2020.9.30(水)
男がダイニングテーブルに戻ると、もう新しいグラスが用意されていた。
「シャンパン、開けてちょうだい。
ポンって飛ばして」
「その開け方、マナー違反だそうだよ」
「いいじゃない。
お店じゃないんだから。
クリスマスのとき、いつも父親がやってくれてたの。
子供のころ、1年で1番、わくわくするイベントだったわ」
「天井にあたったら、傷が着くかも知れないよ」
「いいわよ、どうせ石膏ボードなんだから」
「それじゃ」
男は、シャンパンの頭を天井に向け、栓を少しずつ緩めた。
ポン!
派手な音とともに、コルクが天井を打った。
男は、コルクがあたったあたりのボードを確認したが……。
どうやら傷にはならなかったようだ。
「ほら、零れちゃう」
女性は、自分のグラスを差し出した。
噴き零れるボトルネックを、グラスに傾ける。
男は、自分のグラスにもシャンパンを注いだ。
「それじゃ、改めて乾杯ね」
「何に乾杯する?」
「考えて」
「じゃあ……。
2人の前途に」
「ほほ。
わたしにはもう、そんなに先はないわよ」
「まだ、平均寿命まで30年もあるじゃない。
前途洋々だ」
「そうね。
それじゃ、前途洋々な2人に……」
「乾杯」
「乾杯」
グラスのあたる音が軽やかに響き、テーブルが華やいだ。
男は、グラスのシャンパンを一気に飲み干した。
シャンパンを飲んだのは、いつ以来だろう。
東京の会社にいたころ、創立記念のパーティーで飲んで以来かも知れない。
空のグラスに、女性がシャンパンを注ぎ足す。
湧きあがる細かい気泡のように、男の心も浮き立っていた。
あの男と別れるのなら……。
もうこの女性は自分だけのものになるのだ。
そうだ。
もしだったら、一緒に住んでもいい。
「シャンパン、開けてちょうだい。
ポンって飛ばして」
「その開け方、マナー違反だそうだよ」
「いいじゃない。
お店じゃないんだから。
クリスマスのとき、いつも父親がやってくれてたの。
子供のころ、1年で1番、わくわくするイベントだったわ」
「天井にあたったら、傷が着くかも知れないよ」
「いいわよ、どうせ石膏ボードなんだから」
「それじゃ」
男は、シャンパンの頭を天井に向け、栓を少しずつ緩めた。
ポン!
派手な音とともに、コルクが天井を打った。
男は、コルクがあたったあたりのボードを確認したが……。
どうやら傷にはならなかったようだ。
「ほら、零れちゃう」
女性は、自分のグラスを差し出した。
噴き零れるボトルネックを、グラスに傾ける。
男は、自分のグラスにもシャンパンを注いだ。
「それじゃ、改めて乾杯ね」
「何に乾杯する?」
「考えて」
「じゃあ……。
2人の前途に」
「ほほ。
わたしにはもう、そんなに先はないわよ」
「まだ、平均寿命まで30年もあるじゃない。
前途洋々だ」
「そうね。
それじゃ、前途洋々な2人に……」
「乾杯」
「乾杯」
グラスのあたる音が軽やかに響き、テーブルが華やいだ。
男は、グラスのシャンパンを一気に飲み干した。
シャンパンを飲んだのは、いつ以来だろう。
東京の会社にいたころ、創立記念のパーティーで飲んで以来かも知れない。
空のグラスに、女性がシャンパンを注ぎ足す。
湧きあがる細かい気泡のように、男の心も浮き立っていた。
あの男と別れるのなら……。
もうこの女性は自分だけのものになるのだ。
そうだ。
もしだったら、一緒に住んでもいい。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2020/09/30 06:06
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大相撲9月場所総括
正代の初優勝で幕を閉じました。
しかし、意外感はありません。
優勝するべくして成ったという感じです。
わたしは、7月場所後の『由美と美弥子 3099(https://mikikosroom.com/archives/41426739.html)』のコメント「大相撲7月場所総括」で、↓のように書いてます。
+++
その中でも特筆すべきは、東関脇の正代だと思います。
化けたんじゃないですか。
+++
このコメントは、遅きに失した感さえあります。
まず、身体が大きくなりました。
上半身の充実ぶりは、すでに横綱級です。
もともと、東京農大2年のときに学生横綱になったという逸材ですからね。
大関は、通過点じゃないかと思います。
今の横綱とも、すでに互角以上に戦えるんじゃないですか。
鶴竜なんか、相手にならないかも。
今日が、大関昇進の伝達式のようです。。
直前3場所の合計は32勝で、目安となる33勝には1番足りません。
でも、まったく問題ないですよ。
すでに、大関としての力量があるかどうかを見極める段階じゃないですから。
朝乃山戦での強さなんか、怖いほどでした。
さて。
恒例の、幕内と十両の入れ替え予想に移っていきたいと思いますが……。
そのためには、幕尻の枚数を確定させなければなりません。
それには、三役の人数を算出する必要があります。
なので、総括を兼ねて、そのあたりから見ていきます。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2020/09/30 06:07
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大相撲9月場所総括(つづき)
まず、横綱。
2人とも初日から全休。
この2人が横綱をやってられるのは……。
ひとえに、新しい横綱が出ないからです。
しかし、鶴竜は崖っぷちですね。
次に出たときは、もう途中休場は許されません。
即、引退でしょう。
続いて、大関。
貴景勝。
12勝したのには驚きました。
上出来です。
先場所、カド番脱出を決めると同時に休場したのを見て……。
今場所は、とうてい二桁は勝てないだろうと思ってました。
しかし、上を目指すのは止めた方がいいです。
横綱になってしまったら、おそらく20代で引退でしょう。
朝乃山。
初日からの3連敗から、10連勝したときは……。
優勝の可能性もあるんじゃないかと思いました。
でも終盤、正代、貴景勝に力負け。
力量の上昇カーブが、頭打ちになった感があります。
正代には、抜き返されたんじゃないでしょうか。
この人は、表情からもわかるとおり……。
気が優しいんでしょうね。
大魔神が化ける前の顔です。
でも、相撲は格闘技です。
土俵に上がったときは……。
化けた後の大魔神になってもらいたいものです。
正代が大関昇進しますので、来場所は3大関となります。
正代以外の関脇。
御嶽海。
8勝7敗でした。
千秋楽、「正代-翔猿」戦が組まれた結果……。
正代との対戦がなくなりました。
あったらおそらく、負け越してたでしょう。
大関候補からは、外さなきゃならないかも知れません。
大栄翔。
5勝10敗。
どこか怪我してたんじゃないですかね。
来場所は、平幕から再チャレンジです。
小結。
隠岐の海、4勝11敗。
遠藤、3勝9敗3休。
この2人は、やむを得ない成績だと思います。
ということで、三役からは3人が平幕陥落です。
残るのは、御嶽海のみ。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2020/09/30 06:07
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大相撲9月場所総括(つづきのつづき)
三役への昇進候補としては……。
まず、隆の勝【西前頭筆頭】10勝5敗。
おにぎりみたいなまん丸顔ですが、急激に強くなりました。
貴景勝と同部屋です。
出稽古が禁止されてたので、この2人で稽古に励んだんじゃないでしょうか。
来場所は、関脇間違いなしです。
続いて、照ノ富士【東前頭筆頭/8勝5敗2休】。
この人はやはり、膝が終盤まで保たない感じですね。
確実な昇進はこの2人。
あとは、数字的には届かなくなります。
高安【前頭六枚目/10勝5敗】。
小結昇進には、1番足りません。
若隆景【前頭八枚目/11勝4敗】。
こちらも、1番足りず。
霧馬山【前頭五枚目/9勝4敗2休】。
この人は、2番足りません。
しかし霧場山、再出場して3連勝したのはスゴいです。
このへんが、モンゴル力士の気持ちの強さでしょう。
やっぱり、昇進は高安でしょうね。
ということで、三役以上は……。
横綱が2、大関が3、関脇が2、小結が2。
計9人。
幕内の定員は、42人。
従って、平幕は33人。
東西に割ると、17人と16人。
幕尻は、17枚目ということになります。
さてそれではまず、幕内から十両に落ちそうな力士から。
↓の【】内は、「現在の前頭枚数+(負け数-勝ち数)」です。
この数値が、幕尻の17を超えれば、概ね陥落です。
それでは、幕内から十両に落ちそうな力士から。
西前頭十四枚目・阿炎(0勝0敗15休【+29】)
東前頭十六枚目・旭大星(2勝3敗10休【+27】)
西前頭十一枚目・琴奨菊(2勝10敗3休【+22】)
西前頭十五枚目・松鳳山(5勝10敗【+20】)
西前頭十三枚目・石浦(4勝4敗7休【+20】)
東前頭十五枚目・志摩ノ海(6勝9敗【+18】)
6人もいます。
続きはさらにさらに次のコメントで。
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4. Mikiko- 2020/09/30 06:08
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大相撲9月場所総括(つづきのつづきのつづき)
続いて、十両から幕内に上がりそうな力士。
【】内は、「現在の十両枚数-(勝ち数-負け数)」です。
これが、「1」より小さければ、概ね昇進です。
西十両二枚目・琴ノ若(9勝6敗【-1】)
十両十一枚目・千代の国(14勝1敗【-2】)
なんと!
2人しかいません。
これじゃ、帳尻が合わせられませんから……。
無理してあげなきゃなりませんね。
候補は、↓のとおり。
東十両二枚目・琴勇輝(8勝7敗【+1】)
東十両四枚目・千代翔馬(9勝6敗【+1】)
西十両六枚目・天空海(10勝5敗【+1】)
あとは、ちょっと苦しいですね。
上の3人は数字的に同じです。
誰かを上げ、誰かを残すのは……。
ちょっと難しい。
さらに落とす方でも……。
松鳳山と石浦が同点です。
志摩ノ海は、陥落を免れるでしょう。
ということで、わたしの結論は、↓のとおり。
まず、十両陥落。
西前頭十四枚目・阿炎(0勝0敗15休【+29】)
東前頭十六枚目・旭大星(2勝3敗10休【+27】)
西前頭十一枚目・琴奨菊(2勝10敗3休【+22】)
西前頭十五枚目・松鳳山(5勝10敗【+20】)
西前頭十三枚目・石浦(4勝4敗7休【+20】)
続いて、幕内昇進。
西十両二枚目・琴ノ若(9勝6敗【-1】)
十両十一枚目・千代の国(14勝1敗【-2】)
東十両二枚目・琴勇輝(8勝7敗【+1】)
東十両四枚目・千代翔馬(9勝6敗【+1】)
西十両六枚目・天空海(10勝5敗【+1】)
続きはさらにさらにさらに次のコメントで。
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5. Mikiko- 2020/09/30 06:08
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大相撲9月場所総括(つづきのつづきのつづきのつづき)
さて、最後に新潟県出身力士の結果。
わたしは、『由美と美弥子 3120(https://mikikosroom.com/archives/41676320.html)』のコメント「大相撲9月場所展望」で、↓のように書きました。
+++
豊山と王輝。
どちらかが負けても、どちらかが勝ってくれれば、気分も相殺されます。
でも、両方負けて、2倍凹むということも、大いに考えられますね。
そうだ。
1勝1敗なら、まずまずとして喜ぶことにしましょう。
2勝なら、大喜び。
凹むのは、2敗のときだけ。
これだと、勝ち負け4通りの組み合わせの中で……。
喜び以上が3通り。
つまり、4分の3の確率で、喜べるわけです。
あ、そうでもないか。
これはあくまで、勝ち負けが50%のときだけ成立する確率ですね。
もし、2人とも全敗なら……。
15日間、凹みっぱなし!
くそ!
あり得る!
+++
ほぼ、この最後の危惧どおりになってしまいました。
十両の王輝は、なんと15戦全敗。
幕内の豊山は、2勝6敗7休。
2人合わせて、2勝でした。
王輝はもちろん、幕下陥落です。
ひょっとしたらもう、戻って来れないかも。
豊山は、15枚目くらいまで下がります。
十両の釜の蓋が開いてます。
そんな中、希望がひとつ。
幕下で、佐渡市出身の寺沢(高砂部屋)が、全勝優勝したんです。
42枚目ですから、まだ十両には届きませんが……。
来場所は、おそらく幕下一桁の番付になるはず。
同部屋の大関・朝乃山とガンガン稽古して……。
ぜひ来場所は、勝ち越してほしいものです。