2020.10.24(土)
「ひ」
吉崎さんが跳ね起きた。
畳に尻をついた姿勢のまま、胸を腕で抱えこんで丸まった。
歪んだ顔を、太い二の腕に伏せている。
恥ずかしさのあまり、声も出ないようだ。
わたしは一瞬、引き戸を閉めて踵を返そうとした。
しかし、思いとどまった。
もしこのまま帰ってしまったら……。
次に会ったとき、気まずすぎる。
吉崎さんは、口も利いてくれないかも知れない。
わたしは引き戸を開き、身を滑りこませた。
後ろ手で、引き戸を閉じる。
縦枠が柱にあたる音が、人ごとみたいに聞こえた。
仏壇の遺影で、ご主人が微笑んでいた。
吉崎さんの傍らに膝を付く。
「吉崎さん」
「いや……」
吉崎さんは、いっそう深く丸まろうとした。
ほんとにはち切れそうな身体だ。
やっぱり、ある程度歳を取ったら太った方がいいようだ。
皮膚が張り切っている。
「吉崎さん。
まだイケてないでしょ。
わたしが手伝ってあげるから」
「そんな」
「あなた、オナニーの経験、あんまりないんじゃないの?」
「……」
「わたしは独身が長かったから……。
経験は、うん十年よ。
大丈夫。
恥ずかしいことじゃないんだから。
いえ、むしろ立派よ。
ご主人に操を立てて、自分でやってるなんて。
ご主人も、わたしに言ってくれてるわ。
百合枝をイカせてやってくれって」
百合枝というのは、もちろん吉崎さんの名前だ。
吉崎さんは、くびを左右に振りながら、身体を抱えるばかりだ。
自分だけ裸でいるのが恥ずかしいのかも知れない。
「わたしも脱ぐから」
わたしはその場に立つと、着ているものを大急ぎで脱ぎ捨てた。
最後のショーツの股間は、ほとんど透き通っていた。
もちろん、しとどに濡らしたせいだ。
「吉崎さん。
こっち見て。
わたしもぜんぶ脱いだわよ」
吉崎さんが跳ね起きた。
畳に尻をついた姿勢のまま、胸を腕で抱えこんで丸まった。
歪んだ顔を、太い二の腕に伏せている。
恥ずかしさのあまり、声も出ないようだ。
わたしは一瞬、引き戸を閉めて踵を返そうとした。
しかし、思いとどまった。
もしこのまま帰ってしまったら……。
次に会ったとき、気まずすぎる。
吉崎さんは、口も利いてくれないかも知れない。
わたしは引き戸を開き、身を滑りこませた。
後ろ手で、引き戸を閉じる。
縦枠が柱にあたる音が、人ごとみたいに聞こえた。
仏壇の遺影で、ご主人が微笑んでいた。
吉崎さんの傍らに膝を付く。
「吉崎さん」
「いや……」
吉崎さんは、いっそう深く丸まろうとした。
ほんとにはち切れそうな身体だ。
やっぱり、ある程度歳を取ったら太った方がいいようだ。
皮膚が張り切っている。
「吉崎さん。
まだイケてないでしょ。
わたしが手伝ってあげるから」
「そんな」
「あなた、オナニーの経験、あんまりないんじゃないの?」
「……」
「わたしは独身が長かったから……。
経験は、うん十年よ。
大丈夫。
恥ずかしいことじゃないんだから。
いえ、むしろ立派よ。
ご主人に操を立てて、自分でやってるなんて。
ご主人も、わたしに言ってくれてるわ。
百合枝をイカせてやってくれって」
百合枝というのは、もちろん吉崎さんの名前だ。
吉崎さんは、くびを左右に振りながら、身体を抱えるばかりだ。
自分だけ裸でいるのが恥ずかしいのかも知れない。
「わたしも脱ぐから」
わたしはその場に立つと、着ているものを大急ぎで脱ぎ捨てた。
最後のショーツの股間は、ほとんど透き通っていた。
もちろん、しとどに濡らしたせいだ。
「吉崎さん。
こっち見て。
わたしもぜんぶ脱いだわよ」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2020/10/24 06:28
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今日は何の日
10月24日は、『マーガリンの日』。
「マーガリン」などの食用加工油脂を製造販売する会社で構成される『日本マーガリン工業会(http://www.j-margarine.com/)/東京都中央区日本橋』が制定。
日付は、マーガリンの生みの親であるフランス人「イポリット・メージュ=ムーリエ(Hippolyte Mege-Mouries、1817~1880年)」の誕生日が10月24日であることから。
植物性、動物性の油脂を原料としたマーガリンの、ソフトな風味や舌触りの良さ、美味しさをより多くの人に伝えることが目的。
記念日は、2016(平成28)年、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されてます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/110246.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、引用を続けさせていただきます。
バター(butter)は、牛乳から分離したクリームを練って固めた食品です。
マーガリン(margarine)は、高価だったバターの代替として作られた加工食品です。
1869年、ナポレオン3世は、当時フランスで不足していたバターの代替品を募集しました。
これに採用されたのが、化学者であったムーリエのアイデアで……。
上質な牛脂に牛乳などを加えて冷やし固め、バターに似せて作ったものでした。
これが現在のマーガリンの原型となりました。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2020/10/24 06:28
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
マーガリンは英語で「margarine」ですが、これはギリシャ語で「真珠」を意味する「margarite」に由来します。
製造途中にできる脂の粒子が、美しい真珠の粒のように見えたことから、その名前が付けられたとされます。
マーガリンの原料は、様々な種類の上質な油脂です。
そのうち、大豆油、なたね油、コーン油、パーム油、ヤシ油、綿実油、ひまわり油など、植物油が約60%を占めます。
動物性の油で主なものは魚油のほか、国産の豚脂、牛脂などが使われてます。
以上、引用終わり。
マーガリンは、学校給食で出て来てましたね。
冷えてても柔らかく、パンに塗りやすかったです。
味は、悪いと思ったことはないです。
家では米飯だったので、バターに馴染みがなかったせいでしょうか。
手に付くと、にちゃにちゃしたのは……。
油が原料だったからなんですね。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2020/10/24 06:29
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今日は何の日(つづきのつづき)
一時期、マーガリンが身体に悪いように言われました。
あれは、原料が油脂だからだったんですかね?
ネット検索すると、今でもそう言われてました(「マーガリン 体に悪い」で検索)。
どうやら、「トランス脂肪酸」というのを含むのが良くないようです。
悪いことばかり書いてありました。
いわく……。
トランス脂肪酸は、悪玉(LDL)コレステロールを増やし、善玉(HDH)コレステロールを減らす。
動脈硬化を促進し、心疾患の危険性を高める。
免疫機能の低下やアレルギー疾患の増加、発がんのリスクを高める。
認知症、糖尿病との関連など。
小学校で、ずっと食べてきたんですけど。
もう、取り返しがつきませんよね。
ただ今は、トランス脂肪酸を含まないマーガリンも、発売されてるみたいですね。
そういうのを選べばいいわけでしょう。
でもそれなら、バターを買えばいいだけじゃんという気もしますが。
そういえば食パン、長らく食べてませんね。
バターを塗ったトースト、休みの日のお昼に食べてみるかな。
電子レンジで焼けますかね?