仲間としゃべってても……。
わたしの前で、結婚生活の話はタブーだって雰囲気」
独身時代が長かったという共通点のせいか……。
2人は、ずいぶんと気が合ったようだ。
自分で言ったとおり、槻本くんの呂律は、だんだんと怪しくなってきた。
「気持ち良くなると、舌が回らなくなっちゃって。
コントの酔っ払いみたいでしょ。
だから飲み会だと、無意識にブレーキかけちゃうんです」
「家に帰って、飲み直すんじゃない?」
「あたりです!
飲まずにいられるかって感じですよね。
だからわたし、週の途中の飲み会って嫌いなんですよ。
翌日に残っちゃうから。
週末、最高!
いつまで飲んだっていいんですから」
「そうよね。
わかるわかる。
わたしもそうだったから。
じゃ、今夜も最高の夜にしましょう。
だから、今日はお泊まりね」
「え、そんな」
「あなた絶対、脚に来てるわよ。
バスだって、もう無いんじゃないの?」
「タクシー、呼んでもらえれば」
「こんな色っぽい酔っ払い乗せたら……。
運ちゃん、ヘンな気を起こすかもよ」
「そんな」
「たぶんあなた、車内で寝ちゃうんじゃないの。
気持ち良く揺られてると」
「あー、あの揺れ、抗いがたいですよね」
「当然、スカートの膝は開いてしまう」
「ありますあります。
わたし、考えたことがあるんですよ。
バッグの側面にアダプターみたいなのが付いてて……。
それを両側に開くと、ちょうど膝を挟めるみたいな。
見た目は、バッグを膝に載せてるとしか見えない。
特許、取ろうかな」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2021/01/16 06:26
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今日は何の日
1月16日は、『ヒーローの日』。
広告業務などを手がける『㈱電通(https://www.dentsu.co.jp/)/東京都港区東新橋』が制定。
日付は、「ヒ(1)ー(1)ロー(6)」と読む語呂合わせから。
アニメや映画の世界における「ヒーロー」を、さらに多くの人に愛してもらい……。
その存在を、世の中に浸透させることが目的。
記念日は、2018(平成30)年、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/101169.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「ヒーローについて」を引用させていただきます。
ヒーロー(hero)とは、英雄、勇士、華々しく活躍した人、敬慕される人物や……。
神話、小説、演劇などの男性主人公のこと。
女性の場合は、ヒロイン(heroine)と呼ばれます。
ヒーローの多くは、普通の人を超える力、知識、技術を持ち……。
それらを用いて、一般社会にとって有益とされる行為、いわゆる救世主としての行いをします。
多くの物語では、これを阻止しようとする悪役、敵役が共演することになります。
また、突出した能力を持っていない場合でも、何らかの形で英雄的行為をすることがあります。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2021/01/16 06:26
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今日は何の日(つづき)
最近の映画、漫画、アニメでは、ヒーローは特別な力を持たない普通の人物で、社会から迫害されていて……。
しかし、最後にはそれに打ち勝つというような例も多くなってます。
さらに、近年顕著な傾向ですが、ヒーローはすべてを救えないときもあります。
そのとき描かれる人間性の輝きが、人の心を惹きつけるのです。
以上、引用終わり。
「ヒ(1)ー(1)ロー(6)」は、ちょっと苦しいですね。
それなら、11月6日でもいいわけだ。
なんで、1月にしたんですかね。
11月6日には、目立った記念日もないし、狙い目だと思うのですが。
ま、1月16日も、記念日的には空いてる日ではありますが。
でも、薄着のヒーローには、ちと寒すぎる季節です。
ヒーローとヒロインでは、少しニュアンスが違いますね。
ヒロインの場合……。
「悲劇のヒロイン」など、むしろ運命に翻弄される女性として描かれる場合があります。
しかし、それに打ち勝っていく女性。
朝ドラのヒロインですかね。
典型的なのが、『おしん』でしょう。
外国ものでは、『嵐が丘』のスカーレット・オハラとか。
映画では、ヴィヴィアン・リーが演じました。
華奢で、まさに手弱女(たおやめ)の風情がありました。
わたしは、テレビ放送されたときに、見た記憶があります。
一番、頭に残ってるシーンは……。
洋服を仕立てるのに、召使いの黒人女性にウエストサイズを測らせるシーン。
「48㎝です」「やだ、また太っちゃったわ」
ありえねー。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2021/01/16 06:26
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今日は何の日(つづきのつづき)
↓このヴィヴィアン・リーを詠んだ短歌があります。
●ヴィヴィアン・リーと鈴ふるごとき名をもてる手弱女の髪のなびくかたをしらず
歌人は葛原妙子。
「幻視の女王」と呼ばれた歌人です。
↓代表歌。
●他界より眺めてあらばしづかなる的となるべきゆうぐれの水
↓わたしは、こんな歌も好きです。
●晩夏光おとろへし夕 酢は立てり一本の壜の中にて
話が、大きく逸れてしまいました。
ヒロインに対し、ヒーローは……。
やはり、強くて格好良いイメージです。
「ヒーローはすべてを救えないときもあります」というのは、やめてほしいです。
悪人を滅ぼし、善人はすべて救って、大団円。
これでなけりゃ。
やっぱり、日本最強のヒーローは、水戸黄門なんじゃないでしょうか。
このごろでは、時代劇は、ほとんど見られなくなってしまいました。
時代劇のいいところは、勧善懲悪です。
カタルシスを得られること。
時代劇を見て1日を終えることで……。
モヤモヤした感情が払拭され、ぐっすり眠れたんだと思います。
リタイアしたら、『時代劇専門チャンネル』契約しようかな。
これを見ながら、湯豆腐で一杯。
至福のときじゃないでしょうか。