2019.12.29(日)
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美弥子から、万里亜と女教授が会うことになったとの連絡を受けた。
一緒に立ち合ってほしいと言う。
場所は、女教授に呼び出された個室レストランだった。
当然だろう。
女教授としては、自分のテリトリーで話がしたいはずだ。
面会時間は、昼前だった。
万里亜は午後からスタジオがあるので仕方がない。
1限だけ受けて、美弥子とレストランに向かった。
後期が始まってから、いっこうに授業に身が入らない。
しかし、もし今回の案件が悪い方向に展開すれば……。
授業どころか、学校にも行けなくなるのだ。
とにかく、事を収めるためには労を惜しむわけにはいかない。
レストラン前に着いたが、面会時間にはまだ間があった。
面会時間に合わせて来たわけではなく……。
1限が終わって真っ直ぐ向かったので、時間が空いてしまったのだ。
途中、寄り道をする気にもなれなかった。
「万里亜さんは?」
「直接、来るって。
スマホに場所、教えておいた」
「どうする?
表通りまで戻って、喫茶店でも探す?」
「そうね……」
表通りへと歩み出そうとしたとき、女性がひとり、小路へ入って来た。
万里亜かと思ったが……。
違っていた。
しかし、見覚えのある顔だった。
前回、レストランで迎えてくれた女性だ。
いや。
それ以前に、女教授の店の舞台に立っていた女性だった。
この日も、上下とも、真っ黒な出で立ちだ。
下は、ダンス用のようなブーツカットのパンツ。
しかしこの日は、黒い短いスカートを腰に巻いていた。
外出時のスタイルなのだろうか。
腕からレジ袋を下げている。
食材でも買いに出たのかも知れない。
「少し早いお着きですね」
「すみません。
時間潰して来ます」
「あ、いいですよ。
どうぞ、お入り下さい。
先生は、もういらしてますから」
美弥子から、万里亜と女教授が会うことになったとの連絡を受けた。
一緒に立ち合ってほしいと言う。
場所は、女教授に呼び出された個室レストランだった。
当然だろう。
女教授としては、自分のテリトリーで話がしたいはずだ。
面会時間は、昼前だった。
万里亜は午後からスタジオがあるので仕方がない。
1限だけ受けて、美弥子とレストランに向かった。
後期が始まってから、いっこうに授業に身が入らない。
しかし、もし今回の案件が悪い方向に展開すれば……。
授業どころか、学校にも行けなくなるのだ。
とにかく、事を収めるためには労を惜しむわけにはいかない。
レストラン前に着いたが、面会時間にはまだ間があった。
面会時間に合わせて来たわけではなく……。
1限が終わって真っ直ぐ向かったので、時間が空いてしまったのだ。
途中、寄り道をする気にもなれなかった。
「万里亜さんは?」
「直接、来るって。
スマホに場所、教えておいた」
「どうする?
表通りまで戻って、喫茶店でも探す?」
「そうね……」
表通りへと歩み出そうとしたとき、女性がひとり、小路へ入って来た。
万里亜かと思ったが……。
違っていた。
しかし、見覚えのある顔だった。
前回、レストランで迎えてくれた女性だ。
いや。
それ以前に、女教授の店の舞台に立っていた女性だった。
この日も、上下とも、真っ黒な出で立ちだ。
下は、ダンス用のようなブーツカットのパンツ。
しかしこの日は、黒い短いスカートを腰に巻いていた。
外出時のスタイルなのだろうか。
腕からレジ袋を下げている。
食材でも買いに出たのかも知れない。
「少し早いお着きですね」
「すみません。
時間潰して来ます」
「あ、いいですよ。
どうぞ、お入り下さい。
先生は、もういらしてますから」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2019/12/29 06:50
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今日は何の日
12月29日は、『シャンソンの日』。
1990(平成2)年12月29日(今から29年前)……。
銀座にあったシャンソン喫茶店の老舗「銀巴里(ぎんパリ)」が閉店しました。
1951(昭和26)年、日本初のシャンソン喫茶店として開店したこの店は……。
戦後のシャンソンブームを支え、数々の名曲を生み出しました。
最後のショーは、「銀巴里」で数多くのステージを重ねてきた美輪明宏が行ったそうです。
「銀巴里」は、シャンソンを映画程度の料金で聞いてもらいたいと、消費税も取らず、コーヒー付き1.800円で頑張ってきましたが……。
地価高騰には勝てませんでした。
現在、跡地の銀座七丁目9番11号付近に石碑が立ってます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/112292.html)のページから転載させていただきました。
上記の記述で気になるところは……。
「消費税も取らず」です。
業者の意思で、消費税の「取る、取らない」を決めることは出来ません。
これはおそらく、消費税導入の際、消費税分の値上げをしなかったということでしょう。
といって、「消費税を取らない」ということにはなりません。
1,800円の中に消費税が含まれるということになるのです。
すなわち本体価格が、実質的に値下げとなったわけです。
ま、そういう点では、頑張られたということですね。
でも、お客さんの中には、閉店されるよりは……。
もう少し取ってもらっても良かったという方もおられるのでは?
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2019/12/29 06:50
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今日は何の日(つづき)
もうひとつ、「地価高騰には勝てませんでした」という点。
貸店舗で、家賃の値上げを求められてたんでしょうかね。
でも、自前の店舗でも、地価が上がれば……。
固定資産税が上がります。
この可能性もありますね。
奇しくも、閉店した1990(平成2)年というのは……。
バブルの絶頂期ですからね。
銀座以外への移転は考えられなかったんでしょうか。
あ、そうか。
自前の店舗なら、売り払って、安い土地に移転すればいいだけです。
当時の銀座の店を売れば、1,800円を守り続けられたんじゃないでしょうか。
やっぱり、貸店舗だったんでしょうね。
自前だったら、客のほとんどが地上げ屋だったかも。
さて、上記のページから、もう少し引用を続けさせていただきます。
「東の『銀巴里』、西の『ラ・ベル・エポック』」とも呼ばれました。
武蔵野市吉祥寺にあった「ラ・ベル・エポック」は、1974(昭和49)年に開店し……。
2009(平成21)年10月31日に閉店してます。
「銀巴里」を題材とした音楽作品には……。
美輪明宏『いとしの銀巴里』、野坂昭如『銀巴里物語』、なかにし礼『さらば銀巴里』があります。
引用終わり。
野坂昭如の『銀巴里物語』は、小説ではなく、曲のようです。
野坂昭如は、『おもちゃのチャチャチャ』の作詞家としても有名です。
さて、わたしとシャンソン。
ほんの一時期、マイブームがありました。
東京にいたころですね。
通勤時、ウォークマンで聴いてました。
よく聴いたのは、『白いリラの咲く頃』。
名前は忘れましたが、フランスの男性歌手が歌ってました。
甘ったるいフランス語が、とても似合う曲でした。
この歌、日本に渡り、『すみれの花咲く頃』としてカバーされました。
宝塚歌劇団のテーマ曲ですね。