2019.11.6(水)
「聖書の一節に、キリストのこんな言葉があるわ。
『情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである』
おわかり?
考えるだけで罪なの。
ましてや、勃起させるなんて論外よ」
「美弥子さん、助けて!」
「残念ながら……。
美弥子さんはわたしと同じ、ミッション系の高校の出身です。
キリストの言葉は、しっかり習ってます。
ね?」
キリストの言葉は習ったが……。
『情欲』の一節は、授業では出てこなかったと思う。
いや。
そんなことはどうでもいい。
千葉でのこの薫は、痴漢で嘘つきだった。
助ける謂われはない。
しかし、この仕打ちはあまりにも気の毒な気がする。
「美弥子さん。
彼を助けたい?」
「あ、あの」
「微妙ね。
でもどうやら、あなたの若い恋人ってわけじゃなさそうね。
ふーん。
だけどあなた、今、スタジオに入ってきて……。
すぐにこの子の裸を見たわよね。
絶対、初めて見たんじゃないって顔してたのよ。
いったい、どういう関係なのかしら?」
相変わらず、空恐ろしくなるほどの勘だ。
実際、千葉の痴漢事件で、薫は全裸に剥かれ、物干しのポールに縛られた。
もちろん、陰茎も目にしている。
それどころじゃない。
その後、射精するところまで見ていた。
「ま、いいわ。
ぼく?
えーと、薫くんだっけ。
美弥子さんは、わたしのアシスタントなの。
おわかり?
あなたを助けるわけないのよ。
大丈夫。
命まで取ろうってんじゃないから。
あなたくらいの美貌なら……。
お尻を貸すだけで、貢いでくるオヤジ、いくらでもいるわ。
食べるのに苦労しないわよ。
そのための、記念すべき最初の一歩ね」
美弥子は胸苦しくなった。
目の前で、男が犯されようとしている。
しかも、知り合いだ。
しかし、痴漢で嘘つき。
助ける謂われはない。
だが、薫にしてみれば……。
ここで縋れるのは、美弥子だけなのだ。
それを思うと、少し憐れになった。
『情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである』
おわかり?
考えるだけで罪なの。
ましてや、勃起させるなんて論外よ」
「美弥子さん、助けて!」
「残念ながら……。
美弥子さんはわたしと同じ、ミッション系の高校の出身です。
キリストの言葉は、しっかり習ってます。
ね?」
キリストの言葉は習ったが……。
『情欲』の一節は、授業では出てこなかったと思う。
いや。
そんなことはどうでもいい。
千葉でのこの薫は、痴漢で嘘つきだった。
助ける謂われはない。
しかし、この仕打ちはあまりにも気の毒な気がする。
「美弥子さん。
彼を助けたい?」
「あ、あの」
「微妙ね。
でもどうやら、あなたの若い恋人ってわけじゃなさそうね。
ふーん。
だけどあなた、今、スタジオに入ってきて……。
すぐにこの子の裸を見たわよね。
絶対、初めて見たんじゃないって顔してたのよ。
いったい、どういう関係なのかしら?」
相変わらず、空恐ろしくなるほどの勘だ。
実際、千葉の痴漢事件で、薫は全裸に剥かれ、物干しのポールに縛られた。
もちろん、陰茎も目にしている。
それどころじゃない。
その後、射精するところまで見ていた。
「ま、いいわ。
ぼく?
えーと、薫くんだっけ。
美弥子さんは、わたしのアシスタントなの。
おわかり?
あなたを助けるわけないのよ。
大丈夫。
命まで取ろうってんじゃないから。
あなたくらいの美貌なら……。
お尻を貸すだけで、貢いでくるオヤジ、いくらでもいるわ。
食べるのに苦労しないわよ。
そのための、記念すべき最初の一歩ね」
美弥子は胸苦しくなった。
目の前で、男が犯されようとしている。
しかも、知り合いだ。
しかし、痴漢で嘘つき。
助ける謂われはない。
だが、薫にしてみれば……。
ここで縋れるのは、美弥子だけなのだ。
それを思うと、少し憐れになった。
コメント一覧
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1. Mikiko- 2019/11/06 05:59
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今日は何の日
11月6日は、『お見合い記念日』。
1947(昭和22)年11月6日(今から72年前)……。
東京の多摩川河畔で、集団お見合いが開催されました。
結婚紹介雑誌『希望』が主催したもので……。
戦争のため婚期を逃した、20~50歳の男女386人が参加しました。
会場で相手を探し、終了後、最高3人までの身上書を申し込むという仕組みでした。
上記の記述は、こちら(https://www2.nhk.or.jp/archives/today/?1106)のページから転載させていただきました。
↓NHKの『きょうの蔵出しNHK』で、集団お見合いの映像が見られます。
https://www2.nhk.or.jp/archives/today/?1106
このニュース映像は、1948(昭和23)年のもののようです。
しかし、集団お見合いの横断幕には、「第3回」とあります。
ということは、この中間に、「第2回」も行われていたのでしょう。
理由は、映像からはっきりわかります。
大盛況だからです。
異様なほどです。
その前のシーンで、結婚紹介所の様子も出て来ましたが……。
ここも大混雑。
玄関前が、靴や草履で埋まってました。
ひとりひとり相手にしていては捌き切れないので……。
「集団お見合い」を、思いついたんじゃないでしょうか。
これじゃ、ベビーブームが来るはずだわ。
しかし、当時の女性って、普段着が着物だったんですね。
続きは次のコメントで。
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2. Mikiko- 2019/11/06 05:59
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今日は何の日(つづき)
さて。
わたしとお見合い。
1度も経験ありません。
以上。
もう一題、行きます。
11月6日は、『アパート記念日』。
1910(明治43)年11月6日(今から109年前)……。
東京の上野に、日本初の木造アパートが完成しました。
アパートは「上野倶楽部」という名前で、洋風の外観を持つ5階建て70室の賃貸アパートでした。
上野公園に隣接しており、洗面所、浴槽、電話は共同で、入浴時には居住者が実費を負担しました。
実際に住んでた人たちの職業は、公務員や会社員、教師が主でした。
独身者はおらず、日本人だけではなくロシア人やフランス人などの外国人も住んでました。
また、詩人の西條八十(1892~1970)は、ここで童謡『かなりあ』を作詞したと言われてます。
上記の記述は、こちら(https://zatsuneta.com/archives/111063.html)のページから転載させていただきました。
↓「上野倶楽部」の映ってる写真。
https://www.img-asp.jp/cms/137036_2_918_2000_1.jpg?t=1544684452
ボートの浮かぶ不忍池です。
池畔右上の白い建物が、「上野倶楽部」。
続きはさらに次のコメントで。
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3. Mikiko- 2019/11/06 05:59
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今日は何の日(つづきのつづき)
1931(昭和6年)6月の写真ですから……。
建ってから、20年半。
木造5階建てだそうです。
70室と云うことは、ひとつの階に14室あったわけです。
それにしては、こぢんまりしてます。
あ、水回りが共同だったからか。
間取りは、6畳もしくは4畳半のダイニングに2畳のキッチンが付く、1DKのみ。
各階の構造は、中央を走る廊下を挟んで各戸が並ぶ造り。
洗面とトイレ(当然、汲み取り)が各階で共有。
浴室は、共有のものが1階に2か所。
これは、男女別だったんですかね?
しかし、1DK。
「独身者はおらず」なんですよね。
今の感覚からすると、とても狭いですが……。
昔は、そうは感じなかったようです。
というのも、東京は、江戸時代から続く長屋の町。
4畳半の居間に1畳半の土間(台所)というのが、典型的な長屋の規格だったそうです。
「上野倶楽部」の方が、一回り大きいと云うことになります。
賃料は、周辺相場の2倍。
入居時には、3か月分の敷金と1人以上の保証人が必要だったとか。
ということで、大正期にはもう、入居率が50%を切るようになったそうです。
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4. 手羽崎 鶏造- 2019/11/07 10:52
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話は変わって。
今年の流行語大賞候補を見たのですが、
アレッ、「身の丈」が見当たりません。
政権批判の言葉が多いと、官邸あたりから
揶揄されるもので、忖度してしまったのでしょうか。
この日のニュースに、サッカー日本代表の
新ユニフォームが、迷彩柄?で登場。
誰も何とも思わないのかしら。
ワタシはスキではありません。
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5. Mikiko- 2019/11/07 19:10
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荻生田氏には……
ちと恨みがあります。
今春、幹事長代行時代、消費税増税延期を臭わせたんです。
わたしはすっかり真に受けて……。
10月になるまで、経理処理用のEXCELシートの改良を先送りしてしまいました。
おかげで、今、てんてこ舞いです。
日本代表ユニフォーム、わたしも驚きました。
これは違うでしょって感じですよね。
シンプルなブルーに戻してもらいたいです。