2020.10.17(土)
「今日はね、とっておきの報告があるの。
わかったのよ、謎が」
志津子は、思わせぶりにニヤリと笑った。
目尻の皺が愛しかった。
「わかったって、何が?」
「隣の吉崎さん。
なんで、あなたを見ると、おかしな態度になるのか」
「じゃ、疑いは晴れたってわけだ。
昔の知り合いじゃないかっていう」
「うん。
完全無実だった。
知りたい?」
「もちろん」
「じゃ、あとでもう1回やって」
「厳しいなぁ」
「うそおっしゃい。
あのね、このマンションの扉……。
共用廊下の音がよく聞こえるでしょ?」
「あぁ。
また玄関でやろうって云うの?」
「その話じゃないわよ。
きのうの午前中。
お洗濯終えて、ボーッとテレビを見てたときよ」
「いいね、専業主婦は」
「おかげさまで。
そしたらね、廊下ですごい音がしたのよ。
ガンガラガンって」
「ずいぶん古めかしい擬音だな。
何の音?」
「わたしも何だろうと思って。
ドアチェーン掛けたまま、隙間から覗いてみたのよ、廊下。
そしたら、吉崎さんよ。
廊下の床いっぱいに、店開きみたいに散らばったものを拾ってた。
驚いて出てみたわ。
どうやら、買物帰りにエコバッグの底が抜けたみたいなの。
大きな音がしたのは、ビールの缶が落ちたのね。
バッグの底が抜けてるから、詰め直せないでしょ。
だから、わたしも手伝って拾ったわけ。
で、抱えたまま吉崎さんのお家にお邪魔したの。
荷物をダイニングテーブルに並べたら……。
ビールの多さに驚いたわ。
3パック分よ。
あれじゃ、バッグの底も抜けるわ。
それでつい、ご主人、ビール好きなのねって言ったの。
そしたら、うん、好きだったって。
“だった”よ。
過去形でしょ。
今は止めたのかしら?
でも、そんならこのビールは何って。
頭の疑問が顔に出たんでしょうね。
吉崎さん、微妙な真顔になってね。
ちょっと奥の部屋を見てくださるって。
何だか気味悪かったけど、ついていったのよ」
わかったのよ、謎が」
志津子は、思わせぶりにニヤリと笑った。
目尻の皺が愛しかった。
「わかったって、何が?」
「隣の吉崎さん。
なんで、あなたを見ると、おかしな態度になるのか」
「じゃ、疑いは晴れたってわけだ。
昔の知り合いじゃないかっていう」
「うん。
完全無実だった。
知りたい?」
「もちろん」
「じゃ、あとでもう1回やって」
「厳しいなぁ」
「うそおっしゃい。
あのね、このマンションの扉……。
共用廊下の音がよく聞こえるでしょ?」
「あぁ。
また玄関でやろうって云うの?」
「その話じゃないわよ。
きのうの午前中。
お洗濯終えて、ボーッとテレビを見てたときよ」
「いいね、専業主婦は」
「おかげさまで。
そしたらね、廊下ですごい音がしたのよ。
ガンガラガンって」
「ずいぶん古めかしい擬音だな。
何の音?」
「わたしも何だろうと思って。
ドアチェーン掛けたまま、隙間から覗いてみたのよ、廊下。
そしたら、吉崎さんよ。
廊下の床いっぱいに、店開きみたいに散らばったものを拾ってた。
驚いて出てみたわ。
どうやら、買物帰りにエコバッグの底が抜けたみたいなの。
大きな音がしたのは、ビールの缶が落ちたのね。
バッグの底が抜けてるから、詰め直せないでしょ。
だから、わたしも手伝って拾ったわけ。
で、抱えたまま吉崎さんのお家にお邪魔したの。
荷物をダイニングテーブルに並べたら……。
ビールの多さに驚いたわ。
3パック分よ。
あれじゃ、バッグの底も抜けるわ。
それでつい、ご主人、ビール好きなのねって言ったの。
そしたら、うん、好きだったって。
“だった”よ。
過去形でしょ。
今は止めたのかしら?
でも、そんならこのビールは何って。
頭の疑問が顔に出たんでしょうね。
吉崎さん、微妙な真顔になってね。
ちょっと奥の部屋を見てくださるって。
何だか気味悪かったけど、ついていったのよ」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2020/10/17 06:32
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今日は何の日
10月17日は、『沖縄そばの日』。
生麺(沖縄そば、ラーメン、餃子の皮)を製造してる会社で組織される『沖縄生麺協同組合(http://www.oki-soba.jp/)/沖縄県那覇市』が、1997(平成9)年に制定。
1978(昭和53)年10月17日(今から42年前)……。
公正取引協議会により「沖縄そば」の名称の表示が特殊名称として登録許可され、全国麺類名産・特産品に指定されたのを記念した日。
沖縄生麺協同組合は、1975(昭和50)年に設立された組織です。
美味しくて安全な生麺の製造を通して、沖縄の食文化である「沖縄そば」がさらに多くの人に愛されるよう……。
沖縄そば屋の紹介、沖縄そば教室など様々な活動を行ってます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/110174.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「沖縄そばについて」を引用させていただきます。
「沖縄そば」は、中華麺に由来する製法の麺を使用した、沖縄県の郷土料理です。
沖縄の方言では「うちなーすば」と呼ばれます。
沖縄県内では単に「そば」または「すば」とも。
「農山漁村の郷土料理百選」にも選ばれてます。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2020/10/17 06:32
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
「そば」という名称は「支那そば」に由来するものなので、植物の「ソバ」とは無関係で……。
蕎麦粉ではなく、小麦粉のみで作られます。
発祥については諸説ありますが、県民食として大々的に普及したのは戦後のことです。
麺は太めで、ややねじれたうどんのようなものが一般的で……。
スープはほとんどの場合、豚だしと鰹だしのブレンドです。
トッピングには豚の三枚肉と沖縄かまぼこ、小ねぎを用いることが多いですが……。
豚のあばら肉(ソーキ)や豚足(てびち)なども用いられます。
また、紅しょうが、薄焼き卵、結び昆布、干し椎茸の甘煮などが添えられることもあります。
以上、引用終わり。
もちろん、食べたことはありません。
ラーメンの一種と考えていいんでしょうね。
蕎麦は冷涼な気候の土地で作られるので、蕎麦粉ではないというのは納得です。
今でもお年寄りは、「ラーメン」を「そば」と云いますよね。
「支那そば」を持ち出さなくても、「中華そば」という言い方がありますし。
「うちなーすば」の「すば」は、「そば」が変化したものなのでしょう。
一瞬、「すぱ(スパゲッティ)」の変化かと思いましたが、違いますよね。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2020/10/17 06:34
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今日は何の日(つづきのつづき)
【Mikiko】今日は何の日(つづきのつづき)
「沖縄そば」の麺と中華麺との違いは、↓のとおり(WIKI⇒https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E3%81%9D%E3%81%B0)。
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沖縄そばと一般的な中華麺の大きな違いとしては、ゆで上げた麺に油をまぶし、冷水で締めずに自然冷却するという点があげられる。
これは麺に油を吸わせることで保存性を高めるという冷蔵庫のない時代に生まれた知恵であるが、この工程が沖縄そば独特の表面が固くボソボソとした食感を生んでいる。
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なるほど。
冷蔵庫の無い時代の沖縄では、保存性が重要だったでしょうね。
あと、1点。
「沖縄かまぼこ」が気になりました。
どうやら揚げたかまぼこで、いわゆる「さつま揚げ」のようです。
沖縄、いつか行ってみたいです。
首里城が再建されたころかな。
行ってはみたいですが……。
住む気にはなりません。
台風が怖いことと、ウチナータイム(沖縄時間)に馴染めないだろうからです。
会合などが、開始予定時刻から遅れて始まるんですよね。
新潟は真逆で、予定時刻に行くと、もう終わってることさえあります。
沖縄そばは、新潟駅前にも食べられるお店があるようです。
ただし居酒屋なので、お昼には無理みたいですが。
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4. 手羽崎 鶏造- 2020/10/17 10:00
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美味なものへの執着は、管理人さまと
ワタシでは両極端なのだと思います。
費用と時間をかけることに躊躇いはありません。
それを投資と考えて、ご婦人との会話のネタに、
時にはお誘いの材料にもなります。
沖縄そば、訪沖する度に一度は食しています。
旭橋ターミナルにほど近い「あさひ」が贔屓店
ですが、コロナ禍前に読谷村の地元民向け
マーケットで食べたセルフの沖縄そば
(自分で茹でる)100円の美味さが忘れられません。
オカズは揚げたて白身フライとか別に選べば
いいので、最高の昼食でした
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5. Mikiko- 2020/10/18 06:24
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100円!
なんで、そんな値段で出来るんでしょう。
あ、茹でるのも自分なんですか。
じゃ、人件費ゼロのわけですね。
白身フライはいいですね。
わたしは練りものがあまり好きじゃないので……。
トッピングを選べるのは魅力です。