2019.12.22(日)
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翌日、1限目をサボった2人は、キャンパスのベンチで落ち合った。
「お金は、貸せるって」
「ウソ。
500万だよ。
そんなお金、普通、学生に貸せる?
どういう人なの?
お父さん、貿易商とか言ってたよね。
密輸とかしてる人?
わたしたち、外国に売られるんじゃないの?」
「違うわよ。
全然」
「じゃ、話してよ」
「わかった。
実は、条件があったの」
「当然よね。
500万なんだから。
まさか……。
腎臓を売るとか?」
「どうしてそう、ヘンな発想ばっかりするのよ」
「だって、あり得ないもの。
学生に500万なんて。
早く聞かせてって、その条件」
「由美に会いたいって。
貸せる人物か見たいんだって」
至極、もっともな話だ。
顔も見ないで、250万も貸せるはずがない。
「今日の夕方、時間が取れるそうなんだけど……。
行ける?」
「遠いの?」
「ううん。
S駅の近く」
授業はまったく身に入らなかったが……。
今、ほかに出来ることはなかった。
焦れる思いで、終限を待った。
校門前で美弥子と落ち合い、S駅に向かう。
吊革に掴まりながら、2人とも無言だった。
目的地でのことは、車内で話せる内容ではない。
かといって、別の話をする気にもなれなかった。
S駅を降り、美弥子に導かれるままに歩むと、道路は次第に狭くなった。
あたりは、雑居ビルが建ち並ぶ、昭和に迷いこんだような界隈に変わった。
今、ひとりにされたら、駅に戻れないかも知れない。
消費者金融の看板がやたらと目立つ。
やはり、そうした知り合いなのだろうか。
美弥子の足が止まった。
足元には、まだ点灯していないが、電飾に縁取られた看板があった。
マッサージの店と描かれてあったが……。
明らかに、怪しげな雰囲気だった。
「美弥ちゃん……。
ここなの?」
「そっちじゃないわよ!
こっち」
翌日、1限目をサボった2人は、キャンパスのベンチで落ち合った。
「お金は、貸せるって」
「ウソ。
500万だよ。
そんなお金、普通、学生に貸せる?
どういう人なの?
お父さん、貿易商とか言ってたよね。
密輸とかしてる人?
わたしたち、外国に売られるんじゃないの?」
「違うわよ。
全然」
「じゃ、話してよ」
「わかった。
実は、条件があったの」
「当然よね。
500万なんだから。
まさか……。
腎臓を売るとか?」
「どうしてそう、ヘンな発想ばっかりするのよ」
「だって、あり得ないもの。
学生に500万なんて。
早く聞かせてって、その条件」
「由美に会いたいって。
貸せる人物か見たいんだって」
至極、もっともな話だ。
顔も見ないで、250万も貸せるはずがない。
「今日の夕方、時間が取れるそうなんだけど……。
行ける?」
「遠いの?」
「ううん。
S駅の近く」
授業はまったく身に入らなかったが……。
今、ほかに出来ることはなかった。
焦れる思いで、終限を待った。
校門前で美弥子と落ち合い、S駅に向かう。
吊革に掴まりながら、2人とも無言だった。
目的地でのことは、車内で話せる内容ではない。
かといって、別の話をする気にもなれなかった。
S駅を降り、美弥子に導かれるままに歩むと、道路は次第に狭くなった。
あたりは、雑居ビルが建ち並ぶ、昭和に迷いこんだような界隈に変わった。
今、ひとりにされたら、駅に戻れないかも知れない。
消費者金融の看板がやたらと目立つ。
やはり、そうした知り合いなのだろうか。
美弥子の足が止まった。
足元には、まだ点灯していないが、電飾に縁取られた看板があった。
マッサージの店と描かれてあったが……。
明らかに、怪しげな雰囲気だった。
「美弥ちゃん……。
ここなの?」
「そっちじゃないわよ!
こっち」
コメント一覧
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1. Mikiko- 2019/12/22 06:34
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今日は何の日
2019年12月22日は、『冬至』。
『冬至(とうじ)』は、二十四節気の一つで、第22番目にあたります。
え?
最後じゃないの?
そうお思いの諸兄。
二十四節気の1番目は、「立春」なんです。
旧暦で、最初の節気と云うこと。
なので、新暦では1月の「小寒」「大寒」が、それぞれ23,24番目になります。
『冬至』は、英語では「winter solstice」。
現在広まっている定気法では、太陽黄経が270度のときで12月22日ごろ。
来年は閏年の影響で、12月21日になります。
「大雪(たいせつ/12月7日ごろ)」と「小寒(しょうかん/1月6日ごろ)」の中間。
期間としての意味もあり……。
その場合、この日から、次の節気の「小寒」の前日までを云います。
西洋占星術では、「冬至」が「磨羯宮(やぎ座)」の始まり。
北半球では、太陽の高さが一年で最も低くなる日。
そのため、一年中で最も昼(日の出から日没まで)が短くなり、夜が最も長くなります。
『暦便覧』では、「日南の限りを行て、日の短きの至りなれば也」と説明してます。
この日にゆず湯に入り、かぼちゃを食べると風邪を引かないと言われてます。
ゆず湯に入る習慣は江戸時代からあり、この日にゆず湯を用意する銭湯もあります。
また、「体の砂払い」と称し、体内の悪いものを掃除するというコンニャクを食べる風習などがあります。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/112220.html)のページから転載させていただきました。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2019/12/22 06:35
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今日は何の日(つづき)
さて。
ついに来ましたね。
『冬至』です。
素晴らしい響きです。
ちょっと前まで、わたしはこの日を冬の始まりと決めてました。
とんでもない話ですね。
それじゃ、これから3ヶ月も冬じゃないですか。
あり得ないです。
冬の始まりはやっぱり、『立冬』です。
今年(2019年)は、11月8日でした。
この日から、冬なんです。
終わりはもちろん、『立春』の前日。
来年(2020年)は、2月3日。
もちろんこの日は、『節分』でもあります。
コンビニ業界に踊らされてる感もありますが……。
わたしはあえて、冬の終わりを祝って、「恵方巻」を食べたいと思います。
来年は残念ながら、月曜日にあたってしまいます。
今年は、日曜日だったんですけどね。
よし。
休みます。
2月3日は休日!
冬の終わりは、祝わなければなりません。
さて。
11月8日の『立冬』が冬の始まり。
2月3日の『立春』の前日(『節分』)が冬の終わり。
となると、本日、12月22日の『冬至』は……。
ちょうど、冬の真ん中にあたります。
冬、もう半分終わったんですよ。
嬉しいですね。
祝わなければなりませんね。
もちろん、柚子湯です。
しかもこの柚子は、自家製です。
わが家の庭には、柚子の木が1本あります。
今年は、20個以上実ってます。
薬剤散布も袋掛けもしてないので……。
見た目はあまり綺麗じゃありません。
でも、自家製無農薬というのは、何よりの魅力。
今日は、そのうちの何個か採って、柚子湯にします。
残りは、毎週、1個ずつ収穫し……。
昼酒の焼酎の割り材にしたいと思います。
柚子の実がなくなったころには、正真正銘の春が来ます。
楽しみじゃ!
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3. 手羽崎 鶏造- 2019/12/22 19:43
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寒さはこれからが本番ですが、
いよいよ、日が長くなっていきますね。
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4. Mikiko- 2019/12/23 06:32
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実は、日暮れが一番早いのは……
新潟では、12月7日なんです。
約2週間後の冬至では、もう4分2秒遅くなってます。
でも、日の出の時間が、これからさらに遅くなるのです。
一番遅いのは、1月5日。
そのバランスにより、冬至の昼の時間が一番短くなるわけです。
でも、今日はもう、昨日より3秒、昼が長くなります。
わずか3秒、されど3秒。
嬉しいじゃありませんか。