2020.9.28(月)
「また来年の、娘さんの誕生日なんて言わないでよ。
彼氏が来ない日は、ほかにもあるでしょ」
「そうね。
これからはたぶん……。
ずっとね」
「え?
どういうこと?」
「別れることになったの。
奥さんがね、乳がんになっちゃったんだって。
幸い早期発見だったから、切らなくてもいいみたいなんだけど。
でも彼は……。
罰が当たったと思ってるみたい。
しかも自分じゃなくて、奥さんが身代わりに罰を受けたって。
頭を下げられたわ。
これからは、奥さん孝行をするんだって。
罰なら、わたしに当たればいいのにね。
あ、脅迫を受けたか。
でも結局、実害なしだったけど。
逆に、若いツバメが手に入っちゃって」
「それでいいの?
このまま別れて」
「この年で修羅場は御免だわ。
熨斗付けて返してあげます、奥さんに。
これまでだって、独占してたわけじゃないけどね」
「いいじゃない。
代わりにぼくがいるんだから」
「ほほ。
ずいぶん言うようになったわね。
大した成長よ」
「あなたのおかげで、一気に大人になった気がする」
「そうね。
これがほんとの育ての親だわ。
あら、もう開いちゃったわね。
そうだ。
改めて乾杯しましょ。
シャンパンがあるの。
グラスちょうだい。
替えるから」
「このままでいいよ。
洗い物が増えるだけじゃない」
「ふふ。
やっぱり、独り身の癖が抜けてないわね。
食洗機だから、グラスの1個や2個、関係ないわよ」
女性は、グラスを持ってテーブルを立った。
「少し涼しくなったかしら」
片手で肩を摩った。
「何か羽織るなんて言わないでよ。
せっかくの裸のパーティーなんだから。
エアコン、上げてくる」
男は、一続きのリビングにあるローテーブルに向かった。
エアコンのリモコンが、新聞の上に載っていた。
拾いあげ、設定温度を上げる。
駆動音が止まった。
彼氏が来ない日は、ほかにもあるでしょ」
「そうね。
これからはたぶん……。
ずっとね」
「え?
どういうこと?」
「別れることになったの。
奥さんがね、乳がんになっちゃったんだって。
幸い早期発見だったから、切らなくてもいいみたいなんだけど。
でも彼は……。
罰が当たったと思ってるみたい。
しかも自分じゃなくて、奥さんが身代わりに罰を受けたって。
頭を下げられたわ。
これからは、奥さん孝行をするんだって。
罰なら、わたしに当たればいいのにね。
あ、脅迫を受けたか。
でも結局、実害なしだったけど。
逆に、若いツバメが手に入っちゃって」
「それでいいの?
このまま別れて」
「この年で修羅場は御免だわ。
熨斗付けて返してあげます、奥さんに。
これまでだって、独占してたわけじゃないけどね」
「いいじゃない。
代わりにぼくがいるんだから」
「ほほ。
ずいぶん言うようになったわね。
大した成長よ」
「あなたのおかげで、一気に大人になった気がする」
「そうね。
これがほんとの育ての親だわ。
あら、もう開いちゃったわね。
そうだ。
改めて乾杯しましょ。
シャンパンがあるの。
グラスちょうだい。
替えるから」
「このままでいいよ。
洗い物が増えるだけじゃない」
「ふふ。
やっぱり、独り身の癖が抜けてないわね。
食洗機だから、グラスの1個や2個、関係ないわよ」
女性は、グラスを持ってテーブルを立った。
「少し涼しくなったかしら」
片手で肩を摩った。
「何か羽織るなんて言わないでよ。
せっかくの裸のパーティーなんだから。
エアコン、上げてくる」
男は、一続きのリビングにあるローテーブルに向かった。
エアコンのリモコンが、新聞の上に載っていた。
拾いあげ、設定温度を上げる。
駆動音が止まった。
コメント一覧
-
––––––
1. Mikiko- 2020/09/28 06:20
-
今日は何の日
毎月28日は、『にわとりの日』。
日本養鶏協会などの養鶏関係者が、1978(昭和53)年に制定。
日付は、「に(2)わ(8)とり⇒鶏」と読む語呂合わせから。
鶏肉や鶏卵の消費拡大が目的。
記念日の名称として、「ニワトリの日」や「鶏の日」などの表記も見られます。
また、2月8日も同様の語呂合わせから「にわとりの日」となってますが……。
こちらは、トリゼンフーズ㈱が制定した記念日です。
毎月28日の「にわとりの日」には……。
ケンタッキーフライドチキン(KFC)が、「とりの日パック」を限定販売してます。
カーネル秘伝の11スパイスを使用した「オリジナルチキン」と「ナゲット」が入り、お得なパックとなってます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/101289.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、「日本養鶏協会について」を引用させていただきます。
『(社)日本養鶏協会(Japan Poultry Association)⇒http://www.jpa.or.jp//東京都中央区新川』は、1948(昭和23)年に設立された非営利団体です。
同協会は、国民の食生活の向上と養鶏産業の健全な発展を目指し……。
養鶏生産物の需給の安定、消費の促進、養鶏に関する情報の収集・提供など、様々な活動を行ってます。
以上、引用終わり。
続きは次のコメントで。
-
––––––
2. Mikiko- 2020/09/28 06:20
-
今日は何の日(つづき)
先日、久しぶりに、鳥鍋を食べました。
わたしが好きなのは、やっぱり皮ですね。
ぷるぷる。
コラーゲン、摂取してるなぁという実感がありました。
鶏肉は滅多に食べないですが、鶏卵は毎朝食べてます。
食べない日はないですね。
お正月くらいかな。
でも、お節にも入ってますよね。
先週の4連休の終わりの日。
曇ってて風もなく、気温もほどよかったので……。
ちょっと長めの自転車散歩に行って来ました。
2時間弱。
いつもは街中を走るのですが……。
この日は、農村地帯にまで、足(ペダル?)を伸ばしてみました。
コシヒカリの刈り入れは、もうあらかた終わってて……。
田んぼには、太い稲の束がたくさん立ってました。
田んぼの向こうに、細長い屋根の養鶏場が見えました。
最初は、養豚場かと思いましたが……。
臭いがほとんどしません。
近づくと、鶏の鳴き声が聞こえました。
続きはさらに次のコメントで。
-
––––––
3. Mikiko- 2020/09/28 06:20
-
今日は何の日(つづきのつづき)
とてものどかな風景だったのですが……。
気になるものも見ました。
まだ刈り入れの済んでない田んぼが、ところどころにあったんです。
で、その脇を走ると、田んぼの中は雑草がぼうぼう。
稲より背の高い、猫じゃらしみたいな房を付ける雑草が、一面に生えてます。
雑草を取る作業、一切しなかったようです。
あのままでコンバインに掛けても、稲だけ選別出来るんですかね?
もし、作業に支障がないなら……。
ほかの田んぼでも、雑草取りはしないはずです。
耕作者が高齢だとしたら……。
この猛暑の夏の雑草取りは、難しかったのかも。
ここらは、農家の屋敷と田んぼが、離れたところにあるんです。
田んぼのあるところは、昔「地図にない湖」と呼ばれた地帯。
低湿地で、舟に乗って農作業をしてました。
当然、家はそんなところに建てられません。
家は、近くの砂丘の上にあるんです。
ものすごく昔から人の住んでた場所です。
なにしろ、縄文時代の遺跡が出るんですから。
数千年前からですよ。
でもその長い人類の歴史が……。
そう遠くない将来、途絶えるのではないか。
雑草だらけの田んぼの中を走りながら……。
ふと、そんな不安を感じてしまいました。
-
––––––
4. 手羽崎 鶏造- 2020/09/28 09:31
-
へえ、今日はワタシの日なんだ。
-
––––––
5. 手羽崎 鶏造- 2020/09/28 11:24
-
本篇より。
「若いツバメ」 なりたかった。
年上のご婦人に餌付けされて、尽くしたかった
ですね。
痩せぎすであった体型とナニの短小コンプレックス
が、そうさせませんでした。
あなたの液はトロッと美味しいわと或る奥さまから
指摘されたことで勇気が付いたと思います。
-
––––––
6. Mikiko- 2020/09/28 18:08
-
今夜は……
焼き鳥屋で、共食いなどいかがですか。
↓goo辞書より。
+++
【若い燕】
年上の女性の愛人になっている若い男。
[補説]奥村博史が平塚らいてうに送った手紙の中で、年下の自分自身を「若い燕」と書いたところからという。
+++
なぜ燕かというと……。
もともと、燕の夫婦は仲睦まじいという共通認識が、日本人にはあったからのようです。