2020.9.18(金)
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翌々日。
男は夜を待った。
その日は、花屋の営業日だった。
営業が終わるのは、18:30。
惣菜を買って帰るから、夕食を食べずに、19:30分に来てくれとのことだった。
男はこの日も、部屋で仕事をしていた。
ときおり窓から、向かいのマンションを眺めたが……。
もちろん女性の部屋には、カーテンが引かれたままだった。
19:25。
男は部屋を出た。
女性のマンションまでは、直線距離で100メートルくらいだ。
どんなにゆっくり歩いても、5分でもお釣りが来る。
マンションのエントランスの階段前で腕時計を見た。
19:28だった。
もういいだろう。
男は、歩道に誰の姿もないことを確認し、階段を上った。
納骨堂めいたエントランスホールを進む。
奥にはもうひとつガラス扉があり、その前に演台のようなものが据えてある。
インターホンだった。
これで住人に連絡を取り、扉を解錠してもらうのだ。
インターホンのテンキーに、女性の部屋番号を打ちこむ。
『はい』
「早かったかな?」
『大丈夫』
施錠が外れるらしい音がした。
ガラス扉の前に立つ。
扉は、あっけなく開いた。
男は扉を潜った。
なぜか、真水と海水の堺を越えたような気がした。
機械油の匂うエレベーターで女性の住む階に昇り、部屋の扉前に立つ。
扉の脇にも、インターホンが設置されていた。
カメラが付いている。
呼び出しボタンを押す。
『誰にも会わなかった?』
「大丈夫」
『入って』
リモコンなのだろう、すぐに解錠音が響いた。
ドアノブが冷たかった。
おそらく、自分の手が熱いのだろう。
翌々日。
男は夜を待った。
その日は、花屋の営業日だった。
営業が終わるのは、18:30。
惣菜を買って帰るから、夕食を食べずに、19:30分に来てくれとのことだった。
男はこの日も、部屋で仕事をしていた。
ときおり窓から、向かいのマンションを眺めたが……。
もちろん女性の部屋には、カーテンが引かれたままだった。
19:25。
男は部屋を出た。
女性のマンションまでは、直線距離で100メートルくらいだ。
どんなにゆっくり歩いても、5分でもお釣りが来る。
マンションのエントランスの階段前で腕時計を見た。
19:28だった。
もういいだろう。
男は、歩道に誰の姿もないことを確認し、階段を上った。
納骨堂めいたエントランスホールを進む。
奥にはもうひとつガラス扉があり、その前に演台のようなものが据えてある。
インターホンだった。
これで住人に連絡を取り、扉を解錠してもらうのだ。
インターホンのテンキーに、女性の部屋番号を打ちこむ。
『はい』
「早かったかな?」
『大丈夫』
施錠が外れるらしい音がした。
ガラス扉の前に立つ。
扉は、あっけなく開いた。
男は扉を潜った。
なぜか、真水と海水の堺を越えたような気がした。
機械油の匂うエレベーターで女性の住む階に昇り、部屋の扉前に立つ。
扉の脇にも、インターホンが設置されていた。
カメラが付いている。
呼び出しボタンを押す。
『誰にも会わなかった?』
「大丈夫」
『入って』
リモコンなのだろう、すぐに解錠音が響いた。
ドアノブが冷たかった。
おそらく、自分の手が熱いのだろう。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2020/09/18 05:58
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今日は何の日
9月18日は、『シュライヒ・フィギュアの日』。
動物フィギュアのメーカーであるドイツの『シュライヒ社(Schleich)』。
その日本法人である『シュライヒジャパン㈱(https://www.schleich-s.com/ja/JP/)』が制定。
日付は、シュライヒ社が設立された1935(昭和10)年9月18日から(今から85年前)。
シュライヒ社は、本物そっくりの動物フィギュアを作るメーカーとして、世界的にその名を知られてます。
リアルで高品質な動物フィギュアは、子ども達には想像力を育む玩具として……。
大人にはコレクションしたり飾ったり写真に収めたりと、様々なシーンで楽しむことができます。
そんな同社の動物フィギュアを、より多くの人に知ってもらうことが目的。
記念日は、2020(令和2)年、『(社)日本記念日協会(https://www.kinenbi.gr.jp/)』により認定、登録されました。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/109187.html)のページから転載させていただきました。
さらに同じページから、引用を続けさせていただきます。
今日でも、フィギュアやプレイワールドのデザイン、制作ツールの製造、品質や安全性テストの全てはドイツ国内で行われます。
制作は、ドイツ本社およびその他の国の製造施設で行われ……。
アメリカやカナダ、イギリス、フランス、イタリア、ブラジル、シンガポール、日本など、50ヵ国以上で販売されてます。
同社の使命は、動物やその生息環境への理解を促すことです。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2020/09/18 05:58
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今日は何の日(つづき)
引用を続けます。
細部まで本物に近づけることにこだわり、手作業で色づけしたフィギュアを通じて価値ある遊びを体験し……。
自然について、楽しく学ぶことができます。
子どもの成長と想像力を長く育てていくため……。
シュライヒ社では、6つの世界と600以上のフィギュアを展開してます。
自由に遊べるフィギュアと想像力をかきたてる世界は、年齢に関係なく楽しむことができます。
以上、引用終わり。
寡聞にして、こういうメーカーがあることを知りませんでした。
日本でも、昔から販売されてたんですかね?
でも、わたしの身の回りで、これを持ってる子はいなかったと思います。
わたしも動物のオモチャは持ってましたが、ソフビのデフォルメされたものでした。
それとは、まったく別物ですね。
むしろ、大人がほしくなると思います。
わたしもほしくなりましたから。
動物のほかに、恐竜もあるようです。
↓でも、楽天で見てみたら、いいお値段なのでびっくり。
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%92/
ちょっと子供に与えて、囓らせたりする気にはなりません。
今、サブのモニターの下に、トリケラトプスのフィギュアがあります。
↓「単独旅行記Ⅲ」で行った、『国立科学博物館』のお土産です。
https://livedoor.blogimg.jp/mikikosroom2008/imgs/e/a/ea434606.jpg
↑帰りの新幹線車中で撮りました。
2016年のことでした。
あれからもう、4年も経ったんですね。
『国立科学博物館』は、これまで行った中で、『江戸東京博物館』と双璧で面白かったです。
また行ってみたいです。
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3. 手羽崎 鶏造- 2020/09/19 03:30
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本篇に関連して。
エッチ目的で、女性のひとり部屋を訪ねたのは
学生時代、筆おろしの相手M子と今の妻
C子ぐらいかな。
それ以降は無いですね。(マジメっ!)
奥さんとは旦那の居ない自宅で
やる度胸というか条件は無いです。
大抵はCarSexかラブホ。
手料理ご馳走するからと定年退職されて
地方に戻られた職場の先輩女史の部屋に
一人招かれたことはあります。その方、エッチな
下心は無く、またBedに誘惑されてもなあと
思っていました。
結果、何もありませんでしたが。
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4. Mikiko- 2020/09/19 06:32
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それは……
手を出さなかったのは、失礼にあたるのでは?
そういうの、据え膳って云うんじゃないですか?
実際、手料理も並んでたわけだし。
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5. 手羽崎 鶏造- 2020/09/20 05:59
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はい。今、思えば無礼な真似であったかも
しれません。
「お風呂も沸かしてあるのよ。あっ(ビジネス)
ホテルだからお風呂入れるか」
ってお決まりの台詞も頂戴しましたっけ。
オトコの汚いカラダ嫌だからそうおっしゃる
のですよね。
浄めてから相手してあげるの意味なんでしょう。
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6. Mikiko- 2020/09/20 06:20
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お風呂をいただいてたら……
後から入って来てくれたかも知れませんぞ。
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7. 手羽崎 鶏造- 2020/09/20 10:52
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はい その通りだと思います。
もし、願望が叶わず入って来て
くれないなら、「背中流してくれませんか」と
思いきって声を掛けたと思います。
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8. Mikiko- 2020/09/20 11:52
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そういうのを……
“After Carnival(後の祭り)”と云います。