2020.11.9(月)
わたしは、それに応えて下から突きあげる。
「出る、出る、出る、出る……。
出る!
が。
がが」
「来てる。
来てる!
昭夫の熱いのが……。
来てるぅぅぅぅ。
わきゃ。
あきゃきゃ」
たちまち機関車は、ガタガタと音を立てて分解する。
しかし、これが夫婦の呼吸なのか……。
2人の身体が、床に落ちることはなかった。
わたしは椅子に凭れたまま。
志津子はわたしに抱きついたまま。
そのままの姿勢で喪神するのだ。
死の瞬間も、こうありたいものだと思う。
夕食の席は、ほぼ毎日、そんな案配だったので……。
まったく思いつかなかったのかも知れない。
1戦を終え、自分の椅子に戻った志津子が、隣との壁に目をやりながら、ぽつりと言った。
「吉崎さん、毎晩、ひとりで食事してるのよね」
「だろうね」
「ひょっとしたら……。
テーブルに、ご主人の遺影を置いてたりして」
そう言った途端、志津子が涙を零した。
「どうしたんだ」
「想像しちゃった。
もし、昭夫が死んじゃったら……。
わたしもそうなるのかなって」
「そしたら、吉崎さんと暮らせばいいよ。
寂しくないだろ。
身体も、慰め合えるんだし」
「あ、それもそうだわね」
「はは。
おれも遺影になって置かれるのか」
「しっかり見せてあげるわ。
2人の濡れ場」
「そんなの見せられたら、成仏できないな。
化けて出なきゃ」
「どうぞ。
歓迎しますよ」
「はは」
「ねえ。
冗談はさておき……。
吉崎さんを、わが家の夕食に誘ったらどうかしら?
可哀想よ。
毎晩、1人じゃ」
「そうだな。
服は、着てた方がいいのかな?」
「当たり前でしょ」
丸テーブルは、もともと椅子とセットだった。
椅子は4脚あった。
普段、丸テーブルには、2脚しか置いていない。
余った2脚は、壁際で小物置きになっている。
お客があるときは、それを持ってくればいいだけだ。
翌日さっそく、志津子は、吉崎さんに夕食を共にする話をしたそうだ。
吉崎さんは、一瞬、ためらった風だったが……。
上目遣いに、「いいの?」と応えたと云う。
それがいじらしくて可愛くて、またその場に押し倒したそうだ。
体力的には、吉崎さんの方が遙かに上のはずだ。
容易く押し倒されると云うことは、本人にその気があるということだ。
ひょっとしたら、Mの気もあるのかも知れない。
「出る、出る、出る、出る……。
出る!
が。
がが」
「来てる。
来てる!
昭夫の熱いのが……。
来てるぅぅぅぅ。
わきゃ。
あきゃきゃ」
たちまち機関車は、ガタガタと音を立てて分解する。
しかし、これが夫婦の呼吸なのか……。
2人の身体が、床に落ちることはなかった。
わたしは椅子に凭れたまま。
志津子はわたしに抱きついたまま。
そのままの姿勢で喪神するのだ。
死の瞬間も、こうありたいものだと思う。
夕食の席は、ほぼ毎日、そんな案配だったので……。
まったく思いつかなかったのかも知れない。
1戦を終え、自分の椅子に戻った志津子が、隣との壁に目をやりながら、ぽつりと言った。
「吉崎さん、毎晩、ひとりで食事してるのよね」
「だろうね」
「ひょっとしたら……。
テーブルに、ご主人の遺影を置いてたりして」
そう言った途端、志津子が涙を零した。
「どうしたんだ」
「想像しちゃった。
もし、昭夫が死んじゃったら……。
わたしもそうなるのかなって」
「そしたら、吉崎さんと暮らせばいいよ。
寂しくないだろ。
身体も、慰め合えるんだし」
「あ、それもそうだわね」
「はは。
おれも遺影になって置かれるのか」
「しっかり見せてあげるわ。
2人の濡れ場」
「そんなの見せられたら、成仏できないな。
化けて出なきゃ」
「どうぞ。
歓迎しますよ」
「はは」
「ねえ。
冗談はさておき……。
吉崎さんを、わが家の夕食に誘ったらどうかしら?
可哀想よ。
毎晩、1人じゃ」
「そうだな。
服は、着てた方がいいのかな?」
「当たり前でしょ」
丸テーブルは、もともと椅子とセットだった。
椅子は4脚あった。
普段、丸テーブルには、2脚しか置いていない。
余った2脚は、壁際で小物置きになっている。
お客があるときは、それを持ってくればいいだけだ。
翌日さっそく、志津子は、吉崎さんに夕食を共にする話をしたそうだ。
吉崎さんは、一瞬、ためらった風だったが……。
上目遣いに、「いいの?」と応えたと云う。
それがいじらしくて可愛くて、またその場に押し倒したそうだ。
体力的には、吉崎さんの方が遙かに上のはずだ。
容易く押し倒されると云うことは、本人にその気があるということだ。
ひょっとしたら、Mの気もあるのかも知れない。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2020/11/09 06:33
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今日は何の日
11月9日は、『換気の日』。
電機産業の持続的発展のための施策立案、推進などを行う『(社)日本電機工業会(JEMA)https://www.jema-net.or.jp//東京都千代田区一番町』が、1987(昭和62)年に制定。
日付は「いい(11)くう(9)き⇒いい空気」と読む語呂合わせから。
最近の住宅は、アルミサッシの普及などで気密性が高く……。
十分な換気が行われず、結露やカビが発生することもあります。
そこで、もう一度、室内の換気を見直してもらうことが目的。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/111092.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、引用を続けさせていただきます。
湿気の多い環境は誰もが嫌なものです。
しかし室内では、一日あたり10リットル以上……。
牛乳瓶にして75本分もの水蒸気が、毎日発生してます。
これを放っておくと、外気との温度差によって結露が生じ……。
建物だけでなく、私たちの身体にも影響を与える可能性があります。
住まいと大切な家族の健康を守るためにも、居室換気が大切です。
以上、引用終わり。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2020/11/09 06:34
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今日は何の日(つづき)
今は、室内を換気することが習慣づいてきましたね。
もちろん、新型コロナウィルス対策としてです。
新潟で象徴的だったのは、電車です。
この4月まで、新潟の電車のドアは、手動開閉でした。
こうなったのは、東日本大震災からです。
要は、ホームに停まってるときドアが開けっぱなしでは……。
冷暖房効率が悪く、無駄な電気を使ってしまう。
ということで、停車中の電車のドアが閉められるようになったんです。
もちろん、開けっぱなしにもしておけます。
でも、新潟の人は行儀がいいので……。
乗りこむとたいていの人は、ドアを閉めてました。
昔は、文字どおり、引き戸のようにドアをスライドさせて閉めてたんですよ。
でも、けっこう重いんです、これが。
なのでかどうかわかりませんが……。
その後、急速に電車が新型に入れ替わりました。
で、ドアの開閉は、ボタン式になったんです。
ドアの脇に、「開」「閉」それぞれのボタンが付いてて、これで操作します。
あ、これは車内の話ね。
車外には、「開」のボタンしかありません。
車外からドアを閉める用事はないですから。
ボタンになってからは、手でスライドさせるより遙かに楽になりました。
でも、いいことばかりじゃありません。
ボタンを押すと、大音響でチャイムが鳴るようになったんです。
これは、ドアに寄りかかったりしてるアホに注意を促すためです。
ドアの開くことに気づかないと……。
いきなり開いたドアから、ホームに転げ落ちることがあるからです。
YouTubeで、そんな動画を見た気がします。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2020/11/09 06:34
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今日は何の日(つづきのつづき)
で、新潟の人は、お行儀がいい。
乗るときに、車外から「開」を押します。
ピンポンピンポン。
乗った後、車内の「閉」を押します。
ピンポンピンポン。
1人乗りこむと、2回ピンポンが鳴るわけです。
これがあなた、次々と続いたらどうなると思います?
ピンポンピンポン。
ピンポンピンポン。
ピンポンピンポン。
ピンポンピンポン。
ピンポンピンポン。
ピンポンピンポン。
3人乗っただけで、このありさまです。
ドアの脇にいると、やかましくてたまりません。
ほんとにイヤでしたね、あれは。
そんならドアから離れて奥に入れと言いたいでしょう。
でも、それも困るんです。
降りにくくなるから。
冬になったら、またボタン式が復活するんじゃないかと思ってましたが……。
どうも、その気配はありません。
コロナ対策、まさにこれからの季節が正念場ですからね。
しかし、会社が寒いのはどうにかしてほしいです。
入口のドア、開けっぱなしですから。
でも、換気が習慣づいてきたら……。
石油ストーブの需要、増えませんかね。
あれの弱点は、定期的に換気をしなければならないこと。
ついうっかり忘れてると、事故に繋がります。
でも、人々が換気をおっくうがらなくなったら……。
石油ストーブを敬遠する必要、なくなったんじゃないですか。
エアコンを主暖房にして、石油ストーブを補助暖房にすれば……。
コロナの冬も、暖かく乗り切れるでしょう。
みなさん、コロナ(新潟県三条市)の石油ストーブ、買いましょう。
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4. 手羽崎 鶏造- 2020/11/09 09:47
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<本篇より>
人はSかMかで峻別されるのでは
ないそうです。
Mの人はSの魔性も持ち合わせている
からで、表裏一体のようです。
なので、SM性が強いか、薄いかで
峻別されるのが正しいそうな。
ワタシですか?そりゃもうSM性の
強い奥さまが好みですよ
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5. Mikiko- 2020/11/09 11:58
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SからM……
MからS。
突然、転換することがあるそうです。
「どんでんが来る」と称されてたような。